- 「SNS」を活用して売り上げを伸ばしたい
- 実際にSNSを利用しているが、なかなか商品が売れない
- マーケティング戦略を立てたいが、何をすれば良いか分からない
こんなお悩みをお持ちの方もいらっしゃるのではありませんか?
この記事では、国内外に1000店舗以上を持つ「無印良品」のマーケティング戦略をご紹介します。
無印良品は、TwitterやInstagram、YouTubeなどのSNSを使ったマーケティングや独自のマーケティング戦略を駆使し、売り上げを伸ばしています。
無印良品のSNS戦略やユーザーとの距離など、今日から自社に落とし込めるマーケティング手法もあります。
マーケティングについてお悩みの方やマーケティング戦略の実例を知りたい方は、ぜひご参考にしてみてください。
なぜ無印良品のマーケティングを学ぶのか
数ある成功をしていると言われる企業の中から、なぜ無印良品のマーケティング戦略が注目されているのでしょうか。
理由はいくつかあります。例えば、多くの企業が非公開にしている情報についても、無印良品はインタビューに答え、資料や情報を公開していることです。
インターネット上の情報だけでなく、元代表取締役である松井 忠三氏や関係者が執筆した書籍からも、「無印良品」というブランドの裏側を知ることができます。
また、無印良品は日本で生まれ育ち、海外展開も成功したブランドです。同じように日本で事業を始め、ゆくゆくは海外展開を考えている方には参考にしやすいのではないでしょうか。
徹底的に研究された無印良品の販売戦略
1989年に「良品計画」として始まった無印良品は、1990年から1999年にかけて順調に成長を続けていましたが、1999年以降は業績が悪化し、その後回復しています。
業績を回復させた要因はいくつかありますが、その要因の一つが業務改善やコンセプトをさらに進化させるなどの、マーケティング戦略の見直しです。
業績悪化の要因を探り、改善、徹底をすることで、今の無印良品につながりました。具体的な販売戦略を3つご紹介します。
独自のストーリー性
無印良品の販売戦略の中でも重要視されているのが、「独自のストーリー性」と「ストーリーをユーザーに共有すること」です。
無印良品のホームページや各種SNSを参照すると、商品開発までの流れや商品に対する思いなど、それぞれのストーリーが紹介されています。
- なぜその商品を開発したのか
- なぜその素材を選んだのか
- なぜその商品の形や味になったのか
- どうしてその機能を持つことになったのか
独自のストーリーによって商品に付加価値が与えられ、そのストーリーにユーザーが共感し、ブランドのファンになる。
この一貫した流れが、無印良品のマーケティング戦略の一つです。
ユーザーファーストな店舗設計
無印良品は、ユーザーが買い物をしやすいユーザーファーストな設計がされていると考えられます。
実際に店舗に足を運んでみると、小柄な人でも手に取りやすい配置や商品を大きいカゴに入れて取りやすくするなど、誰でも商品が手に取りやすい状態で商品を並べていました。
店舗の大きさなどでも異なりますが、ユーザーファーストな店舗設計として参考になります。
オフラインでもオンラインでも使いやすい
無印良品は、店頭販売だけでなくオンラインストアや専用アプリ「MUJI passport」でも商品を購入できます。
- 商品の詳しい概要
- 商品に関連する紹介記事
- 購入者の商品レビュー
- 店舗在庫の確認
- おすすめの商品紹介
商品ページでは、購入以外にも上記の内容などが確認できます。他にも次のようなものがあります。
- オンラインストアやアプリで購入した商品を受け取る「店頭受け取りサービス」
- 気になる商品を後から見返すことができるお気に入り機能
- 暮らしに役立つ記事
商品の内容や用途などを確認できる「カタログ」としての役割も果たしています。
オンラインストアでは商品情報を知ることができ、店頭での受け取りや在庫の確認もできます。
そのため「店頭・オンラインストア」どちらもお客様は便利に利用しやすく、売り上げにつながりやすい戦略の例です。
無印良品を4P分析で研究
無印良品のマーケティング戦略についてご紹介しました。
- 独自のストーリー性
- ユーザーファースト
- オンラインストアと店頭をつなげる
ご紹介した上記の3つの戦略は、無印良品が自社の客層やユーザーの動きを分析し、戦略として落とし込みに成功したと考えられます。
ここからは、無印良品の販売戦略を、具体的に4P分析で客観的に判断してみましょう。
4P分析とは?
