リストマーケティングとは、顧客リストを利用して効率よくアプローチを行うマーケティングの手法です。
リストマーケティングによる集客方法がわかると、セミナーやスクールの売上を向上させられます。
しかし、リストマーケティングのやり方がわからないと考える人もいるでしょう。
そこで本記事では、リストマーケティングのメリット・デメリットや集客方法、成功のポイントなどを解説します。
リストマーケティングを活用すると、見込み顧客を教育し購入意欲を高めたうえで集客できるため、ぜひ参考にしてください。
リストマーケティングとは
リストマーケティングとは、自社の顧客リストに対してアプローチし、集客や販売につなげるマーケティング手法です。
顧客リストに掲載するべき情報は、以下の通りです。
BtoCの顧客リストに必要な項目 | ・氏名 ・性別 ・年齢 ・生年月日 ・電話番号 ・住所 ・メールアドレス ・流入経路 ・購入履歴 ・問合せ履歴 |
BtoBの顧客リストに必要な項目 | ・企業名 ・担当者名 ・代表取締役の氏名 ・電話番号 ・住所 ・メールアドレス ・ホームページURL ・業種 ・資本金 ・売上高 ・上場/非上場 ・社員数 ・流入経路 ・対応履歴 |
上記のほかに、自社を知ったきっかけや今までの接点などを記載すると、顧客リストを集める際のマーケティングにも活かせます。
表のような情報をまとめておくと、顧客を属性ごとにわけて、それぞれに適したアプローチができるようになるでしょう。
リストマーケティングによる集客のメリット3つ
リストマーケティングのメリットを3種類説明します。
- 集客・教育・販売のプロセスを自動化できる
- 低コストで成果を期待できる
- 見込み顧客をファン化しやすい
リストマーケティングは自動化やコストの低さから、個人事業主や中小企業でも使いやすいマーケティング施策です。
1. 集客・教育・販売のプロセスを自動化できる
リストマーケティングには、一度仕組みを構築しておけば、集客から販売までのプロセスを自動化できるメリットがあります。
たとえば、MA(マーケティングオートメーション)やLステップなどを活用すれば、顧客の特定の行動を起点に、設定したメールをスケジュールに合わせて送れます。
事前に設定しておくだけで、見込み顧客に教育をして、興味関心を高め、集客・販売につなげることが可能です。
見込み顧客のメッセージに対して、都度手動で返信する必要がありません。
集客や販促まで自動で導いてくれることは、リストマーケティングの大きなメリットだといえます。
2. 低コストで成果を期待できる
リストマーケティングには、金銭的・時間的・人的なコストが低くなるメリットがあります。
すでに接点のある顧客に対してアプローチする手法のため、多額の広告宣伝費や営業活動費が必要ありません。
また、MAやメルマガ配信ツールを使えば、見込み顧客に対してメッセージを一斉配信ができるため、時間的なコストも削減できます。
さらに、販売までのプロセスを自動化すれば、訪問営業やテレアポをしていた人的コストも削減可能です。
上記の結果、低コストで成果を期待できるといえるでしょう。
3. 見込み顧客をファン化しやすい
新規顧客を増やすのではなく、見込み顧客一人当たりのLTV(顧客生涯価値)を高めて売上を増やすのがリストマーケティングです。
そのため、リストにある顧客に対して、メッセージを送る機会が多くなります。
何度も情報を提供して接点を持つことで、見込み顧客は自社に親近感を覚えるでしょう。(単純接触効果)
見込み顧客が「この企業は必要な情報を教えてくれる」と考えれば、強固な関係の構築も可能です。
見込み顧客をセグメント分けして適切なアプローチを行うため、複数回のメッセージ送信でも嫌われることが少なくファン化につながります。
リストマーケティングによる集客のデメリット2つ
リストマーケティングのデメリットは以下の2点です。
- 中長期的な運用が必要
- 情報漏洩リスク
特に情報漏洩は会社全体に多大な損失を与えるため、最新のセキュリティを整備するとともに個人の意識向上が重要です。
1. 中長期的な運用が必要
ゼロからリストを構築する場合は、即効性のある結果がは臨めません。
リストマーケティングで集客を行うためには、顧客との信頼関係が肝になるためです。
見込み顧客と関係を構築するためには定期的に発信しなければならないため、長期間の継続が必要です。
見込み顧客が興味を失ってしまうと、再度興味を持ってもらうために施策を練り直す必要があります。
上記のような理由から、リストマーケティングで集客や販促につなげるには、中長期的な運用が求められるのです。
2. 情報漏洩リスク
リストマーケティングでは顧客の個人情報を取り扱うため、細心の注意が必要です。
サイバー攻撃は年々増加しており、2017年と2022年の上半期を比較すると、サイバー攻撃の被害を受けた組織は8倍以上になりました。
