様々なことを知っていて落ち着いた雰囲気の人を見ると「あの人は教養がある」と思うことが多いです。しかし、教養とは何かを明確に言える人は少ないのではないでしょうか。
教養を身につけた方が良いとわかっていても、何をどう学べばいいのかわかりづらいものです。この記事では教養を身につけたいと思っている人のために、以下の内容について説明します。
- 教養の意味
- 教養を身につけるべき理由
- 教養を身につけるメリット
- 教養を身につける方法
- おすすめの教養本
教養は多様化が進む国際社会でも必要なものとされています。この記事を最後まで読んで教養を身につけるヒントにしてください。
教養の意味
『デジタル大辞泉』には、教養の意味は次のように書かれています。
㋐学問、幅広い知識、精神の修養などを通して得られる創造的活力や心の豊かさ、物事に対する理解力。また、その手段としての学問・芸術・宗教などの精神活動。
コトバンク『デジタル大辞泉』より引用
㋑社会生活を営む上で必要な文化に関する広い知識。
教養とは、学問や知識などによって養われる能力・品位や、身の回りの文化についてよく知っていることです。
教養は単なる知識の多さだけでは計れず、視点の広さやコミュニケーション能力の高さなども教養の有無にかかわっています。
似た言葉に「学がある・ない」があります。ここで言う「学」も知識だけでなく一般常識や品位を含んだ言葉と認識されていることが多いです。
30〜45歳の国内在住の有職既婚女性を対象にDomani編集部が行ったアンケートによると、学がない人の特徴は以下のようになりました。
- 一般常識がない
- 会話が下手
- 教養が乏しい
- マナーを知らない
- 言葉遣いが悪い
- 身だしなみができていない
- 文章が下手
- 挨拶ができていない
- 忍耐力がない
- 人のせいにする
(参考:Domani『【100人に聞いた】学がない人にみられる特徴とは?上手な付き合い方についても紹介』)
3位に「教養が乏しい」がありますが、基本的な知識として使われています。デジタル大辞泉の言う「教養がない」の意味としては10項目すべてが当てはまると言えます。
では、そんな教養を身につけるにはどうしたらいいのか?適切なビジネススクール(経営スクール)を選ぶことで学びは促進することでしょう。
教養を身につけるメリット
教養を身につけるメリットは主に3点あります。
- コミュニケーションが上手くなる
- 冷静な判断ができるようになる
- マナーが身につく
社会人として教養は必要です。教養を身につけることは、多くの知識や経験を得ることでもあります。教養がある人が周りから尊敬の対象となることが多いのは、その教養から培った“人となり”によるところが大きいからです。
1. コミュニケーションが上手くなる
教養が身につき様々な分野の知識や経験が得られると、コミュニケーションスキルが高くなります。教養があることで以下のような効果があるからです。
- その場や相手に合わせて会話できる
- 良好な人間関係を築ける
- 語彙が増えて発表や説明が上手くなる
- 感受性が高まる
- 様々な価値観に対応できる
海外で言語や文化の違いがあっても対話してお互いを知ることは重要です。コミュニケーションスキルが高いことで、相手の気持ちを理解し不要な摩擦を防げるでしょう。
2. 冷静な判断ができるようになる
教養が身についていると、豊富な知識や経験から視野を広く保てます。何か問題があったときに問題を客観的に判断し、的確な指示や行動ができます。
慌てず焦らず冷静に判断をするには、心の余裕が必要です。精神的な余裕は様々な経験をしてきたことで養われ、問題が発生したときに今までの経験や学びから解決方法を導き出せるのです。
3. マナーが身につく
マナーが守れない人は教養がない人とみなされがちです。マナーは社会人として当然知っておくべきことと一般的に考えられているため、マナーが守れないのは基本的な知識がない=教養がないと認識されます。
教養のある人とない人では言動に差があります。教養によって、相手が不快にさせることが何かを想像できるようになるからです。敬語を正しく使えることや立ち居振る舞いが美しいことも教養の一つです。
教養を身につける方法
教養を身につける方法は生活の中に様々にありますが、ここでは主な方法を5つ紹介します。
- 幅広いジャンルの読書
