- マーケティングを学び出したけど、イノベーションとの違いが分からない。
- ドラッカーの言う“イノベーション”についてもっと詳しく知りたい!
- 企業の目的は、顧客満足度を向上させ利益を最大化させることだ!
このように思われている方はいませんか?
ピーター・ドラッカーにとって、イノベーションとは「顧客を創造すること」と提唱しています。そのため、企業の目的は「顧客を満足させること」ではないといいます。
今回は、ドラッカーから学ぶマーケティングとイノベーションの違いを解説しながら、顧客の創造に成功した企業事例を取り入れて詳しく解説してきます。
マーケティングとイノベーションの違い
イノベーションとマーケティングには、現時点で商品があるかないかという違いがあります。
2つは密接に関係していて、現代ではイノベーションが軸になり適切な価値提供ができるマーケティングを行うことが理想的です。
また、マーケティングとイノベーションの違いには、企業活動においての「視点」にも違いがあります。
- マーケティング = 過去から学び、現在、未来を想定して売れる仕組みづくりをすること。
- イノベーション = 未来に視点におき、新しい顧客を創造すること。
このように過去視点を含むか、また未来に視点をおくかという違いもあります。
ここからは、マーケティングとイノベーションについて、さらに詳しく解説していきます。
マーケティングとは?
マーケティングとは、商品やサービスを顧客に提供するために売れる仕組みづくりの活動のことをいいます。
つまり、企業側が顧客に対して、なにもしなくても勝手に売れる仕組みを考察するプロセスすべてのことを指します。
企業側が売り込まなくても自動的に売れるようにするために、
- 商品やサービスの品質を高める
- 価格を安くする
- 顧客体験価値を高める活動
- SNSの宣伝活動
といった数々の方法や活動すべてがマーケティングの概念に含まれます。
イノベーションとは?
イノベーション(Innovation)とは、直訳すると「革新」また「新機軸」「新しい活用法」といった新しい技術発明のことを意味します。
また、今までになかった新しい仕組み、新しい技術を取り入れることで社会的、経済的に大きな影響をもたらし、社会全体に新しい価値を生み出す取り組みのことを指します。
つまり、具体的に企業が商品やサービスの
- 新しい開発や生産方法の取り入れ
- 新資源の導入
- 新しい販売経路の開拓
などが含まれます。
ドラッカーの言うイノベーションとは?
ドラッカーの言うイノベーションとは、「顧客を創造」することです。
要は、顧客の潜在的ニーズを考慮しながら、新しい顧客を創出する活動のことを指します。
例えば、Apple社からiPhoneが発売された際に、顧客は「スマートフォンが欲しい」というニーズはなかったでしょう。
この時点での顧客のニーズは「今よりも優れている便利なものがあれば嬉しいな」といったニーズだったかもしれません。
しかし現代では、Appleがイノベーション活動を行なったことにより、「スマートフォンが欲しい」といった新しいニーズを生み出しています。
そこからマーケティングが成功したことにより、顧客にとってスマートフォンを持つことは当たり前になっています。
このようにトラッカーは、イノベーションとは「顧客を創造すること」と提唱しています。
ドラッカーから学ぶ「顧客の創造」について
ここからは、ドラッカーから学ぶ「顧客の創造」について、さらに詳しく解説していきます。
企業の第一目的
企業にとっての目的はそれぞれ違いはありますが、ドラッカーにとっての企業の目的は「顧客を創造すること」と定義しています。
経営者の方が「企業の目的とは?」と問われると下記のような目的が多いのではないでしょうか?
