HARMの法則とは?情報発信に適したテーマを理解しよう

最終更新日: 2024/11/20 公開日: 2024/04/26

HARMの法則はよくある人間の悩みを4種類に分ける法則です。

コンテンツビジネスやマーケティングでも使われており、顧客の心に響く発信をするために必要なフレームワークとして認知されています。

HARMの法則にはどのような悩みがあるのかわからない人や、どのようにビジネスに活用すべきか悩んでいる人に向けて、この記事では以下の内容について説明します。

  • HARMの法則で分けられる悩み
  • HARMの法則を活用する方法
  • HARMの法則に沿ったビジネス事例

これからビジネスで情報発信をしていきたいという人は、ぜひ最後までお読みください。

HARMの法則とは4種類の悩み

HARMの法則とは、人間の悩みや欲を以下の4種類に大別したものです。

Health・健康
・美容
・容姿
Ambition・キャリア
・夢
・将来
Relation・人間関係
・恋愛
・結婚
Money・お金
・投資
・金融

HARMの法則はメンタリストDaiGo氏が『人を操る禁断の文章術』で提唱したものです。人の悩みの9割はHARMの4種類に分類されます。

HARMの法則で悩みを的確に指摘し解決策を伝えられるため、情報発信やセールスライティングなどでよく使われています。

1. Health

Healthは健康や美容の悩みです。「いつまでも健康で長生きしたい」「ずっと美しく・かっこ良くいたい」「ストレスなく毎日を過ごしたい」という悩みや欲望に関連しています。

医療・薬
・病気の予防・治療法
・生活習慣病
・妊娠・出産
美容・筋トレ
・ダイエット
・シミ・しわ・白髪
・AGA
・ヨガ・フィットネス
・健康食品・サプリ
・脱毛・エステ
・美容室
メンタルヘルス・ストレス
・ウェルビーイング
・精神疾患
・睡眠

自分の体や見た目に関することはコンプレックスになりやすく、短期間で解決しづらい悩みです。

2. Ambition

Ambitionはキャリアや夢、将来についての悩みです。

「将来は家族仲良くマイホームで暮らしたい」「毎年旅行に行けるような安定した暮らしがしたい」「キャリアアップして将来は経営者になりたい」というような目標や憧れに関連しています。

  • 就職・転職・退職
  • キャリアアップ・リスキリング
  • 起業・会社経営
  • ワークライフバランス・働き方
  • 旅行
  • 将来の夢・目標・ビジョン
  • 生涯学習

未来という不確かなもののため、つかみづらく悩みやすいテーマです。

3. Relation

Relationは人間関係の悩みです。「同級生と話が合わない」「義理の両親と仲が悪い」「他人と話すのが苦手」といった悩みがRelationに当てはまります。

  • 友人関係
  • 家族関係
  • 職場の上下関係
  • ハラスメント
  • 恋愛・夫婦
  • 婚活・マッチングアプリ
  • コミュニケーション

心理学者のアドラーは「すべての悩みは対人関係の悩みである」と言っています。人は社会生活を営むために、他人と共に暮らしていかなければなりません。

自分の思い通りに動かない他人とは摩擦があるのが当然で、多くの人が悩みやすいテーマです。

4. Money

Moneyはお金の悩みです。充実した生活を送るためには、お金が必要になります。「手取りが少ない」「貯金が増えない」「投資で失敗したくない」などがMoneyの悩みです。

  • 節約
  • 給料・副収入
  • クレジットカード
  • ローン
  • 投資・金融・資産運用
  • 不動産
  • 保険
  • 仮想通貨

お金は多ければ多いほど良いと考える人が多いため、常に悩みの種になっています。Moneyは数値化できて、すぐに解決しなければならないことが多い悩みです。

年代別で考えるHARMの法則

HARMの法則は、年代によって悩みの内容が異なります。年代でライフスタイルや関心ごとが変化するからです。ここでは、どの年代でどんな悩みがあるのかを説明します。

1. Health

Health(健康・美容・メンタルヘルス)の年代別の主な悩みは、以下の通りです。

10代・ダイエット
・ニキビ
・メイク
20代・仕事のストレス
・肌質の変化
・生活リズムの変化
30代・妊活
・出産
・体型維持
40代・身体の衰え
・体力維持
・しわ・シミ
50代・更年期障害
・AGA
・生活習慣病
60代・介護
・老眼
・運動不足

