- デール・カーネギーから学べるビジネス心理学の情報は?
- カーネギーからビジネス心理学の情報を学んでみたい!
デール・カーネギーが執筆した『人を動かす』は、自己啓発本の元祖と呼ばれる書籍でビジネス心理学を学べる名著です。
今回は『人を動かす』の項目のなかからビジネス心理学に役立つ項目を紹介します。
この記事を読めば、社員や部下の信頼を得ながら効果的に説得して動いてもらう方法や相手から好かれる方法が分かります。
部下や社員に働きかけて企業を成長させたい経営者や、人に好かれ相手を説得させて成果を上げたいビジネスパーソンの方はぜひご覧ください。
ビジネス心理学を学べる『人を動かす』とは
デール・カーネギーが書いた『人を動かす』は、ビジネス心理学を学べる書籍です。
カーネギーは、アメリカの成人教育の教師として活躍する傍ら、成功哲学をまとめました。
例えば、以下の書籍を執筆しています。
- 『道は開ける』
- 『カーネギー話し方入門』
『人を動かす』は、そのなかでビジネスを円滑に進めるために有効な心理学の手法を知ることが可能です。
『人を動かす』の構成は以下の4つに分かれています。
- 人を動かす三原則
- 人に好かれる六原則
- 人を説得する十二原則
- 人を変える九原則
具体性が高く実例も交えながら紹介されているため、読んだ後はすぐに実践に移すことができる書籍です。
カーネギーからビジネス心理学を学ぶべき理由
カーネギーからビジネス心理学を学ぶべき理由は、ビジネスで汎用的に知識を活用できるからです。
この本を読めば、人間関係を円滑にできることはもちろんのこと、心理学の知識をビジネスの実務に活かすことができます。
例えば、新規事業の開拓、企画開発、営業やマーケティングなどで役立ちます。
また、経営者の方であればよりよい経営管理が実現でき、マネジメント能力の向上にもつながるでしょう。
例えば、部下や社員のモチベーションをあげたり効果的に指示を出して動いてもらったりすることができるのです。
経営者の方を始め、すべてのビジネスパーソンがカーネギーからビジネスに役立つ情報を知ることができます。
ビジネス心理学を学べる『人を動かす』の人を動かす三原則
ここでは『人を動かす』の内容のなかから、ビジネス心理学を学ぶうえで根幹となる人を動かす三原則を紹介しましょう。
盗人にも五分の理を認める
カーネギーは、人の非難や批判は言わない方がよいことを、実際に起こった例をあげて述べます。
人を非難したり批判したりすることは、相手からその人への恨みや嫌悪の気持ちが生まれるものです。人には感情があり自尊心を傷つけられた人は、その人とうまくやることが難しいと考えるでしょう。
人を非難したり批判したくなったりしたときは、相手の立場を理解することに努めることです。
自分が相手の立場であったらどのように行動するでしょうか。
相手がその行動に至った経緯やきっかけにはその人なりの考えがあるはずです。
私たちは、相手の立場に立って考えることで同情の気持ちが生まれたり寛容になったりします。加えて好意の気持ちが生まれることもあるのです。
本書のなかでカーネギーは「全てを知れば、すべてを許すことになる」と言葉を残しています。
重要感を持たせる
カーネギーは人を動かすためには、相手に重要感を持たせることが大切であるといいます。
それは、相手が自分の意思によって自ら動きたくなるように働きかけることであるのです。
なぜなら、私たちには本能的に「自分を重要だと考えたい欲求」があります。
カーネギーによると「自己の重要感」は、睡眠・食事などの生理的欲求同様に根強いもので、めったに満たされることがないものといいます。
実際に、食事や睡眠などの生理的欲求は自分が行動すれば満たすことが可能です。一方で、「自己の重要感」は他者との関係がなければ満たすことができません。
カーネギーは、「認められたい」という重要感を満たすことのできる人が、相手の心を動かすことができると語るのです。
人の立場に身を置く
カーネギーは人を動かすためには、相手の立場に身を置くことが大切であると述べます。
相手の欲しているものを見つけて、それを手に入れる方法を教えることなのです。
ここで、本書で記載されている人の立場に身を置くことの重要性を紹介しますのでご覧ください。
アメリカの心理学者オーヴァストリート教授の名著『人間の行為を支配する力』に次のような言葉がある。
『人を動かす 新装版』(著者:デール カーネギー、翻訳:山口 博,1999年10月,創元社,P.52より引用)
