「競合より一歩リードしたサービスを提供したい」「安定した医療経営を目指したい」と医療経営・マーケティングにお悩みの人も多いでしょう。
医療経営・マーケティングにおいて、画期的なアイデアで成功した事例はたくさんあります。
そこで今回は医療経営・マーケティングの成功事例20選を紹介!
ぜひ「選ばれる医院」になるための参考にしてみてください。
医療経営・マーケティングで成功するポイントとは?
医療経営・マーケティングで成功するポイントは3つあります。
新規顧客やリピーター獲得のための取り組みを行って、安定した医療経営を目指しましょう。
もし、すぐにでも医療経営・マーケティングについて詳しく学びたい、自社に導入したいとお考えの方は、こちらの記事もオススメです。
サービスの宣伝を行う
医療経営・マーケティングで大切なのは、インターネット上でサービスの宣伝を行うことです。
インターネットが普及したことにより、ホームページや口コミなどの情報から病院を選ぶ人も増えました。
また、ブログやSNSを運用している病院も増加しています。
患者さんに病院を知ってもらう機会を増やすためにも、インターネットマーケティングは必須と言えるでしょう。
サービスの質にこだわりリピーター獲得に努める
安定した医療経営を行うには、新規患者だけでなくリピーター獲得に努める必要があります。
そのためには、患者さん一人一人へのサービスの質にこだわりましょう。
たとえば診察の際に次回の来院予約を行ったり、コミュニケーションに力を入れて再び来院しやすい雰囲気を作ったりなど、患者さんの満足度を高める取り組みが必要です。
またメールやSNSを活用して、病院の情報を発信するのも一つの方法でしょう。
患者さんのニーズを正確に汲み取る
医療経営において大切なのは、地域に密着した病院であることです。
地域に住んでいる人の年齢層やライフスタイル、生活習慣などを掘り下げ、「どんなサービスが必要とされているのか」を見極めましょう。
医療経営・マーケティングに成功している病院の共通点は、他院との差別化です。
患者さんのニーズを汲み取り、オリジナリティのあるサービス提供を行いましょう。
医療経営・マーケティングの成功事例20選
医療経営・マーケティングの成功事例20選を紹介します。
実際の事例を参考に、今後の経営戦略に活かしてみてください。
「ガチャポン」で子どもが行きたくなる病院に
医療機関向けのガチャポン無料レンタルサービス「がちゃポン先生®︎」は、病院に行きたくないお子さんの心のハードルを下げてくれる取り組みです。
診察や治療の際に泣いてしまったり、暴れて治療できなかったりするお子さんの対応は難しいもの。
「診察や治療が終わったらガチャポンができる」という流れを作れば、おとなしく診察・治療を受けるお子さんが増えるでしょう。
診察・治療がスムーズに進むのはもちろん、新規・リピーター獲得にも効果的なサービスです。
病院の天井アートで子どもたちの癒しの空間に
カンボジアの病院の天井に絵を描く「ホスピタルアート」は、2016年に始まった取り組みです。
発展途上国で小児医療支援をする非政府組織ジャパンハートと、童画家の中山忍さんが「病院を訪れる子どもたちが少しでも安心した気持ちになってくれれば」という想いで始めました。
天井に描かれるのはポップでキュートな動物や青空の絵。
中山さんの「手術台に寝たとき、絵を見て不安が和らぐように」という想いがつまった、遊び心あふれる作品に仕上がっています。
人気キャラクター「マイメロディ」をテーマにした歯科医院
ハーツデンタルクリニック(埼玉県草加市)は、株式会社サンリオの人気キャラクター「マイメロディ」をイメージキャラクターに採用した珍しい歯科医院。
「ヤダヤダ怖い」という歯科医院のイメージを一新し、「ニコニコ明るく楽しい」歯科医院作りを目指した取り組みなのだそう。
内装はもちろん、外観にも「マイメロディー」がデザインされるなど、子どもから大人まで楽しい気分になる空間に仕上がっています。
大切なものを治したい気持ちに寄り添う「ぬいぐるみ病院」
ぬいぐるみを大切な家族として考えるユーザーの気持ちに寄り添った「ぬいぐるみ病院」。
