AIDMAの法則で効率的なマーケティングを|活用のポイントを説明

最終更新日: 2024/04/26 公開日: 2024/04/26

AIDMAの法則は、消費者が商品・サービスを認知してから購入までのプロセスを表現したフレームワークです。

マーケティング戦略を立てるのに重要な法則ですが、上手く使いこなせない人もいるのではないでしょうか。

この記事では、AIDMAの5段階ごとにアプローチ方法や活用ポイントを説明しています。消費者の購買行動が多様化していることに伴い、AIDMAの法則から派生した購買行動モデルも紹介します。

AIDMAの法則を簡単に説明

AIDMA(アイドマ)の法則は、1920年代にアメリカのビジネス作家であるサミュエル・ローランド・ホールが自身の著書『Retail Advertising and Selling』の中で提唱したものです。

消費者の購買行動プロセスを5段階に分け、見込み顧客がどの段階にいるかを分析することでマーケティング戦略を立てやすくなります。また、自社のマーケティング施策の弱点や課題を明確にできるため、効率の良い改善が可能です。

AIDMAの法則の段階プロセスとアプローチ方法

AIDMAの法則では、5段階で消費者の状態や企業の課題を表しています。

プロセス段階消費者の状態企業の課題
Attention(認知)認知段階知らない認知度向上
Interest(興味)感情段階興味がない理解促進
Desire(欲求)感情段階欲しくないニーズ喚起
Memory(記憶)感情段階覚えていない記憶の維持
Action(行動)行動段階買う機会がない購入機会の提供

ここではAIDMAの法則に基づいて、消費者の状態と企業のアプローチ方法を説明します。

1. Attention(認知)

「Attention(認知)」の段階では、消費者は自社商品・サービスの存在を知らずにいます。企業はそのようなターゲットに対して「こんな商品があるんだ」と気づいてもらい、商品・サービスの認知を拡大することが必要です。

認知拡大のためには以下のような施策があります。

  • テレビCM・新聞広告などのマスメディア
  • SNS投稿
  • Web広告
  • ホームページ・ブログ
  • MEO対策
  • 看板・のぼり
  • チラシ配布・ポスティングなど

商品・サービスのターゲットがどのようなメディアを見ているのか、どのようなルートで購入に至るのかを分析し、適した施策を実施しましょう。

2. Interest(興味)

「Interest(興味)」の段階では、自社商品・サービスの存在や名前を知ってはいるけれども興味がない状態です。企業は商品・サービスを「自分にメリットがありそうだ」「もう少し詳しく知りたい」と興味を持ってもらう必要があります。

ホームページを見たり、来店したりしてもらえるように、Web広告や看板などのクリエイティブやキャッチコピーを工夫することが大事です。

商品のプレゼントキャンペーンなどをSNSで実施して特徴やメリットを感じてもらうと、より商品の魅力が伝わります。

3. Desire(欲求)

「Desire(欲求)」の段階は、商品・サービスに興味はあるけれども欲しいと思っていない状態です。買いたいと思ってもらうためには、ニーズを喚起する必要があります。

ニーズの喚起には、以下のような施策が有効です。

  • SNSでのやり取り
  • 口コミ・レビュー
  • 売れ筋ランキング
  • コミュニティ内でのコミュニケーション

商品・サービスを欲しいと思わせるポイントは、自社商品・サービスが競合と比較して、どのような良さやメリットがあるのかを明確に訴えることです。口コミやレビューによって「自分もメリットを享受したい」と思わせることが大事です。

4. Memory(記憶)

「Memory(記憶)」の段階は、欲しいと思っていてもまだ購入には早いと考えている状態です。まだ買わなくていいと思っている間に新しい情報に押し流され、欲しい気持ちを忘れてしまいます。

自社商品・サービスを忘れさせないように、リマインドや強いブランディングの構築が必要です。Memoryには以下のような施策があります。

  • リターゲティング広告
  • メールマガジン
  • LINE公式アカウント
  • SNSでのやり取り
  • ダイレクトメール

マスメディアの広告出稿や看板、Web広告などを使い、消費者が頻繁に広告を見るようにするのも忘れさせない点で有効です。キャッチフレーズを適切につくり、一度聞いたら忘れられないブランディングを構築することも重要です。

