
「影響力の武器の内容について知りたい!」
「影響力の武器の内容を知って、経営やビジネスで役立てたい!」
影響力の武器は、組織の上に立ち人を動かすことの多い経営者の方にぜひ読んでいただきたい本です。
影響力の武器を読めば、自分の働きかけで相手に気持ちよく動いてもらう方法を知ることが可能です。
この本を読めば、以下のことが分かります。
- 影響力の武器の概要について
- 影響力の武器の6つのテーマについて
影響力の武器とは

影響力の武器は、米国の有名な社会心理学者であるロバート・B・チャルディーニによって書かれました。
世界でロングセラーとなっていて、ご存じの方も多いのではないでしょうか。
影響力の武器シリーズは、以下の3冊が出版されています。
- 影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか
- 影響力の武器 実践編[第二版]「イエス!」を引き出す60の秘訣
- 影響力の武器 戦略編: 小さな工夫が生み出す大きな効果
今回は最初に出版された「影響力の武器[第三版] なぜ、人は動かされるのか」についてご紹介しましょう。
影響力の武器から学べること

影響力の武器の内容を知ることで、物事を正しく判断する力が身に付くでしょう。
私たちが知らぬ間に解釈している心理には下記の6つのテーマがあり、影響力の武器ではその詳細を解説しています。
- 返報性
- コミットメントと一貫性
- 社会的証明
- 好意
- 権威性
- 希少性
この仕組みを知らないと、私たちは無意識のうちにこの心理に従って動きます。
影響力の武器の内容を知ることで、人の心理を理解し、経営やビジネスなどさまざまな場面で活かすことができます。
返報性

返報性とは、人に何かをもらったり、よいことをされたりするとそれに対してお返しをせざるを得ない意識が働くことです。
他の人から、承諾を得たいときに使うと、特に力を発揮します。
私たちは、贈り物や親切を他人からしてもらった後に、その人に何かお返しをしたいと思うはずです。
このような行動について、アルビン・グルドナーの社会学者は、すべての人間社会がこの返報性のルールを採用していると述べています。
書籍で紹介されている、オレゴン州のある公務員の例を見てみましょう。
引継ぎの訓練期間中、前任の女性から、「上司はとても人柄がよくて気前のいい男性だから、あなたもきっと彼の下で仕事をするのが楽しくなるわ」と言われました。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P71より引用
(中略)その上司の下で働くようになってもう6年になりますが、私も前任者と同じ経験をしています。
(中略)私は昇給の上限に達してしまってからすでに2年が経っています。今の仕事では、これ以上の昇進も期待できないので、州機構の試験を受けてほかの部署に再応募するか、民間の仕事を見つけるしか選択肢はありません。
でも、ほかの仕事を探したり、別の部署に移ろうとしたりするのには抵抗があるのです。
ドア・イン・ザ・フェイス法
返報性を利用した手法に、ある要求をしたい場合に、最初にその要求よりも大きなお願いをして、断られた後(譲歩させた後)に、本来の要求を提示するドア・イン・ザ・フェイス法があります。
ドア・イン・ザ・フェイス法とは、ある商品を購入する際に相手が最初に出した金額を譲歩して、2番目の金額を提示したとしましょう。
そうすると、あなたは後から出された提案に対して、譲歩しなければならないと感じ、その要求を受け入れてしまう確率が高くなります。
一旦無理なお願いを挟むことで、本来の要望が受け入れやすくなることは下記の実験でも立証されています。
「青少年カウンセリング・プログラム」の担当者を装って、キャンパスを歩いている大学生を呼び止め、非行少年のグループを動物園に連れていく付き添い役のボランティアをやってくれないかと頼みました。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P70より引用
(中略)予想通り、大多数(八三%)に断られました。けれども、頼み方を少し変えて、まったく同じお願いを似たような大学生たちにしてみたところ、その前とは大きく違った結果が出ました。
このときの大学生たちには、非行少年グループを動物園に連れていくことを頼む前に、それよりもさらに大きな頼み事-少なくとも二年間にわたり、毎週二時間、非行少年たちのカウンセラーを務める-をしたのです。この極端に大きな頼み事を拒否された後(全員が拒否しました)で、彼らに動物園への引率という小さな頼み事をしたわけです。最初の大きな頼み事から譲歩した形を取っただけで、引き受けてもらえる確率は劇的に上昇しました。比較すると三倍もの学生が、動物園の引率役を引き受けてくれたのです。
コミットメントと一貫性