若い頃は美容に関する悩みが多いですが、年を経るにつれて健康に関する悩みが増えていきます。

2. Ambition

Ambition(キャリア・夢・将来)の年代別の主な悩みは、以下の通りです。

10代・受験
・進路
・アルバイト
20代・就職
・転職
・ワーキングホリデー
30代・キャリアアップ
・結婚
・転職
40代・出世
・マイホーム
・副業
50代・管理職
・部下育成
・新しい知識への学び
60代・定年退職
・再雇用

10代は進路の悩みですが、20代からはキャリアの悩みに変化します。60代の定年退職後にも仕事の悩みが少なからず生まれます。

3. Relation

Relation(人間関係)の年代別の主な悩みは、以下の通りです。

10代・思春期
・友人との人間関係
・学校生活
20代・会社の人間関係
・恋人
30代・結婚生活
・義両親との関係
・子育て
40代・部下との人間関係
・取引先との関係
・家庭
50代・夫婦関係
・部下との人間関係
・取引先との関係
60代・熟年離婚
・定年後の生活
・近所づきあい

学生時代の人間関係と、就職してからの人間関係は大きく異なります。パンデミックにより人間関係が疎遠になったことから、孤独を感じる人が増えています。

4. Money

Money(お金)の年代別の主な悩みは、以下の通りです。

10代・アルバイト
・お小遣い
・仕送りを受ける
20代・給料
・仕送り
・お金の使い方
30代・自己投資
・結婚資金
・出産費用
・副業
40代・住宅ローン
・養育費
50代・介護費用
・老後の貯蓄
・投資
60代・資産運用
・相続

10代は自分の楽しみのためにお金を稼いで使うことが主ですが、年齢が上がるにつれて将来のための貯蓄を考えるようになります。

情報発信でHARMの法則を活用する3ステップ

HARMの法則を使って情報発信をする際のポイントを3ステップで紹介します。

  1. ペルソナを具体的に設定する
  2. HARMの法則に合わせた発信テーマを決める
  3. 悩みを解決する情報を発信する

情報発信では、情報を提供したい相手がどんな悩みを持っているかを明確にすることが重要です。その悩みに対しての解決策を提供することで、相手に感謝されます。

1. ペルソナを具体的に設定する

年代や性別によってHARMの4種類の悩みでも内容が異なるため、ペルソナ設定が必要です。ペルソナは自社の商品・サービスを購入する典型的な顧客像のことです。

ペルソナを設定する際には、デモグラフィック・サイコグラフィック・人間関係について考え、人物像を具体的に表現します。

デモグラフィック・氏名
・性別
・年齢
・居住地
・職業
・年収
パーソナリティ・性格
・価値観
・悩み
・興味関心
ライフスタイル・趣味
・情報収集方法
・休日の過ごし方
・よく見ているメディア
人間関係・家族構成
・仲の良い友人の数
・所属しているコミュニティ
・使っているSNS

ペルソナ像が具体的であれば、その人物像が抱える悩みを想像しやすくなります。

2. HARMの法則に合わせた発信テーマを決める

ペルソナの関心事や悩みをHARMの法則に当てはめて、軸となる発信テーマを決めます。HARMの法則のどれかに当てはめれば、ユーザーの興味を引きやすいです。

HARMの法則に挙げられる悩みは長年抱え続けるため、長期的に情報を見てもらえる可能性が高いです。発信テーマからぶれないように注意しましょう。

3. 悩みを解決する情報を発信する

情報発信する際は、ペルソナがよく見ているメディアや媒体を用います。発信テーマに沿った情報提供をし続けることで、人々の関心を集め注目されやすくなります。

HARMの法則に挙げられる悩みは簡単に相談しづらい深い悩みが多いため、お金を払ってでも解決したいと考える人が多いです。HARMの法則に沿った情報発信を行っていると発信者はそのテーマの専門家と思われ、商品購入に繋がりやすいです。

HARMの法則に合わせたビジネス事例

HARMの法則の悩みに合わせたビジネス事例を2種類ずつ紹介します。ビジネスアイデアの参考にしてください。

1. Health

日本は少子高齢化が進んでいるため、今後Healthの悩みは増えていくと考えられます。Healthのビジネス事例として、ライザップとヘルスツーリズムを紹介します。

ライザップ

パーソナルトレーニングジムのライザップは「結果にコミットする」のフレーズと、ビフォーアフターを見せる宣伝で一躍有名になりました。

結果が出るフィットネスというブランディングにより、人の健康的に痩せたいという願望や、何をやっても痩せられないという悩みを解決できるとアピールしています。

サービスの高額設定や結果が出なかった場合の返金保証により、ダイエットが叶うだろうという安心感を与えています。

ヘルスツーリズム

ヘルスツーリズムとは、旅と健康を組み合わせたヘルスケアサービスのことです。経済産業省ではヘルスツーリズムの要件を満たした観光商品を評価し、ヘルスツーリズム認証を授与しています。

