個人の利用者が増えているSNSは、企業にとって広報活動に最適なツールです。
多くの企業が活用している中、戦略性に欠ける運用をすれば、ビジネス成果に結びつかないと感じるかもしれません。
正しい運用をすれば、低コストで大きな成果を上げることも可能です。
この記事では、SNSを広報戦略に使う理由やメリットを解説。SNSごとの特徴と結果を出すコツを紹介します。
SNSを広報戦略に使う理由
SNSは自社の認知度向上やユーザーとのコミュニケーション強化につながる有効な広報ツールです。
総務省が発表した「令和5年通信利用動向調査」によると、SNSを利用している個人は80.8%に達しています。
SNSから情報収集する人が増加し、投稿内容や広告によって、商品やサービスを知らないユーザーにもリーチできる点が魅力的です。
ユーザーとの双方向のコミュニケーションができるSNSは、企業としても直接ユーザーの意見や要望を把握できて、サービスや商品の改善に活かす仕組みがあります。
また、BtoB企業でもSNSを活用してプレスリリースの発信や特定のキャンペーンを行い、自社サービスを周知すれば企業の認知度向上が期待できるでしょう。
SNS広報のメリット
広報がSNSを活用すれば、企業の知名度が上がるだけでなく、ユーザーとのコミュニケーションを通じた顧客満足度の向上やマーケティングに利用できるデータ収集が可能です。
SNSは拡散性が高いため、低コストで大きな効果が見込めます。
知名度アップ
SNSの拡散力によって認知度が高まれば、 マスメディアの注目を集めたり、ターゲット層以外の人の目に留まりやすくなったりします。
もし、SNSで話題になれば、テレビや新聞などで自社商品やサービスが取り上げられることも増えるでしょう。
テレビCMやWeb広告は認知度を高めるのに効果的ですが、数千万円以上の費用がかかることも少なくありません。
一方、SNSは低コストで始められる上に、高い広告効果が期待できます。
株式会社ネオマーケティングが2022年に実施した「SNSでの商品購入に関する調査」によると、6割以上の回答者が購入予定がなくてもSNSを見て購入に至ったと回答。
見込み客が情報を得て購入した後に口コミを拡散すれば、商品を知らなかった新規顧客にも認知してもらうことが可能です。
SNSを運用していけば、企業は広く認知される機会を得て、ブランドの視認性を大幅に高められます。
出典:株式会社ネオマーケティング「SNSでの商品購入に関する調査」
優秀な人材の獲得
SNSは企業のサービスや商品の紹介だけでなく、求職者へのアプローチにも有効です。
低コストで運用できて、就職サイトのように高い掲載料も入りません。
投稿した写真や文章で求職者の興味を引き、企業の文化や魅力をリアルタイムで感じ取ってもらえるでしょう。
また、コメントやDM(ダイレクトメッセージ)でのコミュニケーションは、面接よりも気軽におこなえます。
人柄がわかりやすいSNSは、就職後のミスマッチを減らし、採用の質の向上にも期待できます。
ブランディングの構築
SNSは低コストで費用対効果に優れた広報活動が可能です。
企業の公式アカウントから発信される情報は信頼性が高いと認識されており、継続的に情報発信することでフォロワーとの関係性を築きます。
他社との差別化を図るために、自社の個性を反映した投稿や旬の情報、ニーズの高い情報をユーザーに提供するよう心がけましょう。
投稿した内容をシェアやリポストなどしてもらえれば、情報が拡散されて、少ない費用でも大きな広告効果を得られます。
ユーザーとコミュニケーションを図れる
SNSは、ユーザーと企業アカウントが直接コミュニケーションを取れるプラットフォームです。
投稿した内容に対するコメントや「いいね」機能、DMなどのコミュニケーション機能が充実。
ユーザーとしては投稿された商品やサービスに対する感想や相談を、気軽にできるため、気になることはすぐに解決できる環境が整っています。
企業としても、ユーザーから寄せられた意見をもとに、商品開発やサービスの改善が可能です。
SNSを通じて企業とユーザーが身近に感じられる存在になり、企業ブランドへの深い理解や信頼関係の構築、リピーター獲得につながります。