もちろん病院でもぬいぐるみを一人の存在として扱うため、「クリーニング」や「修理」といった表現はしていません。
入院→治療→退院という流れで、傷ついたぬいぐるみを受け入れます。
そういった姿勢が多くの人から共感を呼び、入院が1年待ちとなるケースも。
徹底的にユーザーの気持ちに寄り添うことで、成功したサービスと言えるでしょう。
病院の仕事を知ってもらう写真展「湘南鎌倉総合病院」
「実はこんなことをしています!働く職員の写真展」は、2020年に湘南鎌倉総合病院で開催されました。
「新型コロナウイルスの影響で疲弊していく医療の現場を元気づけよう」という想いで開催されたこの写真展は、受付の職員や手術室ではたらくスタッフなど、約80点の写真を展示。
スタッフ宛のコメントを投函できる箱には、「皆さんのおかげで安心して通院できることに感謝」といった、あたたかいメッセージが寄せられています。
患者さんとスタッフの両方が、お互いの気持ちを知って元気づけられる写真展となりました。
楽しく治療を受けられる空間に「歯科クリニック×デザイン会社のコラボ企画」
マドリード、バルセロナなど国内にクリニックを併設した25拠点を展開するiDental Dental Social Assistance (iDental Asistencia Dental Social) 社は、デザイン会社Digitot社とコラボし、2014年にクリニックの外観、内装、設備などのデコレーションを実施。
「患者さんにもっと楽しく、明るい気分で治療を受けていただきたい」という気持ちで始まったこの取り組みは、Digitot社のインクジェットプリンターを活用し、壁一面にヒーローや恐竜、宇宙などが描かれました。
オープンで鮮やかな空間は、たくさんの患者さんを楽しませています。
黒田官兵衛もリハビリした温泉に作られた「有馬温泉病院」
「こころとカラダのリハビリと、全員が幸せになる病院になる」という目標を掲げている医療法人甲風会「有馬温泉病院」。
黒田官兵衛もリハビリしたと言われる有馬温泉に作られた有馬温泉病院では、車椅子に対応した足湯やリフト付きの大浴場など、あらゆる患者さんが温泉を利用できるシステムを導入しました。
現在でも「温泉のある病院」として、多くの人が来院しています。
VRを活用してリハビリに新しい風を
「mediVR カグラ」はVRを活用し、定量的なリハビリができる医療機器として注目を集めています。
経済産業省主催のジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2018では、グランプリを受賞しました。
医療法人えいしん会『岸和田リハビリテーション病院』は「mediVR カグラ」を導入し、これまでの課題だった定性的なリハビリ環境を大幅に改善することに成功。
その影響から、来院する患者さんや問い合わせが増えています。
米国で成果を上げた新しい認知症予防プログラム
2016年に開業した医療法人社団TLC医療会ブレインケアクリニック(東京都新宿区)では、精神疾患者の診療だけでなく、「リコード法」と呼ばれる治療にも力を入れています。
リコード法は、認知症予防プログラムに基づく治療法。
認知症になりやすい因子を精密に調べ、その結果をもとに生活習慣の改善方法など、一人一人に合わせたオーダーメード認知症治療を行います。
今野名誉院長は2019年、日本で初めてリコード法認定医を取得した第一人者としてメディアに取り上げられたこともあり、注目が向上。
今では100名以上の患者がプログラムを実行しているといいます。
一流ホテル「リッツ・カールトン」のような病院
兵庫県姫路市に位置する「石橋内科・広畑センチュリー病院」は、2000年に開業してからというもの、医療業界でもいち早くCS(患者満足)に取り組み始めました。
石橋内科は元ザ・リッツカールトンホテル大阪の営業統括支配人として活躍していた林田正光氏の指導を受け、実に13ヶ月かけてクレドを作成。
「患者様の求める手作りの医療」という信条を掲げ、一流ホテルのようなホスピタリティを提供しています。
