リード獲得とは、製品やサービスに興味を持つ見込み客(リード)を獲得することです。
リード獲得を理解し自社にとって効果的な施策を行うことができれば集客力の向上、売上UPを目指すことが出来、多くの経営課題を解決することができます。
しかし、まだ生まれたばかりの「リード獲得」という言葉を理解出来ていなかったり、そもそもなぜ重要視されているのかわからなかったりする方が大半です。それではどう施策を打ったらいいかもわかりません。
今回は、リード獲得の基本的な概念や施策例、成功させるためのポイントについてわかりやすく解説します。
リード獲得に際して生じやすい課題と対策もまとめていますので、ぜひ参考にしてください。
リード獲得とは
はじめに、リード獲得の基本的な概念を整理しておきましょう。
リード獲得に取り組む目的や、リード獲得後の流れを理解しておくことが大切です。
リードとは
リードとは「見込み客」のことを表す言葉です。
見込み客は、購買意欲に応じて下記の3種類に分類されます。
- ホットリード:購買を検討する可能性が高い見込み客
- ウォームリード:購買を検討する余地がある見込み客
- コールドリード:現状では購買を検討する可能性が低い見込み客
購買や契約につなげるには、ホットリードをできるだけ多く集める必要があります。
一方で、将来的に購買・契約を検討する可能性がある見込み客のすべてがホットリードとは限りません。
ウォームリードやコールドリードを適切にフォローし、育成していくことにより、購買・契約へとつなげていくことが重要です。
リード獲得の目的
ビジネスを成功させるには、自社の商品・サービスを購入・利用してもらう必要があります。
自社の商品をすでに知っており、購入・契約を検討している顕在顧客を取りこぼさないことは重要なポイントの1つです。
注意点として、自社の知名度がよほど高くない限り、商品をそもそも認知していない層も多いことが想定されます。
商品の存在自体は認知していても、必要性やメリットが十分に理解されていないケースも多々あるでしょう。
できるだけ多くの見込み客と接点をつくり、訴求が可能な母数を増やすことで、将来の顧客候補を確保していく必要があります。
「訴求が可能な母数を増やす」ことが、リード獲得の目的と捉えてください。
リード獲得後の流れ
リード獲得は、マーケティング活動や営業活動の一環です。
見込み客へのアプローチは、リード獲得後も下記のように続いていきます。
- リード獲得(リードジェネレーション)
- リード育成(リードナーチャリング)
- リード選定(リードクオリフィケーション)
見込み客との接点を持ち続け、購買意欲を高めていくことにより、商談設定や購買の訴求が可能な層を育てていきます。
購買意欲が高まったタイミングで商談を設定することにより、成約率を高められるからです。
以上のことから、リード=今すぐに購買につながる見込み客、とは限らないことがわかります。
リード獲得後の流れを理解した上で、まずは「連絡を取り合える見込み客(=リード)」を増やしていくことが重要です。
リード獲得につながる施策
前述のとおり、リード獲得とは「連絡を取り合える見込み客」を増やしていくための活動のことを指します。
言い換えると、連絡を取り合える見込み客を生み出せる可能性があれば、リード獲得のための施策として有効です。
リード獲得につながる施策は多岐にわたりますが、オンライン・オフラインに分けた場合、次に挙げるような施策が想定されます。
オンライン施策
オンライン施策とは、Webやメールなどのオンライン媒体を活用した施策のことです。
具体的な施策例として、下記のものが挙げられます。
- オウンドメディア
- メールマガジン
- 動画配信
- SNS
- Web広告
- プレスリリース
- ウェビナー
- オンライン展示会
オンライン施策の大きなメリットは、低コストで高い効果を得られる可能性がある点です。
例えばSNSを活用した施策であれば、SNSプラットフォームの拡散効果を活用できます。
SNS広告を出稿する方法もありますが、情報発信そのものは無料で実施することも可能です。
自社サイトへの導線を設け、資料のダウンロードや問い合わせを促すことにより、リード獲得につながります。
オフライン施策
オフライン施策とは、前述のオンライン施策に含まれないすべての施策のことを指します。
具体例として挙げられるのは下記のような施策です。
- オフライン広告(交通広告・屋外広告・新聞/雑誌広告・折り込みチラシなど)
- ダイレクトメール(DM)
- テレアポ
- セミナー
- 展示会
古くから実施されている取り組みが多く見られるものの、現代においてもリード獲得につながるケースは少なくありません。
オンライン施策と比べてコストがかかる反面、リードに直接訴求できたり、直接やり取りができたりする点が大きなメリットです。
実際にはオンライン+オフラインで複数の施策を並行して進め、リード獲得の間口を広く確保しておくことが求められます。
リード獲得を成功させるためのポイント
リード獲得に向けた施策を成功させる上で、必ず押さえておきたいポイントをまとめました。
ポイント1:ターゲットを明確にする
リード獲得を成功させるには、自社にとってのターゲットを明確にしておく必要があります。