- 利益の最大化
- 売り上げの拡大
- 顧客満足の獲得
- 株主価値の最大化
- 社会奉仕(社会貢献)
などが挙げられます。
これが間違いという訳ではありません。
ドラッカーにとっての企業の目的の定義は「利益の最大化すること」や「顧客満足の獲得」ではないといいます。
企業の目的は企業の外にあるため、【社会】に視点を向けることが重要ということです。
そのため、イノベーションを起こしマーケティングを行えば、新しい顧客を創造することができ、この顧客の集合体が新たな市場(マーケット)を創り出すため「顧客を創造」することが重要と提唱しています。
ドラッカーが「顧客満足の獲得」を目的にしない理由
ドラッカーが「顧客満足の獲得」を目的にしない理由は、企業が社会で生き残っていくためには「顧客満足」だけでは、手遅れになるからです。
要は、先程“【社会】に視点を向けることが重要”と解説してきましたが、この【社会】は常に変化し続けています。
変化し続ける社会がどのような未来になるかなど誰もわからないため、企業自体が市場(マーケット)を創造することに注力し、未来を創り出していかなければならないということです。
また、「顧客満足の獲得」の前提には、顧客ニーズを抽出しそれを満たすことが前提です。しかし、顧客自身がニーズを認知していないことが多いため手遅れになってしまいます。
顧客の創造に成功した事例
ここからは、顧客の創造に成功した事例をご紹介していきます。
株式会社「UNIQLO」
日本アパレル企業の株式会社「UNIQLO(ユニクロ)」は、大ヒット商品「フリース」が新しい価値を提供したことで顧客の創造に成功しています。
フリース自体は「生地が薄く軽い」「暖かく手入れが簡単」という特徴があります。機能性が良いため市場の値段相場も高めの設定でした。
ユニクロのフリースは「他には負けない品質で提供」と「低価格(=他と比べて半分くらいの値段)」で顧客に提供したことで話題となり、ユニクロ自体も一気に知名度が上がりました。
このことから「フリース買うなら“ ユニクロ”」という顧客の創造に成功しています。
「フリース買うなら“ ユニクロ”」の成功の裏側
ユニクロが品質を上げながら、価格を半分に下げることに成功したのは、製造から小売りまで一貫して行う“製造小売業”だったからです。
原料仕入れは東レ株式会社、インドネシアで糸を紡ぎ、中国で編んでいました。
理由は、海外ではコストが低価格で製造ができるからです。また、やり取りは全てインターネットを使用して行なっていました。
つまり、日本だけではなくグローバル視点で企業活動を行なったところ、海外は低価格の工場のため人件費の削減に成功し、品質を落とさずに他社に負けない圧倒的な低価格での提供ができたということです。
スターバックス
世界最大のコーヒーチェーン店「スターバックス」では、“美味しいコーヒーを提供する”だけではなく、“コーヒーを買う”という体験自体に価値があることを提供したことで、顧客の創造に成功しています。
スターバックスは我々のミッションを大切に、一杯のコーヒーを通じて目の前にいるお客様と誠実に向き合い、言葉と心を交わしてきました。
ペーパーカップやタンブラーを手に街を歩くスタイルや、家でも職場でもない「サードプレイス」の提案など、時代ごとの空気をつぶさに感じ取りながら、新たな価値を生み出し、文化を育んできました。
引用:スターバックス「会社案内」
スターバックスは、コンセプトとして「サードプレイスを提供すること」といわれています。
第一の場所は「家」、第二の場所は「職場」、第三の場所は「スターバックス」となるように、顧客にとってはスターバックスは特別な場所になりました。
- 店内のお洒落なインテリア
- 落ち着きのある間接照明
- リラックスできるBGM
- 紙コップへのメッセージ(フレンドリーな顧客対応)
上記のような取り組みによって、顧客にとって「コーヒーを買う」自体に価値を感じてもらうことに成功しています。
美味しいコーヒーは他でも購入できるが、コーヒーはスターバックスで購入するという「コーヒー = スタバ」という顧客の創造に成功しています。
まとめ
イノベーションとマーケティングは、現時点での「商品の有無」と「視点」の違いがあります。
ドラッカーの言うイノベーションとは、「顧客を創造」することで社会全体に新しい価値を生み出す取り組みを行うことが重要と提唱しています。
企業にとって、顧客を満足させることや利益を最大化させることはもちろん重要ですが、新しいマーケットを創り出すことで顧客が新しい価値を感じるこができます。
成功事例の企業のように、イノベーション活動に徹底的に取り組むことこそが、顧客満足度を向上させることができるのです。
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