企業が自社の商品・サービスの集客力や販促力を強化させるためには、SNSの活用が欠かせません。
SNSは人々の生活に欠かせないツールで、90%以上の日本人が利用しているといっても過言ではないためです。
SNSマーケティングの知識を用いて、適切な運営をすると、情報を一気に拡散させられ集客や販促につなげられるでしょう。
本記事ではSNSマーケティングのメリット・デメリットや手法、始め方、成功事例などを解説します。
SNSマーケティングとは
SNSマーケティングとは、SNSを活用して売れる仕組みを構築することです。
XやInstagram、Facebook、LINE、YouTube、TikTokなどを用いてユーザーにアプローチし、認知度の向上やファンの獲得を狙います。
詳しくは後述しますが、SNSマーケティングの手法としては、主に以下が挙げられます。
- SNSアカウント運用
- SNS広告
- インフルエンサーマーケティング
- SNSキャンペーン
- ソーシャルリスニング
SNSマーケティングを行うと、消費者と密なコミュニケーションを取ることが可能です。
ユーザーの潜在的なニーズを把握したり、初期費用をかけずにサービスの認知を広げられるメリットがあります。
SNSマーケティングが注目される理由
SNSマーケティングが注目される理由は以下の2つです。
- 90%以上の消費者がSNSを利用しているため
- 情報収集がSNSで行われるため
総務省によると、2023年度の日本のSNSの利用率はLINEが94.9%で1位、2位がYouTubeで87.8%、3位がInstagramで56.3%と続きます。
また、総務省が調査した2023年の「SNSの利用目的」によると「従来からの知人とのコミュニケーションのため」が87.2%、次で「知りたいことについて情報を探すため」が63.4%を占めます。
自分が求める商品・サービスを探すために、SNSを活用する消費者が多くいるので、マーケティングによる認知拡大が注目されるのです。
SNSマーケティングのメリット
SNSマーケティングのメリットには、主に以下の3つが挙げられます。
- 初期費用をかけずに始められる
- 消費者とコミュニケーションが取りやすい
- 商品・サービスのブランディングが期待できる
とくに大きなメリットはコストをかけずに始められることです。
アカウントの取得やポストの作成に時間がかからないため、わざわざ外注しなくても簡単に運用を行えます。
たとえば、SEOを意識したブログの記事を作成するとします。
記事の文字数は3,000文字以上になるケースがあり、制作時間も3時間ほどかかるかもしれません。
また、成果を出すにはSEOの知識が求められ、それは一朝一夕で身に付くものではありません。
時間的にも効果的にも記事の作成を外注するほうがよいケースがあるのです。
一方、SNSは簡単に開始・運用ができるため、コストをかけずに始められやすいでしょう。
SNSマーケティングのデメリット
SNSマーケティングのデメリットは、主に以下の2つです。
- 炎上のリスクがある
- 成果が出るまで時間がかかることがある
企業がもっとも注意するべきことは炎上です。
たとえば、Xで倫理観に欠けるポストをすると、フォロワーやターゲット以外のユーザーにまで情報が行き渡る可能性があります。
その結果、不特定多数から批判的なコメントや、誹謗中傷を受ける恐れがあるでしょう。
企業のアカウントで炎上してしまった場合、会社のブランドイメージに傷がつくかもしれません。
SNSには炎上リスクが付きまとうことに注意しましょう。
SNSマーケティングで使われる主要媒体
SNSマーケティングで使われる主要媒体は、主に以下の5つです。
主要媒体 | 概要 |
LINE | 日本での利用率は94.9%10〜60代までの全世代が利用 |
YouTube | 日本での利用率は87.8%10〜50代までの利用率が80%以上 |
日本での利用率は56.1%10〜20代がメインの利用者層 | |
X | 日本での利用率は49%20代がメインの利用者層 |
日本での利用率は30.7%30〜40代がメインの利用者層 | |
TikTok | 日本での利用率は32.5%10代の利用者がメインの層 |
各SNSにより利用者の主要な年代が異なるため、ターゲットに応じた媒体の選択とマーケティング手法が必要です。
SNSマーケティングの5つの手法
SNSマーケティングの手法がわかると、自社の商品・サービスや予算にあった適切な運用を行えるようになります。
本章ではSNSマーケティングの5つの手法を紹介します。
- SNSアカウント運用
- SNS広告
- インフルエンサーマーケティング
- SNSキャンペーン
- ソーシャルリスニング
それぞれ順番に見ていきましょう。
SNSアカウント運用
