企業がインバウンドで売上を伸ばすためには、広報企画による情報発信に注力して自社のプロダクトの認知を拡大させ、集客することが重要です。
テレアポや飛び込み営業などを集客のメインチャネルとしてきた方は、情報発信をどこでしたらいいのか、媒体や手法に悩む傾向があります。
本記事を読めば、今後どのようなPRを打てば成功するのかゴール設定が可能になるでしょう。
広報企画で自社の売上を伸ばしたい経営者は、ぜひ最後までお読みください。
広報企画とは
まずは広報企画の仕事内容や年収、必要なスキルなどの基礎知識を紹介します。
広報企画を設ける場合は、採用または育成する必要があります。
そのようなとき、基礎知識がわかっていないと人材のアサインや人件費の確保が困難になるので、ここでしっかりと広報企画の概要を把握してみてください。
広報企画の仕事
広報企画の仕事は、企業や商品・サービスの魅力を拡散させるために、戦略的な計画を練り、実行することです。
主な仕事内容としては以下が挙げられます。
- 広報誌やPR誌の作成
- Webサイトの管理運営
- プレスリリースの作成
- イベントへの出展
- 社内向けの情報発信
たとえば、自社のサービスの集客をするために、イベント会場への出典を決めてブースを設置し、パンフレットを作成し、来場した見込み顧客にサービスの解説を行うことも仕事のひとつです。
その最終的な目的は、新規顧客を獲得するために報道機関から取材を依頼されたり、大手メディアに取り上げられるなどして、事業拡大の糸口にすることです。
広報企画の年収
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、広報・PR担当の平均年収は493.4万円です。
また、ハローワーク求人統計データによると、平均月収は22.3万円だということですが、求人情報誌を見ると月収30万、40万ということも多く、年収にして500~800万という企業もあります。
給与の変動幅として設定されがちな価値観は次の通りです。
- 広報PR案件の物理的な担当件数
- 担当した広報PR案件の売上実績によるインセンティブ
- 成果をあげたことによる昇進昇級
広報企画に必要なスキル
厚生労働省の職業情報提供サイト「jobtag」によると、広報企画に必要なスキルは主に以下の通りです。
- 文章力
- 説明力
- 傾聴力
- 読解力
- 他社との調整
広報企画の仕事は、商品・サービスの魅力を対外に発信したり、取材の対応をしたりすることです。
魅力を伝える文章力や説明力、報道機関や他社とのコミュニケーションを円滑に図るための傾聴力や読解力、調整力などが必要になります。
つまり、広報企画は世間的に開けた人間性を持ちつつ、は文章力や傾聴力などの必要なスキルがある人材に任せることが重要だということです。
広報企画がPRの際に情報発信をする6つ手段
広報企画がPR活動の際に情報を発信する6つの手段について紹介します。
- メルマガで情報を発信する
- SNSで情報を発信する
- ブログやメディアでSEOを意識した記事を執筆する
- Web広告を掲載する
- プレスリリースを出す
- イベント・展示会に出展する
順番に見ていきましょう。
1. メルマガで情報を発信する
広報企画が情報を発信する手段のひとつには、メルマガによる情報発信があります。
顧客に対してメルマガで、自社の商品・サービスのリニューアル情報や新情報を伝えることが仕事になります。
メルマガ配信のコツとしては、ペルソナを意識して刺さる内容を配信することです。
誰にでも刺さるような当たり障りのない文章を書いても、商品・サービスの魅力が読者に伝わらず、売上につながりません。
ある特定の1人に刺さるような文章を書くことで、メルマガで商品・サービスのよさを深く訴求できます。
2. SNSで情報を発信する
SNSで情報を発信するのも、広報PR活動の際に商品・サービスの魅力を伝える手段のひとつです。
商品・サービスの特徴やターゲットによって、SNSを使い分けることで、情報や魅力を効率的に発信できます。
商品・サービスのターゲットの年齢によって、SNSを使い分けることが発信のポイントです。
3. ブログやメディアでSEOを意識した記事を執筆する
自社のブログやメディアでSEOを意識した記事を執筆すると、広報PR活動における商品・サービスの認知を拡大できます。
記事をGoogleの検索結果ページの上位に表示させられる可能性があるためです。
毎月の検索数が多いキーワードで上位を獲得できると、その分閲覧数が増え、認知の拡大につながります。
