カリギュラ効果はマーケティングの役に立つ?使い方と活用例を紹介

最終更新日: 2024/05/20 公開日: 2024/05/20

ウェブサイトなどで「○○のような方はクリックしないでください」というメッセージを見かけたことがある方もいるのではないでしょうか。

心理効果の1つ、カリギュラ効果を狙ったマーケティング施策です。

カリギュラ効果を使うことで相手の興味を引き、意図する行動をしてもらいやすくなります。しかし、カリギュラ効果を使う際には注意すべき点もあり、使えば必ず効果が出るというわけではありません。

この記事では、自社でもカリギュラ効果を活用したいと考えているマーケティング担当者の方のために、以下の内容を説明しています。

  • カリギュラ効果をマーケティングに使う際のポイント
  • カリギュラ効果を使う際の注意点
  • カリギュラ効果の事例

ぜひこの記事を参考にカリギュラ効果の活用を検討してください。

カリギュラ効果とは

カリギュラ効果とは何かを禁止されたり制限されたりすることで、逆にそれが気になってしまい禁止・制限された行動をしてしまう心理効果です。

人間は自分の行動を自分で決めたいと考えている生き物のため、他の人に行動を決められることにストレスを感じます。そのストレスを軽減させるために禁止・制限されたことをしようとするのです。

カリギュラ効果の由来

カリギュラ効果はアメリカの映画『カリギュラ』から名付けられました。『カリギュラ』は第3代ローマ皇帝カリグラをモデルにした映画で、残忍な描写などが問題となり一部の都市で上映が禁止されました。

上映禁止された町では人々が映画に強い興味を持ち、禁止されていない町で見るようになったため『カリギュラ』は大ヒットしたのです。禁止されたことで余計に注目を集めてしまった典型的な例と言えます。

カリギュラ効果と心理的リアクタンスの違い

心理的リアクタンスとは他人から強制されたり命令されたりした時に、それとは逆の行動をとりたくなる心理効果です。リアクタンスは反発・抵抗という意味です。

セールスパーソンが顧客に選択の余地を与えずに「このプランを契約する方が良い」と言って進めようとすると、顧客はそれが本当に良いプランだとしても契約をしたくなくなるのが、心理的リアクタンスです。

カリギュラ効果では自分の行動を禁止されたり制限されたときに発生する心理効果ですが、心理的リアクタンスは他人から「こうしなさい」などと行動を命令されることでも生まれます。

カリギュラ効果は心理的リアクタンスの一種と言えるでしょう。

カリギュラ効果をマーケティングに役立てる5つのポイント

カリギュラ効果はマーケティングにしばしば使われています。ここではカリギュラ効果をマーケティングに役立てる際のポイントを5つ紹介します。

  1. 簡単な行動を禁止する
  2. 限定性を使う
  3. バーナム効果と同時に使う
  4. バンドワゴン効果と組み合わせて使う
  5. ヴェブレン効果と一緒に使う

様々な心理効果とかけ合わせることで、カリギュラ効果が強く働く場合もあります。ターゲットの心理に合わせて使い分けましょう。

1. 簡単な行動を禁止する

カリギュラ効果を発揮させるために禁止・制限する行動は、簡単なものである必要があります。難しい行動を禁止されても、行動したいと思わずに諦めてしまうからです。

昔話の鶴の恩返しでは、機織りをしている間に部屋を覗いてはいけないと言われたのに主人公は見てしまいます。「見る」という簡単な行為だったために、主人公は見たくて仕方がなくなり扉を開けてしまいました。

簡単な行動だからこそ「少しくらい良いだろう」という気持ちがわき、より強く興味を惹かれるのです。

2. 限定性を使う

限定性とは期間や数量などが限られていることです。限定性で行動が制限されてしまうため、カリギュラ効果が働きやすくなります。

期間の限定はテレビショッピングなどでよく使われています。

例えば「このCM放送後30分間にお電話いただいた方に同じものをもう1個お付けします」というフレーズです。30分を過ぎると特典がもらえなくなってしまうため、視聴者はすぐに申し込もうと考えます。

