ペルソナとは商品を購入してくれる架空の人物像のことです。
ペルソナ設定は、Webマーケティングにおける基本的な手法のひとつ。
消費者の購買行動につなげる施策を打つための土台にもなります。
ネットで商品を販売したい方は、身につけておくべき知識といえるでしょう。
そこで本記事ではペルソナ設定のやり方やコツ、注意点をわかりやすく解説します。
「ペルソナ設定は難しそう」というイメージがある方は、その考え方が変わりますよ。
ぜひ最後までお読みください。
ペルソナ設定って何?
ペルソナとはラテン語で「演者」「仮面」を意味する言葉です。
マーケティング用語では商品やサービスを購入、成約してくれる顧客モデルのこと。
顧客のニーズを満たし、購買につなげるためのマーケティング手法です。
かつてマーケティング業界では、ターゲットとされる顧客層が年齢や性別ごとに、幅広く分けられていました。
たとえば、20~34歳の女性を示すF1層は、流行に敏感で、自分磨きにかけるお金を惜しまないとされている区分です。
しかし、現代はライフスタイルや考え方が多様化している時代です。
商品への価値観が人それぞれ異なるため、幅広い層に向けた内容ではターゲットのニーズを満たせず、商品の魅力がうまく伝わらない可能性があります。
そこでペルソナ設定の出番です。商品を購入してくれる模範的な顧客モデルを設定することで、商品を販売する側の意識に一貫性をもたせます。
顧客へのメッセージ性が強化され、売れる商品への足がかりとなるものがペルソナです。
ペルソナとは「架空のお客さま」
聞き慣れないマーケティング用語は難しく感じるかもしれませんが、ペルソナはいわば架空のお客さまです。
特定の商品を取り扱うネットショップやWebサイトを運営するなら、対象とする顧客の設定が重要です。
しかし、単純に空想上の人間を思い浮かべるだけでは、成果を生み出すことが難しくなります。
実際の顧客と乖離しているケースがあり、興味関心を引けない訴求をしてしまう可能性があるためです。
顧客モデルを設定するためには、こまかな設定と事実に基づいた根拠が必要です。
ターゲットとの違いは設定のこまかさ
ペルソナとターゲットの違いは設定のこまかさにあります。簡単にいうと、ペルソナは個人、ターゲットは集団です。
たとえば、ターゲットは「20代のメイクに関心がある女子大生」や「40代の節約術に関心がある主婦」など、商品を購入する可能性がある一定の集団を示します。
一方、ペルソナはターゲットをより明確化した個人。年齢や性別、職業に加え、ライフスタイルや悩みなどを深堀りしたものです。
商品を届けたい人物像を限定することで、商品を求める人にメッセージが刺さりやすくなります。
ペルソナ設定のメリット
ペルソナ設定のメリットには、大きく「より刺さるメッセージを伝えられる」「チームでターゲットにズレが生じない」の2つがあります。
それぞれ具体的に紹介していきます。
より刺さるメッセージを伝えられる
ペルソナ設定をすると、ターゲットの年齢や生活、価値観などが明確になるため、より刺さるメッセージを届けられます。
たとえば、70万円の副業スクールの集客をするためのペルソナを調査の結果、以下に定めるとします。(項目については後述します)
上記のようなペルソナだと、収入が450万円で70万円のスクールを売るのはハードルが高そうだから「ローンが使えることを訴求しよう」などの考えが浮かびます。
また、すでに副業をしているため「0→1を達成するよりかは、1→10に伸ばせることを伝えよう」のような考えも思い浮かぶでしょう。
このように、ペルソナ設定をすると見込み顧客に刺さる訴求ができます。
チームでターゲットにズレが生じない
ペルソナ設定をすると、チームでターゲットにズレが生じないため、首尾一貫した訴求ができます。
会社で商品・サービスを販売する場合、その工程で何人もの人が関わります。
ペルソナが定まっていないと、各工程で訴求内容にズレが生じ、見込み顧客に商品・サービスを効果的に売れないでしょう。
たとえば、副業向けのスクールをローンチするのに、業務委託したSNSの担当者が独立したい方向けに情報発信をしていたとします。
SNSを見た独立志望の強いフォロワーばかりが増えて、本来の見込み顧客が集まらない可能性があります。
その結果、スクールの売上が伸びにくくなるでしょう。
商品・サービスの企画から運営までの工程の一部を外注する場合に、ペルソナを抽象的に定めると、上記のようなトラブルが発生しやすいです。
トラブルを減らすために、ペルソナ設定をしてターゲットにズレが生じないようにしましょう。
ペルソナ設定のやり方・方法
ペルソナ設定のやり方は、大きく分けて3ステップです。
- 売上額や販売個数など、最終的な目標を定める
- 自社が販売する商品を求める人の情報を収集する
- 架空の顧客モデルを作成する
これでペルソナのできあがります。
詳しく見ていきましょう。
1.はじめに最終的な地点を決める
ペルソナ設定では、最初に最終的な目標を定めることが大切です。
「売上を伸ばしたい」「商品をたくさん売りたい」など、抽象的な目標ではなく、売上額や販売個数などの明確な数字を掲げましょう。
また、最終的な目標を達成するために、中間地点の目標設定も効果的です。
ペルソナを設定する目的は、商品を求めている人に販売することです。
「売上は〇月までに△円アップ」「商品を〇個売る」などのゴール地点を決めるとことで、商品を販売するための具体的な施策が見えてきます。
2.商品を求める人の情報を集める
ペルソナ設定には、過去の販売データを使用しましょう。
