営業に心理学を活用するための心理テクニック11選

最終更新日: 2024/01/23 公開日: 2022/08/23

営業は人の心理を理解することが大切です。

そのため、「心理学を学んで仕事に活かしたい」と考えている方も多いでしょう。

心理学にはさまざまな法則があり、営業に応用できるものがたくさんあります。

今回は営業に役立つ心理学の法則を11個ご紹介します。

営業職だけでなく、サービスや商品を提供している人にとって役立つ法則がたくさんあるので、ぜひビジネスの成功に役立ててください。

営業と心理学の関係とは

商品やサービスの購買につなげる営業職は、顧客の悩みや購買欲求のフェーズを的確に読み取る技術が求められます。

では、そもそも心理学はどんな学問なのか、営業と心理学は具体的にどのような関係があるのかを、詳しくみていきましょう。

心理学とは

心理学は人間の行動の意味・傾向などを、事実に基づいて明らかにすることを目的としています。

人間は性格や習慣、経験によって万人が同じ考え方、行動をするとは限りませんが、事実に基づく事例によって客観的に証明できる部分もたくさんあるのです。

たとえば人間がある行動に至るときはどんな感情が起点となるのか、また感情からどのような反応が現れるのかなど、心理学は人間の感情や行動のメカニズムを解明するための学問といわれています。

営業と心理学の関係性

営業職はお客さまに商品やサービスの魅力を伝え、理解してもらい、購入していただき、自社と共に幸せになっていただくのが仕事です。

つまり、その目的にたどり着くためには顧客の心を「買いたい」というところまで動かさなければいけません。

だからこそ、人の心理を理解していたり、人の心を動かす話術を身につけていたりすると、営業活動に大きく役立つのです。

実際に営業活動に心理学を活用している営業マンは多いといわれています。

それだけ心理学を営業に活用するメリットは計り知れないということです。

営業に心理学を活用するメリット

営業に心理学を活用するメリットは大きく分けて次の2点です。

信頼を得るために役立つ

どんなにうまい話でも、どんなに商品やサービスが魅力的でも、信頼できる営業マンでなければ購入にはつながりません。

顧客は商品やサービスを購入する際に、信じても大丈夫かどうか、信頼感を大事にしています。

そのため、知識やトーク力だけでなく、顧客に選んでもらうための努力をする必要があるのです。

営業活動において、心理学は信頼を高めるためのツールといえるでしょう。

説得力がアップする

営業活動において商品やサービスのメリットを伝えることは大事ですが、話がうますぎると、かえって相手に不信感を与えてしまう可能性もあります。

心理学のテクニックには一見マイナスに思えるものや、ネガティブな感情にあえて訴えかけるものもあります。

マイナス面とプラス面の両方を駆使して営業活動することによって、説得力が増し、購入につながりやすくなるでしょう。

営業に役立つ心理学テクニック11選

数ある心理学の法則のなかでも、営業活動に役立つ法則を11個ご紹介します。

すぐに使える法則ばかりなので、ぜひ取り入れてみてください。

単純接触効果

単純接触効果は営業活動において、もっとも多く使われており、導入ハードルが低いテクニックです。

人間は接触する回数、目に触れる回数が多いものに好感を抱くと言われています。

営業に使える単純接触効果は次のようなものが挙げられるでしょう。

  • 何度も顧客の元に足を運ぶ
  • 密に連絡を取る
  • チラシやパンフレットを定期的に発送する
  • SNSでマメに関わる
  • セミナーに積極的に参加する

単純接触効果は接触する回数が多くなるため、印象を損なわないように気をつける必要があります。

一気に距離を縮めようとするのではなく、着実に信頼を築き、目的達成につながるように意識しましょう。

ミラーリング効果

ミラーリング効果とは、相手が自分と同じ行動をすると共感を抱きやすくなるという心理テクニックです。

人は行動を真似されると「自分と似ている」という感覚を得やすく、好感を覚えるといわれています。

たとえば商談のシーンで、顧客と対面している場面で次のような行動を取ると、好感を覚えてもらいやすいとされています。

  • 同じタイミングで髪をさわる
  • タイミングを合わせて飲み物を飲む
  • 相手が足を組んだら自分も組む

ただし、ミラーリング効果を応用するときは、あくまでも自然に行うのがポイント。

「相手をジロジロ観察しない」「何度も行動を真似しない」など、相手が不快に思わないように配慮しましょう。

ドア・イン・ザ・フェイス

ドア・イン・ザ・フェイスは最初に大きな提案をして、次にハードルを下げた要求をすると、相手が要求を受け入れやすくなるというテクニックです。

最初の高いハードルの要求を断ると、相手は断ってしまった罪悪感や、断れたことによる安心感を抱き、次に提案された要求を受け入れやすくなると言われています。

たとえば相手の要望や悩みを聞き、一般的に価格やハードルが高いと思う商品やサービスを勧めます。

断られたら、少しランクを下げたメインの商品やサービスを紹介してみましょう。

しかしながら、どちらにしても相手にとって厳しすぎる要求をすると、不信感を抱く原因になってしまうので、注意が必要です。

フット・イン・ザ・ドア

フット・イン・ザ・ドアは「ドア・イン・ザ・フェイス」と反対のテクニックで、最初にハードルが低い要求を受け入れてもらい、段階を踏んで要求のハードルを上げていきます。