「人間の行動は、心の中の欲求から生まれる……だから、人を動かす最善の法は、まず、相手の心の中に強い欲求を起こさせることである。商売においても、家庭、学校においても、あるいは政治においても、人を動かそうとする者は、このことをよく覚えておく必要がある。これをやれる人は、万人の支持を得ることに成功し、やれない人は、一人の支持者を得ることにも失敗する」
これは自分の利益になることだけをするために他人を説得することではありません。カーネギーは、双方が利益を得なければならないといいます。
相手の立場を考えながら相手に喜んでもらえることは何か、双方にとって利益になることを考えて行動してみてください。
ビジネス心理学を学べる、人を説得する12原則
ここでは『人を動かす』の第3章でご紹介されている「人を説得する12原則」の概要について紹介します。
議論を避ける
人を説得させる1つ目の方法は、相手が誤ったことを言っていても誤りを指摘しないことです。
人を説得するためには、議論に対して自分の考えを相手に徹底的に主張するのではなく、むしろ議論を避けることが重要です。
相手に激しく主張をして議論に勝ったとしても、相手は自尊心を損ない、劣等感を持ってしまいます。
また、激しい議論を繰り広げたとしても、相手は自分の意見を簡単に変えることはありません。自分の考えを激しく伝えるほど、相手は自分の意見を曲げようとしなくなるのです。
ベンジャミン・フランクリンは、議論を避けることの重要性を実体験として感じたといいます。本書のなかで紹介されている彼の言葉を紹介しますのでご覧ください。
ベンジャミン・フランクリンはよくこう言っていた―
『人を動かす 新装版』(著者:デール カーネギー、翻訳:山口 博,1999年10月,創元社,p.161より引用)
「議論したり反駁したりしているうちには、相手に勝つようなこともあるだろう。しかし、それはむなしい勝利だ―相手の好意は絶対に勝ち得られないのだから」
だから、ここでよく考えていただきたい。理論闘争の華々しい勝利を得るのがいいか、それとも相手の好意を勝ち得るのがいいか―この二つは、めったに両立しないのである。
議論を避けることが実は相手からの承認や行為を得るための方法となるのです。
誤りを指摘しない
人を説得させる2つ目の方法は、相手が誤ったことを言っていても誤りを指摘しないことです。
なぜなら相手の誤りを指摘することは、相手の自尊心を損なわせて感情を逆なでさせるからです。
誤りを指摘された人は、相手に反抗心を持ちあなたの意見には耳を貸さなくなります。
誤りを指摘する際には、自分の考えを優しく伝えることが大切です。
例えば、クッション言葉を用いて「自分の考えが間違っているかもしれないのですが」など前置きの言葉を付けることができます。
誤りを認める
人を説得させる3つ目の方法は、誤りを認めることです。
もしあなたが、誤ったことを言ったりミスをしたりしたときは、その事実について謝り素直に間違いを認めましょう。
間違いを相手に指摘する前に言ってしまうことで相手はその行動に対して寛大になるものです。あなたは物事が円滑になるのを感じるでしょう。
あなたが自分が間違っていることを素直に認めることで、自分自身の自己を防衛する気持ちが取れて気持ちが楽になる効果もあるのです。
穏やかに話す
人を説得させる4つ目の方法は、穏やかに話すことです。
相手に腹を立てたり怒りをぶつけたくなったりした場合にも、穏やかに接することを大切にしましょう。
なぜなら相手に働きかける感情次第で、相手から返ってくる反応も変化するからです。
例えば、怒りの感情を見せれば相手も同様に怒りの感情で返します。
一方で、穏やかに話して冷静に自分の思いを伝え話し合いを求めれば相手もそれに応えようとするのです。相手を説得したいときほど穏やかに話すことが重要となります。
相手を敵とみなすのではなく、友好的に働きかけることで互いにとって良い話し合いをすることとが可能です。
"イエス"と答えられる問題を選ぶ
人を説得させる5つ目の方法は、"イエス"と答えられる問題を選ぶことです。
人と話を始める際は、最初に相手が「イエス」と答えられる問題を取り上げましょう。話が進む中でも同じ目的に向かって話していると思ってもらうことが重要です。
なぜなら、最初に否定の決断を引きだしてしまうと後から肯定を引きだすのは難しくなってしまいます。
後から決断をひるがえすことは、自分の自尊心をそむくことにもつながるのです。
例えば、相手にされたさまざまな質問に続けて肯定していると、その後否定的な回答をするのが難しくなります。本書では、ソクラテスの例が解説されていますので、ご覧ください。
