昨今、環境破壊や多様性のある社会に注目が集まり、SDGsやサステナビリティが重視されています。
このような社会問題の解決に貢献する商品やサービスを購入することをエシカル消費といい、年々需要が高まっています。
特に2023年の時点で10代から25歳くらいまでの若者の世代であるZ世代は社会問題に敏感であるとされており、今後もエシカル消費は増えていくでしょう。
企業のマーケティング戦略にも必要になるエシカル消費ですが、日本では2014年に「日本エシカル消費推進協議会」が発足し、まだ新しい言葉です。
「自社でどのようなエシカル消費の取り組みができるのかわからない」「エシカル消費にはどのようなものがあるのだろうか」という悩みを持つ人のために、この記事では以下の内容を解説します。
- Z世代の特徴
- エシカル消費の種類
- 企業がエシカル消費に取り組むメリット
- エシカル消費に取り組んでいる企業の事例
自社のエシカル消費のアイデアを生むためにもぜひ最後までお読みください。
Z世代の4つの特徴
Z世代とは、1990年代中頃から2010年代前半の間に生まれた世代のことです。日本ではゆとり世代の後に生まれた人のことを指しています。
Z世代の主な特徴は、子供時代の社会的な特徴が色濃く表れています。
- 幼い頃から社会問題が身近にある
- 多様性は当たり前だと感じる
- デジタルネイティブである
- 所有欲が低い
他の世代にはないZ世代の最も大きな特徴は、インターネットが生活の一部であることです。
世界中の情報や価値観に一瞬でアクセスできる環境とスキルがあるため、多様性や社会問題の解決なども当然だと感じられるのでしょう。
1. 幼い頃から社会問題が身近にある
多くのZ世代の人がリーマンショックやITバブルの崩壊などにより不景気を経験しています。幼い頃から経済格差や大企業の倒産などの社会問題が身近にありました。
終身雇用や年功序列の崩壊も知っているため、企業に対して期待感や執着心が薄く転職や副業に抵抗がない人が多いです。
2. 多様性は当たり前だと感じている
Z世代の人の多くは、人種差別やジェンダー問題などの多様性は当たり前のことだと感じています。
女性の社会進出が進み、男性と同様に仕事をすることが普通です。また、国際結婚や海外で活躍する人が増え、日本人でも肌の色が異なることはよくあります。
Z世代が成長するにつれて社会が多様化しているので、他人が自分と異なることも普通だと考えている人が多いです。
3. デジタルネイティブである
Z世代が生まれた時からインターネットが普及していました。パソコンよりもスマートフォンが身近にあり、生活の一部となっているので「スマホ世代」とも呼ばれています。
Z世代はオンラインでの情報収集だけでなく情報発信も得意なため、SNSで自分の意見を発信してインフルエンサーになる人もいます。
4. 所有欲が低い
Z世代はモノを所有することにあまり関心がなく、体験に価値を感じる人が多いです。自分らしさを重視するため、値段の高さやブランド物というだけでは価値を感じず、自分が良いと思ったものや好きなものに魅力を感じます。
そして、自分が楽しいと思ったことなどをSNSで発信し、他人と共有するのです。
エシカル消費とは
エシカル消費は倫理的消費とも呼ばれ、環境問題や貧困、差別などの社会問題などを考えて商品・サービスを購入することです。
エシカル消費には「人・社会への配慮」「地域への配慮」「環境への配慮」の3つのテーマがあります。
人・社会への配慮 | ・フェアトレード ・売上金の一部を寄付 ・障がい者支援 ・ダイバーシティへの配慮 など |
地域への配慮 | ・地産地消 ・被災地への応援 ・伝統工芸品の購入 など |
環境への配慮 | ・エコ商品 ・マイバッグの利用 ・マイボトルの持参 ・LEDの使用 ・ごみの分別とリサイクル ・食品ロス削減 ・オーガニック ・放し飼いの鶏卵 ・菜食主義や食物由来の代替品利用 ・サステナブル・シーフード など |
エシカル消費を消費者に啓発することも、企業の役目です。ショッピングを楽しみながら、環境や社会のためになるファン・エシカルを育てることが重要です。
Z世代にとってエシカル消費への興味関心は高いですが、エシカル消費を実践するのは価格面で難しいことが多いため、Z世代のファン・エシカルを育てるためにも企業努力が必要と言えます。
企業がエシカル消費に取り組む4つのメリット
企業がエシカル消費に取り組むと、設備や教育に予算が必要になることが多いですが、メリットもあります。
- 企業のイメージアップができる
- 他社との差別化を図れる
- 新たな消費者層を獲得できる
- 地域の活性化につながる