たとえば最初に「1分で終わるアンケートに答えていただけませんか?」と受け入れてもらいやすい要求をして、次に「商品を無料でお試しして、感想を聞かせていただけませんか?」と少しずつ要求のハードルを上げていきます。

簡単な要求を受け入れたことで、次の要求も受け入れやすくなるのがフット・イン・ザ・ドアのメリットです。

バンドワゴン効果

バンドワゴン効果は「みんなが使っている」「たくさんの人が選んでいる」と相手に伝えることで安心感を与え、購入や契約につなげるテクニックです。

流行に敏感な人周りの意見に流されやすい人にもっとも効果を発揮するので、相手の性格を見極めたうえで使ってみてください。

バンドワゴン効果の例文は次のとおりです。

  • 「こちらの商品が一番人気ですよ」
  • 「有名人の〇〇さんも使っています」
  • 「とても売れていて、在庫が残りわずかとなっています」

ただし、単に人気であると伝えても効果はありません。

商品やサービスの魅力、必要性が伝わらないと、購入や契約にはつながりません。

なぜ人気なのか、ベネフィットをきちんと提案し、説得力を上げる工夫をしましょう。

好意の返報性

好意の返報性は簡単に言うと「ギブアンドテイク」の精神です。

人は相手に与えられると「返さなければいけない」という意識が生まれやすくなります。

最初に親切にしたり無償でサービスしたりすることで、購入や契約につながる可能性が高まりやすくなるということです。

たとえば、次のようなアプローチをすれば、セールスが成功しやすくなります。

  • 商品やサービスのお試し期間を設ける
  • 無料プレゼントを渡す
  • 有料級の情報やサービスを無料で提供する

カタルシス効果

カタルシス効果は、相手の悩みや課題を引き出し、ネガティブな感情を吐き出してもらうことで、相手の苦痛を軽くするテクニックです。

たとえば、悩みを抱えてモヤモヤしているときに、誰かに話してスッキリしたという経験がある方もいるでしょう。

親身になって相手の話を聞き、相手が抱える不安などのマイナスな感情を言葉にしてもらうことで、安心感を与えるのがカタルシス効果です。

相手の悩みや不安をなかなか引き出せないときは、自分から自己開示すると相手も話しやすくなります。

バックトラッキング

バックトラッキングは簡単に言うと「オウム返し」のことです。

相手の話したことを復唱することによって、「自分に共感してくれている」と感じさせるのがバックトラッキングです。

バックトラッキングの例文は次のとおりです。

  • 「なるほど、〇〇が御社の課題なんですね」
  • 「そうですよね。この商品はちょっと手が出しにくい価格ですよね」
  • 「わかります。〇〇が気になりますよね」

バックトラッキングは、相手との信頼感を積み上げていくために役立つテクニックです。

実践しやすいテクニックなので、ぜひ取り入れてみてください。

ピークエンドの法則

ピークエンドの法則は最後の印象がいいと全体の印象をよく感じてしまうという法則です。

もしも商談の最初に乗り気ではなかったとしても「今回は特別なご案内がありまして…」「実は今ご契約していただくと割引が適用されます」など、顧客にとって有益な情報を伝えます。

すると、商談全体の印象がアップします。

商談に限らず、最後に話の盛り上がりを持ってくると、相手にいい印象を残すことができるので、次回のアポイントにつながりやすくなります。

決定回避の法則

決定回避の法則は、多数の選択肢を目の前にしたときに、選択できなくなってしまうという法則です。

たとえば「卵を買いたい」と思ったときに、スーパーにいろんな種類の卵がずらりと並んでいると、何を選べばいいのか分からなくなってしまうこともあるでしょう。

決定回避の法則を営業活動に使うとしたら、次のような方法がおすすめです。

  • おすすめの商品に絞ってプレゼンする
  • ヒアリングしながら選択肢を減らしていく

目安として選択肢を3つくらいまでに絞ると、相手が選択しやすくなるでしょう。

現状維持の法則

人は今ある環境を良くしていくよりも、失うことに対する恐れる感情が強いといわれています。

新しい何かを手に入れるよりも、今持っている何かを失う恐怖の方が心を動かされるということです。

現状維持の法則を営業活動に使うとしたら、商品やサービスを購入するメリットではなく、購入しないデメリットを説明してみてください。

  • 「保険は必要ないと思うかもしれませんが、いざ病気になって働けなくなったら困りますよね」
  • 「現在ご契約されている保険は、長い目で見たときに支払う料金が高くなってしまうんです」

まとめ

営業は顧客の心を動かすのが仕事なので、顧客のニーズや心理状態を把握し、適切なアプローチをする必要があります。

営業活動に役立つ心理学テクニックはたくさんあるので、まずはスモールステップで実践してみてください。

営業活動の成果を高めるためには、顧客のニーズだけでなく、商品が売れるための仕組み作りである「マーケティング」の知識を身につけるのもおすすめです。

マーケティングは独学でも勉強できますが、基礎を効率的に身につけたいなら、セミナーに参加するのが近道といえるでしょう。

セミナーズ通信

年商5億円を超えさらなるスケールアップを目指す経営者必見!
あなたのビジネスをスケールアップさせる集客と組織作り、
さらに、成功事例やここだけのお得な内容をお届け致します。

最終更新日: 2024/01/23 公開日: 2022/08/23