- ユング心理学について学んでみたいけれど、何から読めばいいか分からない…!
- 入門書としておすすめのユング心理学の本を知りたい…!
この記事は上記のように考えている方におすすめです。
ユング心理学とは、スイスの心理学者であるカール・グスタフ・ユングが確立した理論体系のことです。ユングは、フロイト、アドラーとともに、「心理学の三大巨匠」と呼ばれています。
ユング心理学を学ぶことで、人間の性質を特性で分類して理解できるため、自己や他己理解につながります。
自己や他己理解につながれば、日ごろの意思決定や人生の重要な局面において、常に自分に適した選択が可能です。
また、人間に共通した心理や無意識の構造について理解することで、対人コミュニケーションやマーケティングに活かすこともできます。
今回は、ユング心理学を学び始めたいという方におすすめの本を5冊紹介します。本の概要と内容について併せて紹介しますのでぜひご覧ください。
ユング心理学とは?
ユング心理学とは、スイスの精神科医であり心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した心理学のことです。
ユング心理学で有名な理論には、タイプ論や意識と無意識、元型などがあります。
タイプ論は、人の特性を2つの気質と4つの心的特性から8種類に分類できるとしたものです。
具体的には、人の気質を「外向型」「内向型」、心的特性を「思考」「感情」「感覚」「直観」に分けました。
また、ユングは人の心の構造を意識と無意識に分けることができるとします。その中でも無意識は、個人的無意識と集合的無意識に分けられるとしました。
集合的無意識とは、人間すべてに元来備わっている個人の経験を超えた共通的な無意識のことです。集合的無意識の中にある人間に共通した心の形のことを「元型」と呼び、ユングはそれらが夢に表れると示しました。
ユングとフロイトの関係
ユング心理学は、フロイト心理学と比較されることも多いです。フロイト心理学とは、オーストリアの心理学者であるジークムント・フロイトが確立した心理学のことをいいます。
ユングはフロイトと師弟関係にありましたが、集合的無意識の部分で意見が衝突します。それにより、二人は独自の理論体系を打ち立てることとなりました。
ユング心理学に関する本の選び方
ユング心理学に関する本を選ぶ際は、「どのような人に向けられて書かれているか」や「ある項目に特化しているものであるか」で選定することができます。
まずは、「どのような人に向けられて書かれているか」についてです。
ユング心理学を学びたいと本を探す動機は様々であると思います。例えば、次のような項目があるかもしれません。
- ユング心理学について、初めて学びたいと考えている人
- ユング心理学について基本的な知識があり、ユング心理学における特定の分野について専門性を高めたいと考えている人
- ある特定の事項で悩んでいて、その問題を解決するためのきっかけをユング心理学に見出したいと考えている人
自分の動機を解決できるかどうかについては、本の序文に注目してみましょう。
多くの場合には、本の著者がどのような読者を想定しているかについて書かれています。
もう一方の「ある項目に特化しているものであるか」は、序文のほか目次の部分についても確認してみましょう。
章ごとに異なる専門用語が記載されて大きくテーマが切り替わっていれば、ユング心理学が網羅的に紹介されていると推測できます。
また章が変わっても同じ用語が何度も使用されていれば、特定のテーマに特化した内容を深く学ぶことが可能です。
ユング心理学のおすすめ本5選
次に、ユング心理学のおすすめ本を5つ紹介します。
今回は、初めてユング心理学を学んでみたい人に向けて入門書として最適なユング心理学の本を紹介しますのでご覧ください。
ご紹介する本は以下の通りです。
- ユング心理学入門: 〈心理療法〉コレクション I
- 心のトリセツ「ユング心理学」がよくわかる本
- ユング心理学でわかる「8つの性格」
- 無意識の構造
- マンガ ユング深層心理学入門
概要と内容について見ていきましょう。
ユング心理学入門:〈心理療法〉コレクション |基礎理論を網羅的に知りたい方へ
