- 「自社製品の売上が伸び悩んでいる」
- 「新しいアイデアを既存の製品に取り入れたい」
こんなお悩みはありませんか?
デザイン思考はデザイナーだけの考え方ではありません。ビジネスおいても応用されています。
デザイン思考の特徴は、表面上の問題を解決するのではなく、根本的な課題を探ること。GoogleやAppleなど、世界を股に掛ける大企業も取り入れている考え方です。
今回はデザイン思考のプロセスとマインド、他の思考との違いを解説。
デザイン思考を活用できるフレームワークも紹介するので、既存の製品に磨きをかけるために有効な思考法をお探しの方は、この記事を参考にしてください。
デザイン思考とは「ユーザー視点の考え方」
デザイン思考とは、デザイナーやクリエイターの思考を応用した、ユーザーの体験をつくる思考法です。
デザインと聞くと表面的な装飾をイメージする方が多いかもしれませんね。
英語の「Design」は、装飾の他に設計とも訳されます。デザイン思考は、まさに設計という考え方に準ずるアプローチ方法です。
何が課題なのかを見出し、実現可能な解決策を考えるデザイン思考。その考え方は、ユーザーのニーズを観察、共感することからスタート。
課題を定義して大量のアイデアを出し、ユーザーにテストしながら試行錯誤を繰り返します。
デザイン思考は、多様化するユーザーのニーズに対応しやすい考え方といえるでしょう。
デザイン思考が必要とされる理由
デザイン思考が注目されている理由は、市場の変動、ユーザーが抱えるニーズの多様化にあります。
従来のビジネスモデルは、市場やユーザーのニーズなどの調査を経て、仮説を立て検証するアプローチ方法が主流でした。また経験則を含めた課題を、大勢で解決していく方法も挙げられます。
しかし現代は人によって求めるものが異なる、予測が難しい変動の時代。世の中は便利なモノに溢れ、一人ひとり欲しがるものが異なります。
そのため現代では、ユーザーの感情に訴えかけ、創造的に解決方法を導き出さなければモノが売れません。
現代に求められるビジネスの形は、ユーザーに「この製品は自分にぴったりだ」と思ってもらうこと。
ユーザーのニーズは幅を広げるのではなく、深く掘り下げることが大切です。
デザイン思考は「ユーザー中心」というマインド
デザイン思考は、顧客第一主義とは異なります。
2つの違いは以下のとおりです。
ユーザー中心:根本の悩みを一緒に考え、解決に導く
ユーザーが欲しがるものを差し出すことが顧客第一主義。それに対し、ユーザー中心のデザイン思考は、ユーザーの言動から欲しいものを聞いて深く分析することを目的とした考え方です。
そこには、ユーザー自身が気づいていない悩みを解決する手掛かりが潜んでいます。だからこそデザイン思考は、他社との差別化につながるのです。
デザイン思考は他の考え方と何が違う?
デザイン思考と他のビジネスモデルの考え方を比較してみましょう。
紹介するのは以下の3つです。
- アート思考
- 論理的思考
- 批判的思考
どれがよい、悪いというものではないため、ケースによって使い分けるとよいでしょう。
アート思考との違いは「スタート地点」
デザイン思考とアート思考の違いは、スタート地点です。
しかしアート思考は、固定観念にとらわれない自由な発想からスタートを切ります。現実的ではないことも含めるアート思考は、斬新なアイデアが生まれやすいでしょう。
つまりアート思考は、ゼロからイチを生み出す思考です。
一方デザイン思考は、ユーザーのニーズを基準とする考え方。
ユーザーの声を反映するところからはじまるデザイン思考は、 ゼロからのスタートではなく、既に存在する製品やサービスをブラッシュアップさせる場合に有効
です。
デザイン思考とアート思考には、アイデアをつくり出すという共通点があります。目的によって、それぞれ使い分けるとよいでしょう。
論理的思考・批判的思考との違いは「過程・アプローチ方法」
デザイン思考と論理的思考、批判的思考との違いは、問題解決への過程やアプローチ方法にあります。
論理的思考(ロジカルシンキング)は、情報を整理して話の論旨を明らかにする思考法。
また批判的思考(クリティカルシンキング)は、現状を把握して問題解決を図る思考法です。
これに対しデザイン思考は、ユーザーに寄り添った思考法。ユーザーを観察し、共感することで、ユーザーにぴったりの解決法を考えることに長けた考え方です。
デザイン思考の取り入れ方|5つのプロセス
デザイン思考は、ユーザーのニーズに対する新規性が高い考え方。適切な解決方法を見出すために有効です。
デザイン思考のプロセスは、以下の要素5つから構成されています。
- 観察・共感:Empathize
- 定義:Define
- 概念化:Ideate
- 試作:Prototype
- テスト:Test
これら5つのプロセスは、順番どおりでなくても問題ありません。場合に応じて、同時進行してもよいでしょう。
重要なことは、ユーザーの視点に立つこと。進んだり戻ったりしながら、5つの要素を網羅し、課題を見つけ出しましょう。
1.観察・共感:Empathize
デザイン思考はユーザーを観察し、その思いに共感することからスタートします。
ユーザーの声を知るために有効なものは、インタビューやアンケートです。