5. Action(行動)

「Action(行動)」の段階は、購入したいと思っていても、どう買えばいいのかわからない状態や最後の一歩を踏み出せない状態です。企業は購入までの導線を整備する必要があります。

  • CTAボタンを目立たせる
  • ワンクリックで注文
  • 個人情報登録の簡略化
  • 電話で受け付け
  • ECサイトやLPにアクセスするスピードアップ

また、不安を払拭して今すぐ購入してもらう施策を実施することで、ターゲットを購入へと促せます。

  • 期間限定
  • 数量限定・人数限定
  • 限定特典の提供
  • 返品保証・返金保証
  • カスタマーサービスの設置

ターゲットが行動に移りやすくするために、疑問や不安はできる限り取り除いておくことが大切です。

AIDMAの法則を活用する際の4つのポイント

AIDMAの法則を活用する際に重要なポイントは以下の4点です。

  1. 最初に「Attention(認知)」に重点を置く
  2. 各段階の消費者心理に合わせて施策を実施する
  3. ペルソナを具体的に設定する
  4. 各段階で目標を設定する

マーケティング戦略で成果を出すために必要なことですので、ぜひ注目してください。

1. 最初に「Attention(認知)」に重点を置く

「Attention(認知)」は最も消費者の母数が大きい段階です。

「Attention(認知)」が増えれば「Action(行動)」に導ける人数が増えるため、集客の成果が高まります。一人でも多くの消費者に自社商品・サービスを知ってもらうために、認知度を上げる施策が必要です。

2. 各段階の消費者心理に合わせて施策を実施する

AIDMAの法則で示された5段階それぞれで消費者の心理は異なります。

各段階で適切なマーケティング施策も異なるため、今消費者はどの段階にいるのかを見極めて施策を実施することが大切です。マーケティング施策をAIDMAの法則に当てはめることで効果を高められます。

3. ペルソナを具体的に設定する

AIDMAの法則を活用する場合、ペルソナ像を明確にする必要があります。

ペルソナとは、商品・サービスを利用する典型的な顧客像のことです。ペルソナ設定では、年齢や性別などのデモグラフィック属性と価値観やライフスタイルなどのサイコグラフィック属性を決めます。

ペルソナを設定することで、AIDMAの各段階で消費者がどのように考えるか、行動するかを具体的に想像できるため施策に生かせます。

4. 各段階で目標を設定する

AIDMAの法則の各段階ごとに数値目標を設定します。

具体的な数値で目標を設定することにより、結果と比較してどの段階に課題があるのかを分析できます。課題のある段階の施策をピンポイントで改善すれば良いので、効率的な課題解決が可能です。

AIDMAの法則以外の購買行動モデル

AIDMAの法則は100年前に生まれたフレームワークですが、現在でも一般的な購買行動に当てはめることが可能です。現在ではAIDMAの法則をもとに、それぞれの事業やマーケティング施策によって新たな購買行動モデルが作られました。

  1. AIDAの法則
  2. AISASの法則
  3. AISCEASの法則
  4. AIDCAの法則
  5. AIDCASの法則
  6. AIDEESの法則
  7. ARCASの法則

今までにたくさんの購買行動モデルが提唱されてきましたが、ここでは7種類を説明します。

1. AIDAの法則

Attention(認知)商品・サービスを認知する
Interest(興味)商品・サービスに興味を持つ
Desire(欲求)商品・サービスを欲しいと思う
Action(行動)商品・サービスを購入する

AIDA(アイダ)の法則はAIDMAの法則も含めた購買行動プロセスの元となったフレームワークです。アメリカの広告業界の礎を築いたセント・エルモ・ルイスによって提唱されました。

消費者が商品・サービスを知ってから購入するまでのプロセスが表されており、セールスレターにも使われている型です。

2. AISASの法則

Attention(認知)商品・サービスを認知する
Interest(興味)商品・サービスに興味を持つ
Search(検索)商品・サービスの情報収集する
Action(行動)商品・サービスを購入する
Share(共有)口コミで商品・サービスを共有する

