ステップメールは、リードナーチャリングに効果があるマーケティング施策の1つです。
メールマガジンを既に配信している顧客を育成してセールスに繋げたくても、ステップメールの構成や書き方がわからないと悩んでいる人もいるのではないでしょうか。
ステップメールは一話完結のメールマガジンとは異なり、複数のメールを繋いで顧客に一定のアクションをとってもらうように誘導していくため、作成方法が異なります。
この記事ではステップメールをマーケティングに使いたい方のために、以下の内容について説明します。
- ステップメールとメールマガジンの違い
- ステップメールに役立つセールスライティング
- ステップメールの構成例
- ステップメールの作成方法とポイント
この記事を参考にぜひステップメールを作成してみてください。
ステップメールとメールマガジンの違い
ステップメールとは、複数のメールを指定した順番やタイミングで送信し、顧客に段階的にアプローチしていくマーケティング手法です。
顧客に対して送信するメールには、メールマガジンもあります。メールマガジンは、顧客に対して同じメールを一斉に配信します。ダイレクトメールのメール版のようなものです。
メールマガジンは1通で伝える内容が完結していますが、ステップメールは複数のメールが1つの目標を達成するためにあります。
ステップメールの構成に役立つセールスライティング3種
ステップメールは、段階を踏んで自社の望む行動を顧客にとってもらうのが役割です。ここでは、ステップメールの構成に役立つセールスライティングのフレームワークを3種類紹介します。
- AIDMAの法則
- PASONAの法則
- 新・PASONAの法則
フレームワークを使うことで、どの要素をどの順番に配信すればいいかがわかります。商品やサービスによって効果のあるフレームワークが異なるため、ターゲットの心理状況をイメージして選びましょう。
1. AIDMAの法則
AIDMAの法則は、1920年代にサミュエル・ローランド・ホール氏が提唱した消費者の購買行動プロセスです。
意味 | 顧客の行動 | プロセス |
---|---|---|
Attention(注意) | 商品・サービスの存在を知る | 認知段階 |
Interest(興味) | 商品・サービスに興味を持つ | 感情段階 |
Desire(欲求) | 商品・サービスが欲しくなる | 感情段階 |
Memory(記憶) | 商品・サービスを覚えておく | 感情段階 |
Action(行動) | 商品・サービスを購入する | 行動段階 |
顧客に商品・サービスの存在を知らせて、徐々に購入への欲求を上げていくライティングです。
まずは商品・サービスを紹介し、顧客の悩み解決に役立つとアピールします。メリットを伝えたり、購入への不安や心配を払しょくしたりして購入へ繋げていきます。
2. PASONAの法則
PASONAの法則は、1999年にマーケターの神田昌典氏が提唱したセールスライティングのフレームワークです。
Problem(問題提起) | 顧客が抱えている悩みや欲求を提起する |
Agitation(煽り) | 問題を掘り下げて解決へと煽り立てる |
Solution(解決策) | 解決策を提示する |
Narrowing down(絞り込み) | 限定性による今すぐ購入すべき理由を示す |
Action(行動) | 購入を促す |
顧客の悩みや不安を深掘りつつ煽っていき、解決策を具体的に示すことで購入を促します。
3. 新・PASONAの法則
新・PASONAの法則は、2016年に神田昌典氏がPASONAの法則をアップデートしたフレームワークです。
旧PASONAの法則は「煽り」を間違って解釈する人がいて、顧客と信頼関係を構築できない問題が発生したため、新・PASONAの法則が生まれました。
Problem(問題提起) | 顧客が抱えている悩みや欲求を提起する |
Affinity(親近感) | 問題を掘り下げつつ顧客に共感し親近感を誘う |
Solution(解決策) | 解決策を提示する |
Offer(提案) | 解決策を導入してもらうための提案をする |