過去の顧客層の傾向や自社の商材の特性などを踏まえて、ターゲットを絞り込んでいきましょう。
多くのリードを獲得するにはターゲットを絞りすぎないほうがよいのでは、と感じるかもしれません。
実際には、万人向けの訴求は「どの層にも響かない」訴求になりかねません。
営業担当者の見解も取り入れながら、自社が訴求すべきターゲットを特定しておくことが大切です。
ポイント2:ターゲットのニーズを深掘りする
ターゲットが定まったら、次にターゲットとなる層のニーズを深掘りしていきます。
どのような点に課題を感じているのか、何を解決したいと考えているのかを深く考察することが重要です。
壁に穴を空けたいというニーズに対してドリルを訴求するのは、必ずしも得策とはいえません。
そもそもなぜ壁に穴を空けたいのか、何を解決したいのかを把握することによって、より良い提案ができる可能性があります。
ターゲットを具体化し、実在する1人の見込み客である「ペルソナ」を設定することをおすすめします。
ペルソナの価値観やライフスタイルを加味して、ニーズの本質を探りましょう。
ポイント3:ニーズに合った媒体・訴求方法を検討する
ターゲットのニーズが明確になったら、ニーズに対して効果的に訴えかけられる媒体や訴求方法を検討します。
例えば、ターゲットの年齢層が比較的高いようなら、SNSよりも紙媒体のDMのほうがリーチしやすい場合もあるでしょう。
商材への関心度が高い層が対象であれば、すでに他社商品と比較検討する段階に入っていることも想定されます。
自社商品のメリットや強み、解決できる課題などを打ち出すことで、競合他社との差別化を打ち出すのが得策です。
商材を直接的に売り込むのではなく、まずはターゲットが関心を寄せる可能性の高いコンテンツを用意することをおすすめします。
リード獲得に際して生じやすい課題と対策
リード獲得に向けた施策を講じた際、発生しやすい課題をまとめました。
それぞれの課題に対する対策とあわせて解説します。
課題1:リードが思うように獲得できない
リード獲得を実現するための施策を講じているにもかかわらず、想定どおりにリード獲得に至らない場合があります。
何がボトルネックとなってリード獲得に至っていないのか、原因を特定することが重要です。
原因の1つとして、ターゲットの検討フェーズに合わない訴求方法を実践している可能性があります。
・認知フェーズ:そもそも商材の存在を認知していない
・評価フェーズ:商材を認知しているものの、自身の課題や商材の必要性への実感が薄い
・行動フェーズ:商材を十分に認知しており、購買を検討する段階に入っている
例えば認知フェーズにあるターゲットに対して、商材のメリットや他社商品との比較ポイントを訴求するのは得策とはいえません。
そもそも商材の存在を認知していない状態のため、まずは自社商品について知ってもらう機会を提供する必要があります。
反対に、行動フェーズにあるターゲットに商材の必要性を訴えかけても効果は薄いでしょう。
行動フェーズにある見込み客に対しては、他社商品と比較した場合の強みやメリットを打ち出すほうが効果的です。
見込み客の検討フェーズを再確認した上で、講じている施策との間にギャップが生じていないかをチェックする必要があります。
課題2:獲得したリードが成約につながらない
リード獲得自体は順調に進んでいるものの、成約数が一向に伸びないことがあります。
主な原因として考えられるのは、ターゲット設定が適切でないという点です。
ターゲットの裾野を広げすぎていたり、自社商材を通じてメリットを感じにくい層に照準を定めたりしていることが想定されます。
既存顧客の傾向や成約に至ったパターンを再度分析し、ターゲット設定を見直していくことが大切です。
リード獲得から成約に至るまでのカスタマージャーニーマップを作成し、見込み客の視点に立って施策を練り直しましょう。
課題3:リード獲得のための費用がかさむ
リード獲得単価が高すぎることは、施策の費用対効果を悪化させる直接的な原因となりがちです。
例えばDMハガキやマス広告には一定のリード獲得効果が見込めるものの、ヒット率としてはあまり高い媒体とはいえません。
オンライン施策もあわせて検討することにより、低コストかつ効果の高い施策へと転換できる可能性があります。
リード獲得に成功しているかどうかは、リード獲得数だけで判断できるものではありません。
定期的に費用対効果を検証し、リード獲得のためのコストが高すぎるようなら、施策の見直しを図る必要があるでしょう。
まとめ
リード獲得は、将来的に顧客化できる見込みのある層を発掘していく上で非常に重要なプロセスです。
見込み客が限られている状態では、リードを育成しようにも間もなく訴求すべき対象が尽きてしまうおそれがあります。
今回紹介した施策例や成功に向けたポイントを参考に、自社に適したリード獲得方法を確立してください。
有効なリード獲得方法が見つかれば、ビジネスをいっそう加速させるきっかけになるはずです。
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そして自社の売上が上がります。
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