TikTokは、動画投稿後すぐにバズらせることもできるため、たくさんの企業やブランドが公式アカウントを作成しています。
本記事では、 TikTok集客を成功させる具体的なマーケティング手法、TikTok集客のメリットやデメリットを紹介します。
TikTokでの集客を検討している方からは、次のような声が多くあがっています。
- TikTok集客を成功させる近道はある?
- TikTokで集客するためのマーケティング方法が知りたい
- 実際にTikTokで成果を出している成功事例が知りたい
このようなお悩みを解決し、TikTok集客の効果を高めていきましょう。
TikTok集客とは?
TikTokは15秒〜60秒程度のショート動画が投稿できるSNSアプリです。スワイプするだけでサクサク動画を楽しむことができ、若年層を中心に人気が高まっています。
総務省が発表した令和4年度情報通信メディアの利用時間と情報行動に関する調査報告書によると、TikTokは10〜20代の利用率がもっとも多く、10代ではInstagramやTwitterよりも利用率が高いという結果が出ています。
Z世代の消費傾向を知りたい方は、こちらの記事も参考にしてみてください。
TikTokで集客を行うメリットとデメリット
TikTokを活用して集客を行う前に、まず自社商品やサービスと相性がいいのか、ターゲット層はTikTokの利用者層とマッチしているのか、検討してから進めるのがおすすめです。
ここからは、TikTokで集客を実践するために知っておくべきメリットとデメリットを解説します。
TikTokで集客を行うメリット
TikTokで集客を行うメリットは、おもに次の3つです。
- 拡散力が高い
- 10〜20代の若年層のアプローチしやすい
- 運用してすぐでもバズりやすい
TikTokはフォローしているアカウント以外の動画がおすすめとして表示されるので、動画を見てもらいやすいという特徴があります。
Instagramと同様にハッシュタグ、シェアといった機能があり、拡散してもらいやすいのも大きな魅力です。
また、TikTokはフォロワー数や投稿した動画数に関わらず、動画をおすすめ表示してくれるので、バズりやすいという特徴があります。
TikTokで集客を行うデメリット
TikTokで集客を行うデメリットは、おもに次のとおりです。
- 購買につなげるのが難しい
- 比較的ターゲット層がの幅が狭い
TikTokはYouTubeとは違い、広告をすぐにスキップできるほか、興味のない広告長押しして「興味がありません」とアクションすることもできるので、興味がないユーザーには広告動画を見てもらうことすら難しいというデメリットがあります。
とはいえ、通常のTikTok動画と同様に、インパクトのある動画で広告を配信してバズれば集客を大きく成功させることも可能です。
TikTokは40代以降の利用者層が少なく、全世代が利用しているSNSであるとはいえません。若年層をターゲットにしている場合はメリットがありますが、ターゲット層が合わなければ、集客効果が実感しにくいといえます。
TikTok集客を成功させるマーケティング方法
TikTok集客を成功させるためのマーケティング方法は、おもに次の3つです。
費用 | 期間 | |
アカウント運用 | 低 | 中長期 |
TikTok広告 | 中〜高 | 短期 |
インフルエンサーマーケティング | 中〜高 | 短期 |
コストを抑えてコツコツ集客したい場合はアカウント運用がおすすめです。
TikTok広告やインフルエンサーマーケティングは、当然ですがコストが発生するものの、短期間で集客を成功させることもできます。
それぞれのやり方を紹介するので、自社のリソースや予算を踏まえた上で、検討してみてください。
アカウントを運用する
TikTokアカウントを開設し、動画を投稿したり、ユーザーとコミュニケーションを取ったりしながら集客を行う方法です。
TikTokのアカウントは、個人が動画を楽しむための「個人アカウント」と、企業や組織がビジネスを目的に運用する「ビジネスアカウント」があります。
それぞれの違いは次のとおりです。
個人アカウント | ビジネスアカウント | |
費用 | 無料 | 無料 |
利用できる音楽 | サウンドと商用楽曲ライブラリ | 商用楽曲ライブラリのみ |
広告作成・配信機能 | × | 〇 |
ショッピング機能 | × | 〇 |
インサイト(分析機能) | × | 〇 |
ビジネスアカウントに切り替えると、ビジネスに役立つ機能が使えたり、広告配信ができるようになったりします。