『ユング心理学入門:〈心理療法〉コレクション I 』は、河合隼雄氏によって執筆されました。
本書は心理療法を学ぶための全6巻ににわたるシリーズとなっていて、本書はその1巻目にあたります。
著者の河合隼雄は日本でユング派心理学を広めた第一人者です。1962年にユング研究所に留学した後に、ユング分析家の資格を取得し臨床心理学者として活躍しました。
本書は日本で初めて出版されたユング心理学の入門書であり、日本のユング心理学の第一人者から学んでみたい方におすすめです。
抽象的で捉えづらいユング心理学を身近な例に例えながら、分かりやすくかみ砕いていきます。
構成
構成は7つに分かれています。詳細項目は次の通りです。
- 序説 ユング心理学に学ぶ
- 第1章 タイプ
- 第2章 コンプレックス
- 第3章 個人的無意識と普遍的無意識
- 第4章 心像と象徴
- 第5章 夢分析
- 第6章 アニマ・アニムス
- 第7章 自己
ユング心理学を学ぶ際に入門として押さえておきたい項目を網羅的に学ぶことが可能です。
人を8つの性格に分類するタイプ論から人間の性質を読みとき、意識と無意識について心の構造を探っていきます。
また、夢分析では、夢に出る元型のイメージにより自分がどのような課題や問題を抱えているかなども把握できます。
そして、最後には読書案内が示されているため、さらに知りたいと感じた項目について次に読む本を見つけることができるでしょう。
心のトリセツ「ユング心理学」がよくわかる本 |基礎理論を網羅的に知りたい方へ
『心のトリセツ「ユング心理学」がよくわかる本』は、長尾剛氏によって執筆されました。
ユング心理学を初めて学ぶ人が理解しやすいようにできるだけ簡単な言い回しで分かりやすく書かれていることが特徴です。
ユング心理学について全く知識がない人を想定して書かれています。
そのため、できるだけ専門用語や難しい言葉を使っておらず、内容がかみ砕かれている本から学びたい方におすすめです。
構成
本書の構成は、大きく4つに分かれています。詳細は以下の通りです。
- 1「ユング心理学」の基礎知識―ユング心理学の基本「意識・無意識」「第二の人格」「心の病の克服法」を押さえておこう
- 2心のタイプ・性質を見てみよう―ユング心理学の「普遍的無意識」「タイプ論」「コンプレックス」を知っておこう
- 3心の元型・闇をのぞいてみよう―人の心の行動を決める重要なプログラム「元型」や「シャドー」「ペルソナ」「アニマ・アニムス」を探ってみよう
- 4ユングと「オカルト」の世界―ユングは、霊、UFO、占いなどをどのようにとらえていたのだろう?
まずは押さえておくべきユングの基礎知識を学んだ後、ユング理論の中枢をなすタイプ論や元型、夢分析といった概念について詳しく解明していきます。
本書のテーマは、ユング心理学を分かりやすく解説する本ですが、自分について理解を深めるためのヒントを探すことが可能です。
著者は、ユング心理学は日本人にしっくりくるものとして、ユング心理学を学ぶことで「本当の幸福」を追求できるとします。
また、本書では対人関係を上手く進める方法も把握することが可能です。
ユング心理学でわかる「8つの性格」|タイプ論について詳しく知りたい方へ
『ユング心理学でわかる「8つの性格」』は、福島哲夫氏によって執筆されたユング心理学におけるタイプ論に特化した本です。
タイプ論における8つの性格特性や各タイプ論の人と上手なコミュニケーションの取り方、自分の苦手を克服する方法が分かります。
本書では、ユングが提唱したタイプ論の8つの性格のなかで自分がどれに当てはまるのかについて診断テストをおこなうことが可能です。
まずは、タイプ論における8つの性格の中で自分がどれに当てはまるのか具体的に試してみたいという方にぜひおすすめします。
構成
本書の構成は、全部で6章に分かれています。詳細は、以下の通りです。
- 第一章「本当の自分」がわかるユング心理学
- 第二章 ユング心理学による8つの性格
- 第三章 8つのタイプとそれぞれの性格
- 第四章 8つのタイプそれぞれの弱点と強化策
- 第五章 8つのタイプそれぞれどんな生き方が幸せを呼ぶか
- 第六章 それぞれのタイプと上手に付き合うには