コミットメントと一貫性とは、自分の言葉や動作に対して一貫性を保ちたいと感じ、一度決めた決断に対して正当性を保ちたいと考えることです。
特に、現代社会では外からさまざまな刺激を受け取るために、脳はなるべく負担を減らそうとします。
以前におこなった選択と未来で似たようなことが起こった時に、その情報に対して一貫した決定をして、情報処理を抑えているのです。
承諾先取り法
一貫性を利用した手法で、先に承諾を得て後から本来のお願いを提示する承諾先取り法があります。セールスで多く使われる方法です。
まずは相手にとって有利であると思われる条件を提示して、購入する決心を誘い出します。
その後、相手からイエスを引き出した後に、契約が終わるまでの間に相手にとって有利な条件を取り除いてしまう仕組みです。
社会的証明

社会的証明とは、さまざまな場面で他人を模倣しようとすることです。
一定の状況で、人々が感じることや振る舞いは、多くの人がおこなっていることに合わせて人々は行動を決定します。
例えば社会的証明は、その人に根付くあるものに対する恐怖心を取ることもできます。
ある研究室では、犬を怖がる3歳から5歳の子どもたちを選び、その子たちに、小さな男の子が犬と楽しそうに遊んでいる様子を1日20分見せました。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P192より引用
たったこれだけのことなのですが、犬を怖がっていた子どもたちの反応に顕著な変化が生じました。
わずか4日後には、子どもたちの67%が、部屋に誰もいないときに、自ら進んで格子で囲まれた遊び部屋に犬と一緒に入り、そこで犬を可愛がり撫でまわすようになったのです。
不確かさと類似性が引き起こす
社会的証明は、「不確かさ」「類似性」によって引き起こされるものです。
社会的証明は二つの条件下において最も強い影響力を持つ。
一つは不確かさである。人は、自分の決定に確信をもてないとき、あるいは状況が曖昧なとき、ほかの人びとの行動に注意を向け、それを正しいものとして受け入れようとする。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P263より引用
たとえば、状況が曖昧だと、明確な緊急時と較べて、援助に関する傍観者の決定に、ほかの傍観者の行動が大きく影響を与えるようになる。
社会的証明が強い力を発揮する第二の条件は類似性である。すなわち、人は自分と似た他者のリードに従う傾向がある。
私たちは、社会的証明の法則に惑わされないために、類似し他者の行動を見てそれが本当に正しいものなのか自分でよく考えましょう。
また意思決定の際には、自分と似た他者の行動のみを見て決めないことが大切です。
好意

私たちは、好意を感じている相手に承認や同意をする性質があります。
最も好意に影響する要因の一つとして、身体的魅力があげられます。
身体的魅力の影響力はとても大きく、魅力が高いと、才能、誠実さ、知性、親切さなど多くの面がよいと思われる傾向があるそうです。
私たちが身だしなみや外見に気を配るのは、大切なことであることが分かります。
類似性は好意に影響する
身体的魅力は強い人が好意を持たれやすいですが、そのほかの要因で最も影響力が強いのは類似性です。
- 性格特性
- 経歴
- ライフスタイル
- 性格
- 服装
これらの好意の影響力はどのような類似性についても当てはまります。
また好意の法則を使用して、何か頼み事をしたいときや承認を得るために、その人と近しい経歴や趣味について話すことが有効とされています。
たとえば、車のセールスマンは客の下取り車を調べているあいだに、類似点の手掛かりを探すように訓練されています。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P281より引用
もしトランクの中にキャンプ道具が入っていれば、セールスマンは後で、自分も郊外に出かけるのは大好きで、時間が許す限りそうしていると話すでしょう。
後部座席にゴルフボールがあれば、この後ゴルフの予定が入っていて、十八ホール終わるまで天気がもってほしいと思っているんです、と話すでしょう。
このように、相手との類似性を示すことで好意を持ってもらい、承認をもらいやすくすることができます。
権威性