個人情報が漏洩してしまった場合、被害金額が何千万円に及ぶだけでなく顧客や社会からの信頼を失ってしまいます。
全社員がサーバー攻撃の脅威を理解し、万全のセキュリティ対策をとることが重要です。
不明なメールは開封しないことやリンクを安易にクリックしないことなど、一人ひとりが注意することでサイバー攻撃を予防できます。
(参考:日本ネットワークセキュリティ協会『サイバー攻撃被害組織のアンケート調査(速報版)について』)
リストマーケティングの集客方法5ステップ
リストマーケティングで集客するための5ステップを解説します。
- リストを集める
- 教育
- 集客/販売
- アフターフォロー
- リストの更新
リストマーケティングでは顧客情報を集め、いかに熱量のあるリストとして持ち続けられるかが重要です。
自社との接点を持った顧客は商品・サービスに興味を持っているため、継続的な消費行動に結びつけることが重要です。
1. リストを集める
リストマーケティングを実施するために、まずは顧客リストを集めます。
顧客情報の収集には、さまざまな方法があります。
オンライン | ・資料のダウンロード ・オウンドメディアの会員登録 ・ウェビナー参加申し込み ・自社サイトでの問い合わせ ・クラウドソーシング |
オフライン | ・店頭アンケート ・展示会でのアンケート ・セミナー申し込み ・電話での問い合わせ |
ただし、最近は企業に個人情報を渡すことに敏感な人が増えています。
個人情報を登録することで得られるメリットと引き換えに登録してもらうのが一般的な手法になります。
2. 教育
次に見込み顧客に情報を提供して、商品・サービスに興味を抱かしたり、有益性を知ってもらったりします。
いきなり集客や販売をしても、顧客には購入する理由がありません。教育により顧客が商品・サービスを購入する理由を教えることが重要です。
以下のような手段で、見込み顧客に対して情報を定期的に発信しましょう。
- コンテンツ配布
- SNSの発信
- メールマガジン・LINE配信
- リターゲティング広告
- セミナー
見込み顧客のなかには、商品・サービスにあまり興味を持っていない人もいますが、教育により興味を強めることが可能です。
3. 集客/販売
複数回アプローチをしていると、見込み顧客によって反応する人としない人に分かれます。
毎回反応する人は熱量が高くて購入意欲があると考えられるため、セールスを行います。
たとえば、無料の説明会や個別面談などをフックにして、オンライン面談を行い、直接営業するのも効果的です。
また、メッセージ上で「限定〇人」「3日以内のお申し込みで20%オフ」などの特典を付けるのもおすすめです。
今、購入するべき理由付けをすることで、読者が行動にうつしやすくなり、集客や販促につながります。
4. アフターフォロー
商品・サービスを購入した顧客にはアフターフォローを行います。
購入商品・サービスの詳しい説明や無料の相談会、定期的な情報発信などを行うことにより、クーリング・オフや返金を防げます。
また、アフターフォローを充実させると、ファン化を促すことができ、別商品の購入につなげることが可能です。
セミナーやスクールでは、講座が終了した段階で、バックエンド商品としてコンサルティングを訴求できます。
さらに、商品を購入しなかった見込み顧客に対してもダウンセルを行いやすいため、定期的なアプローチを続けることが重要です。
5. リストの更新
顧客リストは常に最新状態にしておくことが望ましいです。
顧客によってはセールスを拒否していたり、過去にトラブルになっていたりするケースがあります。
そのような方にアプローチをしてしまうと、さらなるトラブルを招く可能性があります。
アプローチに対する顧客の反応や購入の履歴は、リストマーケティングの重要な情報です。
適宜リストを更新し、アプローチすることが重要です。
リストマーケティングでの集客を成功させる3つのポイント
リストマーケティングを成功させるには3つのポイントに注意しましょう。
- 質の高い見込み顧客を集める
- 見込み顧客に適した情報を提供する
- 過剰なセールスをしない
自社が持つリストを上手く活用すると、最大限の成果を得られます。
せっかく集めた見込み顧客を失わないように、情報発信を行いましょう。
1. 質の高い見込み顧客を集める
一般的に顧客リストにいる見込み顧客は、一度自社と接点を持っているので、自社商品・サービスに興味がある人です。
しかし、購入に対する熱量はバラバラのため、最初から熱量の高い見込み顧客を集めることがポイントです。
購買意欲のある見込み顧客が多ければ多いほど、リストマーケティングの成果は出やすくなります。
購買意欲がある見込み顧客の特徴としては、質問をしてくることや返信が早いことなどが挙げられます。