TikTokで流行しているアーティストの音楽が利用できなくなるので、収益化する予定がないならビジネスアカウントに切り替えるメリットはあまりありません。
ビジネスアカウントに切り替えるとインサイトが利用できる
ビジネスアカウントのみが利用できるインサイト(分析機能)では、次のような項目のデータが確認できます。
- 動画の再生回数
- フォロワー数の増減
- プロフィール表示回数
定期的にインサイトを確認したり、投稿後にインサイトを確認したりすることで、どんな投稿や施策がプラスに働いているかを把握できます。投稿ごとのユーザーの反応を確認し、アカウントの運用やコンテンツの制作に活かしていきましょう。
TikTok広告を出稿する
TikTokではさまざまな広告を出稿することができます。TikTok広告のメリットは次のとおりです。
- 動画で商品やサービスの訴求ができる
- 視聴してもらいやすい
- 参加型の広告がある
TikTok広告は通常の投稿と同様にショート動画形式で配信できるほか、インフィード広告のように通常の投稿に混ぜて表示される形式なら、ユーザーが広告とは気付かずに視聴される可能性が高いです。
また、ハッシュタグチャレンジやブランドエフェクトのような、ユーザー参加型の広告があるので、広告に対する抵抗感を減らせるというメリットがあります。TikTok広告のおもな種類は次の5種類です。
特徴 | メリット | 費用相場 | |
起動画面広告 | TikTokアプリ起動時 | 多くの人に見てもらえる | 500万円以上 |
インフィード広告 | 通常の投稿と投稿の間に表示される | 広告と気付かれにくい「いいね」「シェア」ができる | 40万円以上 |
ハッシュタグチャレンジ | キャンペーン用のハッシュタグを用意して参加を募る | 参加してもらいやすい(認知度アップ)インフルエンサーに依頼するとさらに効果的 | 1,000万円〜2,000万円 |
ブランドエフェクト | ブランド独自のエフェクトを作成して参加を募る | 参加してもらいやすい(認知度アップ)ハッシュタグチャレンジと組み合わせるとさらに効果的 | 600万円〜1,000万円 |
インフルエンサーマーケティングを行う
TikTokで活動しているインフルエンサーに、商品やサービスをPRしてもらうのがインフルエンサーマーケティングです。インフルエンサーマーケティングのメリットは、次のとおりです。
- インフルエンサーのファンに自社商品を認知してもらえる
- 話題になってバズれば拡散してもらいやすい
また、インフルエンサーを応援しているファンは、インフルエンサーに親近感や信頼感を持っているので、自社の商品やサービスを購入してもらいやすくなります。
インフルエンサーマーケティングの方法は、おもに次の2つです。
インフルエンサーマーケティングの方法
- コラボ配信:TikTokライブでコラボ配信を行う
- PR動画依頼:商品やサービスに関する動画を作成してもらう
インフルエンサーに依頼するときは、トラブルに発展しないよう、必ず契約書を交わしましょう。また、炎上リスクを避けるためにも、ライブや動画内で発言する内容は事前にしっかりチェックすることが大切です。
インフルエンサーマーケティングの注意点
報酬を渡してPR動画をアップしてもらう場合、必ずプロモーション動画としてアップしてもらうのと、「#pr」というハッシュタグを設定してもらうことが重要です。
報酬が発生しているのにPRであることを隠して宣伝する「ステマ(ステルスマーケティング)」は、景品表示法違反になるので、注意してください。
TikTok集客を成功に導くポイント
TikTokアカウントを運用して集客を成功させるなら、バズるコツを覚えておくと有利です。
今回紹介する3つのポイントを参考に、TikTok集客を成功させましょう。
ほかのSNSと連携して運用する
TikTok用に制作した動画コンテンツを有効利用するなら、1つの投稿を複数のSNSアカウントでも投稿するのがおすすめです。
YouTubeアカウントを運用しているなら、TikTokとYouTubeショートの両方に動画をアップすることでさらに拡散力が高まります。
反対に、YouTube用に作成した動画を編集してTikTokにアップし、YouTubeチャンネルへの導線を作るのも一つの方法です。
ただし、Instagramで発信した動画はとくに問題なかったのに、TikTokで同様の発信をしたらコンプライアンスに抵触してしまうなどということもありますので、注意が必要です。
TikTokのアルゴリズムを理解する
TikTokには、ユーザーのアクションに基づいて、ユーザーが興味のありそうな動画をおすすめ表示させる仕組みである「アルゴリズム」が働いています。
