- プライミング効果は販促に役立つ?
- ビジネスに有効な心理テクニックはある?
- そもそもプライミング効果って何?
このような疑問を抱えている方も多いでしょう。
プライミング効果とは、「人が最初に見たものから刺激を受け、無自覚なまま行動を起こす」ことを示した心理効果の名称です。
一般的には「人は意識的に物事を判断し、行動している」と思われるもの。しかし顕在意識が働かないところで意思が決定されることがあるのです。
プライミング効果はマーケティングから思考形成まで、あらゆるビジネスシーンに活用できます。顧客の潜在意識に潜り込むことで、商品を直接売り込むことなくアピールできるのです。
この記事では、プライミング効果の意味を解説。ビジネスシーンに活用する方法も紹介します。
「商品が思ったように売れない」
「顧客の購買意欲を高めたい」
と考える経営者の方は、ぜひ最後まで読み進めることをおすすめします。この記事が、御社の収益アップの糸口になれば幸いです。
プライミング効果とは「刺激による無意識な行動」
プライミング効果とは、先に受けた刺激がその後の判断、行動に影響を与えることを指す心理的効果を指します。
人は誰しも、無意識のうちに行動を起こすことがあります。しかし本人は無自覚のため、それをプライミング効果だと意識していることはほとんどありません。
たとえば帰宅中、どこからか漂ってきたカレーの匂いを嗅いだとします。その後「夕飯にカレーを食べる」という行動を取った経験はないでしょうか。
このように最初に得た刺激によって本人の意識とは関係なく判断、行動する心理効果がプライミング効果です。
プライミング効果の要素
プライミング効果は、以下2つの要素によって生じます。
- 先行する刺激:プライマー
- 後続する刺激:ターゲット
人は刺激(プライマー)を受けることで、特定の概念が活性化します。関連する情報(ターゲット)を連想しやすくなるのです。
先に与えられた要素が刺激となり、後続する刺激を誘発するという人の心理がプライミング効果です。
プライミング効果と類似したアンカリング効果|刺激の要素が数字
プライミング効果とよく似た心理効果に、アンカリング効果があります。アンカリング効果とは、先に見た数字が後に見た数字に影響を与える心理効果のことです。
たとえば、車のWeb広告を見たとき。「800万円」という価格を見た後に、「300万円」の広告が現れると「安い」と感じませんか?
安価な金額とは言いがたいにもかかわらず、最初に見た数字が記憶に残り、安く感じる心理効果がアンカリング効果です。
ビジネスに役立つ心理学は、プライミング効果やアンカリング効果の他にも複数あります。セールス、マーケティングに活用できる心理学に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
プライミング効果の種類は2つ
プライミング効果には、2つの種類があります。
- 直接プライミング効果
- 間接プライミング効果
2つの違いをくわしく見ていきましょう。
直接プライミング効果|先行刺激と後続刺激が同じもの
直接プライミングは、先行刺激(プライマー)と後続刺激(ターゲット)が同じものです。
たとえばテレビのバラエティ番組でよく見られる、飲食店の食事リポート。「出演者が美味しそうにそばをすする様子を見ていたら、そばが食べたくなった」という経験はありませんか?
このケースでは、テレビ番組が先行する刺激となります。そばを食べたくなる気持ちが後続する刺激です。
間接プライミング効果|関連性のあるもの
間接プライミング効果とは、先行刺激(プライマー)がきっかけとなり、後続刺激(ターゲット)を呼び起こすものです。
1つ例を挙げてみましょう。以下の単語をご覧ください。
- 雪
- 赤
- 緑
- 靴下
- トナカイ
これらの単語を見て、連想されるものは何でしょう?「クリスマス」「サンタクロース」などを連想した方が多いのではないでしょうか。
このように事前に与えられた情報によって、その情報と関連性のあることを思い出す状態が間接プライミング効果です。
プライミング効果の例
プライミング効果は
プライミング効果の代表例:10問クイズ
プライミング効果として代表的なものが10問クイズ。10問クイズとは、プライミング効果を利用した言葉のひっかけクイズです。子どもの頃の思い出として、記憶に残っている方は多いのではないでしょうか。
質問者は回答者に「〇〇と10回言って!」と伝えます。回答者は指示された言葉を10回繰り返すことで、誤った回答へと導かれてしまうのです。
10問クイズの例を紹介します。Aが質問者、Bが回答者です。
B「みりん・みりん・みりん……」と10回
A「鼻が長い動物は?」
B「キリン!」
A「残念!ゾウでした」
10問クイズでは同じ言葉を繰り返すことで、言葉が頭にこびりついた状態になります。もし10回も「みりん」と発言することがなければ、すぐに「ゾウ」という正しい答えが出てくるでしょう。
プライミング効果は相手の無意識を刺激し、求めている行動を起こしてもらうことを目的として活用されます。
日常生活のプライミング効果の例:視覚など五感に訴えるプライミング効果
CMやTV番組、YouTubeをはじめとする動画プラットフォームなどでよく見かけるものが気になってしまうこともあるのではないでしょうか。
このようなプライミング効果をうまく利用しているのが、Cookieのようにユーザーの検索履歴や閲覧履歴などの情報をもとにおすすめの広告を表示するトラッキングシステムです。
何度も同じ広告や商品、インフルエンサーを見かけることによって、興味を持つ可能性が高くなります。
また、人は温かい飲み物や食べ物を持っているときに接した人には好意的な印象を抱いたり、硬い椅子に座っているときには緊張してしまったりなど、触覚から影響するプライミング効果もあります。
恋愛におけるプライミング効果の例:親近感を持たせるプライミング効果