マーケティングに活用できるデータ収集
SNSには、特別なツールがなくても効果測定できるさまざまな機能が実装されています。
フォロワー数やインプレッション数、アクセス数、コンバージョン率などSNSで収集したデータを元に、効果的なマーケティング戦略の策定が可能です。
測定で確認したデータをもとに、設定した目標を達成したのか調べて、投稿内容の成功した要素や改善が必要な点を特定し、次の広報戦略に反映させます。
広報戦略はPDCAサイクルの繰り返しが重要です。
SNSが単なる宣伝手段ではなく、企業ブランディングなどに効果を発揮できるように、データ収集・分析を行いましょう。
広報活動に活用できるSNSごとの特徴
広報活動に活用される主なSNSは5つです。
それぞれの特徴やターゲット層を理解し、自社に最適なものを選びましょう。
X(旧Twitter)
X(旧Twitter)は、若年層のユーザーが多く、速報性の高いプラットフォームです。
タイムラインにはフォローしているアカウントのポストが表示されて、トレンドや最新情報をすぐに得られるメリットがあります。
Xでは話題性のあるポストを投稿したり、ハッシュタグを効果的に利用するのが運用のポイント。
SNSの中でも拡散力が強く、成功すれば認知度向上につなげられます。
YouTube
YouTubeは動画を使って視覚的にインパクトを与え、効果的な広報ができるプラットフォームです。
長時間の動画や多数の動画が無料で公開されています。
動画を投稿し続けることで、登録者数や再生回数が増え、データが蓄積される情報ストック型のビジネスです。
YouTubeは商品・サービス紹介など、変化が少ない情報発信に適しています。
広告を取り入れたり、自社PRの動画コンテンツを制作したりするのにおすすめです。
Instagram(インスタグラム)
Instagram(インスタグラム)は、画像や動画投稿などビジュアルコンテンツに適したSNSです。
若年層の女性ユーザーが多いのが特徴で、魅力的な写真を投稿して、視覚に訴えるアプローチができます。
美容業界やアパレル、飲食など、視覚的アピールが重要な業界の企業が、キャンペーンや広告配信に多く活用しています。
視覚コンテンツを高めつつ、ストーリーズやライブ機能の活用やインフルエンサーとのコラボレーションなど、コミュニケーションを図ることが運用のポイントです。
LINE
LINEは友だち登録したユーザーと一対一のコミュニケーションが取れるSNSです。
月間9,700万人(2024年3月末時点)のユーザー数を達成しており、SNS利用者の中でも86%の高い利用率を誇ります。
リピート率向上のために、LINEでクーポンの配布や役立つ最新情報の発信。
公式アカウントを活用したコミュニケーションや、定期的なメッセージ配信で、さまざまな属性へアプローチするのが良いでしょう。
Facebookは40代〜60代のユーザーが中心で、他のSNSと比較してユーザーの年齢層が高いのが特徴です。
プライベートのみならず、取引先とのネットワーク構築にも活用でき、ビジネス利用や海外向けマーケティングにも適しています。
実名登録制のため、発信内容の信頼性が高いのが魅力。
また、キャンペーンの告知、広告配信、ライブ配信機能の活用など、多様な活用方法ができます。
SNS広報で結果を出すコツ
SNSを活用した広報で結果を出すには、戦略性のある効果的なアプローチが必要です。
自社の目的に沿ったSNSを選択し、長期運用できるよう、しっかりと目的や方針を定めましょう。
ここでは成功へ導くコツを解説します。
自社に合ったSNSを選択する
SNSを活用して効果的に広報活動を行うには、ターゲット層、方向性、広報戦略の目的を考慮して、自社にあったSNSを選択することが不可欠です。
SNSによって、得意なコンテンツやユーザー層が異なります。
ビジュアルに優れているコンテンツであればInstagram、リピーター獲得ならばLINE、拡散性を重視するにはXなど、目的に応じて使い分けましょう。
また、利用するSNSは一つに絞る必要はなく、最適なプラットフォームを選択することで、広報活動を最大限に活かせます。
複数のSNSを使う場合は手間や労力がかかりますが、相乗効果も期待できます。