山形県上山市では「クアオルト健康ウォーキング(空色・暮色ウォーキング)」が認証を受けています。

ドイツで行われている気候性地形療法という運動療法を取り入れたウォーキングと、自然の中でのリフレッシュができる日帰りプログラムです。メタボリックシンドロームや生活習慣病の予防などが期待できます。

2. Ambition

Ambitionに関わるビジネスは、政府のリスキリングや副業の推進により活発化しています。ここでは、リクナビとUdemyを紹介します。

リクナビ

リクナビはリクルートグループが運営している日本最大級の就職・転職ポータルサイトです。新卒・既卒向け「リクナビ2025」や転職者向け「リクナビNEXT」、派遣労働者向け、薬剤師の転職向けの4種類があります。

対象者を分けてサービスを提供されているため、どの属性の就職・転職に関する悩みでも解決しやすいです。

Udemy

Udemy(ユーデミー)は世界中で使われているオンライン学習プラットフォームです。Udemyは買い切り型で、動画コンテンツを見ながら学習する講座が多いため、働きながら自分のペースで学べます。

プログラミングや語学、ビジネススキルなどの講座内容が充実しており、個人向けで安価なものもあるため、コスパ良く学びを深められます。

3. Relation

Relationは、常に職場での悩みの上位にある悩みです。人間関係が上手くいかずに退職を決めたり、パートナーとの性格の不一致で離婚したりする人も多く、人の行動の原因にもなり得ます。

ここでは、ゼクシィとChatworkを紹介します。

ゼクシィ

ゼクシィはリクルートが運営している日本最大級のブライダル情報ポータルサイトです。結婚式場の紹介や結婚式に必要な情報が網羅されています。

結婚には様々な変化があり決めることも多いため、カップルにとって役立つサービスです。

ゼクシィは結婚情報だけでなく、婚活サービスの「ゼクシィ縁結び」や結婚式の招待状を送る「ゼクシィオンライン招待状」、妊娠から育児までをサポートする「ゼクシィBaby」が用意され、カップルのためのサービスが掲載されています。

Chatwork

Chatworkは中小企業向けのオンラインコミュニケーションツールです。電話やメールを使わなくても簡単にチャットで連絡し合えるため、職場でのコミュニケーションによるストレスが軽減されます。

コンタクト追加をすれば社外の人ともコミュニケーションが取れ、音声通話やビデオ通話も可能です。「わかりました」などの返信をするか迷うようなメッセージには絵文字で反応を返せるため、簡潔なやり取りができます。

4. Money

Moneyに関わるビジネスとして、クレジットカードや保険など様々なサービスがあり、最近は新NISAなどの投資が注目されています。ここでは、Paidyとfreeeを紹介します。

Paidy

Paidy(ペイディ)は、スマートフォンで使えるあと払いサービスです。クレジットカードで分割払いをすると手数料がかかりますが、Paidyでは手数料がかからず12回払いまで可能です。

高額商品を購入しても余計な手数料がかからずに計画的に支払えます。ペイディカードというクレジットカードを発行すれば、VISAの加盟店でカード払いすることもでき、支払いの便利さが広がります。

freee

freee(フリー)はクラウド型会計ソフトで、中小企業や個人事業主のビジネスをサポートするために開発されました。レシートや領収書の読み取り機能や自動仕訳機能により経理業務が簡略化されます。

会計ソフトを使うことで日々のお金の動きがわかり、収益や損益、資金繰り表などのレポートを確認できます。

HARMの法則を活用してターゲットの行動を喚起しよう

この記事では、HARMの法則について活用方法やビジネス事例を説明しました。

人の悩みのほとんどがHARMの法則の4種類に分けられると言われているため、自社のビジネスがHARMのどれに当てはまるのかを考え、悩みや欲を解決することが大事です。

ぜひHARMの法則を活用した情報発信を自社ビジネスに取り入れてください。

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#HARMの法則

最終更新日: 2024/11/20 公開日: 2024/04/26