2022年11月に登場したOpenAI社の「ChatGPT（チャットジーピーティー）」は、2023年に入り爆発的に広まりました。
MicrosoftがChatGPTに出資し、AIチャットに更なる注目が集まっています。
Microsoftは、自社の検索エンジンBingにAIチャットを搭載し、AIチャットブームは加速しています。
この記事では、BingAIの基本的な仕組みを解説するとともに、BingAIとChatGPTをビジネスで活用する方法についてご紹介します。
検索エンジンBing（ビング）とは？
検索エンジンBing（ビング）とは、Microsoft社が提供するインターネット検索エンジンのことです。
マイクロソフトのWindowsやOffice製品との親和性が高く、多くのユーザーに支持されているため、Googleに次いで世界で2番目に利用されている検索エンジンです。
Bingは、Webページ、画像、ビデオ、ニュース、地図などの様々なコンテンツを検索することができ便利なツールとなっています。
また、Bingに2023年2月にAIチャット機能を搭載し、「BingAI」として公開しました。Bingは人工知能（AI）技術を活用しているため、検索結果をより正確に表示するために、自然言語処理や機械学習を活用しています。
そもそもBingAIとは？
そもそもBingAIとは、Bingの検索画面上で人工知能とコミュニケーションをとることができる機能です。
BingAIは、ChatGPTの技術が使用されています。とくに『GPT-4』を無料で使用できるため話題となってます。
BingのAIチャット機能は、ユーザーの質問に対して、情報をまとめた回答や新しい文章の生成まで、そしてアイデアのフィードバックも得ることが可能です。
つまり、Bingはユーザーの質問に対して、より多くの情報や新しいアイディアを提供することができるようになりました。
GPT-4とは、ChatGPTやBingAIを裏側から支える技術のこと。例えば、iPhone中にある「iOS」などのオペレーティングシステムのようなイメージです。現在はGPT-3.5が存在しアップデートされてGPT-4となっています。
BingAIの2つの特徴
BingAIには、2つの特徴があります。
- 情報に関する出典や引用元が明確に表現されていること
- 最新情報をしっかりと反映していること
このように「和歌山市の土地相場を知りたいです。」と問いかけると、上記の赤枠のところに参考URLと共に詳しく解説してくれます。
実際に存在する情報をもとに正確に回答を出してくれるということです。
さらに「生成AIについて詳しく書かれている書籍を紹介してほしい」と問いかけると、Amazonリンクが記載され予約販売となっている最新の書籍を紹介しています。
BingAIの3つのメリット
ここからは、BingAIの3つのメリットについてご紹介します。
リサーチが効率的にできる
BingAIの1つ目のメリットは、リサーチが効率的にできることです。
従来の検索エンジンでは、知りたい情報を得るためには「キーワードを考える」「調べる」「情報を取捨選択する」「まとめる」という4つのステップが必要でした。
しかし、BingAIを使用することで、2つのステップ、「質問する」と「回答のソースをチェックする」を行うだけで情報収集が可能になります。
また、BingAIの回答には参照したソースがリンクとして表示されるため、簡単に出典を確認することができることが最大のメリットだといえます。
さらに、自動で視認性を高め、ユーザーにとって分かりやすく情報を提供しています。
ユーザーの検索意図に合わせた正確な回答を提供する
BingAIの2つ目のメリットは、ユーザーの検索意図に合わせた正確な回答を提供することです。
BingAIは、従来のキーワードによるネット検索とは異なり、人間同士で会話するように自然な文章で情報を検索することができます。
また、上記ように、回答の下部にユーザーが疑問に思っているかもしてない要素を表記してくれます。
BingAIは、人間同士で会話するように自然な文章で情報を検索するとともに、さらに正確な回答に導くようなプログラムになっています。
GPT-4大規模言語モデル（LLM）が無料で使用できる
BingAIの3つ目のメリットは、GPT-4大規模言語モデル（LLM）が無料で使用できることです。
GPT-4は、2021年9月までの様々な種類のデータを学習し、人間と同じ言語を使った会話や文章の編集、データ分析や推論、プログラム生成などが可能だとされています。
つまり、GPT-4が搭載されたことによりBingAIは、無料で高性能なAIを使用でき、質の高い回答を得ることができます。
BingAIの3つのデメリット
BingAIの数々のメリットをご紹介してきましたが、AIならではのデメリットもあります。
ここからは、詳しくBingAIの3つのデメリットについてご紹介します。
連続する質問回数に制限がある
BingAIの1つ目のデメリットは、連続する質問回数に制限があることです。
BingAIが使用される際、ユーザーが続けて複数の質問をする場合には一定の制限があります。
このように、回答の右下に数字が表記されています。数は、最大20回までとされています（2023/05/09現在）。
特にBingAIは、同じことについてさまざまな角度から質問を繰り返すことで回答のクオリティが上がる仕組みを持っています。
