経営12ヶ条とは、うまく会社経営をするための原理原則を稲盛和夫氏の経験を基にわかりやすくまとめたものです。
物事の本質に目を向けると、経営は複雑なものからシンプルになり、どのような人であっても経営できることを述べています。
これから会社を経営して売上を伸ばし続けたい方は、稲盛和夫氏の経営12ヶ条を知り、その言葉を心に刻んでおきましょう。
本記事では、稲盛和夫氏の経営12ヶ条の第10〜12条を中心に解説します。
あなたが会社経営で壁にぶち当たったとき、経営12条が突破するための行動指針になるかもしれません。
ぜひこの機会に最後までお読みください。
稲盛和夫の経営12ヶ条とは
稲盛和夫氏の経営12ヶ条とは、経営の原理原則を自身の経験を基にわかりやすくまとめたものです。
その12ヶ条は以下で構築されています。
- 第1条 事業の目的、意義を明確にする
- 第2条 具体的な目標を立てる
- 第3条 強烈な願望を心に抱く
- 第4条 誰にも負けない努力をする
- 第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
- 第6条 値決めは経営
- 第7条 経営は強い意志で決まる
- 第8条 燃える闘魂
- 第9条 勇気をもって事に当たる
- 第10条 常に創造的な仕事をする
- 第11条 思いやりの心で誠実に
- 第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
本章では経営12ヶ条を、前半第1〜6ヶ条、後半第7〜12ヶ条にわけて紹介していきます。
それぞれ順番にご覧ください。
稲盛和夫の経営1〜6ヶ条の概要
まずは稲盛和夫氏の経営1〜6ヶ条を見ていきましょう。
内容は以下の通りです。
- 第1条 事業の目的、意義を明確にする
- 第2条 具体的な目標を立てる
- 第3条 強烈な願望を心に抱く
- 第4条 誰にも負けない努力をする
- 第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
- 第6条 値決めは経営
会社経営をするには、事業の目的・意義を明確にすることが重要です。それらが定まったら、具体的な目標にしていきましょう。
たとえば、売上や店舗数、社員数、利益額などを定量的に定めたり、顧客ニーズを明確に設定する必要があります。
そして目標を設定したあとは、強烈な願望を持って前に進んでいくことが大切です。
会社経営では、ただ何となく作業するだけで上手くいくことは稀です。それに運だけで成功しても実力はつきません。
そのため、強烈な願望を抱いて、誰にも負けない努力をすることが求められます。
自分なりの努力ではなく、競合他社と比較して考え抜いているか、工夫をしているかというポイントを意識してください。
経費を使わずに創意工夫や値決めで、どこまで売上を伸ばせるかが経営者に必要な要素です。
稲盛和夫の経営7〜12ヶ条の概要
稲盛和夫氏の経営7〜12ヶ条は以下の通りです。
- 第7条 経営は強い意志で決まる
- 第8条 燃える闘魂
- 第9条 勇気をもって事に当たる
- 第10条 常に創造的な仕事をする
- 第11条 思いやりの心で誠実に
- 第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
まず経営は強い意志があると成功する確率が上がります。
「成功するかわからない」「どうすればKPIを達成できるか不明瞭」ではいけません。
わからないことでも自分で調べたり経営者に聞いたりして、燃えるような闘志と勇気を持って仕事をやり切ることが重要だと稲盛和夫氏も説いています。
第10〜12条については、次の章から詳しく紹介していきます。
第10条 常に創造的な仕事をする
稲盛和夫氏は第10条で、創造的な仕事をすることが大切だと述べています。
ここでは第10条の内容を、以下の2つの要素にわけて解説します。
- 常に改良改善を絶え間なく続ける
- 現在の自分の能力でできる・できないを判断しない
それぞれ順番に見ていきましょう。
常に改良改善を絶え間なく続ける
稲盛和夫氏は、改良改善を絶え間なく続けることが重要だとしています。
今日よりは明日、明日よりは明後日と、常に改良改善を絶え間なく続ける。創意工夫を重ねる。
引用:稲盛和夫
たとえば、掃除のアルバイトのおばさまでも、創意工夫と改良改善を重ねることで、最終的に清掃会社の社長になった事例もあるようです。
どういう立ち回りをすれば効率的に掃除ができるか、どのように指導・育成すればきれいにできるかを徹底的に考えました。
ただ単に掃除をするだけではく、やり方を改良して効率的かつ丁寧に仕事をこなすことが評価されたのです。
そうすると、仕事の質が向上し、企業から「また頼みたい」と思ってもらえるようになります。
稲盛和夫氏は、上記の例を出して絶え間なく改善を続けることが重要と説いています。
現在の自分の能力でできる・できないを判断しない
稲盛和夫氏は「現在の自分の能力でできる・できないを判断しない」ことが大切だとも述べています。
現在の自分の能力で、できるできないを判断していては、新しいことなどできるはずがありません。
引用:稲盛和夫
前述した、掃除のアルバイトが経営者になったケースでも「アルバイトだから...」と創意工夫を重ねたことで経営者になれました。
自分を過小評価し「能力がないから〇〇ができない」と判断していては、新しい未来は広がらないのです。
ほんのちょっとの改良を積み重ねると、今までできなかったことができるようになり、会社は成長していきます。
第11条 思いやりの心で誠実に
稲盛和夫氏は第11条を「思いやりの心で誠実に」としています。
本章では、その内容を以下の3つにわけて解説します。
