「見込み顧客ってどうやって育成するの?」
「集客に力を入れても購入に繋がらない…」
「新規顧客の開拓にリソースを取られてしまっている…」
と、お悩みではありませんか?
購入までの期間が長いBtoBや高額商品の販売には、見込み顧客の育成が効果的です。しかし、未だに集客ばかりに力を入れて見込み顧客の育成がおろそかになっている企業が多いようです。
そこでこの記事では、以下の内容を説明します。
- 見込み顧客育成の手法
- 見込み顧客を育成するステップ
- リードナーチャリングのメリット・デメリット
見込み顧客育成(リードナーチャリング)の理解を深めるためにも、ぜひ最後までお読みください。
見込み顧客とは
既存顧客やリピーターのように自社商品やサービスを購入したことがある客層だけでなく、見込み顧客にアプローチすることでさらなる売上アップが見込める可能性があります。
見込み顧客という客層を把握し、適切なアプローチ方法を検討していきましょう。
見込み顧客は商品やサービスに興味を持っている
自社の商品やサービスに興味を持っている段階の人を見込み顧客といいます。
たとえば次のような状態の人は見込み顧客に分類されます。
- 自社の無料サービスを利用した人
- メールマガジンに登録した人
- お問い合わせや質問を行った人
- 資料を請求したりダウンロードしたりした人
- セミナーに参加した人
- 商品やブランドを検索したことがある人
このように商品やサービスを認知しており、なんらかのアクションをしたことがある人を見込み顧客と呼びます。
見込み顧客と潜在顧客の違い
見込み顧客と潜在顧客には明確な違いがあります。
というのも、見込み顧客は商品やサービスに興味を持っているのに対して、潜在顧客は商品やサービスを認知していない状態の顧客を指すためです。
つまり、潜在顧客は見込み顧客の前段階といえます。
潜在顧客が商品やサービスに興味を持てば見込み顧客になる可能性があるので、潜在顧客も見逃してはいけないターゲットです。
マーケティングにおける見込み顧客の重要性
見込み顧客は商品やサービスを認知しており、興味を持っているため、潜在顧客と比較すると商品やサービスを購入してもらえる可能性が高いです。
ほとんどの見込み顧客は、複数の商品やサービスを比較しながら検討しています。
そのため、見込み顧客にアプローチしないと見込み顧客が競合に流れてしまう可能性があります。
長期的な視点で見たときに機会損失につながらないよう、新規顧客やリピーターだけでなく、見込み顧客へのアプローチも欠かさないように取り組むのがおすすめです。
見込み顧客を育てるリードナーチャリングとは
リードナーチャリングとは、見込み顧客に継続的にコミュニケーションをとることで興味関心を高め、商品・サービスの購入に繋げる施策です。
BtoBのビジネスや不動産や車などの高単価商品を販売するビジネスの場合、購入までの検討期間が長く、リードナーチャリングをしなければ購入に至らずに競合に流れてしまいます。
BtoBや高単価商品のマーケティングは3段階のプロセスがあります。
リードジェネレーション | 見込み顧客を獲得する施策 対象:潜在顧客 |
リードナーチャリング | 見込み顧客の購買意欲を高める施策 対象:顕在顧客 |
リードクオリフィケーション | 購買意欲の高い見込み顧客を選ぶ施策 対象:ホットリード |
リードナーチャリングは、リードジェネレーションで獲得した潜在顧客をセグメントに分けて購買意欲を高めていきます。
育成した見込み度の高い顧客の中でも、特に確度が高い見込み顧客を絞り込むのがリードクオリフィケーションです。
リードナーチャリングで顧客の購買意欲を高めることで、優良顧客を獲得し集客のロスを減らせます。
的確なアプローチのために知っておきたい顧客の心理段階
見込み顧客を育成するためには、見込み顧客の前段階である潜在顧客が商品やサービスを購入するまでの心理段階を知っておく必要があります。
顧客の心理段階はおもに次の5段階に分かれます。
- Awareness(Browsing):欲しい商品やサービスをネットなどを利用して探している段階