権威性とは、高い肩書や実績がある人物に対して、それが正しいか間違っているかに関わらず、無意識に従ってしまうことを指します。
なぜなら、権威者は一般的に優れた知能と力を持っていると考えられるからです。
その人に従っておけば、よい判断ができるだろうと無意識で考えてしまうためにこの権威性の現象が起こります。
権威は外見に現れる
私たちは、権威について内面から感じ取るのではなく、外面のシンボルに影響されやすいようです。
外見の権威のシンボルは主に、「肩書き」「服装」「装飾品」の三つに分かれると言います。
「肩書き」は、何年も努力と実績を重ねて初めて得られるものです。
そして、人々はそのことを知っているために、医師、弁護士、経営者などと肩書きをラベル付けされるだけで、権威を感じてしまいます。
「服装」では、着ている服によって、人々がその人に感じる権威を上げることができます。面白い実験を見てみましょう。
依頼者が通行人を呼び止め、15メートル先にあるパーキングメーターのそばに立っている男性を指差しました。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P358より引用
依頼者は、普通の服を着ているときも警備員の制服を着ているときも、通行人に向かって同じことを言いました。
「あそこのメーターのそばに立っている男の人が見えますよね。彼は駐車時間を超過してしまったのですが、あいにく小銭を持ち合わせていないのです。彼に10セント硬貨をあげてくれませんか。」
この後、依頼者は角を曲がって歩き去り、通行人がメーターの所に着く頃には、自分の姿が見えなくなるようにしました。
しかし、依頼者がいなくなった後でさえも、制服の威力は持続しました。警備員の服を着ているときには、ほとんどすべての人が通行人の指示に従いました。一方、普通の服のときにそうした人は、半分もいませんでした。
「装飾品」では、人々は宝飾品や車が威厳のシンボルとして注目されます。
実際に、サンフランシスコの湾岸地域でおこなわれたある実験では、高級車は大衆車よりも、敬意をはらわれることが知られています。
信号が青に変わってもすぐ前にいる車がなかなか発進しない場合、それが新型の高級車であるときには、旧型の大衆車であるときと比べて、ドライバーがクラクションを鳴らすまでの時間が長かったのです。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P361より引用
防衛策
権威性に対する防衛策は、その権威が本当に信頼できるものであるか、2つの質問を自分に問いかけることが効果的であるそうです。
「この権威者は本当に専門家だろうか」
→装飾品や外見などの権威者のシンボルから目をそらさせ、それを証明するものに焦点を当てることができる。)
「この専門家は、どの程度誠実なのだろうか」
→知識のみでなく、相手の誠実さに焦点を置くことを思い出させます。状況によっては、相手は相手自身によって不利な情報を共有し、その人に信頼性を置かせることもあるので注意が必要です。)
希少性

希少性とは、失いそうな物事に対して、価値を見出すことです。
例えば、閉店セールを行っているお店があれば、そのお店に入れなくなる前に行っておこうと考える人が増えるでしょう。
また「数量限定」と書かれた商品のチラシを見ると、早く行かなければなくなってしまうと感じるでしょう。
希少性が私たちに心理的に作用する理由は2つあると言います。
1つ目は、入手しづらいものは貴重なものであることが多いために、その質を判定する手がかりとなるためです。
2つ目は、その物が手に入りにくいと感じた瞬間に、その自由を失うことになるからだそうです。
心理的リアクタンス理論
希少性と関連が深い項目に、ジャック・ブレームが提唱した心理的リアクタンス理論があります。
自由な選択が制限されたり脅かされたりすると、自由を回復しようとする欲求から、私たちはその自由(および、それに結びつく物やサービス)を以前より強く求めるようになります。
影響力の武器(著者:ロバート・B・チャルディーニ 翻訳:社会行動研究会)P388より引用
したがって、希少性の増大-あるいは何か別の理由-によって、ある対象にそれまでよりも接しにくくなったときも、その状態に反発(リアクト)し、以前よりもその対象が欲しくなり、より熱心に入手しようとするようになります。
まとめ
影響力の武器は、人を動かすための6つの原則に関して、理由と事例が豊富に掲載されている書籍です。
この本を読めば、私たちは、日々の人間関係を円滑に進めるとともに、大事な商談やプレゼンなどで有利に働く方法が分かるでしょう。
影響力の武器を、ぜひ手に取ってみてください。

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