- そもそも行動経済学ってなに?
- マーケティングに取り入れたいけど具体的にどうすればいい?
- 商品への反応はいいが購入にまで至らない
このようにお悩みではありませんか?
原因としては、心理学は理解しているが「人を動かす」ことが出来ていないことが考えらます。
行動経済学を学ぶことで、マーケティングを成功させる上での多くのヒントを得ることができます。
今回の記事では、マーケティングにおける行動経済学の活用方法や代表的な理論をご紹介していきます。
行動経済学とは?
行動経済学とは、人間の心理や感情、社会的な要因などを考慮した経済学の一分野です。
行動経済学は、人間の行動を読み取り、コントロールすることができると考えられており、ビジネスシーンでの活用が期待されています。
行動経済学の研究では、以下のような主要な概念や理論が扱われています。
- 認知バイアス
- プロスペクト理論
- 行動の社会的証明
行動経済学は、上記の心理的な要素を経済学の分析に組み込み、市場や企業の意思決定や消費者行動を理解し、予測するために活用されます。
経済学と行動経済学の違い
経済学と行動経済学の違いは、人間の意思決定に関する前提です。
行動経済学:直感や感情によって合理的ではない判断をすることを前提
従来の経済学では、人間は合理的な行動をするという前提で研究が進めらていました。
しかし、現実的に人間は必ずしも合理的な判断をするとは限りません。
- 「得られる機能は同じだが、何となく高いほうを買った」
- 「貯蓄や投資をしたほうがよいことは理解しているが、実践できない」
このように、人間は直感や感情によって合理的ではない判断をすることがあります。
経済学は理論的な視点から分析を行い、行動経済学は現実の人間の行動をより具体的に理解するために心理的要素を取り入れています。
行動経済学をビジネスで応用
行動経済学は、ビジネスにおいて様々な形で応用することができます。
例えば、以下のような応用があります。
①マーケティング戦略の策定 | 行動経済学の理論を応用して、消費者の行動を予測し、効果的なマーケティング戦略を策定することができます。 |
②商品価格の設定 | 行動経済学の理論を応用して、消費者が商品を購入する際の意思決定プロセスを理解し、適切な価格設定を行うことができます。 |
③ユーザーエクスペリエンスの最適化 | 行動経済学の理論を応用して、消費者がサービスや商品を使用する際の体験を最適化することができます。 |
上記は一例ですが、行動経済学は、人間の行動や意思決定に関する深い理解を提供するため、ビジネスにおいて非常に有効な学問です。
行動経済学とマーケティングとの関係性
行動経済学は、マーケティングにおいても有効に活用できる学問です。
マーケティングでは、消費者の購買行動やニーズを把握し、自社の商品やサービスを魅力的に伝えることが重要です。
しかし、消費者は必ずしも合理的に商品やサービスを選ぶとは限りません。
消費者は、他人の影響や自分の感情や先入観によって購買意欲が変化することがあります。
そのため、行動経済学で研究されている理論や知見をマーケティングに応用することで、消費者の心理に訴えかける効果的な施策を考えることができます。
行動経済学の代表的な理論
まず、行動経済学では「認知バイアス」を理解する必要があります。
認知バイアスとは、人間が情報を処理する際に生じる偏りや誤りのことです。
これにより、人間は客観的な事実に基づく判断をしないことがあります。認知バイアスには、以下のようなものがあります。
例えば、ある人が「犬は危険だ」という先入観を持っていたとします。
その人は、犬に関するニュースを見るとき、犬が人を噛んだというニュースに注目し、犬が人命を救ったというニュースは無視するかもしれません。
ある人が車を買おうとしています。
その人が最初に見た車が500万円だったとすると、その後に見る車も500万円程度の価格帯のものを選ぶ傾向があります。
このような認知バイアスは、人間の意思決定に大きな影響を与えています。
行動経済学では、これらの認知バイアスを理解し、その影響を最小限に抑える方法を研究しています。
ここからは、行動経済学の代表的な理論をご紹介します。
ハロー効果
ハロー効果とは、対象の一部分に影響されて全体を判断してしまう心理現象です。
例えば、商品のパッケージや広告に美しい人や有名人を起用すると、商品自体も良いと感じさせることができます。
- 化粧品やファッションの広告にモデルや芸能人を起用する
- 飲料や食品の広告にスポーツ選手や健康的な人を起用する
- 高級ブランドの商品に高級感のあるパッケージやロゴを使用する
ハロー効果を利用したマーケティングの例としては、このようなものがあります。
プロスペクト理論
プロスペクト理論とは、不確実な状況下で人間が損得を判断する際に、損失を避けたいという心理が働くという理論です。
- 「今日だけ半額セール!」「先着100名様限定!」などのキャッチコピーを使用する
- 「購入後30日間返金保証」「無料体験期間あり」などのサービスを提供する
- 「ポイントが期限切れまであと○日」「あと○円で送料無料」などの通知を送る
例えば上記のように、期間限定や数量限定などの条件を付けると、消費者は損失感を抱きやすくなり、購買意欲が高まります。
サンクコスト効果
サンクコスト効果とは、過去に投資した時間やお金などが無駄になると感じると、それを取り戻そうとする心理効果です。
例えば、入会金や年会費などを支払ったサービスは、利用しないと損だと感じて継続しやすくなります。
- 入会金や年会費制度を設ける
- ポイントカードやスタンプカードを発行する
- 定期購入やサブスクリプションサービスを提供する
上記のようなサンクコスト効果を利用したマーケティングがあります。
アンカリング効果
アンカリング効果とは、最初に提示された情報が判断基準となってしまう心理効果です。
- 「定価○○円のところ、今なら○○%OFF!」「通常価格○○円、特別価格○○円!」などの表示をする