- Visit:きっかけを問わず自社のWebサイトやECサイトを訪問した段階
- Lead【見込み顧客】:資料請求やメルマガ登録、会員登録など、商品やサービスに興味を持っている段階
- Opportunity:見込み顧客のなかでもとくに商品の検討角度が高い段階。商品をカートに入れたり、来店予約をしたりなど
- Customer【新規顧客】:実際に購入に至った段階
このように、顧客セグメントを加味したうえで見込み顧客の育成を実施していくと、コンバージョン率がアップする可能性があります。
見込み顧客を育成するための手法7選
見込み顧客を育てるには、1つだけのアプローチではなく複数の手法を使い興味関心度を高めるのが効率的です。
- オウンドメディア
- SNS
- メール
- リターゲティング広告
- セミナー
- ダイレクトメール
- テレマーケティング
これらの手法を使うことにより、見込み顧客とのタッチポイントが増え情報発信がしやすくなります。
1. オウンドメディア
自社のオウンドメディア(Webサイト)にブログやコラムなどの自社コンテンツを投稿して、見込み顧客に対して情報提供を行う方法です。
自社商品・サービスの紹介だけでなく、一般的なお役立ち情報やお悩み解決のトピックスを投稿することで、潜在顧客にもアプローチすることができます。
自社のWebサイトにコンテンツを継続して投稿すると、将来的に情報が蓄積されたストック型のコンテンツとして利用できますが、古いコンテンツは適宜リライトして情報を更新する必要があります。
2. SNS
SNSで情報発信を行うことで、自社のブランディング強化やフォロワーとの関係構築ができます。SNSは発信するだけでなく、フォロワーのコメントに個別に対応できるため、信頼関係を結びやすいです。
SNSだけでは見込み顧客の本名や会社名などを知ることが難しいため、自社Webサイトなどのメディアに誘導する必要があります。
各プラットフォームの分析ツールが充実しているため、投稿に対する反応を追いやすくニーズの把握に役立つのもメリットです。
3. メール
資料請求などで得たメールアドレスに、イベントや新商品の案内メールやコラムを配信して教育する手法です。メールの使い方には3種類あります。
メールマガジン | 見込み顧客に一斉にメールを定期配信する |
ステップメール | ストーリーが組み立てられた複数のメールを定期的に1通ずつ配信する |
ターゲティングメール (セグメントメール) | セグメントに分けた見込み顧客のグループごとに内容の異なるメールを配信する |
普段はメールマガジンで顧客のニーズに合ったコンテンツを配信し、新商品・サービスの販売前にターゲティングメールを配信することが多いです。
ステップ配信は興味関心度合いをストーリーで引き上げられるため、見込み顧客がメールアドレスを登録してすぐに配信されます。
LINE公式アカウントもメールと同じような一斉配信やステップ配信、セグメント配信ができるのでおすすめです。
4. リターゲティング広告
リターゲティング広告は、一度自社のWebサイトに訪問したり、動画を視聴したりしたユーザーに広告を表示するものです。
自社に対して一度アクションを起こしているため、商品・サービスの購入を検討していると考えられアプローチがしやすい利点があります。また、広告を表示することで自社を意識させて、見込み顧客が他社に流れるのを防ぎます。
リターゲティング広告が多いとユーザーに鬱陶しく感じられてしまうため、広告の表示頻度の調整が必要です。
5. セミナー
セミナーは見込み度の高い顧客に対して効果のある手法です。わざわざ時間を割いてセミナーに参加してくれる見込み顧客は興味関心度が高いと言えるでしょう。
オウンドメディアのブログやSNSで発信する内容は一般的なものになりがちですが、セミナーはクローズドな場であるため専門的なテーマも扱えます。
会場型のセミナーはもちろん、オンラインのウェビナーでも自社の担当者の顔を見せることで信頼関係の構築がしやすくなり、複数回のセミナーを開催することで接触回数を増やすこともできます。