もしデータがない場合は、アンケート調査の実施や商品のサンプルを配布することも効果的です。
店舗を訪れて商品を購入したお客さまに、感想や意見などを直接尋ねてもよいでしょう。
実際に商品を購入したお客さまの声は、より明確なペルソナ設定のヒントになります。
また、SNSでアンケートフォームを発信する手段も有効です。
SNSユーザーは自分が有益だと感じた情報を拡散する傾向があります。
自社の公式アカウントから商品に関する情報とともに発信すると、ペルソナ設定に必要なヒントを多く得られます。
3.「架空のお客さま」をつくる
ペルソナ設定で定める項目は、大きくデモグラフィックとサイコグラフィックの2つです。
デモグラフィックは社会的・経済的な情報、サイコグラフィックは心理的な情報を指します。
ペルソナの表面的な情報だけでなく、価値観や性格などの内面も明確化することが重要です。
心理的な情報を言語化すると、見込み顧客に刺さりやすいメッセージを作成できるようになります。
以下はペルソナの事例です。(美容商品を売る場合のペルソナを想定)
山本花子さんは架空の人物ですが、このように土日の行動や趣味まで設定することで、リアルな女性のように感じるはずです。
ペルソナ設定では、実際のデータをもとにした架空の顧客像をつくりあげましょう。
そうすると、よりリアルな人物像をつくれ、訴求力を高めることが可能です。
ペルソナ設定のコツ
架空のお客さまを設定するためにはコツがあります。多くの人に対して訴求するのではなく、たった1人を意識することが大切です。
またお客さまが商品を必要だと感じるタイミングや、どのようなポイントに魅力を感じるのかなどお客さま視点で考えることも重要。
さらに実際に商品を購入したお客さまの声に耳を傾け、事実に基づいたデータから作成することもペルソナ設定のコツです。
「たった1人」のお客さまを意識する
ペルソナは1人に限定して設定します。
お客さまには商品を購入する理由があり、それは全員に当てはまらないからです。
もしあなたが多額の広告費をかけることや商品の大量生産が可能ならば、テレビやラジオCMなど多くの人に向けたマーケティング手法をとり、収益を伸ばせる可能性があります。
しかし、限られた予算で売上や販売個数のアップを目指す場合は別です。
「誰もが魅力を感じる商品を売りたい」と考えていたのでは、結果として誰の心にも響きません。
たくさんの人にこの商品を使ってほしいと思うのであれば、商品を求めるたった1人のお客さまに向けて情報を発信しましょう。
お客さま視点で考える
ペルソナ設定に大切なことは、「商品が欲しい」とお客さまが思う経緯、望んでいる結果をお客さま視点で考えることです。
ペルソナのライフスタイルを想定すると同時に、商品を購入するときの状況を整理します。
たとえば以下の内容です。
- 抱えている悩み
- 購入を検討するシチュエーション
- 購入するタイミング
- 結果として求めていること
あなたがスキンケア用品を販売するとします。ペルソナがその商品を求めるのはどのような状況でしょうか。
肌トラブルで悩んでいるにしても、考えられる状況はさまざまです。たとえば季節。
夏の紫外線が多い時期なのか、冬の乾燥なのかによって求める商品が変わります。
お客さまが「悩むきっかけとなったできごとは何か」「結果的にどのような自分を求めているのか」を考えることが大切です。
あなたが設定したペルソナが、商品を購入する理由を客観的に捉えることがコツです。
ペルソナ設定の注意点
ペルソナ設定をするための注意点を解説します。
ペルソナには、販売する側の理想を押しつけないことを意識しましょう。事実にそむいた根拠がない顧客像では販売を見込めないためです。
また一度設定したからと満足せず、定期的に見直すことも大切です。
それぞれ順番に見ていきましょう。
自分の理想を押しつけない
販売する側が抱く商品に対する思いが強ければ強いほど、自分の理想像をペルソナに反映させてしまう傾向があります。
販売する側の都合がよいペルソナでは、本当に商品を求めているお客さまには魅力が伝わりません。
大切なのは消費者のニーズを理解し、客観的な視点をもつことです。
ニーズを把握するには、SNSやクラウドソーシングなどでアンケートを取ったり、見込み顧客に話を聞いたりしてください。
上記のような手段により、実際の見込み顧客の悩みやニーズを把握すると、本当に求めているお客さまをペルソナに設定できます。
くれぐれも販売する側の思い込みをペルソナに反映させないようにしましょう。
定期的な見直しが必要
設定したペルソナは、そのときに適切かどうかを見直しが必要です。時代が移りゆくにつれて消費者のニーズが変化するため、ペルソナも変わります。
たとえばファッションの流行。洋服のデザインやヘアスタイルなどはその年、その季節によって変動します。
「ペルソナを設定したけれど効果が感じられなかった」と感じる人は、見直しをしていない可能性が高いです。
一度決めたからといって、いつまでもそのままにせず、時期を決めて改善することが大切です。
ペルソナ設定のコツを理解して販促力を高めよう
ペルソナ設定は、販売力を強化するための、効果的なフレームワークのひとつです。
ペルソナ設定の際は、販売する側の理想を詰め込むのではなく、現実的な顧客モデルを作成しましょう。
ペルソナ設定の目的は、自社がターゲットを正しく認識し、商品を求める人にその魅力を伝えることです。
つまりペルソナ設定はマーケティングの玄関口。収益を伸ばすためには、ペルソナの先にあるマーケティング手法も必要です。
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