リストから購買意欲が高い見込み顧客を洗い出し、ターゲティングしてアプローチを行うと、成果が出やすいでしょう。
2. 見込み顧客に適した情報を提供する
顧客情報を集めても活用できなければ成果を得られません。
見込み顧客をセグメントに分けて情報発信をする必要があります。
たとえば、経営セミナーに集客をするなら、会社員と個人事業主、経営者などに分て、それぞれに適した情報を送ります。
<メッセージの事例>
- 会社員:法人設立のために会社員のうちにすること
- 個人事業主:個人事業主が経営者になるために必要な知識
- 経営者:部下がやめない経営者の思考とは
もし自分とは関係のない情報ばかりが届くと、見込み顧客は鬱陶しく感じてブロックしてしまうでしょう。
見込み顧客の社会的な情報を明確化しておくことが大切です。
3. 過剰なセールスをしない
過剰なセールスは見込み顧客に嫌われてしまいます。
購入意欲が高まっていない段階でセールスすることがないように、教育から販売のステップを正しく踏まなければなりません。
あくまで顧客の行動から心理状態を把握して、それに適したメッセージを送付することが重要です。
また、セールスの内容は毎回同じではなく視点や訴求をずらして行いましょう。
見込み顧客に同じセールスをしていると感じさせずに開封してもらえる確率が高くなります。
リストマーケティングでの集客に役立つ3つの施策
リストマーケティングに役立つ施策を3種類紹介します。
- LINE公式アカウント
- メールマガジン
- セミナー・ウェビナー
リストマーケティングはすべての作業を人力で行うのは難しいため、適宜ツールやサービスを活用して実施することがおすすめです。
1. LINE公式アカウント
LINE公式アカウントはLINEをビジネス利用するためのツールです。
自社のLINE公式アカウントに友だち登録したユーザーに対して、メッセージ配信やクーポンプレゼントなどができます。
LINE公式アカウントだけではプライバシーの観点から顧客情報の自動取り込みができません。
チャットのやり取りでわかった情報を手動でメモに残す必要があります。
自動化するにはLINE公式アカウントのAPIを利用したツールが必要です。タグ付けやスコアリング、ステップ配信など、リストマーケティングに必要な機能がそろっています。
LINEはインフラ化しているため、気軽に友だち登録してもらいやすく開封率が高いのが大きなメリットです。
2. メールマガジン
メールマガジンはメールを使った定期配信です。HTML形式でメールを送れば画像や動画もメールで送信できます。
メールマガジン配信ツールを利用することで、配信の自動化が可能です。
BENCHMARK JAPANが調査したところ、メールマガジンは世代が上がるほど購読率が高く全体でも71.3%の人がメールマガジンを受信しています。
メールマガジンを活用する上で、迷惑メールフォルダに自動的に振り分けられるのを防ぎ開封率を高めることが重要です。
件名に興味を引く文言を入れたり内容を精査したりして、メールマガジンを読むメリットを読者に気付かせましょう。
3. セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナーは参加者に深い情報提供ができます。セミナーを受講するには、開催場所まで足を運んで来てくれるため、意欲の高い見込み顧客が集まりやすいです。
顔を見せて商品・サービスをアピールできるため信用されやすく、テキストだけの情報発信よりも関係構築ができます。
セミナーやウェビナーでは参加者を集めることが難しいと考えられていますが、セミナーポータルサイトを集客に役立てましょう。
セミナーズは日本最大級のセミナーポータルサイトとして、様々なセミナー・ウェビナーを取り扱っています。
主催登録料やセミナー掲載料は無料です。有料セミナーに申し込みがあって初めて手数料がかかる仕組みのため、かかる費用を抑制できます。
経営者やビジネスパーソン向けのセミナーが多いため、自社商品・サービスとターゲットがマッチするならぜひご活用ください。
参考:セミナーズ
まとめ:リストマーケティングを活用いた集客方法
この記事ではリストマーケティングの方法やメリット・デメリットなどについて解説しました。
現代はモノがあふれお金を出せば何でも買える世の中のため、各顧客に適したアプローチでファン化を行う必要があります。
顧客情報が詰まったリストはマーケティングにおいて最重要と言えるでしょう。
リストマーケティングは長期的な対応が必要ですが、低コストで売上を増やすことができます。
顧客リストを整理しリストマーケティングを導入してはいかがでしょうか。
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