4P分析とは、マーケティング戦略を立案する際に使われる手法の一つです。
- Product(製品)
- Price (価格)
- Place (流通)
- Promotion(販促)
これらの単語の頭文字であるPを取り、4P分析と呼ばれます。
よりお客様に求められるニーズに合った商品やサービスをどう販売するか、4Pの視点で分析し販売戦略を立てるために用いられます。
Product(製品)
まずは、Product(製品)です。「その製品を利用することで、どのような課題を解決できるのか」「どのような魅力があるのか」という視点で考えます。
他にも品質やデザイン、アフターサービスなど製品製造に関連する情報が分析の対象です。
無印良品は、3つの基本的な考えを元に商品の製造を行っています。
例えば、「落ち綿シリーズ」と呼ばれるふきんやスリッパ、布団カバーには、本来捨てられていた繊維の短い綿や落ちワタが利用されています。
素材の選択という面で、あえて質は良いのに捨てられていた落ち綿を利用することで「低価格だけど品質が良く、環境にもやさしい」を実現しています。
Price(価格)
次にPrice(価格)です。価格を決定するには、
- 商品を販売することで得られる「利益」の設定
- お客様のニーズと商品に対して納得ができるか
- 競合他社の価格設定
無印良品は、先にご紹介した3つの基本的な考え方をもとに商品を開発することで、その商品に見合った価格設定を行っています。
例えば、Product(製品)でもご紹介した「落ち綿シリーズ」は、本来なら捨てられていたものを利用することで、コストの削減を行い、高品質でお求めになりやすい価格設定を可能としています。
他にも「菓子不揃いシリーズ」は、お菓子の大きさや焼きムラを選別する作業をなくすことで、商品の品質は保持しつつ必要のない作業を省き、コストを削減している分かりやすい例です。
Place(流通)
3つ目はPlace(流通)です。
- 「どこで販売するのか」
- 「どうやって販売をするのか」
流通は上記、2つの視点で商品について考えます。
販売場所や方法は、企業のブランディングにも直結するため非常に重要です。
例えば、デパートで一流のスタッフが最新の注意を払って販売しているブランド品をイメージしてみてください。
その商品が、ファストファッションのお店で他の商品と同じように店頭に並べられていたら。ブランドのイメージは変化します。
無印良品の場合は、店頭販売だけでなくオンラインショップやAmazonなどさまざまな場所で販売されています。
デパートで販売されているブランド品とは違い、無印良品はさまざまな人の生活の基本となる商品を販売をしています。
そのため、「ここでしか買えない」というブランディングの必要性がなく、「どこでも買える」「誰でも買える」というブランディングがされていると考えられます。
Promotion(販促)
最後にPromotion(販促)です。
- この商品にはどんな魅力や強みがあるのか
- どこで誰に商品をアピールするのか
- 似た商品を扱う他社とは何が違うのか
販促では、上記の内容を踏まえた上で、「PRを行う場所」「誰に向けたPRか」「商品を利用することでどんな課題を解決できるのか」を分析し、内容を決定します。
無印良品は、下記の3つの内容を徹底して商品を作っていること、商品制作までのストーリーをSNSやアプリを通して伝えることで、商品をPRしています。
- 素材の選択
- 工程の点検
- 包装の簡略化
つまり、「SNSやアプリ(場所)」で「あらゆる人やブランドのファン(誰に)」に「商品制作までのストーリーや思いを伝えることで、課題を解決できる」と当てはめることができます。
他にも3C分析など、参考になるマーケティングのフレームワークはたくさんありますので、ぜひご覧ください。
無印良品のSNS戦略3選
無印良品のマーケティング戦略や4P分析について、実例を交えつつご紹介しました。
ここからは、実際に無印良品が行っているSNSを利用したマーケティング戦略についてご紹介します。
まずは、Twitterをどう利用しているかご紹介します。
- リツイート機能があり、最も拡散力が高い
- 日本国内では4,500万人、海外では3億3,300万人とユーザー利用率が非常に高い
- セールに関する情報やキャンペーンの拡散など、最新情報の配信に最適