たとえば、月間の検索数が5,000のキーワードで1位を獲得できたとします。
アメリカのマーケティング会社「FirstPage Sage」によると、1位の記事のアクセス数は39.8%です。
検索数が5,000ならば、毎月1,990人が記事にアクセスしていることになります。
そのため、ブログでSEOを意識した記事を執筆することは、商品・サービスの情報を発信するのにおすすめの手段といえます。
4. Web広告を掲載する
広報企画が商品・サービスの魅力を伝えたい場合、Web広告を掲載するのも効果的です。
Web広告は配信先のターゲティングをしやすいメリットがあります。
ユーザーの属性や興味関心、行動履歴などに基づいて広告の表示の可否を選択することが可能で、ターゲットにピンポイントで配信できます。
細かくターゲティングできるため、広告の無駄打ちを防ぎ、販促や大手メディアへの転載に効率的につなげることが可能です。
Web広告には、主に以下のような種類があります。
- リスティング広告
- ディスプレイ広告
- SNS広告
- 動画広告
- 純広告
上記のうち、おすすめなのがリスティング広告です。
ユーザーが検索したキーワードに応じて広告が表示されるため、商材のターゲットに効率的にアプローチできます。
5. プレスリリースを出す
プレスリリースを出稿するのも、広報企画がPR活動の際に商品・サービスの魅力を拡散する手段としておすすめです。
プレスリリースとは、新サービスのリリースや新規事業の開始、企業情報などを報道機関やステークホルダーに向けて発表する文章を指します。
プレスリリースを行える配信媒体は、以下の通りです。
- PRTIMES
- @プレス
- 共同通信PRワイヤー
- ValuePress!
- News2u
上記のような配信媒体で、商品・サービスの情報を発信すると、数十の大手メディアに取り上げられる可能性があります。
6. イベント・展示会に出展する
イベント・展示会の出展は、広報企画が自社PRをする特に重要な手段のひとつです。
展示会に自社のブースを出展すると、文章では伝えきれない魅力を直接伝えられます。
たとえば、ブースに新商品とパンフレットを置くと、来場者に商品を手にとって使ってもらえます。
物理的な体験を見込み顧客に提供することで、利便性や使い勝手を実感させられるでしょう。
さらに、広報企画が見込み顧客に直接魅力を話すと、そのまま成約につながる可能性もあります。
自社の商品・サービスの情報を見込み顧客に深く伝えるためには、オフラインでの宣伝を大切にしましょう。
広報企画が発信を成功させるポイント
情報を発信する手段がわかっても、ポイントを押さえないと失敗する可能性があります。
そこで本章では、広報企画が発信を成功させるポイントを、以下の3つ紹介します。
- メディアが取り上げたくなるストーリーを用意する
- メディアが取り上げたくなるタイミングで行う
- 関係者と良好な関係を築いておく
順番にご覧ください。
メディアが取り上げたくなるストーリーを用意する
広報企画が発信を成功させるポイントのひとつは、メディアが取り上げたくなるストーリーを用意することです。
メディアに「ストーリー性がないと読者にウケない」と思われ、取り扱ってもらえない可能性があるためです。
たとえば、プロダクトをローンチするにあたって、何もトラブルがなかったA社と、逆境や課題、裏切りを乗り越えたB社があるとします。
このうち、ストーリー性がありアクセスを集めやすいのは、トラブルが多かったB社でしょう。
メディアとして話題性とアクセス数がほしいため、トラブルがないA社は取り扱わない可能性があります。
上記のような理由から、メディアが取り上げたくなるストーリー性を用意しておくことが重要です。
メディアが取り上げたくなるタイミングで行う
広報企画が発信を、メディアが取り上げたくなるタイミングで行うと成功しやすくなります。
メディアが取り上げたくなるタイミングには、クリスマスや桜の開花時期、偉業が達成された瞬間、オリンピックなどがあります。
ある特定のイベントや出来事に関心が集まったタイミングで、それに関連するプロダクトの魅力を発信することがコツです。
たとえば、大谷翔平選手が史上初の50-50を達成したときに、それにあやかった商品を出すとメディアに注目されやすくなるでしょう。
また、桜が開花する時期に合わせて、ピンク色の商品をローンチし発信すると、注目度が高まる可能性があります。
すでに世間から注目されている話題に関連した発信だと、取り上げたメディアとしても高いアクセス数が期待できます。
