ピーター・ドラッカーは、「マネジメントの父」として知られており、経営やマネジメントの分野で大きな影響を与えた人物です。
しかし、経営やマネジメントだけではなくマーケティングについても様々な名言を残しておりピーター・ドラッカーからマーケティングの本質について学ぶべき点も多いことも事実です。
この記事では、ピーター・ドラッカー本人についてやピーター・ドラッカーの名言から学べるマーケティングの知識を紹介していきます。
ピーター・ドラッカーとは
ピーター・ドラッカーは、オーストリア出身の経営学者です。
1939年に『経済人の終わり――新全体主義の研究』を初めての著書を出版、その後も数多くの著書を出版しています。
ピーター・ドラッカーの主な著書
- 『経営とは何か』
- 『現代の経営』
- 『会社という概念』
- 『マネジメント――課題・責任・実践』
- 『プロフェッショナルの条件――いかに成果をあげ、成長するか』
- 『企業とは何か――その社会的な使命』
- 『経営者の条件』
著書の中で、ピーター・ドラッカーは主に企業や経営、マネジメントについて述べており、「マネジメント」「分権化」「知識労働者」など多くの用語を生み出したことでも有名です。
一方でピーター・ドラッカーの専門領域は非常に幅広く、ドラッカー自身は社会生態学者と名乗っています。
その特徴のひとつとして個人の強みを活かすためのセルフマネジメントについての著書も多く出版しています。
このように多岐に渡る分野に影響を与えた人物がピーター・ドラッカーです。
なぜピーター・ドラッカーを学ぶのか?
ピーター・ドラッカーの最初の出版は1939年と80年以上も前です。
では、なぜ今ピーター・ドラッカーについて学ぶのでしょうか?
それは、ピーター・ドラッカーが物事の本質を見抜くことに優れていたことに関係します。
80年以上前から語り継がれるピーター・ドラッカーの教え
ピーター・ドラッカーは、高齢化社会やテロリズムといった現在世界が直面している課題について何十年も前から指摘していました。
また、ピーター・ドラッカーの理論はイギリスのサッチャー元首相やソニー創業者の盛田氏、ユニクロの柳井氏などこれまでに多くの経営者や指導者に影響を与えています。
ピーター・ドラッカーの理論は、本質をついたものが多く現代でも通じるからこそ時代を超えて幅広く支持されています。
日本では2009年に『もし高校野球の女子マネージャーがドラッカーの『マネジメント』を読んだら』というピーター・ドラッカーに関する著書が話題になり、再度注目を集めました。
個人の成長とチームマネジメント、そして社会の変化を的確に見抜くピーター・ドラッカーの理論は、現在の経営、マネジメントだけではなくマーケティングでも十分役立ちます。
モノが溢れる今の時代だからこそ、ピーター・ドラッカーの理論を学ぶことは重要です。
ピーター・ドラッカーの名言をマーケティングに活かす
ピーター・ドラッカーはこれまで出版した著書の中で様々な名言を残しています。
ここでは、マーケティングに活かせるピーター・ドラッカーの名言をいくつか紹介していきます。
名言①マーケティングの理想は、販売を不要にすること
マーケティングの理想は、販売を不要にすることである。マーケティングが目指すものは、顧客を理解し、製品とサービスを顧客に合わせ、おのずから売れるようにすることである
ピーター・ドラッカー.『マネジメント』
モノが溢れ、商品自体の差別化がすでに難しくモノが売れにくい現代、商品を自然と顧客に選んでもらえることがマーケティングには必要です。
企業が顧客に対して商品を買うように導線を作るのではなく、顧客が何を求めているか理解し、顧客が自然に商品を選ぶ状態を作ることがマーケティングの理想であると述べています。
企業が売りたいモノではなく、顧客が求めているモノは何なのか?