SNSマーケティングの手法として、もっとも取り組みやすいのがアカウントの運用です。
運営にコストがかからないためです。
自社の公式アカウントを開設し、ターゲット層にとって有益な情報の発信や、コミュニケーション、キャンペーンなどを実施します。
そして、ナーチャリングとファン化を行い、商品・サービスの集客・販促につなげる手法です。
たとえば、ビジネスマン向けのライティングスクールを訴求するなら、自己啓発系やビジネス系のネタを投稿し、フォロワーを集めます。
そこからライティング力が収入アップに密接に関わることを伝え、文章力アップが重要性を伝授。十分にナーチャリングできたタイミングで、サービスを訴求します。
コストをかけずに集客につながるので、SNSアカウントの運営から始めるのがおすすめです。
SNS広告
2つ目のSNSマーケティングにおすすめの手段は広告を出稿することです。
ユーザーの年齢や地域、性別などに合わせた広告を配信できるため、見込み顧客に興味を持たれやすいことが特徴です。
YouTubeのショートを見ていると「〇〇にお住まいの30代男性へ」という謳い文句から始まる広告を見る方もいるのではないでしょうか。
このようにSNS広告はターゲティングの精度が高いため、訴求内容がユーザーの悩みに刺さりやすくなります。
ただし、広告の出稿は有料のため、スモールスタートで始めることは難しいでしょう。広告から成約を取っていくためには、月に30〜50万円ほどかかるとされています。
インフルエンサーマーケティング
SNSマーケティングの手法のひとつとして、インフルエンサーマーケティングもあります。
SNS上で強い影響力を持ったYouTuberやインスタグラマーなどに、自社の商品・サービスを紹介してもらう手法です。
インフルエンサーがファンに対して情報を発信するため、案件らしさがなくユーザーが受け入れやすいことが特徴です。
商品・サービスの魅力をファンに一気に拡散できるので、集客力の飛躍的な成長を販促が期待できます。
ただし、SNSの投稿は埋もれるものなので、ひとつのPRが長続きすることは少ないでしょう。
そのため、アカウント運用の座組みを整えた上で、初動をよくするためにインフルエンサーにPRを依頼するのがコツです。
SNSキャンペーン
SNSマーケティングの施策として、キャンペーンを行うことも効果的です。キャンペーンとは、ユーザーが参加できるSNS上のイベントを指します。
たとえば、以下のようなものです。
- お金配り
- 商品・サービスのプレゼント
- 無料クーポンの贈呈
いいねとフォローで抽選でプレゼントする企画を行うと、アカウントのフォロワー増加やサービスの認知拡大などを促せます。
また、実店舗の割引券をSNSでプレゼントするキャンペーンを行うと、認知拡大だけでなく集客と売上増加にもつながるでしょう。
ソーシャルリスニング
ソーシャルリスニングとは、SNS上のユーザーの声を調査し、商品・サービスの改善や競合他社分析などに活かすことです。
アンケートに比べて忖度のない意見を収集できるため、よりユーザーのニーズに沿った商品・サービスの提供につながるといえます。
マーケティングの基礎的な手法ですので、SNSのアカウントを開設したら、必ず「ユーザーの生の声」をチェックしましょう。
SNSマーケティングの始め方5ステップ
SNSマーケティングの始め方の5つのステップがわかると、初めから外注せずにスモールスタートで取り組むことが可能です。
始め方は以下の通りです。
- SNSマーケティングの目的を決める
- ターゲットを明確にする
- ターゲットに適切なプラットフォームを決める
- 目的達成のためのKPIを設定する
- 戦略を立てて運用する
それぞれ順番に見ていきましょう。
1. SNSマーケティングの目的を決める
SNSマーケティングでは、最初に目的を決めてからでなければ達成することは難しいでしょう。
目的としては以下が挙げられます。
- 認知度の向上
- 集客力の強化
- 販促力の強化
- ブランディング力の強化
- ファンの獲得
上記のような目的が明確でないと、マーケティングの手法や運用方針が変わってきます。
たとえば、商品・サービスの販促につなげたいのに、LPへの導線がないと販売力が落ちる可能性があるでしょう。
そのため、SNSを運用する目的を決めることが大切です。
2. ターゲットを明確にする
SNSマーケティングを行う目的が決まると、ターゲットも明確にします。
商品・サービスとSNSのターゲットに合わせるようにしましょう。
ターゲットの年齢や性別、趣味趣向などが定まらないと、適切なSNSのプラットフォームを選べないためです。
訴求軸が曖昧になり、ターゲットにとって刺さる商品・サービスの魅力を伝えることが難しくなります。
3. ターゲットに適切なプラットフォームを決める