Narrowing down(絞り込み) | 限定性による今すぐ購入すべき理由を示す |
Action(行動) | 購入を促す |
共感や親近感を抱かせるライティングにすることで、顧客は「この人も自分と同じように悩んでいる」と感じ、自社を肯定的に捉えてくれるようになります。
ステップメールの構成例
ステップメールは配信数や目的などによって構成が変わりますが、最低限必要な構成を紹介します。
- 挨拶・お礼・自己紹介・特典配布
- 配信目的・メリット・問題提起
- 解決策の提示
- お客様の声・口コミ
- CTA
ステップメールはそれぞれのメールが次のメールを読ませるために構成が組まれています。すべてのメールが1本の線になるようにライティングするのがコツです。
1通目:挨拶・お礼・自己紹介・特典配布
1通目には挨拶や登録のお礼、担当者の紹介を入れ、登録特典を用意していれば配布します。
1通目はステップメールの第一印象に関わります。顧客にずっと読み続けたいと思ってもらうことが重要です。このステップメールを読み続けるとどのようなメリットがあるのか、何を得られるのかなどをしっかりと書きましょう。
2通目:配信目的・メリット・問題提起
2通目は、1通目で語った読者が得られるメリットについて具体的に示します。このステップメールを読み続けることで、どのような変化があるのかをわかりやすく書きましょう。
現状の悩みや課題を提起して、解決策を教えてほしいと思っている顧客を3通目へと引き付けます。
3通目:解決策の提示
3通目は、2通目で提起した課題や悩みの解決策を提示します。具体例やストーリーなどが複数あれば、何通かに分けることも可能です。解決策をわかりやすく説明し、顧客にイメージしてもらうことを意識して書きましょう。
4通目:お客様の声・口コミ
4通目は、実際に商品・サービスを利用した顧客の感想や体験談などを示します。第三者の声は信用されやすいため、もう一押しとして説得力を持たせられます。
5通目:CTA
最後のメールには、顧客に行動を促すためのCTAを設置します。URLを入れるだけでなく、ボタンを設置して目立たせることで顧客が行動しやすくなります。
今まで読んでいただいたお礼も伝えましょう。
ステップメールを作成する5ステップ
ステップメールの作成方法を5ステップで解説します。
- 配信目的を決める
- ターゲットを設定する
- シナリオを作成する
- ステップメールを執筆する
- 効果検証・改善する
ステップメールはそれぞれのメールが1本の線で繋がったストーリーと考えられます。顧客をどのように導きゴールに到達させるのかを、作成前に明確にしておくことが大切です。
1. 配信目的を決める
ステップメールを配信する目的とは、顧客にしてもらいたいアクションのことです。資料請求や商品購入、セミナー申し込みなど、自社の戦略に合わせて目的を決めましょう。
目的を最初に決めることで、一貫性のあるステップメールの構成を作成できます。目的とともに目標となるコンバージョン率を設定し、効果検証や改善の材料にすることも大事です。
2. ターゲットを設定する
ステップメールを配信するターゲットを決めることで、ターゲットが感じる悩みや不安に合わせた解決策を提示できます。ステップメールを毎回読んでもらうには、読者が内容を自分事にできるかが重要です。
ターゲットの心理状況に合わせたステップメールを配信し、最終的なアクションへと導いていきましょう。
ステップメールでは読者をセグメントに分けて別々のメールを配信できますが、あまりにも細かく分けるとメール作成や修正などのコストがかかりすぎてしまうため注意が必要です。
3. シナリオを作成する
目的とターゲットに合わせたシナリオを作成します。シナリオとは、読者を最終的なアクションにまで誘導するための筋書きのことです。シナリオで重要なものは、ストーリーと配信タイミングです。
ターゲットの心理状況を把握するためにカスタマージャーニーマップを作成し、プロセスに沿ってシナリオを構築していきましょう。
ステップメールでは、顧客の熱量を下げさせずにアクションまで導かなくてはなりません。1日1通というように短いスパンで配信し、単純接触効果によって親近感を与えるのが大事です。
