
実践的な心理学といわれる「NLP」に、相手の自発的な行動を促す「コーチング」をかけ合わせた「NLPコーチング」。
潜在意識に働きかけることができると需要が高まっていますが、「学ぶ価値はある?」「怪しいのでは?」と不安を持つ人もいるでしょう。
そこで今回は、NLPコーチングとは何なのか、評判や資格取得の方法までわかりやすく解説します。
NLPコーチングの概要や基礎を理解し、自分に必要な知識かどうか見極めていきましょう。
NLPコーチングの特徴
相手に答えを教えるのではなく、自ら考えて自発的な行動を促すコーチングは、ビジネスシーンにおいて重要視されています。
そのコーチングに実践的な心理学である「NLP」と、脳科学の要素をプラスしたのが「NLPコーチング」です。
NLPはもともとセラピーの手法として広まったこともあり、NLPを使ったコーチングは相手の潜在意識にある問題を浮き彫りにしたり、マイナスな感情をプラスに変えたりすることができるといわれています。
NLPコーチングは相手のより深い部分の問題を解決していくことが可能だとされています。
NLP(神経言語プログラミング)とは
「NLP」とは英語の「Neuro-Linguistic-Programming」の頭文字を取ったもので、日本語に直訳すると「神経言語プログラミング」という意味があります。
心理学を応用した実践的なプログラムに取り組み、シンプルな思考・行動を手に入れて最適化を目指す手法です。
1970年代のアメリカで誕生したNLPはセラピーの手法として広まりましたが、問題解決や願望の実現に大きな成果を発揮すると考えられ、ビジネスシーンでも使われるようになりました。
NLPについて詳しく知りたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
NLPとコーチングの違い
NLPとコーチングはそもそも目的が違います。
NLPが問題解決を目的にしているのに対し、コーチングは目標達成を目的にしています。
大きく分けるとNLPはネガティブ面に、コーチングはポジティブ面にフォーカスを当てているのが分かるでしょう。
また、コーチングはビジネスシーンで使われることが多いため、ロジカルな思考を重視するのに対し、NLPは感情や想像など五感を重視します。
このように、NLPとコーチングは共存する部分があるものの別物です。
NLPとコーチング、それぞれのいい部分をかけ合わせたものがNLPコーチングといわれています。
NLPコーチングの評判|NLPコーチングは怪しい?
NLPコーチングは一般的なビジネスに関するコーチングと違い、自分自身の感情や過去と向き合うこともあるため、「怪しい」と思う人もいるかもしれません。
NLPコーチングが怪しいといわれる理由について、以下のことが考えられます。
- セミナーの参加費用が高額
- 自己啓発と認識している方が多い
- 日本での認知度があまり高くない
- 科学的な効果が証明されていない
NLPコーチング資格を取得するためにはセミナーに参加する必要があり、資格取得費用が数十万円ほどかかるのが一般的です。
資格取得には多くの場合お金がかかりますが、NLPコーチングは日本での知名度があまり高くないため、怪しいと思う人が多いようです。
しかし、ビジネスシーンで需要が高まっているコーチングと、実践的な心理学であるNLPを組み合わせたNLPコーチングは目標達成に大きく貢献するといわれています。
今後ますます注目されることが予想でき、日常からビジネスシーンまで幅広く活用できるため、学んで損はないといえるでしょう。
NLPコーチングの資格を取得するメリット
NLPコーチングはコーチング以外にも活用できるシーンが多数あります。
NLPコーチングの資格を取得するメリットは、おもに次の4つです。
- 問題を解決し、目標達成を目指せる
- コミュニケーション能力の向上
- 判断力がアップし効率化が目指せる
- 幅広い分野で活躍できる
問題を解決し目標達成を目指せる
NLPコーチングスキルは、メンタルや行動を改善し、目標達成を目指せるといわれています。
「やるべきことはわかっているけれど、なかなか実践できない」という場合、何かしらのメンタルブロックがかかっていることもあるでしょう。
