- 営業活動の進め方が担当者任せになってしまっている
- 成果を挙げられる担当者・挙げられない担当者に二分されている
- 営業ノウハウが可視化・言語化されていない
上記のような課題や悩みを抱えていませんか?
今回は、営業活動の工程や手順をモデル化した「セールスプロセス」についてわかりやすく解説します。
セールスプロセスの基本的な流れや、実践する際の注意点にも触れていますので、ぜひ参考にしてください。
セールスプロセスとは
はじめに、セールスプロセスの概要について解説します。
セールスプロセスを活用するメリットや、近年特に重要視されている背景を把握しておくことが大切です。
営業活動の工程や手順をモデル化したもの
セールスプロセスとは、営業活動の工程や手順をモデル化・可視化したもののことです。
勘や経験則に頼るのではなく、具体的にどのような手順で営業活動を進めるべきかを見える化したものと捉えてください。
営業活動には多くの経営資源が投下されています。
同時に、営業活動の成否は企業の売上や利益を大きく左右しかねない重要なポイントの1つです。
セールスプロセスは、営業活動を展開するあらゆる企業にとって不可欠な「仕組み化」のに向けた取り組みといえます。
セールスプロセスを活用するメリット
セールスプロセスを明確にすることによって、次に挙げるメリットを得られます。
- 営業活動の課題やボトルネックを把握しやすくなる
- 営業活動の進捗管理を仕組み化できる
- セールススキルを標準化・共有化できる
- 営業担当者の人事評価を適正化できる
総じて「営業活動をシステマチックに進められる」ことが、セールスプロセスを活用する大きなメリットです。
勘や経験則に頼った営業活動から脱却し、「売れる仕組み」を確立するには、セールスプロセスを明確にしておく必要があります。
セールスプロセスが重要視されている背景
近年、セールスプロセスが特に重要視されるようになった主な背景として、人材不足への懸念が挙げられます。
営業の担い手が豊富だった時代には、人員を適宜補充したり、じっくりと時間をかけて育てたりすることは難しくありませんでした。
生産年齢人口が減少へと転じたことにより、多くの業界で人材獲得は難化の一途を辿っています。
限られた人員で売上を維持・伸長し続けていくには、営業活動の属人化を解消し、ノウハウを標準化していくことが重要です。
セールスプロセスを明確にすることは、今後ますます深刻化することが懸念される人材不足への対策の1つとなるでしょう。
セールスプロセスの5つのフェーズ
セールスプロセスの基本的な流れを見ていきましょう。
適切なセールスプロセスは業界や扱う商材によって異なるため、特定のプロセスが存在するわけではありません。
以下はあくまでも一般的なセールスプロセスの骨組みと捉えてください。
1. ホットリード選出
セールスプロセスの第一のフェーズは、ホットリード(購買意欲の高い見込み顧客)を選出することです。
アポイントを取得し商談を設定しても、相手にニーズがない・購買意欲が低いようでは成功確度は下がってしまいます。
営業活動を成功させるには、「商品・サービスを求めている相手に提案する」ことが重要です。
ホットリードを選出する際のポイントとして、明確に数値化された基準にもとづいて判断することが挙げられます。
メルマガの開封率やWebサイトへのアクセス頻度といった具体的な数値を元に、購買意欲をスコアリングするのがポイントです。
2. アプローチ
選出したホットリードに対してアプローチします。
アプローチにおいて最も重要なポイントは「タイミング」です。
購買意欲が高まっていないリードにアプローチしてしても、相手は興味を持たない可能性が高いでしょう。
反対に、購買意欲が高まった時期を逃してしまうと競合他社に先を越されたり、別の選択肢を検討し始めたりする原因となります。
何をもってアプローチすべきタイミングと判断するのか、基準を明確にしておくことが重要です。
3. プレゼンテーション
商談を設定し、ヒアリングを通じてリードの顕在/潜在ニーズを探っていきます。
聞き取ったニーズに即した提案を行い、自社の商品を採用するメリットを理解してもらうことがプレゼンテーションの目的です。
プレゼンテーションは「売り込み」ではなく、あくまでもリードの課題を解決するための1つの手段として示す必要があります。
自社の立場から「売りたい」「勧めたい」ではなく、顧客の視点に立った提案をすることが大切です。
4. クロージング
契約や購入にあたってリードが懸念している事項を解決しながら、クロージングへと向かいます。
クロージングとは契約・購入を決断してもらうことを指しますが、実際の商談では直接的に契約意思を尋ねるとは限りません。
具体的な導入時期を尋ねたり、契約に際して不明な点や懸念点を質問したりすることによって、意思確認をする方法が一般的です。
あくまでもリード側から契約意思を示してもらえるよう、意思決定を促すためのプロセスと捉えてください。
契約意思が明確になったら、契約締結へと進みます。
5. フォローアップ
成約後も定期的に顧客と連絡を取り合い、信頼関係を醸成していきます。