- 利他の心で取り組んでいく必要がある
- 相手を甘やかすことではない
- 人を成長させることにも取り組む
それぞれ順番にご覧ください。
利他の心で取り組んでいく必要がある
稲盛和夫氏は、会社経営は「利他の心で取り組んでいく」ことが大切だと述べています。
商いには相手がある。相手を含めて、ハッピーであること。皆が喜ぶこと
引用:稲盛和夫
ビジネスにはお金儲けが必須であり、自社の経営状況を常によくしていかなければいけません。
ただし、ビジネスには顧客や取引先、上司、部下などの相手が不可欠です。
自分がハッピーになるために仕事に取り組むのではなく、自己犠牲をしてでも相手のために尽くすのが大切だということです。
この利他の心で仕事に取り組むと、巡り巡って思いやりが自分に返ってくると、稲盛和夫氏は述べています。
短期的には損をしても長いスパンで見れば、必ず素晴らしい成果をもたらしてくれるのです。
相手を甘やかすことではない
稲盛和夫氏は、思いやりの心というのは「相手を甘やかすことではない」とも説いています。
甘やかしていると、成果を上げるだけの実力が伴わず、相手のためにならないからです。
たとえば、雛鳥が可愛いからと人間が餌を与え続けるとします。その雛鳥はリスクなく餌を得られます。
しかし、いざ自立させるときに餌の取り方がわからずに、生きるのが厳しくなる可能性があるでしょう。
これは仕事でも同じです。
「相手の仕事を代わりに行う」のような思いやりではなく、働きやすい環境や仕組みを構築するような意識が大切です。
「思いやりの心=甘やかす」ではないことに留意しましょう。
人を成長させることにも取り組む
思いやりの心とは、単純に甘やかすのではなく「ときには厳しく人を育てていくことだ」とも稲盛和夫氏は述べています。
これからの時代、日本は世界での競争優位性が落ち、より厳しい社会になっていきます。
企業によっては終身雇用ができなくなることもあるでしょう。もう会社が社員を守れなくなってきています。
今までのように会社に守られながらスキルアップさせていては、これからの社会で戦えきれなくなるのです。
そのため、思いやりの心を持って、ときには人を厳しく育てることが重要です。
第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
稲盛和夫氏の経営12ヶ条の第12条は「常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で」です。
これは第1〜11条のまとめともいえる項目です。
本章では、第12条を以下の3つの要素にわけて紹介します。
- 明るく前向きな努力は必ず報われる
- 謙虚で感謝を忘れず、素直な心で努力を重ねる
- 善きことに努める
これが最後の項目になりますので、ぜひチェックしてみてください。
明るく前向きな努力は必ず報われる
稲盛和夫氏は「明るく前向きな努力は必ず報われる」について、以下のように述べています。
明るさを秘めた、前向きでひたむきな努力は、長いスパンで見れば必ずや報われます。自然は、そのようにこの世界をつくっているのです。
引用:稲盛和夫 OFFICIAL SITE
これは10〜30年などの長いスパンで見ると、明るく前向きな努力をしていれば、どのような人でも報われるということです。
そして自然はこのように世界をつくっているとも述べています。
つまり、人間は成功する生き物であり、正しい努力を続けていればいつかは目標を達成できるということです。
今、目標を達成していない経営者は、経営12ヶ条の項目を見直して、利他の心やPDCAを回すことを意識する必要があるでしょう。
謙虚で感謝を忘れず、素直な心で努力を重ねる
美しい心と思いやりに満ち、謙虚で感謝を忘れず、素直な心を持って努力を重ねる。
引用:稲盛和夫 OFFICIAL SITE
稲盛和夫氏は第12条で、思いやりと素直な心をもち、感謝を忘れてはいけませんと述べています。
第11条でも述べたように、利他の心で相手を思いやれば、その成果がいつか自分に返ってきます。
そして、素直な心を持って努力を重ねると、仕事が常に改善されていき、会社の成長につながるのです。
善きことに努める
そのように善きことを思い、善きことに努める人々の運命は必ず開けていく、と魂の奥底から信じています。
引用:稲盛和夫 OFFICIAL SITE
前述した内容に続いて、稲盛和夫氏は「善きことに努める」と人々の運命は開いていくと、心の奥底から信じていると述べています。
誰のためにならない事業ではなく、人や社会のためになることに注力すると、自然と人が集まったり、仕事の依頼につながったりするでしょう。
「どうすれば人の役に立つのか」を常に考えて、正しい努力をすることが重要です。
まとめ
今回は、稲盛和夫氏の経営12ヶ条の第10〜12ヶ条について解説しました。
以下の経営12ヶ条を心に刻み、会社経営に落とし込むと、売上の安定化につながる可能性があります。
- 第1条 事業の目的、意義を明確にする
- 第2条 具体的な目標を立てる
- 第3条 強烈な願望を心に抱く
- 第4条 誰にも負けない努力をする
- 第5条 売上を最大限に伸ばし、経費を最小限に抑える
- 第6条 値決めは経営
- 第7条 経営は強い意志で決まる
- 第8条 燃える闘魂
- 第9条 勇気をもって事に当たる
- 第10条 常に創造的な仕事をする
- 第11条 思いやりの心で誠実に
- 第12条 常に明るく前向きに、夢と希望を抱いて素直な心で
会社経営で思ったより成果が上がらないと考えている方は、ぜひ参考にしてみてください。
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