常に考え、顧客の目線で物事を考えることがマーケティングでは重要です。
マーケティングとは?の基本に立ち返れる名言です。
名言②企業の目的は顧客の創造
企業とは何かを理解するには、企業の目的から考えなければならない。企業の目的は、それぞれの企業の外にある。事実、企業は社会の機関であり、その目的は社会にある。企業の目的として有効な定義は一つしかない。すなわち、顧客の創造である。
ピーター・ドラッカー.『現代の経営』
企業は何のために存在するのか、その答えは顧客を創り出すことにあります。
企業の目的というと利益を最大化することだと考えてしまいがちですが、ピーター・ドラッカーは顧客の創造が大切だと言うのです。
企業自らが顧客を創り出せると、顧客は自然と創り出した企業の商品を購入するでしょう。
顧客を創り出すことは、マーケティングの理想でもある「販売を不要にすること」にも繋がります。
日々変化する社会の中で、企業自ら顧客を創り出せることこそが企業の成長に繋がります。
名言③顧客が求める本質
「われわれは何を売りたいか」ではなく、「顧客は何を買いたいか」を考える。「われわれの製品やサービスにできることはこれである」ではなく、「顧客が見つけようとし、価値ありとし、必要としている満足はこれである」
ピーター・ドラッカー.『マネジメント』
顧客が価値を感じる商品・サービスを開発したり改良したりするために、顧客目線に立って考えようと思うものの、無意識に自社が顧客に売れるものや現状でできることに執着してしまう人も多いと思います。
しかしこの枠組みの中でしか物事を考えられないと、常に今すでにある選択肢の中で勝負するしかなくなってしまいます。
それよりも顧客はどのようなことに価値を感じているのか、本当に求めているものは何かに目線を広げると、今まで検討していなかったあらゆる選択肢が生まれてくるのではないでしょうか。
視座が狭まっているときに、顧客が求める本質をつく、この言葉の意味を考えることで、物を売る側から買う側への目線に立ち返れます。
名言④マーケティングとは経営の全体である
マーケティングは、販売よりもはるかに大きな活動である。それは専門化されるべき活動ではなく、全事業にかかわる活動である。
ピーター・ドラッカー.『現代の経営』
ピーター・ドラッカーは、マーケティングは企業の経営全体に関わると述べています。
なぜなら企業の目的が顧客の創造で、顧客を創造するための活動こそがマーケティングであるからです。
そう考えると顧客を創り出すマーケティングは、企業の中でかなり重要だとイメージできるでしょう。
マーケティングは、マーケティングチームだけが知っておけば良いというものではなく、企業の全ての事業を動かしていく要です。
そのため、マーケティングは顧客の目線で事業を俯瞰し、全事業を巻き込んで行く必要性があります。
経営者こそマーケティングに関わるべきと言われる理由はここにあるのです。
名言⑤企業が成果を得られるのはマーケティングとイノベーション
「企業の目的は顧客の創造である。したがって、企業は二つの、ただ二つだけの企業家的な機能をもつ。それがマーケティングとイノベーションである。マーケティングとイノベーションだけが成果をもたらす。他のものはすべてコストである」
ピーター・ドラッカー.『マネジメント』
ピーター・ドラッカーはイノベーションを起こすためには7つの要素が必要だと述べています。
- 予期しないもの
- ギャップ
- ニーズ
- 産業市場の変化
- 人口構造の変化
- 意識の変化
- 発明や発見
マーケティングで顧客の求めているモノ、つまりニーズを把握しておくことがイノベーションには必要です。
ニーズを把握し、顧客が本当に求めていることに気づけているからこそ、より良い革新的なものを生み出せるのです。
このようにマーケティングとイノベーションは密接に関係しているのです。
企業を経営していく中で、マーケティングとイノベーションは大きな柱となります。
なぜなら、企業にとってマーケティングとイノベーションのみが成果を得られるものだからです。
そのためマーケティングとイノベーションは企業にとってどちらも欠けてもいけません。
マーケティングとイノベーションを続けていくことが企業に求められています。
まとめ
ピーター・ドラッカー自身について、そしてドラッカーの名言から学ぶマーケティングについて紹介してきました。
名言にも出てきたように、マーケティングは経営全体に関わります。
本質的をつき、現代でも通用するピーター・ドラッカーの理論は、経営者こそ抑えておくべきだと言えるでしょう。
ピーター・ドラッカーの名言を、経営やマネジメントだけでなくマーケティングにも活かしていってください。
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