フォローアップの適切な実施を通じて、アップセルやクロスセルが実現する可能性が高まっていくからです。
確固とした信頼関係が確立されれば、新規顧客を紹介してもらえる場合もあります。
紹介を通じてリードを獲得することにより、新規顧客の獲得コストを大幅に下げられるでしょう。
セールスプロセスは、あらかじめフォローアップも見据えて構築しておくことが大切です。
セールスプロセスを実践する際の注意点
セールスプロセスを運用するにあたって、いくつか押さえておくべき注意点があります。
- 注意点1:プロセスを過度に細分化しない
- 注意点2:PDCAを回して組み直す
- 注意点3:自社の強みをプロセスに組み込む
- 注意点4:各プロセスの判断基準を明確にする
- 注意点5:リードの心境の変化をデータ化する
- 注意点6:セールススキルをナレッジとして共有する
それぞれ詳しく見ていきましょう。
注意点1:プロセスを過度に細分化しない
セールスプロセスは大枠で設計し、細かく分けすぎないことが大切です。
過度に細部化すると、案件によっては不要なプロセスが発生したり、各プロセスの意義や目的が不明確になったりしかねません。
スキップされるプロセスが多発すれば、セールスプロセス自体が形だけになってしまう原因にもなります。
あくまでもセールスの流れを示すことがセールスプロセスの目的であることを念頭に置いて設計するのがポイントです。
注意点2:PDCAを回して組み直す
セールスプロセスは一度構築すれば永続的に活用できるとは限りません。
実際の営業活動を通じてプロセスが適切であるかどうかを検討し、必要に応じて組み直していくことが大切です。
例えば、ホットリードの選出は営業担当者が実施する場合と、マーケティング担当者が実施するケースが想定されます。
実際にはマーケティング部門が担当するにも関わらず、形式的にセールスプロセスに組み込まれていてもあまり意味をなしません。
他にも、クロージングをテストクロージングと最終クロージングに分けたほうが実用性が高い場合もあるでしょう。
自社の営業活動に即したセールスプロセスとなるよう、PDCAサイクルを回して改善を図る必要があります。
注意点3:自社の強みをプロセスに組み込む
セールスプロセスは自社の強みを反映したものにすることが重要です。
例えば、商品に明確な差別化ポイントがあるようなら、商談設定後の成功確度は高いことが想定されます。
ホットリード選出やアプローチに注力しやすいプロセスにすることによって、売上を伸ばせる確率が高まるはずです。
自社の強みを反映させることによって、弱点を補いやすくなります。
セールスプロセスを構築するにあたって、自社の強みを改めて分析し直しておく必要があるでしょう。
注意点4:各プロセスの判断基準を明確にする
セールスプロセスの各段階において、次の段階に進む判断基準を明確にしておくことが大切です。
例えば闇雲にアプローチするのではなく、購買意欲が高まった状態で商談化するほうが成約に至る確率は高まります。
購買意欲を適切に見極めるには、ホットリード選出からアプローチへと移行する際の基準を決めておかなくてはなりません。
必要に応じてインサイドセールス部門を創設するなど、リードとの関係を深める仕組みを整えておくことをおすすめします。
注意点5:リードの心境の変化をデータ化する
セールスプロセスの精度を高めるには、リードの心境の変化をはじめとする定性情報を的確につかむ必要があります。
検討段階から契約・購入を決断するに至った決定打がどこにあったのか、過去の成功事例を検証しておくことが大切です。
リードの行動を元に購買意欲をスコアリングするなど、データにもとづく運用が可能な仕組みを整えるのが得策でしょう。
商談時に特定の質問を投げかけ、リードの返答内容に応じてスコアを決定する方法もあります。
リードの心境をデータ化し、客観的な判断基準にもとづいてセールスプロセスを運用していくのがポイントです。
注意点6:セールススキルをナレッジとして共有する
セールスプロセスを活用する大きな目的の1つに、営業活動の進め方や判断基準を統一することが挙げられます。
せっかくセールスプロセスを設定しても、各担当者が個々に活用しているだけでは十分な効果は得られません。
セールススキルの向上につながるナレッジを社内で共有し、担当者の知見を組織のリソースにしていくことが大切です。
MA(マーケティングオートメーション)やSFA(営業支援システム)などを活用し、ナレッジの共有化を図りましょう。
各担当者から得られるフィードバックが、セールスプロセスの改善に役立つはずです。
まとめ
どの企業においても、各営業担当者が独自のノウハウや知見を持っているものです。
統一されたセールスプロセスを設定することは、明文化されていないノウハウや知見を可視化することに他なりません。
営業活動の精度を高め、人材不足への対策を講じるためにも、セールスプロセスの設定と活用は不可欠なポイントとなるでしょう。
今回紹介したセールスプロセスの基本的なフェーズや運用時の注意点を参考に、ぜひ自社に合ったプロセスを確立してください。
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