次はターゲットにマッチしたプラットフォームを決めます。前述しましたが、SNSの主要媒体の利用者層は年齢により異なります。
主要媒体 | 年齢層 |
LINE | 10〜60代までの全世代が利用 |
YouTube | 10〜50代までの利用率が80%以上 |
10〜40代がメインの利用者層 | |
X | 20〜30代がメインの利用者層 |
30〜50代がメインの利用者層 | |
TikTok | 10〜30代の利用者がメインの層 |
LINEやYouTubeなどは幅広い年代のユーザーに利用されていますが、その他のSNSではメインの利用者層がいます。
ターゲットの年齢に合わせてSNSを選択すると、より多くの見込み顧客にリーチできる可能性があるのです。
4. 目的達成のためのKPIを設定する
プラットフォームが決まったら、目的達成のためのKPIを設定します。
定量的な目標を立てないまま運用を行っても、効果が出ているのか、戦略が間違っているのかが判断できないためです。
以下のように具体的な目標を決めて、達成できるよう運用しましょう。
- 1ヶ月後:フォロワー300人
- 3ヶ月後:フォロワー1,000人
- 5ヶ月後:フォロワーから10人集客
上記のKPIが達成できなければ、原因や解決策などを検討し、改善していく必要があります。
PDCAを回して目的を最速で達成するために、KPIを定めることは必須です。
5. 戦略を立てて運用する
数値目標を決めたら戦略を立てて運用しましょう。
前述した、以下のようなSNSマーケティングの手法を用いて、目標の達成を目指します。
- SNSアカウント運用
- SNS広告
- インフルエンサーマーケティング
- SNSキャンペーン
- ソーシャルリスニング
ポイントは、目標達成率に合わせて臨機応変にマーケティングの手法を変えることです。
たとえば、フォロワーを3ヶ月後までに0から1,000人にしたい場合、通常のアカウント運用だけでは目標が達成できないとします。
そのとき、アカウント運用に固執するのではなく、フォローで特典が贈呈される企画を行い、目標達成を第一に考えることが重要です。
目標の達成を一番に考えた戦略を取ることで、本来の目的を達成できる確率が高くなります。
SNSマーケティングの成功事例
SNSマーケティングの成功事例を紹介します。
- X:丸亀製麺【公式】
- Instagram:ダイソー公式アカウント
成功事例を踏襲してSNSマーケティングを行うと、自社のアカウント運用が成功する可能性が高まるでしょう。
X:丸亀製麺【公式】
丸亀製麺は、Xで「丸亀製麺【公式】を運用しています。同社はハッシュタグ投稿を行って、UGC(User Generated Content)生成に成功しました。
UGCとは、一般のユーザーが自発的に作成したコンテンツのことです。
新商品にちなみ「#〇〇」といった投稿をユーザーに促し、ユーザーとコミュニケーションを取っています。
たとえば、2024年11月には「#冬は丸亀製麺の豚汁うどんがアツい」の投稿を引用ポストしてもらうことで、当選者に500円引きのクーポンを配りました。
このようにユーザーにイベントへの参加を促すことで、認知拡大と店舗への来店を促しています。
Instagram:ダイソー公式アカウント
ダイソーはフォロワー194.6万人ものInstagramのアカウントを運用しています。
同社は新商品が販売されるたびに、その魅力や使い方などを紹介しています。
ユーザーが商品を購入したあとの姿をイメージしやすく、販促につなげやすくなるでしょう。
また、目立つ色と見やすい大きさの文字を使用することで、パッと見で商品の概要を伝えています。
ユーザーに有益な情報を質の高い投稿で発信しているため、多くのフォロワーから支持を得ていると考えられます。
まとめ
本記事ではSNSマーケティングの手法や始め方、成功事例などを紹介しました。
SNSは初期費用をかけずに簡単に始められます。また、多くの日本人が活用しているため、コストをかけずに、見込み顧客にリーチできる手段として最適です。
しかし、実際にSNSマーケティングに取り組むとなると、まだわからないことが多い方もいるでしょう。
そのような方は、67の集客システムを参考に、自社にあったマーケティング手法を見つけてみてください。
この「67の集客システム」では、この記事で解説したSNSの効果的な使い方や、他のシステムとどのように掛け合わせたらいいかを説明しています。
具体的には次のようなものです。
- メールマガジンやLINEとの連携方法
- 昔ながらのFAXDMやお手紙に眠るビジネスチャンスの掴み方
- 生涯使える集客システムのわかりやすい活用方法
他にも多くのシステムについて解説されており、合計67種類のアプローチを記載しています。
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