- Web3.0とWeb3という言葉を見かけるが、両者はどう違うのだろう?
- なぜ2種類の表記があるのか?
- Web3.0があるならWeb1.0やWeb2.0もあるのか?
上記のような疑問を感じていませんか?
今回は、Web3.0とWeb3の違いについて解説します。
Web3.0・Web3を理解する上で役立つインターネットの歴史や特徴にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
Web3.0とWeb3は同じ?違う?
そもそもWeb3.0とWeb3は同じ意味で使ってよいのか、混同してはいけないのか、迷っている方も多いでしょう。
はじめに、Web3.0とWeb3の関係を明確にしておきます。
Web3.0はもともと別の意味で使われていた
結論からお伝えすると、「Web3.0」と「Web3」は本来別の概念です。
Web3.0は、もともと「セマンティックWeb」の概念を表す言葉でした。
セマンティックWebとは、Webサイトを人だけでなくソフトウェアにも理解可能な形式にする構想を指します。
皆さんが今見ている当サイトも、Webサイトの1つです。
文字や背景、配置されているボタンなどは、いずれも人にとって見やすいように制作されています。
人にとって見やすいからといって、ソフトウェアにとって理解しやすいとは限りません。
ソフトウェアがWebサイトを活用できるよう、規格の統一化を目指したのがセマンティックWeb(=Web3.0)だったのです。
Web3.0(Web3)と表記されるケースが多い
実態としては、Web3.0とWeb3は現在ほとんど同じ意味で使われています。
経済産業省やデジタル庁が公表している資料内でも、Web3.0という言葉を使っているケースは少なくありません。
場合によっては「Web3.0(Web3)」のように、同じ意味を表す言葉として併記されていることもあるのです。
実情を踏まえれば、Web3.0は「セマンティックWeb」ではなく「Web3」の意味で捉えて差し支えないでしょう。
インターネットの歴史
Web3を理解するには、インターネットの歴史を知る必要があります。
実は、Web3の前にはWeb1.0、Web2.0と呼ばれる概念も存在しているのです。
インターネットがどのような変遷を経てきたのか、要点を絞って見ていきましょう。
Web1.0
コンピュータ同士で通信するという考え方は、1960年代から提唱されていました。
1970年代にはパソコン通信が登場しますが、当時は技術に詳しい一部の人だけが使う専門性の高いシステムだったのです。
一般家庭でインターネットが使われるようになったのは、1990年代後半に入ってからのことでした。
Web1.0の特徴は、一言で表現すると「一方通行」です。
Webサイトも「見るだけ」「読むだけ」のものであり、ユーザーが何か操作を行うことはほとんどできませんでした。
Web2.0
2000年代に入ると、「読むこと」だけではなく「書き込むこと」もできるWebが誕生します。
「リード・ライト型」とも呼ばれるように、インタラクティブ(双方向)の使い方が一般的になっていったのです。
現在ではごく普通に使われているSNSも、ユーザーが閲覧するだけでなく、投稿したり「いいね」を付けたりすることができます。
皆さんがWebサイトやWebサービスと聞いて現状イメージするものは、ほぼ全てWeb2.0に含まれると捉えてください。
Web3はWeb2.0が進化したもの?
インターネットがWeb1.0、Web2.0と進化してきたと聞けば、次に来るのはWeb3.0と考えるのが自然です。
時代とともにインターネットが進化し続けてきたのは事実ですが、厳密に言うとWeb2.0とWeb3の間には大きな断絶があります。
Web3では、Web1.0・Web2.0で当たり前とされていた概念が根底から覆されているからです。
Web1.0からWeb2.0への進化が「アップデート」だとすれば、Web3は「技術の刷新」と捉えるべきでしょう。
Web2.0からWeb3へと移行するのではなく、全く新しいWeb3という技術が登場したと捉えるほうが適切です。
Web3の特徴
Web3が従来のWebと根本的に異なることは、Web3の特徴を知ることでいっそう明らかになるはずです。
Web3の主な特徴として、次の4点を押さえておきましょう。
分散型・非中央集権
Web3はブロックチェーン技術によって構築されているため、特定の企業や組織が情報を一括管理することができません。
特定の企業や組織がサービスを所有することもできないため、ユーザーの個人情報を集中管理することは不可能となります。
従来のWeb2.0では、GAFAMに代表される超大手IT企業が世界中の個人情報を掌握していることが懸念されていました。
非中央集権の分散型インターネットは、ユーザー主体のWebを実現する技術といえるでしょう。
仲介組織が不要
仲介組織が必要なくなり、必然的に仲介手数料などを支払う必要もなくなるのがWeb3の特徴です。