SNSの運用目的・方針を定める
効果的なSNS広報を行うために、現状分析を行い、目標達成に必要なKPI(重要業績評価指標)を設定しましょう。
やみくもに広報活動をしても効果がわかりにくいため、目的を設定して、戦略を組み立てることが大切です。
まず、認知度の向上や売上増加など、SNSを使って何がしたいのか具体的な内容と達成までの期間を設定します。
目的に応じて、エンゲージメント数やリーチ数などの指標を設定し、これらの数値をもとにパフォーマンスが高かった投稿を評価。
評価をもとに、コンテンツ戦略やキャンペーンの改善に必要な項目を明確にしていくことが重要です。
SNS運用中は定期的に結果を分析して、必要に応じて運用方針を調整していきます。
目標達成に向けたSNSの具体的な運用計画を立て、その実施にあたって注意すべき点を明確にすると良いでしょう。
SNS運用の役割分担やスケジュールを決める
SNSの広報活動において、社内の方針やルールをしっかりと決めておくと一貫性のある運用ができます。
社内でSNSの担当を選定し、投稿頻度や投稿のルールを決めて、自社での情報共有が大切です。
もし、人によって対応が異なれば、発信内容に統一性がなくなります。
情報共有ができていなければ、トラブル発生時の対応に手間がかかり、被害が拡大するかもしれません。
継続的にユーザーへの配慮を忘れずに情報発信できる担当者を選び、マニュアルなどを整備して、社内で共通認識を持って運用できる体制作りが求められます。
SNS広報の注意点
SNSは低コストで広報効果を高められる一方、誤解を招くような投稿や誤情報の発信で企業へ大きな影響を及ぼす恐れがあります。
SNSを運用する前に、事前にチェック体制を整えることが重要です。
気をつけておきたい点と対策方法を解説します。
炎上のリスク
SNSでは、誤解を招くような投稿が拡散され、思わぬ炎上を引き起こす可能性があります。
炎上とは、特定の対象に対してSNS上で批判や非難が急激に集中し、収拾がつかなくなること。
企業のイメージや信頼を失墜させかねない事態となります。
不適切な発信や誤った情報の掲載を防ぐため、発信前のチェック体制の徹底が大切です。
事前にSNS利用に関するルールやポリシーなどを示すガイドラインや、マニュアルを作成します。
他にも、定期的にSNSに関する研修会や勉強会を実施して、炎上防止策を学びましょう。
万が一、炎上した場合は状況に応じて謝罪や情報訂正などの対応が必要です。
リスクに備えた対応フローを社内での情報共有、複数人での確認を心がけます。
長期運用の体制づくりをする
アカウントが影響力を持ち、広報活動の結果が出るまでに時間がかかります。
SNSで広報を行うには、長期にわたり運用できる体制の確立が重要です。
多くの人の目に留まるような有益な情報を提供するほか、トレンドも織り交ぜつつ、フォロワー獲得につながるコンテンツの発信をしていきましょう。
ハッシュタグを多めに入れたり、1日に1回以上投稿したりするなど、地道な基盤作りから始めます。
定期的な研修会や勉強会をおこない、SNS担当者のスキル向上も必要です。
SNSを通じて一貫したメッセージを発信し、ブランドイメージを維持するためには、戦略を柔軟に調整していきましょう。
SNSを広報活動に活かして認知度をアップさせよう
ユーザーにとって、身近なツールになったSNSを広報活動に活用する企業が増えています。
紙やWeb媒体の広告と比べてSNSは低コストで使えるため、予算が限られている企業でも、ブランディングの構築や知名度アップが期待できるでしょう。
SNSは複数あり、自社の商品やサービスに合わせた媒体の選択が大切です。
ターゲット層と合わせて、訴求したいコンテンツを考えてみてください。
また、SNSを運用するのであれば、ただの広報活動で終わらせるのは宝の持ち腐れと同じです。
多くの競合が存在するSNS上で自社を選んでもらえるようになるには、効果的なマーケティング戦略を学び、実践する必要があります。
マーケティングを学び、SNSを企業の広報活動に活用してください。
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