メールマガジンの作り方|抑えておきたいポイント・注意事項を解説

最終更新日: 2024/05/09 公開日: 2024/05/08

メールマガジンとは、登録したユーザーに対して定期的に自社の商品やサービス情報を配信するためのマーケティング手法のことです。

低コストで運用を開始することが可能であり、新規顧客(見込み客)や既存顧客との継続的なコミュニケーションを行うことができます。

本記事ではメールマガジンの作り方、効果的な配信や運用を行う上で抑えたいポイントについて解説します。

メールマガジン配信前の準備

メールマガジンを作る前に欠かせないことを、まずは解説していきます。

事前準備が明確になっていないと思ったような結果を手にすることができないので、確実に抑えるようにしましょう。

メールマガジンの配信目的を明確にする

まず最初に設定すべきはメールマガジンの配信目的です。

「誰に?」「何を?」「どのような成果を生み出したい?」というWHO、WHAT、HOWを明確にするようにしましょう。

メールマガジンの配信目的は企業や規模によって細分化されますが、大別すると下記の3つが挙げられます。

  1. 新規顧客(見込み客)への販売促進/獲得
  2. 既存顧客の売上アップ
  3. 既存顧客のファン化(囲い込み)

新規顧客獲得が目的のメールマガジン

新規顧客獲得が目的になるメールマガジンは商品の購入や資料請求、メールマガジン登録などを促進する目的で配信されるケースが一般的です。

成果に繋げるためには受け手であるユーザーにとってメリットがある内容を適切なターゲティングをした上で配信することが重要です。

たとえば読者が40代女性であれば、20代女性に向けた内容では開封率は下がってしまうため、気をつけなければなりません。

既存顧客の売上アップが目的のメールマガジン

既存顧客の売上(リピーター化)が目的になるメールマガジンでは主にセールなどの期間限定の割引情報など分かりやすいユーザーメリットを配信することが一般的です。

基本的にユーザーは自分にメリットのある情報や興味のある情報しか開封しません。

だからこそ、読者の欲求に刺さる配信内容が求められます。

顧客の購買履歴や関心のある情報を過去データから引き出し、関連性のある商品やサービスを紹介する情報を配信するようにしましょう。

ファン化を目的としたメールマガジン

3つ目は、顧客のファン化です。

商品やサービスに興味があったり、愛着心を持っている優良顧客層をメルマガを通して育てていくのが目的です。

マーケティングでは「1対5の法則」、「5対25の法則」という法則があります。

  • 1対5の法則・・
    新規顧客に販売するコストは既存顧客に販売するコストの5倍はかかるという法則
  • 5対25の法則・・
    顧客離れを5%改善すれば、利益が最低でも25%改善されるという法則

とても重要なことなので、ぜひ意識してみてください。

メールマガジンの配信時間を決める

メールマガジンを運用する上で配信時間をあらかじめ決めることは、非常に重要です。

適切な配信時間を決める上で下記のようなポイントを押さえて設定や検証を行うと良いでしょう。

ターゲット層の生活リズム

メールマガジンを配信するターゲット層の生活リズムや行動パターンを分析し、ユーザーがメールを受け取り、開封してもらいやすい時間帯を把握します。

朝の通勤時間外やお昼休み、夜帰宅後の時間帯を狙うなど意図してみましょう。

このようにターゲット層の生活リズムをイメージして、メルマガの開封率を最大限に高めることのできる配信時間の設定の検証が運用上必ず必要になります。

メールマガジンを作るコツ

顧客と良質なコミュニケーションや情報提供ができるメールマガジンを作るコツについていくつかご紹介します。

開きたくなるタイトル|4Uの原則

メールマガジンのタイトル設定は、配信ユーザーの興味関心を喚起し、メールを開封してもらうために非常に重要です。

タイトルを考える際に、「4Uの原則」を意識すると良いでしょう。

4Uの原則とは次のものです。

  • Useful(有益性)
  • Urgent(緊急性)
  • Ultra specific(具体性)
  • Unique(独自性)