AISAS(アイサス)の法則はデジタルマーケティングの購買行動を表したフレームワークです。2005年に電通によって提唱されました。

消費者は商品・サービスに興味を持った後、GoogleやSNSで検索して情報収集します。購入してからSNSやブログで口コミを発信するようになったことが追加されました。

AIDMAの法則が一般的な購買行動モデルであるのに対して、AISASの法則はインターネット普及後のモデルとなっています。

3. AISCEASの法則

Attention(認知)商品・サービスを認知する
Interest(興味)商品・サービスに興味を持つ
Search(検索)商品・サービスの情報収集する
Comparison(比較)他の商品・サービスと比較する
Examination(検討)商品・サービスを購入すべきか検討する
Action(行動)商品・サービスを購入する
Share(共有)口コミで商品・サービスを共有する

AISCEAS(アイシーズ)の法則はAISASの法則をより細かいプロセスに分けた購買行動モデルです。比較サイトやレビューサイトで比較してから購入を検討するプロセスが追加されました。

多くの人が口コミを見てから購入するため、企業は特典などを用意して口コミを依頼する施策を実施するようになっています。

4. AIDCAの法則

Attention(認知)商品・サービスを認知する
Interest(興味)商品・サービスに興味を持つ
Desire(欲求)商品・サービスを欲しいと思う
Conviction(確信)商品・サービスの価値を確信する
Action(行動)商品・サービスを購入する

AIDCA(アイドカ)の法則は、高額な商品・サービスを販売する際に活用されるフレームワークです。

家や車などの高額商品を購入する際は、欲しいからと言ってすぐに購入するわけではなく、自分に必要なものだと確信しなければなかなか決断できません。確信の段階に進ませるために、商品・サービスを手にしたときの未来を見せることが大事です。

5. AIDCASの法則

Attention(認知)商品・サービスを認知する
Interest(興味)商品・サービスに興味を持つ
Desire(欲求)商品・サービスを欲しいと思う
Conviction(確信)商品・サービスの価値を確信する
Action(行動)商品・サービスを購入する
Satisfaction(満足)商品・サービスに満足する

AIDCAS(アイドカス)の法則は、AIDCAの法則に「Satisfaction(満足)」を追加したモデルです。セールスライティングのフレームワークとしても活用されています。

購入後は商品・サービスに満足しリピーターになるまでをマーケティング戦略に置いており、カスタマーサクセスを重視したプロセスになっています。

6. AIDEESの法則

Attention(認知)商品・サービスを認知する
Interest(興味)商品・サービスに興味を持つ
Desire(欲求)商品・サービスを欲しいと思う
Experience(体験)商品・サービスを体験する
Enthusiasm(熱中)商品・サービスの良さを知り熱中する
Sharing(共有)口コミで商品・サービスを共有する

AIDEES(アイデス)の法則は、SNSやブログなどで個人が情報発信している状況を表した購買行動モデルです。

「Experience」で商品・サービスを購入し体験した後、その良さを知ります。最終的に商品・サービスの口コミを書いて広めていき、別の消費者が「Attention(認知)」するきっかけとなります。

他の購買行動モデルは一方通行であるのに対し、AIDEESの法則はプロセスが循環しているのがポイントです。

7. ARCASの法則

Attention(認知)商品・サービスを認知する
Remind(思い起こし)来店して商品・サービスを思い出す
Compare(比較)他の商品・サービスと比較する
Action(行動)商品・サービスを購入する
Satisfy(満足)商品・サービスに満足する

ARCAS(アルカス)の法則は、店舗ビジネスで活用される購買行動プロセスです。

広告などで商品・サービスを認知し、店頭で思い出して他の商品・サービスと比較し購入するという流れです。店内の雰囲気や接客態度などでも満足すれば、リピーターとなります。

AIDMAの法則を使ってマーケティング施策を効率的に実装しよう

この記事では、AIDMAの法則を各段階に分けて消費者心理やアプローチ方法などを説明しました。AIDMAの法則はマーケティング戦略の基礎となるフレームワークです。

消費者がどの段階で何を感じているのかを知ることで、適切な施策を実施できます。AIDMAの法則以外にも新たな購買行動モデルが提唱されているため、自社の商品・サービスや事業に合わせて活用しましょう。

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最終更新日: 2024/04/26 公開日: 2024/04/26