信頼性のある口コミを活用したマーケティングは、顧客や見込み顧客の心を動かしやすいといわれており、注目を集めるマーケティング施策の一つです。
そのため、次のようなことを思う人も増えています。
- 口コミマーケティングの効果的な施策が知りたい
- 口コミマーケティングのメリットとデメリットは?
- 口コミマーケティングの成功事例が知りたい
しかし、効果的な口コミマーケティングもやり方を間違えると炎上をはじめとするトラブルに発展する可能性もゼロではありません。
そこで今回は、口コミマーケティングのメリットやデメリット、具体的な施策や企業の成功事例について解説します。
口コミマーケティングとは
口コミマーケティングとは、消費者や影響力の高い人物の口コミを活用して、企業や商品の認知度を高めたり、消費者の購買を後押ししたりするマーケティング手法です。
SNSの影響力が絶大な昨今、購買する商品を口コミの評価で選定したり、SNSで認知度の高いブランドや商品を選んだりする消費者も増えています。
口コミマーケティングを効果的なものにするために大切なのは、広く拡散することです。
消費者が参加できる口コミコンテンツの作成や、話題性のある口コミキャンペーンを実施してSNSでバズることを狙うなど、消費者の目に入る回数を1回でも増やすのが口コミマーケティングを成功させるコツです。
口コミマーケティングのメリット
口コミマーケティングは、購買率アップや認知度拡大など、複数の効果が期待できるというメリットがあります。
口コミマーケティングの具体的なメリットは、おもに次の4つです。
- 顧客の購買を後押しすることができる
- 確度が低い見込み客層へのアプローチが可能
- 費用対効果が高い
- 信頼獲得につながる
顧客の購買を後押しすることができる
マイボイスコム株式会社が実施した「ネット上の口コミ情報に関する調査(2023年)」によると、商品・サービスなどを購入・利用する時に、ネット上の口コミ情報を参考にする人は約55%という結果が出ています。
ネット上の口コミは実際に商品を購入した消費者の意見が多く掲載されているため、説得力があると考える消費者が多いようです。
とくに商品を買うか買わないか悩んでいる段階の消費者にとって、口コミ評価の高さや口コミの件数の多さは購買を大きく後押しする要素の一つであるといえます。
確度が低い見込み客層へのアプローチが可能
消費者が口コミを参考にする場面は、商品の購入段階だけではありません。
最近では、SNS検索によって行きたい店や買いたい商品を決定する消費者が増えています。
そのため、口コミがキッカケで店舗や商品、サービスを認知し、来店や購買につながるケースも多いのです。
また、アジャイルメディア・ネットワーク株式会社の「SNSのクチコミが購入・来店に与える影響調査(2022年)」のデータによると、SNSの口コミ経由の購入・来店者のうち、6割がその後も継続して購入・来店(リピート)しているという結果が出ています。
このように、口コミマーケティングは新規客の獲得だけでなく、リピーターの獲得にも大きな影響を与えているといえます。
費用対効果が高い
口コミマーケティングはWeb広告やCM放映のように、多額の予算がなくても取り組めるというメリットがあります。
たとえば消費者がSNSに投稿した口コミがバズれば、ほぼ無料で口コミマーケティングが成功したといっても過言ではありません。
このように、口コミマーケティングは個人経営の店舗やネットショップでも、少ない予算で購買率や来店数アップが見込めるため、費用対効果が高いマーケティング方法といえます。
信頼獲得につながる
Web広告をはじめ、動画広告など、端末を利用した行動には広告がつきものとなっているため、広告を避けたりストレスが溜まってしまったりする人も増えています。
せっかく予算を投資して広告を出稿しても、かえって消費者にマイナスイメージを与えてしまうケースも少なくありません。
しかし、口コミは企業側ではなく消費者が投稿するため、同じ消費者からの共感が得られやすいというメリットがあります。
悪い口コミばかりだとマイナスイメージがつきやすいですが、良い口コミのなかに多少の悪い口コミがあることでより信憑性が増す効果もあります。