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6. ダイレクトメール
郵送やFAXのダイレクトメールは、適切にセグメント分けされたリストに沿って実施されていれば、見込み顧客の教育に役立ちます。
見込み顧客のニーズが高まるタイミングで自社商品・サービスの案内を行うことで購買意欲を高められます。
執拗にダイレクトメールを送りすぎると悪い印象を与える可能性があるので、タイミングを見極めることが大事です。
7. テレマーケティング
テレマーケティングは、見込み顧客に電話をして商品・サービスの案内をすることです。
ダイレクトメールと同じように適切なセグメント分けとタイミングが重要で、ニーズのない見込み顧客に何度も電話をすると嫌がられる可能性が高いです。
見込み度の高い顧客であれば問題点を個別に解決することができるため、信頼関係の構築に役立ちます。
見込み顧客を育てる4ステップ
適切な方法で見込み顧客を育てると、営業効率が上がります。多くの見込み顧客と信頼関係を構築するために必要なプロセスなので、順番に実行してみてください。
- 集めた見込み顧客のデータを整理し、セグメントを分ける
- 各セグメントに合ったシナリオを作成する
- シナリオに必要なコンテンツを作成する
- 運用後に効果の分析を行う
リードナーチャリングはPDCAで成果を最大化することで、効率よく見込み顧客の育成ができます。
1. 集めた見込み顧客のデータを整理し、セグメントを分ける
リードジェネレーションで収集した見込み顧客のデータを属性やニーズなどのセグメントに分けていきます。
顧客情報を分類するのに便利な手法が、CRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)です。CRMは、顧客情報やコミュニケーションを一元管理するものです。
顧客の連絡先などの個人情報や、SNSやメールでのやり取りで得た情報などを一元管理することで、担当者だけでなく社員全員が見込み顧客に対する認識を統一することができます。
2. 各セグメントに合ったシナリオを作成する
シナリオとは、顧客へのアプローチ方法や顧客が契約までに通る道筋のことです。
ステップメールやLINE公式アカウントのステップ配信のようにシナリオを事前に作成し、条件に合った見込み顧客に配信していく方法がよくとられています。
シナリオだけでは契約に至りづらいため、セミナーでのセールスや営業担当による個別面談などが必要です。
あくまでもシナリオは顧客の見込み度を上げるものですので、セグメントに分けた見込み顧客のニーズに合わせて設定する必要があります。
3. シナリオに必要なコンテンツを作成する
シナリオには見込み顧客の興味関心に合わせたコンテンツが必要です。自社の商品・サービスの魅力や、使うことで得られる未来などをわかりやすく表現しましょう。
テキストコンテンツだけでなく、動画やパワーポイントの資料も含めて運用していけば、見込み顧客を飽きさせることなく見込み度を引き上げられます。
見込み顧客が不要と感じる情報を届けると、コンテンツを見るのをやめてしまったり、押し売りだと思われたりするため、見込み顧客のニーズを明確にすることが大事です。
4. 運用後に効果の分析を行う
シナリオは実施してすぐに成果が出るとは限りません。見込み顧客の反応や行動を分析し、適宜改善することが必要です。
分析にはスコアリングという手法が有効です。
見込み顧客ごとに反応や行動に対して点数を加減し最終的なスコアで、顧客の見込み度がわかります。コンテンツに付されたスコアから、どれが反応しやすいものかなどを判断することも可能です。
低スコアのコンテンツは改善し、高スコアの見込み顧客は営業担当が接触を図るなど、リードナーチャリングを効率的に行えます。
リードナーチャリングのメリット3選
リードナーチャリングをすることで得られるメリットは3つです。
- リピーターの育成ができる
- 休眠顧客を掘り起こせる
