- 「やはりシェア率No. 1の大手企業には勝てないのか...」
- 「ランチェスター戦略を取り入れてみたい!」
- 「自社のマーケティングが弱いのか...でも何から始めればいいのかわからない…」
このように思っている方はいませんか?
今回の記事は、弱者が強者に勝つ方法を徹底解説します。弱者が勝つためには、ランチェスター戦略を取り入れていきましょう。
そもそもの強者と弱者の定義や、ランチェスター戦略を取り入れる際の注意すべき点もご紹介していきますので、ぜひ最後までお読みください。
ランチェスター戦略とは?
ランチェススター戦略とは、弱者が強者に勝つための戦略です。経営戦略でマーケティングを行う際に、「強者の視点」「弱者の視点」で分析していく手法のことです。
ランチェスター戦略の由来は、第一次世界大戦の時代に戦闘機を開発していたイギリス人のフレデリック・W・ランチェスター氏の名前から名付けられています。
元から仕事やビジネスで取り入れていたわけではなく、戦争で勝つための戦略でした。第二次世界大戦では、米軍が応用していたほど圧倒的に優れている戦略です。
そのため、戦後でもビジネスや商売で使えるとコンサルタントの田岡信夫氏が「最強の販売戦略」と提唱したことから、日本産業界で普及し現代でも、多くの企業が使っている戦略となっています。
強者、弱者の定義
弱者:そうでない全プレイヤー
ランチェスター戦略のなかで強者の定義とは、ただ「業界1位」や「営業1位」といったことではなく、それは見せかけの強者(いつ他企業に抜かれるかわからない)と定義されています。
ここでの本当の強者は、シェア率No. 1(4分の1以上)の企業が強者に該当します。その他の全企業は弱者分類に該当するということになります。
シェアNo. 1とは、市場占有率のことをいいます。
例えば、日本の大手自動車メーカー株式会社トヨタは、2020年に国内シェア率51.1%を記録しています。これは、100台のうち50台はトヨタ車ということになります。
他に国内では、誰もが知っている「HONDA」「日産」など大手自動車メーカーが多数あります。しかし、大成功を遂げている「HONDA」「日産」でさえも、ランチェスターの定義のなかでは、シェア率50%のトヨタが強者となり、他メーカーは弱者扱いになります。
中小企業が大手に勝つ方法
ここから、弱者(中小企業)が強者(大手企業“シェア率No. 1”)に勝つための方法を解説していきます。
- 弱者は、差別化で戦うこと。
- 強者がやっていないことをやる
- 強者は弱者の真似をすること。
- 差別化の無効化
上記のように、弱者が強者と同じ商品やサービスを顧客に提供しても絶対勝てません。弱者は、差別化で戦うことが重要になります。
よく大手が売り出している商品やサービスと同じ製品を開発する企業は多くいます。しかし、クオリティーや知名度も保証されている強者には勝てないのが現実です。似ている商品を出したとしても顧客は、
- 「なんだ、パクリか」
- 「ぱち物だ」
- 「後から真似してるだけじゃん...」
など、批判をあびせられ終わってしまいます。
強者は、逆に後ろの企業がやっている弱者のやり方を真似をすることです。これは、弱者が強者と差別化を図ろうとしていることを無効にする活動です。要は、「差別化の無効化」が強者の戦い方です。
例えば、上記のやり方を取り入れた日本の事業家である松下幸之助氏は、弱者のやり方を学び、他の家電メーカーの商品の良いところを直ぐに真似をして、3か月後に大量に販売していました。
松下幸之助氏は、「よその企業が良いものを開発していたのであれば、そこを上手く真似をして2、3個良いところをプラスし、大量に売り出していく」といっており、シェア率No. 1企業ならではの戦い方です。
弱者の戦い方
ここから詳しく弱者の戦い方を解説します。
✖️ 強者の真似をする
上記のことをやらないことが第一歩となります。
局地戦
まず1つ目は、局地戦です。これは、限られたエリアで剣や斧といった武器を使い戦う原始的な戦いを想定している法則です。