- 博物館や美術館に行く
- 旅行をする
- 人と会話をする
- 趣味を作る
最も重要なのは好奇心を持って学び、経験することです。好奇心がなければ、ここで紹介する方法を試しても、なかなか教養は身につきません。まず、自分が興味を持つことや好きなことから始めてみましょう。
1. 幅広いジャンルの読書
教養を身につけやすいのが読書です。本を読むことで先人の知恵を手軽に学べます。教養を身につけるには一つのジャンルにこだわらず、様々なジャンルの本を読むのがおすすめです。
社会人になるとビジネス本を読む人が増えますが、それだけでなく小説などのフィクション、エッセイなども幅広く読むことが大事です。読書に慣れていない人は、初心者向けの記述がわかりやすい本を選びましょう。
2. 博物館や美術館に行く
歴史的文化や価値観を学ぶなら、歴史や美術を学ぶことをおすすめします。博物館や美術館は時代ごとに史料や作品がまとめられており、短時間で体系的に学べます。
芸術は絵画・彫刻などの美術のほかに、建築物・工芸品・演劇・音楽・ダンスなど多岐にわたります。現代アートもありますが、芸術は古くから受け継がれているものも多いです。
歴史を学ぶことは現代の様々な出来事を深く知ることに必要です。例えば、中東の戦争はなぜ起きたのかという背景は歴史を知らなければ理解できません。歴史を知ることで俯瞰した視点を身につけられるでしょう。
3. 旅行をする
旅行することでその土地の風景を実際に見て、雰囲気を感じとることができます。実際に体験することはテレビやYouTubeで見ただけとは経験の深さが異なります。
旅行で教養を得るためには訪れて終わるのではなく、行く前にガイドブックやエッセイなどである程度の知識を持つことが大事です。何も知らずに観光名所に行って「すごかった」「楽しかった」と思うだけでは、教養が身についたとは言えません。
観光名所の背景や歴史を知ることで、現地を訪問したときに見る視点や感じ方が変わるはずです。
4. 人と会話をする
人と会話することで他者の意見を自分の中に取り入れて知識を増やし、気持ちの良い話し方・聞き方を学べます。相手の反応を感じながら会話をすることで、コミュニケーションスキルが向上します。
教養のある人は話し上手でも聞き上手でもある人が多く、雑談でもお互いに楽しく話せます。様々な人と会話した経験から、人の考えも十人十色であり柔軟に受け止めると知っているからです。
5. 趣味を作る
趣味はその分野に関連して学びを深めることに役立ちます。
英会話を始めたら、英語を勉強するだけでなく、英語圏の国の歴史や文化も学べます。外国人と話すことで日本人とは違う考え方があることも知ることができるでしょう。
どのような趣味でも自分が好んでやっているものは詳しくなっていき、経験値として積み重ねられていきます。
おすすめの教養本7選
タイトル | 著者名 | 出版社 |
池上彰の教養のススメ | 池上 彰 | 日経BP 日本経済新聞出版 |
世界でいちばんやさしい教養の教科書 | 児玉 克順 | 学研プラス |
ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒 | 友田 晶子 | あさ出版 |
教養としての「金融&ファイナンス」大全 | 野崎 浩成 | 日本実業出版社 |
人生を彩る教養が身につく 旅する世界史 | 佐藤 幸夫 | KADOKAWA |
一目置かれる知的教養日本美術鑑賞 | 秋元 雄史 | 大和書房 |
1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365 | David S. Kidder Noah D. Oppenheim | 文響社 |
ここでは、初心者でも読みやすい教養本を7冊紹介します。様々なジャンルが教養を身につけるための本として出版されているので、興味のあるものから読んでみてください。
1. 池上彰の教養のススメ
著者の池上彰氏と東工大リベラルアーツ教育院の教授が、6つのテーマで教養について語っている本です。日本の当たり前や弱点を教養の視点で深掘りされています。
- 【1限目】教養について知っておくべき12の意味。
- 【2限目】ニッポンが弱くなったのは、「教養」が足りないからです。
- 【3限目】哲学の力で公共事業の問題も解決できるのです。