- 適切なタイミングで情報を届けられる
見込み顧客を育てることは、自社商品・サービスを継続して購入してくれる顧客を生み出すことでもあります。
優良顧客が増えることは自社の発展につながりますので、メリットが自社に活かされているか見極めつつ、リードナーチャリングを行いましょう。
1. リピーターの育成ができる
リードナーチャリングは、見込み顧客の段階に合わせて継続的にコミュニケーションをとるため、自社に愛着を持ってもらいやすく他社に流れてしまうのを防ぐ効果があります。
5:25の法則は、顧客離れを5%改善すれば利益率が25%向上するというマーケティングの法則です。顧客が離れてしまうと新規顧客を掘り起こさなければならず、より多くのコストがかかってしまいます。
見込み顧客の段階から信頼関係を築くコンテンツなどを用意することで、顧客離れを防ぎリピーターに繋げることができるのです。
2. 休眠顧客を掘り起こせる
集客した見込み顧客の中には、興味関心が薄い顧客だったためにアプローチを後回しにしてしまった人がいます。営業担当は確度の高い「今すぐ客」だけにコンタクトをとることが多いため、それ以外の見込み顧客を放置しがちです。
集客しても何もしなければ見込み度が減っていき、結果的に他社に流れてしまいますが、継続的にコミュニケーションをとれば、将来自社商品・サービスを選んでくれる可能性が高まります。
集客した見込み顧客が他社に流れてしまえば、それは集客コストのロスとなりますが、リードナーチャリングはロスを最大限防ぐことができます。
3. 適切なタイミングで情報を届けられる
見込み顧客をセグメントに分け行動や興味を一元的に可視化しているため、顧客の必要なタイミングで必要な情報を届けることができます。
見込み顧客は検討機関や購買タイミングが異なるため、一斉にアプローチするのは非効率です。リードナーチャリングは無駄な購買プロセスを経る必要がないため、営業コストを削減しつつ売上を増やすことができます。
リードナーチャリングの2つのデメリット
リードナーチャリングは見込み顧客から優良顧客へと育てるのに必要な施策ではありますが、デメリットもあります。
- コンテンツ制作にリソースが必要
- 適切な集客ができていなければ効果が薄い
リードナーチャリングは数か月以上結果が出ないこともありますが、最終的な目標を目指して焦らず見込み顧客を育てていきましょう。
1. コンテンツ制作にリソースが必要
リードナーチャリングは継続的に見込み顧客にアプローチすることで信頼関係を構築できる反面、様々なコンテンツを作らなければなりません。
見込み顧客の検討度合いに合わせて最適なコンテンツを作り続ける必要があり、分析や改善にも多くのリソースが必要です。
そのため、リードナーチャリングを行う企業の多くがMAツール(マーケティングオートメーションツール)を導入しています。顧客管理やシナリオの作成などを自動で行えるため、検討してみてもいいでしょう。
2. 適切な集客ができていなければ効果が薄い
リードナーチャリングは、適切なリードジェネレーションがあって初めて効果を上げられます。興味が薄い見込み顧客ばかりでは、時間がかかるばかりでなかなか育成に繋がらないため、確度の高い見込み顧客の集客が必要です。
見込み顧客が上手く育たない場合、リードナーチャリングの改善とともに、集客方法が適切かどうかも確認しましょう。
見込み顧客を育てるには、長期的な信頼関係の構築が重要
この記事では、見込み顧客の育て方(リードナーチャリング)について説明しました。
見込み顧客を優良顧客にまで育成することは、自社のコスト削減と売上アップにつながります。顧客のニーズや悩みは多岐に渡るため、顧客に合った情報提供が欠かせません。
自社のオウンドメディアやSNSなどを活用し、見込み顧客と長期的な関係を築くことで自然と問い合わせや購入をしてもらうアプローチが重要です。
集客で終わらず見込み顧客の育成も行い、営業の効率化を図りましょう。
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