口コミマーケティングのデメリット
口コミマーケティングは良い口コミが拡散されたときに、はじめて効果が発揮される施策です。
悪い口コミが拡散されてしまった場合、自社や商品、サービスのイメージダウンにつながるほか、炎上してしまう可能性があることを認識しておきましょう。
とくにSNSにおいて消費者の口コミ投稿は、あきらかな誹謗中傷でない限り、コントロールしたり、管理したりできません。
そのため、口コミマーケティングを実施するときは、良い口コミを増やすために商品やサービスを改めて精査する必要があります。
リスクを想定し、リスク回避を行った上で口コミマーケティングを実施するのがおすすめです。
口コミマーケティングの施策
口コミマーケティングの施策はたくさんありますが、影響力や利用者が多いSNSを活用するのが一般的です。
さまざまな口コミマーケティングの施策のなかでも、とくに効果が期待できる施策を4つ紹介します。
- SNSキャンペーンやチャレンジの開催
- インフルエンサーの起用
- モニター試作
- カスタマーレビュー機能の実装
SNSキャンペーンやチャレンジの開催
SNSキャンペーンとは、InstagramやX(旧Twitter)、TikTokを活用したマーケティング施策です。
たとえばInstagramのストーリーでハッシュタグを付けて投稿したり、X(旧Twitter)でアカウントをフォローして引用ポストしたりなど、一定の基準をクリアした人にクーポンの配布や抽選でのプレゼントを実施します。
参加条件に投稿やフォローといった条件をつけることによって、口コミが拡散される効果が期待できます。
また、最近ではTikTokで企業がオリジナルの楽曲やエフェクトを作成し、消費者が音源やエフェクトを使用して動画を投稿することで認知度を上げる取り組みも普及しています。
インフルエンサーの起用
美容やグルメ、旅行など、それぞれの分野で影響力を持つインフルエンサーに商品やサービスを利用してもらい、SNS上で口コミを投稿してもらう手法です。
YouTubeやInstagramでPR(プロモーション)としてインフルエンサーが投稿しているのは、企業側から報酬が発生していることを示しています。
インフルエンサーを起用するためには広告費として予算を確保する必要がありますが、CMやイメージキャラクターとして起用するのとは違います。
インフルエンサーを起用する際は、インフルエンサーが自身のアカウントから独自の発信方法で商品やサービスを紹介してもらうため、広告としてのイメージがつきにくいというメリットがあります。
また、インフルエンサーのファンに商品やサービスを信頼してもらいやすいので、購買へのハードルが下がるという利点もあります。
モニター試作
モニター試作とは、商品やサービスのモニターを集めて、SNSなどで口コミを投稿してもらう施策です。
モニターは従来から企業が消費者の意見を集めるために行っていた手法の一つですが、最近では口コミを増やすための施策として実施されるようになりました。
モニターはもともと無料で商品をもらえたり、割引価格でサービスを受けられたりと、消費者側にメリットがあるため、口コミの投稿を条件にモニターを募集することで確実に口コミを投稿してもらえます。
カスタマーレビュー機能の実装
カスタマーレビューは、おもに自社のECサイトに設置し、消費者に口コミを投稿してもらう機能です。
商品ページにカスタマーレビュー機能を実装すれば、消費者の購買を後押ししてくれるほか、商品名に★単位で口コミ評価を掲載すれば、評判の高い商品のページにアクセスしてもらえる可能性が高まります。
また、自社ECサイト内の口コミは掲載可否がコントロールできるなど、管理しやすいのも大きなメリットです。
企業における口コミマーケティングの成功事例
大手企業から中小企業まで、口コミに重きをおいてマーケティング活動に取り組んでいる企業はたくさんあります。
今回は会社の口コミマーケティングの成功事例を3つ紹介します。
SNSキャンペーン|洋服の青山
洋服の青山を運営する青山商事株式会社はアイロン要らずでお手入れが楽な「ノンアイロンワイシャツ」のPRを行うため、X(旧Twitter)を利用し、全店舗で先着10名様に10円で同商品を販売するというキャンペーンを実施しました。