ユーザーが何に共感しているのか、どのような背景からの意見なのかを探り、求めているものを明確にしましょう。
ただし、ユーザーの発言そのものを鵜呑みにしてはいけません。ユーザーの意見には、建前と本音が入り混じっています。ユーザーの本音を明らかにすることが重要です。
2.定義:Define
1よりも深堀りし、企画の方針を定める段階です。観察することで、ユーザーの悩みは何なのかが明らかになるでしょう。
悩みのなかには、ユーザー自身が気づいていないニーズも含まれます。ユーザーが抱える本当の目的とは何か、ユーザーのニーズを定義します。
ユーザーの意見を通して、言葉にされていない背景を見出し、課題の要点を抜き出しましょう。
3.概念化:Ideate
ユーザーの悩みを解決するためのアイデアを出し合います。ここで重視することは、アイデアの質ではなく量。
1つのアイデアに絞るのではなく、製品の開発に携わるさまざまな人の意見を収集が必要です。
プロジェクト進行チームだけでなく、プロジェクトに関わる人たちとともに、話し合いの中で効率的に意思決定します。
より多くのアイデアを出すために、コミュニケーションの機会を増やしましょう。
またアイデアを出しやすい環境づくりも大切です。さまざまな角度からアプローチ方法を見つけ出すために、新たな価値をつくりあげることを意識しましょう。
4.試作:Prototype
ここまでの工程をもとに試作し、形にしましょう。目に見える形となることで、これまで見えてこなかった視点や課題に気づけます。
なるべく時間や費用をかけないことがポイントです。
5.テスト:Test
テストでは、ユーザーの意見をもとにブラッシュアップします。試作した製品を、ユーザーに使ってもらいましょう。
ユーザーの潜在的なニーズ、方向性に誤りがないかどうかを確かめます。これを繰り返すことで、総合的な精度が高まるでしょう。
デザイン思考と相性がよい4つのフレームワーク
デザイン思考と相性のよいフレームワークを紹介します。
紹介するフレームワークは以下の4つです。
- 共感マップ
- 事業環境マップ
- SWOT分析
- ビジネスモデルキャンバス
フレームワークを使用し、企画の構築を可視化することでチームメンバーと共有しやすくなります。また質の高いアウトプットにも有効です。
共感マップ|ユーザーの本質を理解する
共感マップとは、ペルソナ(特定のユーザー)が置かれている状況、思考や価値観に対する理解を深めるために使われるフレームワークです。
共感マップの要素は、以下の6つから構成されます。
- 見ているもの
- 聞いていること
- 思考
- 言動
- 痛み・ストレス
- 求めているもの
これら6つの要素を整理することで、ペルソナの視点に立ち、感情や行動を整理します。共感マップは、製品・サービスの設計、改善に活用可能です。
ペルソナに関しては、こちらの記事を参考にしてください
事業環境マップ+SWOT分析|アウトプットの精度を高める
アウトプットを可視化するなら、事業環境マップとSWOT分析の併用が有効です。
事業環境マップ
事業環境マップとは、企画や方針が、ユーザーのニーズから離れてしまうことを予防できるフレームワークです。
ユーザーが何を見聞きし、どのような考えでどんな行動に出るのかを可視化できます。
事業環境マップの要素は以下の4つです。
・市場
・業界
・トレンド
・マクロ経済
事業環境マップは、変動しやすい外部環境に対して柔軟に応じられます。
SWOT分析
SWOTの4文字は、以下4つの要素の頭文字を取って構成されています。
・Strength:強み
・Weakness:課題
・Opportunity:機会
・Threat:外的脅威
SWOT分析とは計画を立てるために、外部環境と内部環境を分析するフレームワークです。外部環境と内部環境の内容には、以下ものが挙げられます。
内部環境:価格・品質・ブランド力
さらにこの外部環境と内部環境をプラス面、マイナス面に分けて分析し、目的を明確化して経営資源の最適化を目指します。
商品の企画、開発には分析が不可欠。SWOT分析は、戦略や今後の課題を明らかにする上で、有効なフレームワークです。
デザイン思考でユーザーに寄り添う!製品に付加価値を与えよう
デザイン思考はユーザーに寄り添う思考法です。創造性の豊かさを向上し、製品に付加価値を与えられるでしょう。
アイデア提案を習慣づけ、多種多様な意見を受け入れることで、チームのコミュニケーション力を強化。問題の解決策ではなく、問題定義を重視することで他社製品との差別化が可能です。
また自社製品を手にしたときのユーザーが抱く感情や背景を改めて考えることで、最終的な成果として利益や売上が見込めます。
さっそくデザイン思考を取り入れ、自社のマネジメントや営業、マーケティングなどに活かしませんか。
なかでも注目したいものはマーケティング。マーケティングにデザイン思考を取り入れることで、ターゲットユーザーのペインポイント、つまり排除したい要素を浮き彫りにすることが可能です。
よりよい製品をユーザーの手元に届け、成果を上げるために新たな思考をマーケティングに取り入れるなら、自社のマーケティングについて見直しを検討してみてはいかがでしょう?
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