職員の病院に対する忠誠心の醸成、外部講師によるホテルマナー研修、新人職員の人間形成研修など、革新的な取り組みはメディアにも取り上げられて話題になりました。
医師や看護師の仕事を体験!小学生むけの夏休み病院体験ツアー
社会医療法人敬和会大分岡病院は、「夏休みだ! 病院探検ツアー」と題して小学生向けの夏休みイベントを実施しています。
ツアーに参加するのは小学4〜6年生の約20名。
夏休みの一日を使って、手術体験、看護体験、コメディカル体験など、さまざまな体験に参加できます。
なかでも鶏肉を電気メスで切開してから縫合する手術体験は、外科医がサポートしてくれるため、本格的な技術が学べると人気。
例年たくさんの応募があるほどの人気イベントで、将来、医師や看護師を目指す子どもたちからは「夢に一歩近くことができた」という声も上がっているそうです。
患者のニーズをつかみ専門に特化した診療所に
大阪府大阪市の石川泌尿器科は、がんなどの腫瘍から外傷、結石、血尿など幅広く診療する一般泌尿器科として開業しました。
しかし病院経営を続けるなかで患者のニーズをつかみ、開業8年目に専門診療にシフト。
現在は1日に訪れる初診患者の実に8割が、梅毒、淋病、クラミジア、性器ヘルペス、HIVなどの性感染症関連で受診しています。
石川泌尿器科は性感染症に悩む人に向けて「性病専門サイト」も開設。
サイトを見た性感染症に悩む20〜40代の男性患者が多数来院する専門病院になりました。
患者のニーズをいち早くキャッチし、他院との差別化に成功した事例です。
「困ったらここに」子どもに特化した複合的な診療を
「柊みみはなのどクリニック」は、医院のコンセプトを明確に打ち出すことで、他院との差別化に成功しました。
子どもが怖がらずに受診、治療できる環境づくりにこだわった同院は、次のような取り組みを実施。
- 子どもが見て楽しめるホームページにする
- 院内にタペストリーや人形を置く
- クイズに正解したらプレゼントを渡す
- 治療後にシールやおもちゃ、ガチャポンなどができる
また、耳鼻咽喉科のほかにも歯科、皮膚科、小児科を有しているため、「子どもの体のことで困ったらここ」というポジションを確立しました。
患者として通院していた子どもが成長してスタッフとして働いてくれたり、自分の子どもを連れてきてくれたりすることもあるそうです。
2万8000以上の会話パターンで患者を応援する先生
脳卒中を主とした神経疾患の専門病院である美原記念病院は、診療のなかでもリハビリテーションに力を入れています。
「患者とのコミュニケーションには応援の姿勢が不可欠」という想いから開発された「ハイタッチ先生」は、ハイタッチで患者さんを応援するデジタルサイネージの先生です。
ハイタッチ先生はリハビリセンターの入口で患者さんを出迎えます。
患者さんがハイタッチ先生の手のひらにハイタッチすると、静脈センサーで個人を認証。
一人一人にあったメッセージを表示し、患者さんの機能回復を応援します。
メッセージは実に2万8000以上のパターンがあり、リハビリのアドバイスや趣味やスポーツに関する雑談まで、実際に会話をするようなやり取りが実現しました。
病気と闘う子どもたちをヒーローに「シックキッズ基金」
カナダで活動する小児専門病院のための基金団体「シックキッズ基金」は、2017年、国際エコー賞(DRMにおける国際的なアワード)を受賞。
病気と闘う子どもたちをヒーローに見立てた交通広告や屋外広告で、子どもたちとともに病気と闘おう」というメッセージを多くの人に伝えました。
具体的に必要な支援人数と緊急性を訴える動画は、そのストーリー性も相まって多くの人が共感。
毎月継続的な寄付を行う人が前年に比べ18%増えたほか、目標達成となる3000人以上の寄付者を獲得しました。
医療問題を解決するカードゲームを開発「病院×デザイン大学」
アメリカやメキシコで大きく広がっている肥満問題。
しかし実はロンドンも肥満問題を抱えている都市の一つなのです。
子どもたちの22%が肥満体型という割合は、世界でもかなり多い部類に入るのだそう。
そこでロンドンのセント・メアリー病院にあるHELIX Centreというデザインスタジオが提案したのが、「Zilli」という新しいカードゲームです。