それぞれ解説します。

①Useful
(有益性)
タイトルを見ただけで、ユーザーにとってどんな有益なことが自分にあるのかを伝える。

例:最大4万円分!割引チケット配布中♪
②Urgent(緊急性)「限定」、「◯人まで」「今すぐチェック」などの時間や対象を限定する言葉を入れてユーザーを刺激する。

例:無料ご招待/明日12:00まで!著書10万部トップマーケターに学ぶ勝てるマーケ組織の作り方
③Ultra specific(具体性)できるだけ具体的な数字を入れ、メールを受け取ったユーザーがイメージしやすくする。

例:8年連続ランキングNo1!月々245円からの学資保険
④Unique(独自性)【】☆彡などの記号や疑問形、!?の感嘆詞を使ったタイトルを付けることでユーザーにインパクトを与えメールの中で埋もれにくい効果をもたらす

例:【最大30%OFF実施中!】 もうすぐ訪れる桜の季節を満喫しませんか?2024年4月に予約できる人気観光スポットをご紹介☆彡

構成はフレームワークで作る|BEAFの法則・PREP法

メールマガジンの作り方について基本的なことがわかったところで、メールマガジンを運用する上で取り入れるとより精度や戦略性が増すフレームワークを2つ紹介します。

①BEAFの法則

「BEAFの法則」は商品やサービスの魅力や特徴を伝えるのに効果的な法則で、すでに商品・サービスに興味関心のあるユーザー向けです。

BEAFの法則とは、次の通りです。

  • B:Benefit(恩恵)
  • E:Evidence(根拠)
  • A:Advantage(優位性)
  • F:Feature(特長)

4つのアルファベットが持つそれぞれの意味についてシャンパンを例にして順にお伝えします。

Benefit(恩恵)Benefit(恩恵)は商品・サービスを購入・利用することによって、顧客が得られる恩恵やメリットを伝えることです。

(例)この人気急上昇中のシャンパンは味は勿論のこと、華やかで高級感溢れるボトルデザインはギフトにも最適会食やパーティーなどに彩りを与えてくれる逸品!
Evidence(根拠)Evidence(根拠)では、信頼できる、もしくは商品・サービスが評価されている裏付けのことを指します。

(例)フランスで最も権威のあるバイヤーズセレクションにおいて2年連続3つ星評価
Advantage(優位性)Advantage(優位性)は単なるメリットではなく、競合他社と比べて有意な点や、自社商品ならではの強みのことを指します。

(例)創業120年の超老舗ワイナリーが4年間瓶内熟成を行った拘りの製法
Feature(特長)「F:Feature(特長)」では、商品の「色・サイズ・成分・機能」など、商品の具体的な情報を記載します。

(例)色調は、黄金色がかった明るいイエロー、泡のきめは細やか。香りはリンゴやグレープフルーツのような果実香にナッツや蜂蜜の香りが調和されている。

上記のように、BEAFという4つの切り口で商品・サービスの魅力を伝えると既に興味関心層にユーザーがより本格的に検討しやすい状況に移行しやすくなります。

②PREP法

2つ目の「PREP法」は最初に結論を伝えてから理由を述べるという構成「結論→理由→具体例→結論」で、説得力のある文章を作成するのに有効なフレームワークです。

PREP法は、以下の4つの要素で成り立っています。

  • Point:(結論)
  • Reason:(理由)
  • Example:(具体例)
  • Point:(再結論)

ライティングやプレゼンが上手なビジネスマンが身に付けているフレームワークとしても有名です。

Point:結論腸内環境を整えるには納豆がおすすめです。
Reason:理由納豆には腸内環境を整える食物繊維が豊富に含まれているからです。
Example:具体例腸活の研究で有名な料理研究家のSNSでも、様々な納豆の食べ方が紹介されています。
Point:再結論このように食物繊維が豊富で、手軽に食べることができる納豆は腸内環境を整えるのに最適なのです。

上記のように結論から伝えることにより、「なぜ結論に至ったのか?」と理由を知りたくなるからです。特に、WEBで情報収集をするユーザーは、結論を先に求める傾向があります。