マーケティング戦略としても有効であるので、自社ができるエシカル消費の取り組みを考えてみましょう。
1. 企業のイメージアップができる
企業がエシカル消費に取り組むことで、消費者や取引先などに社会的な責任を果たしていると示すことができます。
SDGsの17ある目標の12番目「つくる責任 つかう責任」はエシカル消費のことを指しており、企業は「つくる責任」を持つことが大事です。
実際に株式会社カウネットが全国の男女1,141人に調査した結果「企業がSDGsに取り組んでいることを知るとその企業の好感度が上がる」と答えた人は7割に達しました。(参考:カウネットモニカ『「SDGs」に積極的な企業は好感度が上がると約7割が回答』)
2. 他社との差別化を図れる
エシカル消費を実践することは、自社にとって大きなブランディング強化につながります。エシカルな企業として市場に認知されると信頼と存在感が高まり、人材や顧客が集まるため他社との差別化が進むでしょう。
エシカル消費は自社の利益を追求するだけでは実践できません。また、経営者だけでなく会社全体で自社の社会的責任の重要性を認識する必要があります。
3. 新たな消費者層を獲得できる
企業がエシカル消費を実践することで、エシカル消費に興味のある消費者を引き付けられます。
例えば、エシカルな食品を選んでいると、化粧品などもエシカルなものが気になるでしょう。食品市場と化粧品市場という別の市場が、エシカル消費という共通点から市場が拡大し、新たな顧客層の獲得につながるのです。
(参考:株式会社オウルズコンサルティンググループ『戦略的国際標準化加速事業:ルール形成の普及に向けた評価指標とその活用方法の開発に関する調査』)
4. 地域の活性化につながる
エシカル消費には、企業の地元での雇用や地元産の選択なども含まれます。地元の業者と取引することで地元の職が増え、活性化につながります。
Z世代はオンラインショッピングを日常的に活用していますが、オンラインと併用して地域還元に重きを置くことが大事です。
企業によるエシカル消費マインドを育てる事例7選
既に多くの企業がエシカル消費の取り組みを行っています。企業がエシカルな商品やサービスを開発し提供することが、消費者のエシカル消費マインドを育てることになります。
中小企業でもエシカル消費に取り組むことが可能で、社会問題をどのように自社で解決できるかを考えることが大事です。
1. CCCMKホールディングス株式会社
Tポイント事業などを手掛けているCCCMKホールディングスは「Tカードみんなのエシカルフードラボ」に取り組んでいます。
「Tカードみんなのエシカルフードラボ」とは、食にかかわる生産者や飲食店などすべての人と消費者が共にエシカルフードアクションを盛り上げていくための共創型プラットフォームです。
エシカルフードには明確な基準がないため、消費者はどれがエシカルフードなのかわかりません。
「Tカードみんなのエシカルフードラボ」では「エシカルフード基準」を策定することで、透明性や公平性を担保しています。
消費者は「エシカルフード基準」に沿った食品を購入すると「エシカルフードアクションスコア」がもらえ、スコアが上がれば上がるほどエシカル消費ができているとわかります。
2. スターバックス コーヒー ジャパン株式会社
スターバックスは1971年にアメリカで1号店が開店した当初からエシカルにコーヒーを購入することを重要視していました。現在は世界30か国40万人以上の生産者からコーヒーを購入しています。
スターバックスがコーヒーを購入する際の基準は「C.A.F.E.プラクティス」です。「C.A.F.E.プラクティス」では、以下の4項目を約束しています。
・スターバックスの基準を満たした高品質のアラビカ種のコーヒーであること
STARBUCKS JAPAN STORIES『人と環境を想うコーヒーの証「エシカルソーシングスタンプ」』より引用
・生産者に対価が適切に支払われていること
・コーヒー生産に関わる人の権利が保護され、地域社会の支援がされていること
・コーヒーの栽培環境が保全され、生物多様性が維持されていること
「C.A.F.E.プラクティス」に従うことで生産者や地域、地球環境を守り、持続可能なコーヒーの調達を可能にしています。
2023年6月からはコーヒー豆のパッケージに「エシカルソーシングスタンプ」が記載されました。
このスタンプには「COMMITTED TO ETHICAL COFFEE SOURCING」と書かれており、エシカルなコーヒーの調達を約束しています。
3. 日本マクドナルド株式会社