このアルゴリズムが、ユーザーのどんなアクションを参考にしているかを理解しておくことによって、動画制作の方向性や気をつけるポイントが明確に分かるようになります。
TikTokのアルゴリズムは、次の項目をもとにしているといわれています。
- 視聴完了率:動画を最後まで視聴された割合
- 視聴時間:動画が視聴された時間の長さ
- アクション:「いいね」やコメントの数
- シェア数:シェアされた数
- ループ再生数:動画を最後まで見た後にループされた回数
- 1アカウントあたりの動画の視聴数:1つのアカウントが投稿した動画を視聴した回数
以上の指標の数値が伸びるように、工夫して動画を制作することで、バズりやすくなります。
バズるコンテンツを作成する
TikTokのアルゴリズムの指標を踏まえて、バズる動画を作成するためには、次のような取り組みが有効です。
- 冒頭3秒に結末(結論)を入れて最後まで見たくなる動画を作る
- ハッシュタグを設定しておすすめに表示されやすくする
- 動画は「数」よりも「質」を重視する(クオリティの低い動画はアップしない)
- 統一感のある動画を制作して、ほかの動画も見てもらえる努力をする
- 続編のある動画を制作し、次回の配信までにフォローして待ってもらうように促す
戦略を立てて、魅力的な動画をアップして集客を狙いましょう。ただし、PRばかりの動画や誘導が多い動画ばかり投稿すると、ユーザーは抵抗感を覚えてしまいます。
あくまでもユーザーの役に立つ動画、面白い動画を投稿しましょう。
TikTok集客の成功事例
いまや大手企業からベンチャー企業まで、幅広い規模の企業がTikTokを集客に活用しています。
集客に成功した企業の事例を参考に、アカウント運用の方向性や、キャンペーンの開催などを検討してみてください。
ドミノピザ
大手ピザ宅配チェーン「ドミノ・ピザ」が2020年に実施したTikTokのハッシュタグチャレンジでは、「求ム! ドミノ 最高チーズ責任者」として、ドミノ・ピザの新商品である「ウルトラチーズ」のPRを行いました。
このチャレンジのおもしろいポイントは、ただハッシュタグを付けて投稿してもらうのではなく、「チーズがどのくらい伸びるか」を動画で撮影して投稿してもらうという、競争性のある企画を提示した点です。
「#ドミノチーズ100万」というハッシュタグで行われたこのキャンペーンは、TikTokとあわせてX(旧Twitter)やInstagramでも開催され、新商品の認知度と売上アップの両方に成功しました。
三和交通株式会社
引用元:TikTokで大人気となった“踊るタクシーおじさん”誕生秘話、採用活動に効果も!|TikTok for Business
タクシー会社の三和交通株式会社は、おじさんが楽しそうに踊る動画が「かわいい!」と話題になり、一気に会社の知名度がアップしました。
動画内で踊っている中心人物は取締役部長と渉外課長代理の2人。役員が積極的にTikTokに取り組んでいるのも、イメージアップに貢献した要因です。
現在では、ホテルマンやテレビクルー、客室乗務員など、職場でダンス動画をアップするのが一般的に。三和交通株式会社は、その先駆けともいえるでしょう。
江崎グリコ株式会社
引用元:江崎グリコ|PRWIRE
大手食品メーカーの江崎グリコ株式会社は、自社の人気商品、ポッキーとプリッツを広くPRするために11月11日を「ポッキー&プリッツの日」と決め、毎年大々的なPR活動をしています。
2023年に実施されたTikTokのハッシュタグチャレンジでは、「#ポッキー何本分体操」というハッシュタグを付けて多くの人に動画を投稿してもらうことに成功しました。
話題になったのは、有名インフルエンサーがポッキー&プリッツのオリジナル楽曲でダンスを披露したTikTok動画です。
ポッキーやプリッツを手に楽しそうに踊るインフルエンサーの投稿を見て、一般のユーザーも続々と動画を投稿しました。
TikTokの特徴である、キャッチーな楽曲とダンス、インフルエンサー、ハッシュタグといったあらゆる要素をかけ合わせて、大々的に実施したキャンペーンとなり、大きく拡散されました。
まとめ
ショート動画を投稿できる「TikTok」は、10代〜20代の若年層から支持されているSNSです。アカウントを開設して動画を投稿しながら運用するのはもちろん、ユーザー参加型の広告を活用すれば、集客と認知度向上の両方を目指すことができます。
アカウントの運用は無料でできるほか、分析機能が使える「ビジネスアカウント」にも無料で切り替えらえるので、ぜひほかのSNSとあわせて運用してみてください。