ビジネスの世界でも同様に、中小企業が潤沢な資金やブランド力を保有する大企業に勝つためには、自社のオリジナルの強みを有効活用して局地的な勝負をする必要があります。(大企業は、広域戦でやってくるため)
そのため、総合力では圧倒的に大企業の方が上です。中途半端に領域を広げすぎてしまうと、勝算の可能性もかなり低くなってしまいます。
まずは、自社が有利で好条件で勝てる戦域(市場)を局地的に探し出していくことが重要ポイントになります。
一騎打ち
2つ目は、一騎打ちです。次は、人数を絞り込みます。こちらも原始的な発想から戦う際に、相手を狭いスペースに追い込み1対1で相手を少しずつ倒していくことを想定している法則です。
ビジネスで例えると、取引先が1社だけの企業のところへ行くか、もしくは多数の取引先を持つところへ行くか、どちらを選べばいいのかという状況で「取引先が1社だけの企業」が一騎打ちとなり取引して貰いやすくなります。
これは、1社だけ取引している企業は、取引先になんらかの不満を持っているはずなので、そこを狙います。
自社:「弊社の〇〇は、その企業よりも〇〇が優れています!」
相手企業:「なるほど!では、乗り換えてみようかな」
となることで、多数の取引先を持っている企業に「自社も取引をしてください!」と交渉するよりも、圧倒的に一騎打ちで戦うことで結果が大きく変わる可能性が高くなります。
接近戦
3つ目は、接近戦です。これは、簡単にいえば直接販売か卸売りかということです。ここでは、敵(競合)にではなく顧客に対して近づいていくことがポイントです。
例えば書籍販売の場合、大手の出版社は全国各地の本屋にたくさん目立つスペースに置いてもらえます。
しかし、卸売りの際に弱者の場合はコストもかかってきてしまうと、赤字続きになる可能性が高いです。また、卸売りをしたとしても大手企業が目立つスペースを占領しているため、端っこに並べられてしまうこともあるでしょう。
自分の書籍を売りたいのであれば、自分で講演会を開く、そして自分で販売していく方が効率的です。このように、自分を好きになってくれた人(エンドユーザー)に売り込むことが、弱者の戦い方です。
また、遠方を攻めていくのではなく、地元を攻めていくという戦略も接近戦の概念です。
一点突破主義
4つ目は、一点突破主義です。織田信長が桶狭間の戦いで行なっていた戦略で、人数も力も相手に劣ってしまっているのであれば、今川義元本人だけを狙いさらに、部隊の人数を絞り込み1人だけを狙った戦略を行なっていました。
これは、フォーカスすべきところを1点決め、そこに全力で力を出していきます。総合力では劣ってしまう弱者は、全面戦争で強者に勝つことはできないのであればこの戦略を使いましょう。
市場や地域をさらに細分化し、業種・顧客・商品の改善など、どこにフォーカスするのかを選定し注力しなければ、勝負に勝つどころか、もはや現状を打開することもできません。
販売地域・販売チャネル・客層・商品などマーケティング上のテーマをどこに絞るのか、セグメンテーション・ターゲティング・ポジショニングをしっかり分析を行なっていきましょう。
そこから、どこに注力するのか分析を行なったうえで、全予算を投入するなど1点突破していきます。これが規模や財力が劣っている弱者が強者に勝っていく方法です。
奇襲攻撃
5つ目は、奇襲攻撃です。原始的な戦いで相手が戦いのピークを終えた後をわざと狙って大量の兵士で取り囲み「これはもう勝てません」と不意をつき降参させる戦略を行なっていたやり方です。
これは、相手が思いもよらないやり方で不意をつき攻撃する戦略ということです。
アサヒ飲料の「モーニングショット朝専用缶コーヒー」がこの戦略を使っています。従来は、普通の缶コーヒーで売り出していましたが「朝専用」にしたことで大ヒットしました。
コーヒーと聞くと、バリスタが入れた美味しいコーヒーを優雅に飲むというイメージがある人もいるかと思います。
しかし、缶コーヒーを買う顧客層は、「30台男性」「午前中(出勤前)」「ビジネスマン」ということが分かり、仕事前に気合いを入れるためや眠気覚ましにニーズがあることから、そこにシフトしました。