マクドナルドでは「メイド・フォー・ユー(MFY)」という注文してからバーガー類を調理する独自システムを開発し、食品の廃棄を導入前と比べて50%以上削減しました。
2017年には「第4回食品産業もったいない大賞 農林水産省食料産業局長賞」を受賞しました。「食品産業もったいない大賞」は食品産業の持続可能な発展のために実績を上げている事業者を表彰するものです。
また、マクドナルドはハッピーセットのおもちゃをリサイクルする活動を行っています。店舗におもちゃの回収ボックスを置き、2022年は約450万個のおもちゃを回収しました。
回収したおもちゃはトレイに再生されるため、子供にもリサイクルを実感しやすく、環境問題に対する意識を育てることができます。
4. 有限会社フクオカ機業
京都の伝統産業である西陣織の織元であるフクオカ機業は、再生ペットボトル繊維で作った織物「Reperic(リペリック)」を2022年に開発しました。
もともと着物は代々繰り返し使うことができるためサステナブルな文化ではありますが、着物の需要が少なくなるとともに西陣織も衰退が進んでいます。
「Reperic」は伝統産業でもSDGsに取り組むことができるとの証明になりました。
2022年5月に開催された「Reperic」ブランド発表会では、京都ものづくり企業10社が「Reperic」を使った製品を展示しました。着物だけでなく車のシートカバーにも使われ、西陣織の活性化につながると期待されています。
5. 花王株式会社
花王は2007年から17年連続で「World's Most Ethical Companies(世界で最も倫理的な企業)」に選定されています。
「World's Most Ethical Companies」は透明性、誠実さ、倫理、コンプライアンスが優れている企業を表彰するものです。
17回連続で受賞しているのは6社しかなく、花王は世界的に見てもエシカルなビジネスに成功していると言えるでしょう。
シャンプーの容器にきざみを付けたのは花王が最初です。目の不自由な人にとってシャンプーとコンディショナーの容器は似ており、間違われてしまう課題がありました。
そこで誰もが触って判別できるきざみが加えられたのです。業界で統一した容器を使えば消費者が混乱することを防げるため、ライバル会社にもきざみ入り容器の統一を働きかけ、2000年にJIS規格となりました。
現在はボディーソープの容器にラインが入り、詰め替え用のキャップにも同じきざみやラインが入っています。
6. ヘンリー株式会社
ヘンリー株式会社の「Hoippo(ホイッポ)」は、ペットの健康や地球環境を考えたペット用品のエシカルブランドです。
ペットシーツは使ったら捨てるのが常識で、焼却時の二酸化炭素の排出量が問題でした。「Hoippo」のペットシーツは植物由来で微生物が分解することができるPLA樹脂を使用し、焼却時の二酸化炭素の排出量を減らしています。
また「Hoippo」の猫砂は主に有機認証を取得したおからで作られています。化学物質を使用しておらず、環境だけでなく猫の健康に配慮されたものです。
7. 株式会社フラッグ
株式会社フラッグは「エシカル×サステナブル×ヴィーガン」をテーマに「style table」というショップを運営しています。
「style table」で販売されているすべての商品は「7つのエシカルテーマ」が付けられており、誰でも安心してエシカルな商品を選ぶことができます。
- Japan Made(ジャパンメイド)
- Organic(オーガニック)
- Climate Crisis(気候危機対応)
- Plastic Free(プラスチックフリー)
- Vegan(ヴィーガン)
- Fair Trade(フェアトレード)
- Natural(天然由来成分配合)
20代から30代の働く女性や子供がいる女性からのヒアリングに応えるかたちで商品が選ばれています。体や環境に良いことに加えて、おしゃれでかわいいデザインの商品が多いのも特徴です。
エシカル消費は今後も重視される取り組み
この記事では、Z世代の特徴とエシカル消費への興味関心、企業がエシカル消費を実践するメリットと事例について説明しました。
エシカル消費は様々な社会問題の解決に対して、商品やサービスを消費することで貢献するものです。
Z世代は環境問題やダイバーシティなどに多くの関心を寄せ、エシカル消費に興味を持っています。
今後Z世代が消費の中心になったときエシカル消費が拡大していくと考えられるため、企業もサステナブルやエシカルな取り組みを今から実践していくことが必要だと考えられます。
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