- 【4限目】日本の会社の神さま仏さまとオウム事件と靖國問題と
- 【5限目】人間は、「ひと」であるまえに生きものです。
- 【修学旅行】アメリカの一流大学は4年間“教養まみれ”でした。
「すぐに役に立つ知識はすぐに役立たなくなる」と本書の中で語られている通り、小手先ではなく一生ものの教養を身につける大切さを教えてくれます。
2. 世界でいちばんやさしい教養の教科書
歴史・哲学・言語・心理・文化・経済・社会・日本・芸術の9つのテーマの教養をイラストで説明してくれる教養の入門書です。
「失われた20年」や「ルネサンス」などの言葉を、時代背景と関連させて理解できます。最低限知っておくと良い言葉を網羅できるでしょう。
「自然科学の教養」と「人文・社会の教養」という続編も出版されています。
3. ビジネスエリートが知っている 教養としての日本酒
2013年に和食が世界無形遺産に登録されてから、世界中に日本酒の愛好家が増えています。海外の取引先との食事に日本酒が供されることもあるでしょう。そのようなときの話題作りにも役立つのがこの本です。
著者の友田晶子氏は日本酒サービス研究会・酒匠研究会連合会の理事であり、日本酒に精通しています。
- 日本酒の現状
- 日本酒の製造方法
- 日本酒の選び方
- 日本酒の歴史
- 日本酒の楽しみ方
- 日本酒のマナー&ルール
日本酒について知っておきたいことがこの本にまとめられており、お土産として日本酒を選ぶ際にも役に立ちます。仕事にもプライベートにも使える1冊です。
4. 教養としての「金融&ファイナンス」大全
金融やファイナンスというと数字や数式を思い浮かべて苦手に感じる人もいますが、そのような数学が苦手な人でも読みやすい「金融&ファイナンス」本です。
「電子マネーにチャージしたお金を換金できない理由」など、生活に関わる話題も扱っているため、初心者でも興味を持って読めるでしょう。
銀行や証券会社のトップアナリストとして活躍してきた著者が、自身の経験談を交えつつ金融の基本から応用までを網羅した1冊です。
5. 人生を彩る教養が身につく 旅する世界史
海外旅行で観光名所を見ても歴史がわからないために、心の底から楽しめなかったという後悔を減らすために書かれた本です。
ヨーロッパとアジアの遺跡や絶景を中心に3部構成で取り扱っており、観光名所が歴史の中でどのような位置づけをされているのかがわかります。
- 世界史のターニングポイントをめぐる旅
- 絶景からダイナミックな歴史を感じる旅
- 知的好奇心をくすぐるワンランク上の旅
実際に観光地を訪れなくても、その国の歴史を知ることは海外の相手との関係性を構築するうえで重要です。デザインがシンプルでわかりやすく、ガイドブックのような感覚で読み進められるでしょう。
6. 一目置かれる知的教養日本美術鑑賞
著者の秋元雄史氏は、東京藝術大学大学美術館長です。この本は『武器になる知的教養 西洋美術鑑賞』の続編として出版されました。日本美術の初心者でも、作品の背景や鑑賞時のマナーなどが学べるように書かれています。
平安時代の『源氏物語絵巻』から明治時代の上村松園『序の舞』まで、教科書に掲載されている有名な日本絵画を例にして、日本美術の楽しみ方がわかる本です。
7. 1日1ページ、読むだけで身につく世界の教養365
1日1ページ、15分を毎日続けるだけで世界の教養が身につく本として、ベストセラーになった本です。全6巻のシリーズ本となっており、日本の教養が身につく本も含まれています。
月曜日は歴史、火曜日は文学、水曜日は芸術というように、曜日ごとに学べる教養のテーマが異なり、1ページずつ読んでいくことで教養が増えていきます。読みたい本を選ぶときの参考にもなるでしょう。
教養を身につけるには読書がおすすめ
この記事では、教養の身につけ方やおすすめの教養本などについて説明しました。
教養は学んですぐ身につくものではなく、学びや経験を積み重ねて身につくものです。ビジネスにおいても教養は人との関係構築や仕事の進め方などに重要な役割を果たします。
読書は最も手軽な教養を身につける方法ですので、ぜひ今回紹介した本を手に取ってみてください。
年商5億円を超えさらなるスケールアップを目指す経営者必見!
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