しかし、回数制限があるため中途半端な結果になることがあります。制限回数内で満足できる回答を引き出す必要があります。
つまり「どんな問いかけをするのか」という適切な質問のテクニックが必要となります。
回答速度がChatGPTより遅い
BingAIの2つ目のデメリットは、回答速度がChatGPTより若干遅いことです。
BingAIは、検索エンジンと連携しており、インターネット全体から最新かつ関連性の高い情報を取得して回答することができます。
ただし、膨大な量の情報から検索が必要なため、回答のスピードはChatGPTよりも遅い場合があります。その分回答の質は高いとも言われていますが、今後変化する可能性は十分にあります。
正しい情報は人力で確認が必要
BingAIの3つ目のデメリットは、正しい情報は人力で確認が必要なことです。
BingAIは、しっかりとした文章を生成することができますが、その回答が本当に正しいかどうかは、他のAIチャットと同様に現時点では人間が確認する必要があります。
しかし、BingAIは回答を作成する際に参照したネット上のページを出典として表示するため、最低限の出典確認は容易に行うことができます。
BingAIとChatGPT｜ビジネスで活用する方法
ここからは、BingAIとChatGPTを両方をビジネスで活用する方法をご紹介していきます。
コンサルタントとしてアドバイスをもらう
BingAIとChatGPTをコンサルタントとしてアドバイスをもらうことができます。
例えば「大阪でパフェ専門店をオープンしたい思っています。どの地域に開店すればいいのかプロのコンサルタントとしてアドバイスをください。」と、問いかけると以下のように回答が返ってきます。
ChatGPTでは、基本となる判断材料や「パフェ」「大阪」だけではなく、どのジャンルでも通用する内容を提供しています。
一方BingAIは、「パフェの特徴」「人気スポット」まで精密に分析した上に情報を提供しています。
さらに、参考するといいおすすめサイトまで記載があるため、効率よくリサーチが可能です。
■ BingAI：ユーザーに極限にまで沿った精度の高い回答
ビジネスメールを制作させ文章を比較する
BingAIとChatGPTにビジネスメールを制作させ、文章を比較することができます。
例えば「株式会社ABCへの見積もりを断るメールの例文を制作してほしいです。費用に納得がいかず他社との契約になりました。失礼のないうようにメールを制作してください。」と問いかけてみました。
ChatGPTは、理由をはっきりと述べ相手に「なぜお断りしたのか？」ということを記載しています。
一方BingAIは、ChatGPTと比較すると簡潔に文章を制作しています。
どちらが良いのかというのは企業によって、またシーンによっても変わりますが、2パターン比較することで質を高めることができます。
WEBメディアで活用する
BingAIとChatGPTをWEBメディアで活用することができます。
例えば「キーワード「PDCA」の記事を執筆しようと思っています。SEO上位を狙える記事を執筆してください。」と、質問してみました。
ChatGPTは、リード文から基本のことまでしっかりと執筆を行います。また、「具体的な方法やポイント」についてまで解説してくれています。
一方BingAIは、1つ目の質問から「どのような観点からPDCAサイクルについて書きたいですか？」と深掘りしてくれます。
今回ChatGPTは、リード文から基本のことまでしっかりと執筆を行ったので「PDCAサイクルの実例」という質問をしてみます。
BingAIは、企業事例が記載されているWEBページの情報収集を行い、さらに「これらの企業の具体的な取り組みについて詳しく知りたいですか？」と深掘りしてくれています。
このように、両者を合わせれば、リサーチ時間を短縮しつつ、参考資料を提供してもらえるので、記事の質を落とすことなく執筆時間がグッと短縮できます。
BingAIとChatGPTの違い
BingAIとChatGPTの違いは、リアルタイムにWEBで検索し回答を得たか、過去のデータを元に回答を得たのかに大きな違いがあります。
BingのAIチャットは、最新情報やビジネスシナリオに適した回答が可能です。
一方、ChatGPTは自然言語処理やクリエイティブなタスクに適した回答が可能であるとされています。
どちらが優れているかは、自社の目的や好みによって異なりますが、うまく使い分けることでビジネスでうまく活用することが可能になります。
■ ChatGPT：一般的な会話やクリエイティブな文章生成に役立つ
まとめ｜BingAIはリアルタイムにWeb検索を行い最新情報を取得する
検索エンジンBingにAIチャット機能「BingAI」が搭載され、ビジネス界でも注目を浴びています。
BingAIは、ユーザーの検索意図に合わせた正確な回答を提供することが特徴であり、リサーチが効率的にできるというメリットがあります。
また、BingAIとChatGPTをビジネスで活用する方法として、以下の方法があります。
- コンサルタントとしてアドバイスをもらう
- ビジネスメール制作し、比較してみる
- WEBメディアで活用する
このように「AIを使って仕事、ビジネスをするのが当たり前」という時代になるかもしれないので、ぜひ、今からAIに触れていきましょう！
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