ただし、セールス色の強いステップメールは嫌われることもあるため、目的に合わせた情報提供やストーリーを意識した構成を組む必要があります。
4. ステップメールを執筆する
顧客は時間をかけてじっくりとステップメールを読む訳ではありません。メールチェックのついでに読むのです。件名や冒頭の1~2文で興味を引かなければ、続きを読んでもらえないため、最初に興味を引き付ける内容を書きましょう。
ターゲットのニーズを捉えるステップメールを執筆するのに役立つのが、ストーリーテリングです。商品・サービスの開発秘話や担当者の思いなどのバックグラウンドの話をストーリーとして語ることで、共感や親近感を与えます。
5. 効果検証・改善する
ステップメールはたった1回の配信でうまくいくことはありません。ステップメールの開封率や反応率を測定し、反応の良い内容などを確認して次回の配信に活かします。
ステップメールの効果検証にはMAツールや顧客管理システム(CRM)を使います。データを抽出し、PDCAを回してCV率の高いステップメールを目指しましょう。
ステップメールを作成するときの5つのポイント
ステップメール作成時のポイントを5つ紹介します。
- 1配信1メッセージ
- 件名で興味を引く
- CTAを目立たせる
- HTMLメールで作成する
- 読者からの反応を得る
ステップメールは読まれなければ意味がありません。どのように顧客に開封してもらい、自社の望むアクションをしてもらえるのかをポイントとしてまとめているので、見ていきましょう。
1. 1配信1メッセージ
ステップメール1配信につき、伝えたいことは1つに絞りましょう。多くのメッセージを盛り込むと、本当に伝えたいことが伝わらなくなり、顧客にとってわかりにくいメールとなります。
顧客は配信に価値や受け取るメリットを感じないと、メールが届いても読まずにゴミ箱に入れたり、配信停止したりします。
読まれないステップメールは配信通数の無駄となるため、伝えたいメッセージを1つだけにして読む意義を明確に示すことが大事です。
2. 件名で興味を引く
件名は顧客が最初に見る項目です。開封率が件名によって変わるため、興味がわくようにメールの内容を端的に伝えなければなりません。
件名は15~20文字前後が適切とされており、伝えたいキーワードを左寄せで入れるのが件名作成のコツです。期間限定などの限定性の訴求も緊急性を演出できます。
3. CTAを目立たせる
ステップメールの最後の配信には、CTAを置きます。顧客は最後の配信のときには購入意欲が高まっているため、わかりやすくCTAを設置することが大事です。
ただのURLよりも画像やボタンリンクなどを用いて、CTAを目立たせる工夫が必要です。
4. HTMLメールで作成する
メールには、HTMLメールとテキストメールの2種類の形式があります。
HTMLメール | 文字のサイズや色の調整、画像の表示ができるメール |
テキストメール | テキストだけのシンプルなメール |
ステップメールにHTMLメールを使用すれば、画像などにURLを設定できるため、CTAを簡単に目立たせられます。画像を載せると重くなるため、見せたい画像を厳選して掲載するようにしましょう。
5. 顧客からの反応を得る
ステップメールは最後のCTAさえクリックしてもらえれば、最終的な目的を達成できますが、最後のメールだけCTAを置いても顧客が慣れておらず、クリックされない可能性があります。
そのため、毎回何らかの形で顧客からの反応を得られるメールがおすすめです。例えば、簡単なアンケートに回答してもらったり、感想を送ってもらったりすると、顧客の意欲が高まり最後のCTAもクリックしてもらいやすくなります。
ステップメールはシナリオの構成が大事
この記事では、ステップメールの構成例や作成方法などを解説しました。
ステップメールによって顧客の信頼を得ながら自社商品・サービスをアピールできます。どのような構成でどのタイミングで配信するのかがステップメールには重要です。
効果を検証してPDCAを回し、より反応を得られるステップメールを作成しましょう。
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