「朝専用」にしてしまうと夕方に売れなくなってしまうという反対意見を受けながらも、実践したところ大ヒットしました。
上記のように、思いもよらないやり方で弱者は逆転勝利をする戦略を取り入れていきましょう。
弱者が注意すべきこと
戦略を理解したうえで、注意すべき点を解説します。
簡単に真似されてしまう差別化
先程の「中小企業が大手に勝つ方法」で解説したように、弱者は差別化をしていくことが重要ですが、反対に強者は差別化を無効化することに注力をしてきます。
例えば、A社(強者)の牛丼が300円、B社(弱者)が勝つために“牛丼240円キャンペーン!”という低価格の差別化をしてしまうとA社は簡単に真似をしてきます。
「B社が潰れるまで240円キャンペーンをしよう」という戦略を取られてしまう可能性も出てきます。これでは、差別化どころか経営破綻してしまいます。
上記のような簡単に真似される差別化ではなく、B社はA社よりも値段を高くして、商品の付加価値を高め顧客から「それでも買いたい」と思って貰える商品やサービスを提供する戦略の方がいいでしょう。
顧客が望んでいない差別化
あまりにも、差別化を意識しすぎて顧客が望んでいない差別化になってしまわないように注意しましょう。
上記の例でいうと、極端に器が豪華で味に変化がない、注力しすぎていて提供スピードが遅すぎるなど、顧客が望んでいることは何かを再度洗い出しましょう。
差別化は一つではない
差別化は1つだけだと思い込むことはやめましょう。1つの差別化で戦おうとするのではなく、2つ3つと差別化を合わせることもできます。
例えば、上記の例の牛丼で「うまい、やすい、はやい」を売りにしているのであれば、競合よりも「少しうまい、少しやすい、少しはやい」など3つ差別化を図ることもできます。
特に、競合に勝つ差別化がわからない...という企業であれば1つだけで勝負するのでなく顧客が本当にが求めているものをしっかり洗い出し、何個かの差別化を少しづつ取り入れてみましょう。
他業種の常識をヒントにしてみる
それでも差別化が思いつかないのであれば、他業種をヒントにしてみましょう。飲食業界はチェーン店の数が多く、入りやすい・注文しやすいことが当たり前です。
ここで、自動車修理の業界でそういった「チェーン店」の店がないことに気づいた企業がありました。
自動車修理の店といえば、職人が勝手に「やっておきます」など、終わった後によく分からない修理代を取られることも多くあり、怖いなどイメージされている人もいたとのことでした。
ここで、ファストフードやコンビニ並の「入りやすさ」「看板に価格表示」「挨拶の徹底」を行ったところ「カーコンビニ」などと名称がつきました。
飲食業界の真似をしたことで、差別化になり売り上げ向上につなげることに成功しています。
小手先のテクニックを使わない
これだけ戦略を学んで、テクニックだけで勝とうするのではなく、「理念」をもつことを忘れないようにしましょう。
例えば理念が「顧客の笑顔」であれば、そのテクニックで笑顔にできているのかを再度確認します。配達業種で「どこよりも早く配達する」ことを差別化にした企業があるとします。
しかし「配達早いけど中身がぐちゃぐちゃ」「丁寧な包装ができていない」「料理は出来立てがいい...」など不満があると理念からズレてしまっています。
小手先のテクニックだけではなく、「理念を忘れない」ことを注意しましょう。
まとめ
弱者(中小企業)が強者(大手企業“シェア率No. 1”)に勝つためには、「差別化」で戦うことが重要です。
弱者逆転の法則は、局地戦・一騎打ち・接近戦・一点突破主義・奇襲攻撃です。これを取り入れる際に注意すべき点は、簡単に真似されてしまう差別化はやめることです。
弱者は、全面戦争で強者に勝つことはできません。また、強者は容赦なく真似をしてきます。真似ができない差別化を考察することが勝利する鍵となります。
理念を忘れることなく、ランチェスター戦略を使っていきましょう。
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