NLPコーチングは一般的なコーチングとは違い、表面的な原因だけでなく、感情面など根本的な問題まで踏み込んで課題解決を図るため、自然な流れで目標達成を目指せるのです。
コミュニケーション能力の向上
NLPコーチングを学ぶと、自分自身だけでなく、相手の感情も正確に判断するスキルが身に付きます。
ビジネスシーンにおいて、コミュニケーション能力は信頼関係に直結する重要な要素です。
NLPコーチングでは、相手の話を聞く力を培うことができるので、上司や同僚との関係を良好に保つのに役立つでしょう。
判断力がアップし効率化が目指せる
NLPコーチングを学び、自身のメンタルブロックを解除すれば、判断力アップが見込めます。
課題の根本的な原因がわからないと、何度も同じことで悩んだり、壁にぶち当たったりすることも。
NLPコーチングでは自分の行動につながる感情をあぶり出し、ネガティブをポジティブに変えることができるので、同じことで悩む時間を削減できます。
判断力は経営者やリーダーとして重要な要素なので、ビジネスシーンでも大きく役に立つでしょう。
幅広い分野で活躍できる
NLPコーチングはNLPとコーチングのどちらの要素も含んでいるため、自分や相手の心をケアしながら目標達成を目指せるのが大きな魅力です。
NLPコーチングは次のような分野にも活用できるスキルといわれています。
- トラウマの改善
- ストレスの耐性アップ
- あがり症の改善
目標達成だけでなく、思考や感情から見直すことができるNLPコーチングは、幅広い分野での活躍が期待できるスキルといえるでしょう。
NLPコーチングの基本モデル
NLPコーチングには次の2つの基礎モデルが存在するといわれています。
- GROWモデル
- SCOREモデル
では、それぞれの具体的な手法と活用できるシーンを見ていきましょう。
GROWモデル
GROWモデルは「Goal(ゴール)」「Reality Check(事実)」「Options(選択肢)」「Will(意志)」の4つの頭文字を取ったモデルです。
目標達成や問題解決に大きく近づける手法として、多くの人が活用しています。
4つのステップの詳細は次のとおりです。
- Goal(ゴール):「どのような状態になりたいか」「達成したい目標は何か」を明確にし、ゴールを設定します。
- Reality Check(事実):「ゴールまでの道のりでどの位置にいるのか」「ゴールを達成するために解決すべき問題や課題はなにか」を明らかにします。
- Options(選択肢):問題や課題を解決し、ゴールに到達するために必要なことを明確にし、リスト化します。
- Will(意志):ここまでの3ステップを見返したときに、ゴール到達のために行動を起こす意志があるのかどうかを確認します。
この4つのステップを踏むことで、目標達成や問題解決のための行動を起こしやすくなる効果が期待できるでしょう。
SCOREモデル
SCOREモデルの「SCORE」は、「Symptom(現状)」「Cause(原因)」「Outcome(目標)」「Resource(リソース)」「Effect(結果)」という5つの文字の頭文字を取ったモデルです。
GROWモデルよりも細かいデータを分析するのがSCOREモデル。
目標達成はもちろん、問題解決に向けた小さな課題や問題まであぶり出すことができます。
SCOREモデルの5ステップは次のとおりです。
- Symptom(現状):状態や環境など、起きていることや事実を明確にして現状を整理します。
- Cause(原因):現状のような状態が起こった、または続いている原因を明確にします。現状に結びつく問題や課題をあぶり出し、因果関係を整理します。
- Outcome(目標):理想的な状態や目標を明確にし、本人の意志や願望を明確にします。
- Resource(リソース):NLPにおけるリソースは使える時間やお金をはじめ、スキルや人脈、キャリアなども含まれます。本人の持つリソースを的確に分析し、目標のために必要なリソースを整理します。
- Effect(結果):目標を達成したり、問題を解決したりした先に何があるのか、何を得られるのかを具体的にイメージします。