結論重視の「PREP法」は、限られたテキスト量で説得力のある紹介文にすることができるのでメールマガジンの文章作成にも適したフレームワークです。

メールマガジン配信時の注意事項

ここまではメールマガジンを作る上でコツとなるポイントをご紹介しましたが、下記のような注意事項にも留意してメールマガジンを運用しましょう。

誤字脱字

誤字脱字があると、それだけで内容が伝わりにくくなったり、訴求効果が弱まってしまったりします。

また配信前に十分なチェックを行っていないと判断されて、信頼性が低下することも考えられます。

配信前は必ず誤字脱字のチェックを行い、テスト配信を行った上で校正も行い誤字脱字のチェックを怠らないようにしましょう。

リンク先が正しく設定されているか

配信メール内に記載されているURLのリンクが正しいかどうかは送信前に必ず確認しましょう。

URLのリンクが誤っているとユーザーを適切な情報に誘導することができず、訴求効果が損なわれてしまいます。

また、リンクが多すぎるとユーザーが離脱したり、読みやすさが損なわれるのでその点も注意しましょう。

配信解除リンクを設置する

メールマガジンでは、配信の一時停止や解除の方法を分かりやすく記載することも必要です。

「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」という迷惑メールを規制する法律では、メルマガ配信を停止する方法をユーザーが分かりやすいように設置することが義務付けられています。

法律に抵触しなくても、配信解除の仕方が分かりにくいと、ユーザーは企業側に不信感を抱くことになりかねないので、配信解除リンクは必ず分かりやすい位置に設置しましょう。

記事内のURLクリック率も計測

メールマガジンを運用する際はメールの開封率だけでなく、メール本文に記載したURLのクリック率も計測してPDCAを回すようにしましょう。

クリック率の計算方法は次のようになります。

  • クリック数 ÷ 配信成功数 × 100 = クリック率

たとえば、メルマガ7000通の配信に対して、URLが100回クリックされた場合、クリック率は1.4%となります。

なお「配信成功数」には、ユーザーの受信BOXに届いたメールだけでなく、迷惑メールボックスに届いたものも含まれます。

メールからランディングページに飛ばして詳細な商品・サービスの紹介をしている場合などはこのクリック率が最重要指標になります。

HTMLメールを実装しているツールを選ぶ

HTMLとはWebページ作成用に開発された言語です。

テキストメールが文字だけで作られているのに対し、HTMLメールは画像を挿入したり文字の色やサイズを加工したりといった、Webページ同様の装飾を施すことが可能です。

ここでは、HTMLを実装している作成ツールを3つご紹介します。

下記の3つは全て無料トライアルも可能なので、複数試して使い勝手を比較するのも良いでしょう。

Benchmark Email

Benchmark Emailは世界50万社に利用された実績を持つ米国発のメール配信システムです。

ドラック&ドロップで直感的な操作で簡単にHTMLメールを作成することができます。

リアルタイムで更新されるレポート機能を使えば、メールの送信数、開封数、クリック数、エラー件数、リンクごとのクリックユーザーの特定などができるので効果検証もしやすい所も魅力の一つです。

Benchmark Email

Campaign Monitor

Campaign Monitorは、メールマーケティングに役立つ機能が備わったHTMLメールの作成ツールです。

豊富なテンプレートやメール配信機能、表示確認に役立つプレビュー機能、さらには現状把握や効果検証に役立つレポート機能も充実しています。

Campaign Monitor

HubSpot

HubSpotはCRMツールとしてとても有名です。

メールマガジンを配信できるツールとしても、さまざまな企業から親しまれています。

アメリカで生まれた企業ではありますが、日本でも導入事例も増えております。

契約プランはさまざまですが、必要に応じてオプション形式で選ぶこともでき、クライアントから配信されてきたメールを社内で共有するためにも役立ちます。

分析機能も優秀なので、ぜひご検討ください。

HubSpot

まとめ

メールマガジンをこれから始める上で初期段階に抑えておきたいポイントや注意事項をご紹介しました。

メールマガジンは確固たる目的を設定して、計画的に運用することによって最もコストパフォーマンスに優れたマーケティングツールにもなり得ますが、注意事項やリスク管理もしっかり準備して運用しましょう。

セミナーズではメールマガジンの作り方や運用に関するご相談や資料の提供も行っておりますのでこちらも是非ご覧ください。

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最終更新日: 2024/05/09 公開日: 2024/05/08