数量の限定は1日30個限定・先着10名様までのような販売数に制限を設けるということです。数を制限されることで希少性を感じて買いたいと強く感じます。

「会員のみに割引価格で販売」は、購入者を限定しています。購入者から外れた人は商品を買えないため、購入者が持つ権利を羨ましく感じて会員になろうとするでしょう。

3. バーナム効果と同時に使う

バーナム効果とは、誰にでも当てはまる事柄を自分に当てはまっていると感じる心理効果です。バーナム効果とカリギュラ効果を組み合わせることで、自分のためにある商品だと思わせることができます。

「今の現状に満足している方は申し込まないでください」という文言があると、今の現状に満足していない人がほとんどなのに、満足していない自分のための商品だと感じます。

同時に「現状に満足している人は申し込めない」という行動の制限も感じるため、カリギュラ効果が働きやすくなるのです。

4. バンドワゴン効果と組み合わせて使う

バンドワゴン効果とは、多くの人が同じことを言っているとそれにつられて同じように考える心理効果です。

ダイエット商品で多くのモニターが「瘦せすぎて困る」と言っていて「痩せたくない人は使わないで」というキャッチコピーがあれば、バンドワゴン効果とカリギュラ効果の両方の心理効果を狙っています。

バンドワゴン効果とカリギュラ効果を組み合わせることで、自分も多くの人と同じようにその商品を使いたいと感じる気持ちが強まります。

5. ヴェブレン効果と一緒に使う

ヴェブレン効果は見せびらかし消費とも呼ばれ、誰かに自慢したいがために高級品を購入するという心理効果のことです。

航空会社には搭乗実績に応じたステータスがあり、上級ステータスでないと入れないラウンジや、飛行機の搭乗順番が早まるなどのサービスを受けられます。

上級ステータスの人が並ばずに飛行機に搭乗している姿を見て行動が制限されている一般客は羨ましく感じ、自分もステータスを得ようとする気持ちを突き動かします。

カリギュラ効果を使う際の2つの注意点

カリギュラ効果を使う際の注意点は以下の2点です。

  1. 禁止する理由を明示する
  2. ターゲットと信頼関係を築く

カリギュラ効果は相手にストレスを与えてしまいやすいため、ストレスを商品や自社に対する不満にならないように気を付ける必要があります。

1. 禁止する理由を明示する

なぜ行動が禁止されているのかがわからないとカリギュラ効果は発揮されません。その人にとって必要かどうかがわからず、ただ禁止されているという事実だけがストレスとなるからです。

制限の理由が「なかなか手に入らない上質の素材を使用しているため1人1個に限定します」であれば、消費者は納得し価値あるものだと興味を持つでしょう。

新聞社のウェブ記事では「ここから先は会員限定記事です。会員になるにはこちらをクリックしてください」のように、理由とともに行動できる方法も一緒に明示されていることが多いです。

2. ターゲットと信頼関係を築く

カリギュラ効果を使うためにターゲットの行動を禁止・制限することは、ターゲットにストレスを与えます。信頼関係がない企業がカリギュラ効果を使おうとしても、ターゲットに無視されるか嫌われてしまうでしょう。

商品・サービスそのものの知名度の高さやイメージキャラクターの権威性・認知度が、ターゲットの信頼度にかかわってきます。

映画に出演した俳優が「本当に怖いから見ないで」と言う場合と、一般人が言う場合では説得力があるのは俳優です。行動を禁止することで強く興味をひかせられる関係性があるのかをよくリサーチしてカリギュラ効果を使いましょう。

カリギュラ効果の活用事例7選

ここではカリギュラ効果の活用事例を7種類紹介します。

  1. ドモホルンリンクル
  2. モンスターストライク
  3. ピッコマ
  4. サスペリア
  5. NewsPicks
  6. Amazon数量限定タイムセール
  7. ​​Clubhouse

相手に大きなフラストレーションを感じさせることなく、カリギュラ効果を使って興味を引いています。どのように相手の行動を制限するかがマーケティングで使う際のコツです。

