
商品を効率的に売るためにはマーケティング分析が欠かせません。
マーケティングとは、顧客のニーズに基づいて商品を作り、その商品を売るための仕組みをつくることですが、マーケティングの範囲が広すぎて、何をしたらよいかわからないという人も多い印象です。
そこで、この記事では、マーケティング分析を行う上で役に立つフレームワークや消費者心理、意識すべきポイントをわかりやすく解説します。
企業だけでなく、自分の商品を作って販売したいと考えている個人にも必要な知識ですので、これから学んでいきましょう。
マーケティング分析とは?

マーケティング分析とは、商品ができる限り効率よく、そしてたくさん売れるようにデータを収集、活用することで、利益を最大化させるためのプロセスです。
具体的なデータの例を挙げます。
- 顧客のニーズ
- 料金
- コンセプト
- 競合の有無
- 販売方法
- 宣伝方法
他にも多くのデータを収集し、総合的に判断していきます。
市場調査、製造、販売、宣伝などのマーケティング活動を効率的に最大限生かすためにマーケティング分析が必須となります。
マーケティング分析をするためのフレームワーク

マーケティング分析をするためのフレームワーク(分析や問題解決のための枠組み)の代表的なものを7つ紹介します。
フレームワークごとに特徴があり、1つだけでは十分なマーケティング分析ができません。
それぞれを組み合わせて分析していきましょう。
3C分析
3C分析のCとは「Customer(顧客・市場)」「Competitor(競合)」「Company(自分・自社)」のことです。
これら3つがマーケティングの環境を成しています。
自分の商品が置かれている環境を整理することで、現在の立ち位置を分析し、今後の戦略を立てる際に活かしていきます。
Customer(顧客・市場) | 市場規模 市場の成長性 顧客のニーズ など |
Competitor(競合) | 競合のシェア 競合の特徴 競合の成長性 新規参入の競合の有無 など |
Company(自分・自社) | 商品の売上やシェア 商品の特徴・強み・弱み 企業理念やビジョン など |
3C分析に関しては、以下の記事でより詳しく解説しています。
PEST分析
PEST分析は、「Politics(政治)」「Economy(経済)」「Society(社会)」「Technology(技術)」の4つの視点から商品を取り巻く外部環境を分析するものです。
自分では管理できない外部環境から与えられる影響を知ることで、販売機会を探ったり、新しい戦略を練ったりすることができます。
PEST分析を提唱したコトラー教授は「調査をせずに市場に参入しようとするのは、目隠しをして市場参入しようとするようなもの」と、環境分析の大切さを表現しています。
5フォース分析
5フォース分析は5つのフォース(壁)を分析することで、自分の市場の優位性を保てるという目的があります。
5つのフォースとは「既存の競合」「新規参入者」「代替品」「売り手の交渉力」「買い手の交渉力」です。
これから業界に新規参入する時や商品が売れない環境を調べる時に必要な分析です。
既存の競合 | 市場の大きさ 競合の特徴や数 自分の商品に独自性はあるか |
新規参入者 | 新規参入のしやすさ 新規参入者のブランド力・技術力 |
代替品 | 商品に替えが効く別の商品があるか |
売り手(サプライヤー)の交渉力 | 材料や部品の売り手の力が強いと、高値で買わざるを得なくなり、利益が少なくなる 材料などの供給が寡占状態になっていないか |
買い手の交渉力 | 買い手の力が強いと値段を安くせざるを得ない 値下げ競争になっていないか 価格は適正か |
SWOT分析
SWOT分析とは「Strength(強み)」「Weakness(弱み)」「Opportunity(機会)」「Threat(脅威)」の4文字の頭文字をとっています。
自分を取り巻く市場や競合といった外的要因と、自分のブランド力、商品の価格や品質などの内的要因をプラスとマイナスの両面に分けて分析する手法です。
マーケティングの分析はもちろん、個人の強みなどを書き出して目標を設定する時にも使える分析手法です。
4P分析
4P分析は、自分の商品の「Product(商品)」「Price(価格)」「Place(流通)」「Promotion(販売促進)」の4つの頭文字をとっています。
①「Product」:商品にニーズがあるか、コンセプトは何か、ターゲットは誰か
②「Price」:市場の相場はいくらか、自分の商品は適正価格か
③「Place」:どこで購入できるか、ターゲットに合った販売方法か
④「Promotion」:どのように商品を宣伝するか、どのメディアで発信するか
4P分析をすることで、自分の商品をどのように販売していくかの指針を決める事ができます。
STP分析
STP分析とは「Segmentation(セグメンテーション)」「Targeting(ターゲティング)」「Positioning(ポジショニング)」の3つの頭文字をとっています。
「Segmentation」の意味は「区分け」で、顧客をニーズによってグループ分けすることを言います。
「Targeting」では誰(ターゲット)に向けてアプローチしていくかを決め、「Positioning」は自分の立ち位置を理解し、効率的な宣伝方法を考えます。
市場を細かく分類することで自分の商品を誰にどのような手段でアピールするのか、そのプロセスを決めるために必要な分析です。
STP分析を詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。
バリューチェーン分析
バリューチェーンとは、日本語で言うと価値連鎖という意味です。
1つの商品を作るために原材料を調達するところから、製造、販売する流れの中での活動のつながり(チェーン)を、物品だけでなく価値のつながりとして捉えることを言います。
バリューチェーン分析では、事業を主活動と支援活動にわけ、どの部分で大きな価値を生んでいるかを見極めます。
主活動も支援活動も事業によって内容が異なりますが、主活動は「製造」「販売」「サービス」といった直接事業に関わる活動で、支援活動は「技術開発」「人事」「調達」などの主活動を行うための補助的な役割の活動です。
どの活動が大きな価値があるか、価値がない活動なのかを分析することで、価値がない活動を縮小、統合し、大きな価値のある活動を発展、成長させていくのが目的です。
マーケティング分析に役立つ消費者の行動モデル