気軽に参加できる点と先着順であることから、引用やハッシュタグにより広く拡散され、キャンペーンは大きな成功をおさめました。
また、ワイシャツが10円で購入できるというインパクトと、企業努力がさらにキャンペーンを盛り上げる要因となったと考えられます。
ハッシュタグチャレンジ|江崎グリコ
江崎グリコはロングセラーの人気商品であるポッキーのPRにTikTokを活用しました。
江崎グリコはもともと11月11日を「ポッキー&プリッツの日」として、購買を促すマーケティングに成功していますが、さらに口コミマーケティングの施策としてTikTokでハッシュタグチャレンジを実施することで相乗効果を狙いました。
「#ポッキー何本分体操」と題したハッシュタグチャレンジは、わずか5日間で2万3,600本の動画が投稿され、大きな成功をおさめました。
この企画は、子どもから大人まで気軽に参加できること、ポッキーと一緒に動画撮影する人が見込めること(購買の促進)など、さまざまな要因が相乗効果となった成功事例です。
インフルエンサー起用|fifth
アパレル商品の販売サイトであるfifthはインフルエンサーを起用し、YouTubeなどに動画を投稿してもらうことで、認知度の向上や購買率アップに成功しました。
インフルエンサーを起用し、インフルエンサーが選んだアイテムを正直にレビューしてもらうことで、消費者やインフルエンサーのファンからの信頼度が高まります。
また、コーディネートやアイテムの着用感がリアルにわかるので、購買率アップにつながった成功事例といえるでしょう。
口コミマーケティングの失敗例と注意点
口コミマーケティングは、やり方を間違えると企業や商品やサービス、企業への不信感を高めることにつながるほか、訴訟の原因になる可能性があります。
次の失敗例と注意点をもとに、細心の注意を払ったうえで口コミマーケティングを実施しましょう。
ステルスマーケティング(ステマ)
「ステルスマーケティング(ステマ)」とは、広告と明記せず、あたかも消費者の口コミであることを装って宣伝する手法で、やらせやサクラも含まれます。
ステマが発覚すると発信者をはじめ、企業の信用に大きなダメージを与えます。
そのため、広告記事を発信するときやインフルエンサーを起用する際には、必ず投稿に「PR」または「宣伝」と明記することが、昨今義務付けられましたので、注意してください。
複数の販売先で同じ口コミが散見される
あきらかに良い口コミしか掲載されていなかったり、複数の販売サイトで同じような口コミが散見されたりする場合、ユーザーへの口コミ強要やサクラによる口コミ投稿が疑われ、消費者の不信感につながります。
消費者の口コミはいいものばかりとは限りません。
悪い口コミがあるからこそ信用して商品を購入する消費者もいるため、口コミの強要ややらせは避けましょう。
口コミや画像の無断転載
SNSや自社のECサイトに限らず、企業側が消費者の口コミを転載する場合、口コミ投稿者の許可を得る必要があります。
しかし、都度許可をとるのは手間がかかるため、インフルエンサーの起用やモニター試作を実施する場合は、事前に二次利用の許可を得ておくのがおすすめです。
また、口コミの二次利用を行うときは内容も精査する必要があります。
たとえば「この商品で10キロ痩せました」といった内容の口コミは、たとえ事実でも二次利用すると薬機法違反になるので注意が必要です。
二次利用をする前に法務や弁護士に確認し、法律に抵触しない内容の口コミを活用しましょう。
まとめ
口コミから商品やサービスを選んだり、SNS検索したりする人が増えるなか、企業にとって口コミマーケティングは欠かせない施策だといえます。
しかし、悪い口コミが拡散されると企業イメージや商品・サービスの購買に打撃を与える可能性があるので、リスク回避や危機管理を行なったうえで施策を行うことが大切です。
SNSを利用すると、コストを抑えて大きな効果が期待できる可能性が高いため、ぜひ自社の強みや特徴を活かした施策を検討してみてください。
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