1. ドモホルンリンクル

ドモホルンリンクは再春館製薬所の基礎化粧品で、様々なCMを展開しています。

以前のドモホルンリンクルのキャッチコピーに「残念ながら、ドモホルンリンクルは初めての方にはお売りすることができません」というものがありました。

新規顧客に商品を販売しないという挑戦的なキャッチコピーですが、お客様の肌に合うのか試してから購入してほしいという理由付けがされています。

初めての人は買えない基礎化粧品という興味付けを行い、無料お試しセットの申し込みに繋げています。

2. モンスターストライク

スマホゲームのモンスターストライク(モンスト)は2016年10月に三周年記念イベントを実施し、キャッチコピー「三周年だからって、モンストやるなよ」「10月はモンスト禁止」を使いました。

CMにダチョウ倶楽部の故上島竜兵さんを起用し、ネタの「押すなよ」とリンクさせています。「モンストやるなよ」のCMは話題になり、クリスマスや年末年始バージョンなども作成されています。

ゲームを止めてしまっていた元利用者の復活や新規ユーザーの獲得ができ、現在では幅広い年代が遊ぶゲームに成長しました。

3. ピッコマ

ピッコマは漫画配信アプリです。一般的な漫画アプリでは試し読みの後は続きを購入して読むシステムになっていますが、ピッコマでは23時間待つだけで次の話を読めるシステムです。

利用者は1日程度待つという行動の制限のおかげで続きが気になり、毎日ピッコマのアプリを開くようになります。

最新巻の当日購入で100ポイントのプレゼントや、毎日何らかのキャンペーンが実施されるなどの期間限定を使ったカリギュラ効果を生む仕掛けが散らされています。

4. サスペリア

『サスペリア』はイタリアのホラー映画です。1977年に日本で公開された際に「決して、ひとりでは見ないでください」というキャッチコピーがつけられ、流行語になりました。

残酷な表現が多く、映画館で鑑賞してショック死した場合1,000万円を支払う保険がかけられたことも話題となり、キャッチコピーと合わせてどれだけ怖い映画なのかと強い関心を与えました。

『サスペリア』の1977年の国内興行収入は12億円を達成し、大ヒットという結果となっています。

5. NewsPicks

NewsPicksは経済ニュースを配信するメディアです。個人利用の場合、無料会員と有料のプレミアム会員があり、プレミアム会員になると限定記事が読み放題となります。

無料会員の場合、読みたい記事の途中で読めなくなってしまうストレスを感じるため、続きを読もうとしてプレミアム会員の無料トライアルに申し込むような仕組みになっています。

6. Amazon数量限定タイムセール

Amazonでは毎日、特定の商品の数量と期間を限定したタイムセールを実施しています。セール画面では残りの販売数が確認できるため、ユーザーは売り切れる前に購入しなければいけないという気持ちが強くなります。

商品をカートに入れると15分間で決済を終了しなければならず、15分を過ぎるとタイムセールの適用がされません。今だけのお得感を示してユーザーに行動を促しています。

7. ​​Clubhouse

​​Clubhouseは2021年に日本で流行した音声SNSアプリです。当時のClubhouseは他のSNSとは異なり招待制でした。1人につき招待できるのは2人だったので、希少価値がつき招待枠が売買される事態にもなりました。

当時はアンドロイドやパソコンではアプリを使えなかったこともiPhoneユーザー以外の人にとって行動を制限されることになり、カリギュラ効果を生みました。

音声配信を聞くことができない状況にある人が多かったため、一気に人気に火がついたと言えるでしょう。

カリギュラ効果をうまく活用してターゲットの興味をひこう

この記事では、カリギュラ効果をマーケティングで使う際のポイントと注意点、活用事例について説明しました。

カリギュラ効果は相手の行動を禁止・制限して自分もやりたいと感じさせることで強い興味を引き出します。効果が高い反面、相手に自由に行動できないというストレスを感じさせて不満のもととなる可能性もあります。

カリギュラ効果をマーケティングで使うには簡単にできる行動を禁止し、どうすれば解除できるのかを合わせて提示することが重要です。

ぜひ自社のマーケティング施策でも活用してください。

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最終更新日: 2024/05/20 公開日: 2024/05/20