序章では、なんとなく日常的に生きづらさを感じている人に向けた著者の言葉から始まります。
人間関係や仕事で成果が出せないなどと息苦しさや悩みを抱えている人はいるかもしれません。この原因は、本当の自分の特性を理解していないからであると著者は述べました。
本書ではユング心理学によって自分の性格を知り、本来の自分の適性や生き方を知ることでその原因を解決できるといいます。
本書を読めばユング心理学に基づいて、よりよい生き方を知り自分に合った人生の選択をできるようになるのです。
無意識の構造|心の構造について詳しく知りたい方へ
『無意識の構造』は、先ほど紹介した『ユング心理学入門』の著者である河合隼雄氏によって執筆されました。
本書は、ユング心理学における心の構造の「無意識」に焦点を当てたものです。
普遍的無意識(集合的無意識)や、ペルソナ、コンプレックス、アニマを始めとした心の構造に関する項目について詳細に書かれています。
「ユングの心理学とは」の章でも、集合的無意識の意味について触れましたが、集合的無意識とは人間の全てに備わっている先天的な無意識の領域です。
抽象的で自分自身では意識できない領域であり、多くの人が意味を掴むことに難しさを感じるでしょう。
本書では、著者が分かりやすくこの無意識の領域をかみ砕いて説明しています。
構成
本書の構成は、全部で5章に分かれています。詳細は、以下の通りです。
- 第一章 無意識へのアプローチ
- 第二章 イメージの世界
- 第三章 無意識の深層
- 第四章 無意識界の異性像
- 第五章 自己実現の過程
本書では、まずは心の構造である意識と無意識に含まれるそれぞれの意味について確認していきます。
そして、私たちの集合的無意識の中にある元型について、その具体例を詳しく知ることが可能です。
また、それらの無意識が自己の体験や自己実現にどのように影響するのか、詳しく探っていきます。
この本を読めば、ユングの心の構造である集合的無意識の領域において、抽象的な理論をしっかりと理解することができるでしょう。
マンガ ユング深層心理学入門|ユングの生涯について知りたい方へ
『マンガ ユング深層心理学入門』は、石田おさむ氏によって書かれ、ユングの生涯についてマンガで学ぶことができる本です。
本書では、ユングの人生をなぞりながらどのようにしてユング心理学が確立されたのかについて学ぶことができます。
まずは、ユングの人物像からユング心理学を学んでいきたいという方におすすめです。
本書では、ユングがフロイトから心理学を学ぶようになったきっかけやその後の関係、関係解消後の分析心理学における確立の経緯を幅広く学べます。
ユングがアメリカやアフリカ旅行をした出来事についても書かれていて物語としても楽しむことができるでしょう。
本書を読んでユングの生涯を知った後にユング心理学における理論を学べば、より一層項目が理解しやすくなるはずです。
本書では心理学用語が多く出てきますが具体的な詳細の意味などについては触れられていない部分もあります。上記で紹介した4冊の本と併せて読むと良いでしょう。
まとめ
今回は、入門書としてユング心理学を学んでみたい方におすすめの本を5冊紹介しました。
ユング心理学とは、スイスの精神科医であり心理学者のカール・グスタフ・ユングが提唱した理論体系です。主な理論には、心を意識と無意識に分けた心の構造についてや人間の性格を8つに分類するタイプ論などがあります。
今回ご紹介した入門としてのユング心理学のおすすめ本を以下にまとめますのでご覧ください。
- ユング心理学入門: 〈心理療法〉コレクション I
- 心のトリセツ「ユング心理学」がよくわかる本
- ユング心理学でわかる「8つの性格」
- 無意識の構造
- マンガ ユング深層心理学入門
ユング心理学を学ぶと自己理解が深まり自分自身の特性が分かるため、適職や苦手な部分を克服する方法が明らかになります。
また、あらかじめ相手の特性を予測できるようになるため、相手に合った効果的なコミュニケーションをすることが可能です。
ユング心理学を詳しく学び、自分や他者との関係を見つめ直す機会としてみてください。
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