Twitterを利用したSNSマーケティングでは、上記の3つが強みとして挙げられます。
1つのツイートは、「文字数140字」「画像が4枚」と制限があり、限られた文字数の中で、伝えたい内容を分かりやすく伝える必要があります。
無印良品は、詳細をまとめたホームページのリンクを掲載し、詳しい情報はホームページから確認ができるようにしています。
文章にはリンクへの誘導文などは記載をしないようになっており、次のような印象をユーザーに以下抱かせるように意図されています。
- シンプルで分かりやすい紹介文
- 商品を全て紹介しないことで種類が気になる
Instagramを利用した戦略についてご紹介します。
- 写真や動画を中心に世界観を作りやすい媒体
- 20~40代の女性を中心に世界中で利用されている
- 長文も可能のため、写真や動画と合わせて作り込んだ投稿を作成できる
- ユーザーが好きだと感じるものが検索画面などで表示されるため、ブランドファンを作りやすい
Instagramを利用したマーケティングでは、上記4つのことが強みとして挙げられます。
無印用品は、写真や動画を利用し、無印良品の世界観やシンプルで余白のある投稿を作成しています。
あえて全ての情報をユーザーに伝えないことで「この商品はどうやって使うのか」「使用するとどうなるのか」「どんな課題を解決できるのか」を自分で想像できます。
この想像からSNSでのコミュニケーションが活発になり、お客様自身が商品を宣伝してくれたり、意見を商品開発に生かすことができます。
YouTube
最後にYouTubeを利用したマーケティング戦略についてご紹介します。
- 短い動画から長い動画まで多くの情報をユーザーに伝えることができる
- 老若男女問わず多くの人がYouTubeを利用している
- おすすめ機能でターゲットにしたいユーザーに興味を持ってもらいやすい
- 動画をみた後の購買行動を促しやすい
YouTubeを利用したマーケティングでは、主に上記5つの強みが挙げられます。他にも有名なインフルエンサーとのコラボなど、さまざまな利点があります。
無印良品では、スタッフのおすすめ商品の紹介、商品の使い方や実際に使っている様子などを動画で紹介しています。
他にも無印良品と何らかの関係を持った人へのインタビュー動画や使用素材の原産地の様子、商品を利用した人の生活、サービスの紹介などが投稿されています。
再生回数が伸びているのは、スタッフおすすめの商品動画が商品の素材に関する動画ですが、再生回数があまり伸びていない他の動画も重要だと考えられます。
商品紹介以外の動画では、言葉や文章以外の視覚的な情報で、無印のコンセプトを分かりやすく伝えています。
マーケティングについて学んでいる方は、ぜひ商品紹介以外の動画も参考にしてみてください。
無印良品の個性的な戦略を自社に落とし込む
無印良品のSNSを利用したマーケティング戦略についてお伝えしました。無印良品は、それぞれのSNSの特性を分析した上で、戦略を立てています。
3つのSNS戦略には共通していることもあります。
- ブランドイメージの徹底
- シンプルな文章、写真や動画
どの媒体から無印良品を見ても、同じイメージが浮かぶ人が多いのではないでしょうか。
この商品イメージ、つまりブランディング戦略が、無印良品が独自展開する戦略結果と考えられます。
無印良品の戦略で自社のマーケティングを洗練する
無印良品のマーケティング戦略についてご紹介しました。無印良品は、自社の顧客の動きなどを分析し、徹底したブランディングや基本の考えを守った商品開発を行った結果、今の成功があると言えます。
しかしながら、無印良品と全く同じ戦略を行ったからといって成功するとは限りません。全てをモデリングするのではなく、自社に適した内容に落とし込むことが必要です。
まずは一つ得意な戦略を選んで実践
無印良品のマーケティング戦略を全てモデリングするのではなく、自社の顧客の動きや客層、ターゲットなどを分析をすることが大切です。
分析を行ったら、自社に適した得意な戦略を一つモデリングをしてみましょう。
しかし、モデリングをするのが難しいという人やどう実行すれば良いか分からない人もいるのではないでしょうか?
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