- 「他社よりも○○円お得!」の比較情報を提供する
- 「この商品は1個あたり○○円ですが、3個セットで○○円になります」などの数量割引をする
このように、商品の価格を高く設定しておくと、割引価格が安く感じられます。
おとり効果
おとり効果とは、選択肢に劣ったものを加えることで、他の選択肢が魅力的に感じられる心理効果です。
例えば、商品AとBがあるときに、Aよりも高くてBよりも悪い商品Cを加えると、Bが最適な選択肢に見えます。
- 商品A(500円)、商品B(1000円)、商品C(750円)の3種類を販売する
- プランA(月額1000円)、プランB(月額2000円)、プランC(月額3000円)の3種類を提供する
- サイズS(300ml)、サイズM(500ml)、サイズL(600ml)の3種類を用意する
このような、おとり効果を活用してマーケティングに取り入れている企業もあります。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、多くの人が行っていることや持っているものに自分も参加したくなる心理効果です。
- 「この商品は今月○○件売れました!」などの情報を表示する
- 「この商品は5つ星中4.5つ星の評価です!」の評価情報を提供する
- 「この商品は有名人や専門家にも愛用されています!」の証明情報を提示する
このように、商品やサービスに対する口コミや評価が多いほど信頼感が高まります。
マーケティングにおける行動経済学の活用方法
ここからは、マーケティングにおける行動経済学の活用方法について具体的にご紹介します。
フレーミング効果|商品やサービスの価値やメリットを強調
フレーミング効果は、同じ事実や情報でも、提示する言葉や枠組みによって、人々の認識や判断が変わるという現象です。
例えば、以下のような文があったとします。
②「この商品は10%の確率で失敗します」
このようなフレーズは、事実上同じ意味ですが、前者の方がポジティブな印象を与えます。
このように、フレーミング効果を利用すれば、商品やサービスの価値やメリットを強調することができ、リスクやコストを軽減することもできます。
デフォルト効果|顧客に望ましい選択をさせ購入意欲を高める
デフォルト効果は、人間がなにも選択しなかった場合に適用されるオプション(デフォルト)が、人間の選択に大きな影響を与えるという現象です。
例えば、「メールマガジンに登録する場合はチェックしてください」と「メールマガジンに登録しない場合はチェックしてください」という文では、前者の方が登録率が高くなります。
このように、デフォルト効果を利用して、顧客に望ましい選択をさせたり、購入意欲を高めたりすることができます。
社会的証明|他の人の行動を参考にして自身の行動を決める
社会的証明は、他の人がある行動をとっていることが、自分自身の行動に対する正当性や合理性を示すという現象です。
例えば、以下のような文があると購入したくなりませんか?
「100人がこの商品を購入しました」
このような表示があると、顧客の購買意欲を高めることができます。
人は、他の人の行動を参考にし、自身の行動を合理化しようとする傾向があるため、マーケティングにおいて非常に有効です。
アンカリング効果|商品やサービスの価格や品質を高く見せる
アンカリング効果は、人は最初に提示された数字や情報(アンカー)に引きずられて、その後の判断や評価が影響されるという現象です。
- 「この商品は通常1万円ですが、今だけ半額の5千円です」
- 「この商品は5千円です」
上記の2つの分だと「1.」の方が安く感じられます。
これは、人間は最初に提示された1万円というアンカーから割引率を計算して、お得に感じるためです。
このように、アンカリング効果を利用して、商品やサービスの価格や品質を高く見せたり、割引や特典を魅力的に見せたりすることができます。
限界効用|ボリュームセット戦略で売上を向上させる
限界効用は、顧客が商品やサービスの追加の一単位を得ることによって得られる満足度の変化を表す概念です。
例えば、商品をボリュームセットとして提供する際に、少しの金額で追加の商品を付けるという方法があります。
・1品で満足するがセットメニューとして提供
セットには追加の商品(サイドディッシュやドリンク)が含まれており、消費者はより満足感を得やすくなります。
最初の商品は満足感を与える一方で、追加の商品は限界効用の法則により、消費者の購買意欲を高める効果があります。
このように追加の商品を少しの金額で提供することで、顧客は追加の商品に対して限界効用が高くなります。
ステータス効果|所有者のステータスを高め、購買意欲を刺激する
ステータス効果は、人間が自身のステータスや社会的地位を向上させるために商品やサービスを購入するという現象です。
例えば、高級車や高級ブランドの商品は、その所有者のステータスを高めるとされており、購買意欲を刺激します。
よく「ルイ・ヴィトン」や「フェラーリ」といった代表的なブランドは購買意欲を高める効果がありますが、このようなブランドイメージ以外でもステータス効果は働きます。
- 高級リゾート地
- 高級クラブ
このようなサービス業でもステータス効果を活用することができます。
具体的には「VIP会員制度」や「特別なサービスの提供」などにより、顧客に独特な体験や特典を提供し、ステータスを高めることができます。
まとめ|行動経済学は効果的なマーケティングや顧客行動へのアプローチが可能
行動経済学は、人間の行動や意思決定に関する深い理解を提供するため、マーケティングにおいて非常に有効な学問です。
行動経済学を活用することで、顧客のニーズや欲求に適切に応える商品やサービスを提供し、効率的に購買意欲を高めることができます。
今回の記事を参考に、行動経済学をマーケティング戦略に取り入れていきましょう!
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