目標達成や問題解決までのステップを明確にし、ゴールした後の未来を想像することによって、自発的な行動を促します。
NLPコーチングの資格の取り方
NLPコーチングの資格を取得するためには、セミナーを受講するのが一般的です。
NLPコーチング資格の種類
日本NLP能力開発協会によるとNLPコーチングの資格は次の2種類です。
- NLPコーチング®︎認定NLPコーチ
- NLPコーチング®︎認定プロフェッショナルNLPコーチ
ただしNLPコーチングを身につける上では、NLPの知識も同時に必要となります。
日本NLP能力開発協会のコーチング資格取得コースでは、コーチングだけでなく、NLP資格を同時に取得できるコースもあるので、まったくの初心者でも安心して参加できるでしょう。
2時間でNLPコーチングの基礎が学べる体験講座も開催しているので、まずは体験してから資格取得を検討するのもおすすめです。
NLPコーチング資格の取り方
日本NLP能力開発協会によると、NLPコーチング資格が取得できるコースは次の3つに分かれています。
- 認定NLPコーチ養成コース(約6ヶ月間)
- 認定プロフェッショナルNLPコーチ養成コース(6ヶ月間)
- NLPトレーナー資格認定コース(能力開発トレーナーとしての教授法の取得)
コースは段階を踏んでランクアップしており、NLPトレーナー資格認定コースを修了すると自身でNLPコーチング認定コースの開催も可能です。
NLPコーチングを勉強するためにおすすめの本
「まずは独学でNLPコーチングを学びたい」という人は、書籍を購入するのも一つの方法です。
今回はNLPコーチング初心者向け〜中級者向けの本を3冊紹介します。
NLPと大きな関わりがある心理学を本で学びたい人は、こちらの記事も参考にしてみてください。
NLPコーチング

出典:Amazon
NLPの第一人者であるロバート・ディルツ氏が、自ら開発したスキルやテクニックをじっくり学べる1冊です。
「実際のコーチング現場でどのように教えればいいのか」という部分に重点をおいているため、コーチはもちろん、トレーナーやコンサルタントとして活躍する技術を身につけたい人にもおすすめです。
NLPの基礎を学んだ中級者に最適な1冊といえるでしょう。
人を覚醒に導く史上最強の心理アプローチ NLPコーチング

出典:Amazon
1冊でNLPの基礎知識から応用のワークまで学べるので、NLP初心者〜中級者まで、幅広い層におすすめの本だといえます。
著者のロバート・ディルツ氏はNLPの第一人者といわれ、世界中で大きな影響を与える人物です。
この本はロバート・ディルツ氏の知識と経験を詰め込んだ、既存のコーチングを超えるコーチングメソッドといわれています。
何度も読み返してNLPの本質を理解し、ワークに取り組んでみてください。
NLPで最高の能力が目覚める コーチングハンドブック 知識と経験を最大化するセンスの磨き方

出典:Amazon
NLPは「実践的な心理学」といわれるだけあって、知識を身につけるだけでなく、実行に移すことが大切です。
この本はNLPコーチングの基礎知識を身につけ、その知識を応用するセンスを磨くためのヒントが詰まっています。
コーチングを学んでいる人はもちろん、そうでない人も日常生活に活かせるスキルが学べるので、NLPコーチングをより実践的に学びたい人におすすめです。
まとめ
マイナスな感情をプラスに変えるために役立つ実践的な心理学「NLP」と、自発的に考えて行動することを促す「コーチング」をかけ合わせた「NLPコーチング」。
両者のいいところを活かしているため、自己分析はもちろん、課題解決や目標達成にも大きく役立つでしょう。
NLPコーチングの資格取得は、NLPコーチとして活躍するために役立つだけではありません。
部下の教育やチームメンバーの士気を高めるなど、日常的なビジネスシーンでも活用できます。
「人間関係を円滑にしたい」「ビジネスシーンで成績をあげたい」という方は、ぜひこの機会にNLPコーチングを学んでみてはいかがでしょうか。

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