従来、Webサービスを利用するには利用料などを支払う必要がありました。
一見すると無料で利用できるWebサイトやWebサービスも、広告を閲覧することで間接的に利用料を支払っているのです。
Web3では特定の企業が提供するプラットフォームを利用することなく、さまざまなサービスを活用できるようになります。
仲介組織が不要となることで、サービスや情報を必要とする人へダイレクトに届けられるようになるでしょう。
セキュリティレベルの向上
Web3にはサービスを管理する企業や組織が存在しないため、ユーザー情報を登録するという概念がありません。
ユーザーIDやパスワードが必要だったのは、サービス提供事業者のサーバー内で個人を識別する必要があったからです。
Web3では特定の企業や組織がサービスを運営・管理しないため、個人情報の登録も不要となります。
特定の企業がサイバー攻撃の標的となり、管理していた個人情報が漏洩するといったリスクもなくなるのです。
ブロックチェーンはデータの改ざんもできない仕組みのため、セキュリティレベルの大幅な向上が期待されています。
サービスのグローバル化
Web3の特徴として、国や地域を問わずWebを利用できる点が挙げられます。
Web2.0でもインターネットは世界中で利用されていますが、国や地域ごとに利用できるサービスが異なっているのが実情です。
たとえば、Amazonは世界中でサービスを展開しているものの、サービスサイトは国や言語ごとに用意されています。
Web3では「どこの国で作られたサービスか」「どの地域のユーザーか」は関係なく、誰もがサービスにアクセス可能です。
サービスが真の意味でグローバル化し、国や地域という概念の存在しないインターネットの世界が実現するといわれています。
Web3の代表的な技術
Web3は決して遠い未来の話ではなく、すでに実用化が進んでいる技術です。
Web3の代表的な技術として、NFT、DAO、DeFiなどが挙げられます。
NFT
NFTは、日本語では「非代替性トークン」と訳されています。
ブロックチェーン技術を活用した例にビットコインなどの暗号資産があることは、多くの方がご存知でしょう。
ビットコインは価値を等価交換できるという意味で、国家が発行する通貨と似た性質を持っています。
一方、NFTは非代替性という言葉の通り、特定のデータに唯一の価値を付加することができる技術です。
デジタルデータに固有の価値や所有権を付加できることから、デジタルアートなどの取引に活用されています。
DAO
DAOとは、自律分散型組織のことです。
特定の所有者や管理者が存在しておらず、参加するメンバーによってルールが決められ、意思決定が行われます。
意思決定の際にはメンバーによる投票が行われ、参加するメンバー全員が投票権を持っているのが特徴です。
DAOで行われる全ての契約や取引はブロックチェーンに記録されるため、不正や改ざんを行うことは事実上できません。
従来の組織が否応なく抱えていた、上限関係や支配・被支配関係から脱却できる仕組みとして注目されています。
Web3の特性を活かし、真の意味で民主的な組織を体現しているのがDAOと考えてよいでしょう。
DeFi
DeFiとは、分散型金融のことです。
既存の金融サービスでは、銀行や証券会社といった金融機関が利用者の情報や資産を管理することで成立していました。
DeFiにおいては、中央管理する金融機関や仲介業者が存在しない金融サービスが実現可能となります。
ユーザーは互いに直接取引するため、従来発生していた手数料などのコストがかからない仕組みが実現化されるでしょう。
契約を自動化するスマートコントラクトという仕組みによって、DeFiは成立しています。
スマートコントラクトによって決済は自動化され、金融機関を介さない個人間の自由な取引が可能となるのです。
Web1.0・Web2.0・Web3の違い
インターネットの進化の歴史とWeb3の特徴を一覧にまとめました。
Web3への理解を深めるためにぜひ活用してください。
分類 | 主な性質 | 活用方法の例 |
Web1.0 | 一方通行 | 読むだけ・見るだけのWebサイト |
Web2.0 | 双方向 | SNSやブログなど、読み書きが可能なWebサイト・Webサービス |
Web3 | 分散型 | NFT、DAO、DeFiなど、企業や組織を介さず個人が自由に利用・参加・取引できる |
まとめ
Web3とWeb3.0は同じ意味で使われるケースが増えていますが、もともとWeb3.0は別の意味を持つ言葉です。
Web1.0、Web2.0とインターネットは着実に進化してきたものの、Web3は従来のWebとは大きく性質が異なります。
インターネットという存在を大きく変える可能性を秘めたWeb3への理解をぜひ深めてください。
Web3で実現する新たなインターネットの世界が、私たちの暮らしや事業をよりいっそう自由で快適なものに変えていくはずです。
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