前章ではマーケティング分析をするためのフレームワークを紹介しましたが、商品を購入してくれる消費者の心理や行動も理解しておく必要があります。
ここでは、3つの代表的な消費者の行動モデルを紹介します。
AIDMA(アイドマ)の法則
AIDMAの法則とは、消費者が商品を認知してから購入するまでの一般的な心理行動を表した法則です。
「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Desire(欲求)」「Memory(記憶)」「Action(行動)」の5つの頭文字で表されています。
消費者がものを買うまでには、商品を知って(Attention)、興味を持ち(Interest)、ほしいと思い(Desire)、ほしいと思っていたことを思い出し(Memory)、そして購入する(Action)という5段階のプロセスがあります。
AISAS(アイサス)の法則
AISASの法則は、消費者のオンラインでの消費行動を表わしています。
「Attention(注意)」「Interest(興味)」「Search(検索)」「Action(行動)」「Share(共有)」の5つの頭文字がとられています。
商品を知って(Attention)、興味を持ち(Interest)、商品をネット検索し(Search)、購入し(Action)、気に入れば他の人にシェア(Share)します。
この法則と同じように行動している人も多いのではないでしょうか。
VISAS(ヴィサス)の法則
VISASの法則は、SNSが発達した現代における消費者の消費行動を表わしています。
「Viral(口コミ)」「Influence(影響)」「Sympathy(共感)」「Action(行動)」「Share(共有)」の5つの頭文字をとって名付けられました。
口コミを見て商品を知り(Viral)、口コミをした人に影響を受け(Influence)、共感し(Sympathy)、購入し(Action)、自分も口コミを書く(Share)の5段階です。
自分の書いた口コミも誰かが読んでVISASの法則が繰り返され、さらに商品が拡散されていきます。
VISASの法則は口コミによって商品がほしくなるという潜在ニーズも表わしています。
マーケティング分析をする上で重要な3つのポイント

マーケティング分析をする上で必ず押さえておいてほしい3つのポイントがあります。
主観を排除し、データのみで結論を導く
マーケティング分析をしていると、自分の知識や経験から「こうであるに違いない」と無意識に結果を曲げてしまうことがあります。
しかし、それでは正しい分析ができません。
収集したデータが一番正しいと意識し、数字に忠実に分析をしましょう。
分析の目的を明確にする
あなたは何のためにマーケティング分析をするのでしょうか。
ただやみくもに分析をしていても必要な情報は得られません。
フレームワークがたくさんあるように、マーケティング分析で得られる情報は膨大です。
効率的に分析するためにも目的を明確にしておきましょう。
ペルソナを設定する
ペルソナとは、商品を購入してくれる架空の人物像のことです。
すべての人々にマッチする商品を作ることはできないので、ターゲットとなるペルソナを決めます。
ペルソナを決めることで、ニーズを捉えた商品を開発でき、効率的にマーケティング分析も行えます。
ペルソナの設定方法は、こちらの記事を参照してください。
マーケティング分析を身に着けて効率的な販売を!
マーケティング分析はビジネスを成功させるうえで重要なプロセスです。
このプロセスを飛ばしてしまうと、商品やサービスは見向きもされません。
また、マーケティングは時代の潮流や市場の状況により、常に変化をし続けています。
紹介したフレームワークを利用して分析しつつ、新しい状況を察知し、未来の動向も掴めるようになりましょう。
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