恋愛や人間関係を構築する場面では、同じ持ち物を持っていたり、同じタイミングで同じ行動をする「ミラーリング」などの動作が増えたりすることで、相手に好印象を抱きやすくなるといわれています。
また、ある対象に頻繁に接触することによって安心感や信頼感、好感を持つようになると科学的に証明されています。
まったく興味がなかった相手が自分に好意を持っていると第三者から聞いた途端に、興味を持ち始めることもあるでしょう。
このように、親近感や好意的な姿勢によって影響を受けることもプライミング効果の一つといえます。
プライミング効果の注意点|人の無意識下で起こるもの
前述したとおり、プライミング効果は無自覚に起こるものです。本人もプライミング効果が起こったことを自覚するのは難しいでしょう。
効果が訪れるタイミングは人によって異なり、必ずしも効果が期待できるとは限りません。場合によっては、マイナスに働くケースもあります。
プライミング効果は「確実な成果を約束する」というものではなく、人の可能性を引き出すものとして捉えて活用するとよいでしょう。
プライミング効果をビジネスやマーケティングに活用するテクニック
プライミング効果はビジネスシーンに活用できます。人の無意識を引き出すことで、顧客の購買意欲を高めたり、目標達成に向けたポジティブな思考を身につけたりすることが可能です。
プライミング効果を活用できるビジネスシーンを5つ紹介します。
- アンケート
- SNS・メルマガ
- キャンペーン
- 集中力の向上
- 目標達成につなげる思考形成
さっそく見ていきましょう。
アンケート|商品に対する購買意欲を高める
アンケートにプライミング効果を活用することで、顧客が無意識に商品を連想する状態を作るテクニックです。
「アンケートに回答する」という行動が先行する刺激(プライマー)となり、商品の購買意欲を高める効果が期待できるでしょう。
プライミング効果をアンケートに活用するために必要なことは、以下の要素が挙げられます。
- 商品に対する関心を抱いてもらう
- 問題意識を喚起する
たとえば化粧品を販売する企業ならば、アンケートには以下のような内容を盛り込むことをおすすめします。
「〇〇のような悩みはありますか?」
このような質問は、顧客に先行する刺激を与えます。
販売スタッフが執拗に商品購入を勧めると、顧客は煙たがるもの。アンケートはダイレクトに商品を勧める手法ではないため、顧客が受け入れやすい傾向があります。
顧客の潜在意識に訴求することが、商品購入のきっかけにつながるでしょう。
SNS・メルマガ|情報の発信
SNS、メルマガで情報を配信している企業におすすめのテクニックです。
発信する情報の中に、商品を連想させるキーワードを盛り込みましょう。これにより、先行する刺激が違和感なく顧客に伝わります。
顧客に悪印象を抱かせることなく、商品のアピール、購買を訴求できるでしょう。
SNSの活用法に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
≫ SNSマーケティング!Twitter活用の特徴と重要ポイントとは
≫ SNSマーケティングを事業戦略に使う。そのメリットと手法を解説!
≫ SNS集客の特徴と効果的な運用ポイント|担当者の悩み解消
キャンペーン|商品の必要性を伝える
新商品のキャンペーンに、プライミング効果を用いることも可能です。
たとえばオーガニック化粧品を販売する場合、オーガニックのメリットを伝えることが有効。
- 肌トラブルを抑える
- 環境に配慮している
などのキャッチコピーとともに打ち出し、商品を連想してもらいます。
キャンペーンが終わった後も顧客に思い出してもらえるように工夫することで、商品をアピールできるでしょう。
集中力の向上
プライミング効果は顧客の購買意欲を高めるだけでなく、集中力の向上にも役立ちます。これはいわゆる自己暗示をかける方法です。
過去を振り返り、集中できたときの条件を記録として残しましょう。
たとえば以下のような条件が挙げられます。
- 早朝ウォーキングをした日:8~9時
- カフェで仕事をした日:10~12時
このように集中していた環境や時間帯を記録することで、同一の条件を満たされたとき、集中しやすくなります。
集中力の向上を課題としている方には、こちらの記事もおすすめです。ぜひ参考にしてください。
目標達成につなげる思考形成
プライミング効果は、目標達成のためにポジティブな思考を形作る方法として活用できます。
とくに経営者やリーダー層には、部下や後輩を引っ張るために相応の思考が求められるもの。組織のトップがマイナス思考の持ち主では、下につく人がついていきたいと思えません。
ポジティブな思考を形成するためには、目標を言葉に出すことが大切です。言葉は耳にした人の記憶に影響します。目標を口癖にすることで、日頃から潜在意識に働きかけることが可能です。発言した言葉は自分だけではなく、周囲の人にも影響を与えるでしょう。<br>
また目標を壁に貼り出し、視覚から無意識に刷り込むことも有効です。日常的に目標を見ることで、「現状を打破しよう」「改善しよう」という気持ちが芽生えます。
達成までの道のりが険しいものだとしても、声に出して目標実現を目指しましょう。
ビジネス成功において重要な思考に関しては、こちらの記事を参考にしてください。
≫ 社長の教養|今こそ学びたい3つの教養「経営」「歴史」あと一つは?
≫ デザイン思考を解説|自社製品に付加価値を与える考え方とは
≫ 組織開発に活かせるシステム思考とは?メリットと実践方法を解説
プライミング効果を活用してビジネスを成功に導こう!
事前に見聞きしたことが、その後の行動や判断に影響を与えるプライミング効果。顧客の購買意欲を向上させるだけでなく、自身の意識向上、思考形成にも活用可能です。
プライミング効果をうまく活用し、ビジネスを成功させましょう。
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