9〜13歳の子どもたちをターゲットに考案された「Zilli」は、誰でも手軽に楽しめるよう安価で提供。
人とのつながりを感じながら楽しめる運動が、カラフルなカードに描かれています。
同プロダクトは、クラウドファンディングサイトKickstarterで公開されてすぐに、約100万円、300人以上から支援を受け、実際に支援した人たちの元に届けられました。
医療業務ごとの採用ページでプロフェッショナルを採用
看護師専門情報ポータルサイト「かがやきナース」の調査では、東京都における看護師の就職先として、もっとも人気が高い病院は「聖路加国際病院」という結果が出ています。
※算出方法:各病院ページへのアクセス数、平均滞在時間を掛け合わせた数字をポイント化し、ポイントが多い順に集計|期間:2018年5月〜2019年4月
「聖路加国際病院」が選ばれている理由は、ホームページに11の職種ごとに個別の採用ページを設けていること。
全人的医療を行うため、全職員の専門性を結集することを目指し、各分野のプロフェッショナル育成を基本方針としています。
医療が進歩したことにより業務が複雑化するなか、細かく分けた職種の人材を採用すれば、より高度で専門的なサービスを提供できるでしょう。
医療従事者の感染リスクを減らす「移動型診療所」
移動型診療所である「モバイルクリニック」は、医療従事者の感染リスクを最小限まで減らすことを目的に設計されました。
感染予防対策設備をはじめ、悪天候にも負けない耐久性を持っているため、次のような場所への派遣が可能です。
- 新型コロナウィルス対策で発熱専用外来や検査室を増やす必要がある病院・介護施設
- 院内感染を防ぐため陰圧室を別棟で建てる必要がある総合病院
- 公共イベントの開催場所や交通機関のハブ
また被災地や過疎地域の医療拠点としての活躍も期待されています。
昼間に通院困難な人のために「夜しか開かない精神科診療所」
大阪・アメリカ村にある「アウルクリニック」は、夜の診療所として2014年に開院。
同院は、これまで4,000人以上の事情があって昼間には通院できない人の診療を行ってきました。
「精神科、心療内科の専門医として数多くの患者を診察するうち、精神疾患を抱えている人は朝や昼間の外出が難しい一方、夜間診療のクリニックが少ないことに気付き、“夜間診療をしないと受診できない診察難民がいる。そうした人々に向き合うことが真の医療”と考え、若者の多いミナミ周辺で夜間診療を行うクリニックの開設を思い付いた」と語るのは院長である、片上徹也氏。
その取り組みは、さまざまなメディアでも取り上げられています。
新しいイベントで病院を地域コミュニティの場に
姫野病院では「普通の病院では実施しないようなイベントを開催し、地域にひらけた病院になること」を目指しているユニークな方針の医院。
医療福祉をはじめ、次のような面白い取り組みを行っています。
- 無料送迎バス
- 婚活
- 「久留米餅」ギャラリー
- マンガ本やゲーム機の設置
- 夏祭りの開催
マンガ本は18,000冊を用意するなど、どの取り組みにも本気で取り組んでいることが伺えます。
「誰でも気軽に足を運べる場所・元気な方がくる病院」を目標に行われる取り組みは、メディアでも大きな話題を呼んでいるそうです。
このような医院の取り組みは、卓越したマーケティング理論に基づき実践されています。
今よりさらに自社・自院の経営状態を改善し成長させていくか、その方法を学べるのか、どこで身につけることができるのか、それがわかるのがこちらの記事になります。
まとめ
医療経営・マーケティングにおいて大切なのは、患者さんのニーズをサービスに取り入れ、それをより多くの人に知ってもらうことです。
またサービスの質にこだわることで、リピーター獲得も期待できるでしょう。
今回紹介した事例では、独自性のあるサービスが成功につながっています。
競合との差別化を図り、「自院にしか提供できない医療」を目指していきましょう!
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