そのため、メディアが取り上げたくなるタイミングで発信をすることが重要です。
関係者と良好な関係を築いておく
社内外の関係者と良好な関係を築いておくことも、広報企画がPR活動を成功させるポイントです。
いくら話題性があっても信頼性が欠けるようでは、メディアは情報を取り扱わないためです。
メディアは正確な情報を取り扱うことが求められます。
ただ注目されやすい発信をするだけでなく、メディアに安心して情報を取り上げてもらうために、良好な関係性を築くことが大切です。
また、メディアとの関係性を持てば、情報を積極的に拡散してくれる可能性があります。
その結果、取材につながったり、大手メディアに掲載されたりするでしょう。
PRの効果を大きくするために、関係者と良好な関係を築いておいてください。
広報企画による情報発信に成功した企業の例
広報企画による情報発信に成功した企業の例としては、以下の2つが挙げられます。
- アサヒグループジャパン
- 味の素
それぞれ順番に見ていきましょう。
アサヒグループジャパン
アサヒグループジャパンは「CO2を食べる自販機」の説明会を行い、メディアの関心を集めました。
情報発信に成功した要因は、以下の通りです。
- キャッチーなタイトル
- 説明会に「CO2を食べる自販機」の展示
- CO2を吸収する様子の実演
同社は説明会のタイトルに企業の取り組みがイメージしやすいよう「CO2を食べる自販機」というフレーズを入れました。
キャッチーなタイトルにすることでメディアの注目を集めたのです。
そして、説明会で自販機内にある特殊材がCO2を吸収する様子を実演し、わかりやすく仕組みを解説しました。
キャッチーなタイトルと実演により、新聞やテレビでの露出につながり、自治体や企業からのお問い合わせが増えたようです。
味の素
味の素は、Z世代をターゲットにした期間限定商品を売るための組織の活動をストーリー化して発信しました。
具体的には専任組織の立ち上げ、商品開発、販売までの流れをメディアでZ世代に伝えました。
その結果、メディアでの取り上げが実現しています。
また、2023年6月には、未収穫農作物の収穫と加工、販売までをZ世代と一緒に行い、ストーリー化してメディアで発信。
各種メディアで取り上げられたようです。
このように自社の取り組みをストーリー化することで、メディアに取り上げられることに成功しました。
広報企画に関するよくある質問
広報企画に関するよくある質問に答えます。
よくある質問は以下の2つです。
- 広報の仕事に向いている人は?
- 広報に向かない人は?
広報企画に関する疑問点を事前に把握して、採用や教育、移動などをスムーズに行えるようにしましょう。
広報の仕事に向いている人は?
広報の仕事に向いている人は、主に以下の2パターンです。
- 情報感度が高い人
- コミュニケーション能力がある人
広報として自社の魅力を対外的に発信するには、イベントや流行などを意識する必要があります。
情報感度が低いと世の中のトピックがわからず、メディアに取り扱われたり、取材の依頼を受けたりする段階にならないでしょう。
そして、仮に取材の依頼があった場合は、広報が対応します。
インタビュアーの質問に対して、情報を整理してわかりやすく回答するコミュニケーション能力も必要です。
広報に向かない人は?
広報に向かない人は、主観的な人です。
広報の目的は自社の商品・サービスの魅力を対外的に伝え、取材の依頼やメディアへの掲載につなげることです。
主観的になっていて、客観的な評価ができないと、他者から自社の商品・サービスがどう見られるかを把握できない可能性があります。
自分の意見だけを述べても、自社の魅力は伝わりにくいものです。
他人が商品・サービスを見たときに何を思うかを理解して、魅力を適切に発信しなければ目的を達成することはできません。
そのため、主観的な人は広報に向いていないといえます。
まとめ
広報企画は、企業や商品・サービスの魅力を拡散させるために、戦略的な計画を練り、実行する役職を指します。
その目的は自社の商品・サービスの魅力を効果的に発信して、取材の依頼を受けたり、大手メディアから掲載されたりすることです。
商品・サービスの認知拡大に成功すると、売上の向上につながります。
しかし、組織によっては今まで広報をしたことがなく、まだまだわからないことがたくさんあるでしょう。
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