ソクラテスは、相手の誤りを指摘するようなことは、決してやらなかった。いわゆる"ソクラテス式問答法”で、相手から"イエス"と言う答えを引き出すことを主眼としていた。まず、相手が"イエス"と言わざるをえない質問をする。次の質問でもまた"イエス"と言わせ、次から次へと"イエス"を重ねて言わせる。相手が気づいた時には、最初に否定していた問題に対して、いつの間にか"イエス"と答えてしまっているのだ。相手の誤りを指摘したくなったら、ソクラテスのことを思い出して、相手に"イエス"と言わせてみることだ。
『人を動かす 新装版』(著者:デール カーネギー、翻訳:山口 博,1999年10月,創元社,p.212,213より引用)
話をさせる
人を説得させる6つ目の方法は、相手にできるだけ多く話してもらうことです。
あなたが相手に異議を唱えたくなったり口をはさみたくなったりしても、それを我慢してください。
なぜなら、相手に話してもらうことで相手から好意を持ってもらえるからです。
また、相手は自分の気持ちを多く話すことで、考えていることを整理して結果説得につながる場合があります。
この原則の実践例としては、自分の話ばかりをすることなく相手に興味を持ち話を掘り下げることです。多くの関心を寄せて熱心に聞くことで、良好な関係を築くことができます。
思いつかせる
人を説得させる7つ目の方法は、相手に思いつかせることです。
私たちは人から無理強いされたものより、自分自身で思いついた行動を大切にします。
無理にやらされていると感じるより、自分自身で自主的に決めて行動していると感じる方が好ましいと感じるのです。
例えば相手が自分で物事を決断したと思わせるように、相手が自主的に決断する手助けをすることで相手と良好な関係を築けます。
人の身になる
人を説得させる8つ目の方法は、相手の気持ちや行動の動機を考え、人の身になることです。
なぜなら、相手の立場になって考えると同情や共感の気持ちが生まれるために、相手にどのように対応すべきかが分かるようになるからです。
例えば、人に頼み事をするときや非難をしたくなったりしたときに、人の身になれば同情の気持ちが生まれ取るべき行動が明らかになります。
同情を寄せる
人を説得させる9つ目の方法は、相手の言葉に同情を寄せることです。
なぜなら相手の言葉に同情を寄せることは、自分に対して善意を持ってもらい、相手を説得することにつながるからです。
例えば、何かで口論を起こしそうになったときに、まずは相手の立場に立って相手の言い分に心から同情することができます。
本書では、相手に同情を寄せる際に使用できる言葉が紹介されていますのでご覧ください。
「あなたがそう思うのは、もっともです。もし私があなただったら、やはり、そう思うでしょう。」
『人を動かす 新装版』(著者:デール カーネギー、翻訳:山口 博,1999年10月,創元社,p.236より引用)
人は同情を欲しているものであり、その心に関心を寄せることで相手と良好な関係を築くことができます。
美しい心情に呼びかける
人を説得させる10個目の方法は、美しい心情に呼びかけることです。
人は自分の起こす行動について美しい思いから来る理由をつける側面があります。
なぜなら、人には与えられた義務や美しい心情から来る出来事を果たしたいと思う性質があるからです。
例えば、相手の美しい心情に呼びかけて行うべきことを促すことができます。
演出を考える
人を説得させる11個目の方法は、演出を考えることです。
現代では事実を述べるのみでは人を説得させるには十分でなく、その事実をドラマチックに展開させて興味を引く必要があります。
例えばCM広告では、私たちにその商品を手に入れることで実現できるドラマチックな展開で購買意欲を起こさせます。
その演出を観た私たちは、その商品を購入した後のことをありありと想像することができるため、その商品を手に入れたいと思うのです。
対抗意識を刺激する
人を説得させる12個目の方法は、対抗意識を刺激することです。
なぜなら自己重要感の欲求を刺激することによって、相手の優位性を高められることができるからです。
例えば、売り上げや注文数を自然な形でメンバー同士で競わせることができます。
まとめ
今回は、ビジネス心理学の知識を得るために適したデール・カーネギーの『人を動かす』の内容について紹介しました。
人を動かす3大原則や人を説得させるための方法は、自己重要感を意識して、相手を尊重する振る舞いをすることが大切です。
社員や顧客、取引先といったさまざまな人と関わりながら、ビジネスを成長させていくうえで、ビジネス心理学は必須の教養です。ぜひ知識を活用して実践してみてください。
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