会社を経営している経営者こそマーケティングを学ぶべきです。
なぜなら、経営者自身がマーケティングの本質を理解していなければ、経営者の考えを他の社員に上手く伝えられず体系的に落とし込むことができないからです。
経営者の考えが社内全体に伝わらなければ、事業の飛躍的な成長は実現できません。
マーケティングの手法を学ぶと同時に、マーケティングの哲学についても理解し実践する必要があります。
今回は、新しいマーケティングの哲学である絆徳(ばんとく)哲学について紹介していきます。
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これまでのマーケティングの考え方:4Pと4C
マーケティングの基礎知識とも言われる4Pと4C。
これは、マーケティングのフレームワークとして使われてきました。
4Pは売り手(企業)の視点で考えられており、Product(売れる商品を)、Price(売れる価格で)、Place(売れる販路で)、Promotion(売る)の頭文字を取ったものです。
一方で4Cは買い手(顧客)の視点で考えられており、Customer Value(買いたい価値を)、Customer Cost(買える価格で)、Convenience(買いやすい場所で)、Communication(納得して買う)の頭文字を取ったものです。
4Pも4Cもどうやって売るか、どうしたら買うかという、企業対顧客の対立構造です。
これは、大航海時代や帝国主義の頃に生まれたマーケティングがベースとなっています。
絆徳(ばんとく)哲学の考え方
これまでの4P、4Cという考え方に東洋的、日本的な概念を入れたものが絆徳(ばんとく)哲学の考え方です。
言い換えると、これまでの企業対顧客の対立構造ではなく、お客さまとともによりよい未来に向かい、価値を届けるリーダーシップを発揮することによって、企業とお客さまがお互いを必要とする「絆」を作るという考え方と言えます。
例えば、商品を届けるからお金をいただくのではなく、相手の人生をよりよいものにするために相手のことを考え面倒を見ることが求められます。
現代社会は、お金と商品・サービスだけでしか繋がっていません。
しかし、絆徳(ばんとく)哲学の考え方は、
- 相手はどんな人で、何を求めているのか?
- 相手のために何ができるか?
この2つの質問を追及するのです。
極めてシンプルで当然な質問のようですが、これまでの経済合理性を中心としたマーケティングの世界の中では問われていなかったことなのです。
人間関係においてもビジネスにおいても、この2つの質問を意識して取り組んでいるかどうかで企業の成長度合いは変わってきます。
マーケティングの意義
私たちは何のためにマーケティングを行っているのでしょうか。
私たちは、売上を上げて利益を出すためにマーケティングを行っています。
売上を上げて利益を出すことは企業を経営していく上で大事なことですが、それが目的ではありません。
相手をより幸せな状態に導けるように、本当の意味でシステム化できた会社が生き残っていくのです。
絆徳(ばんとく)哲学のキーワード
ここまでの絆徳(ばんとく)哲学の考え方を基に、4Pや4Cと違った新たなキーワードが出てきます。
- Unique Value Proposition(独自の価値提案を考え)
- Irresistible Offer(断れないほど魅力的なオファーで)
- Collaboration, Joint Venture(きっかけ作りを広げていき)
- Engagement(絆を結ぶ、リピート)
インターネットが普及し、全ての商品は比較対象である現代社会では、独自の価値提案がなければ企業が生き残ることはできません。
独自の価値を見いだし、俯瞰的視点または長期的視点を持って信頼をレバレッジに拡張していくことが求められています。
絆徳(ばんとく)哲学とは何か?
絆徳(ばんとく)哲学とは、ひと言で表すと「あなたが相手によいことをするので、ずっと一緒にいられる関係性」のことです。
言い換えると、徳によって絆を結び、心が繋がっている関係性とも言えます。
道徳的に絆を結ぶことが、究極のマーケティングなのです。
絆徳(ばんとく)哲学とマーケティングの関係性
絆徳(ばんとく)哲学をマーケティングに活用すると、お客さまは企業からずっとよいことをされ続けるので、離れられなくなり、お互いがよりよい未来を実現できるという概念です。
「あなたの会社がないと困る!」
「あなたがいてくれてよかった!」
と言われるようなよい仕事をすることで、この関係性を実現できます。
現代社会においては、ほとんどの人が商品やサービスとお金だけで繋がっているので、その役務提供が終わった瞬間に繋がりが途絶えてしまうことがほとんどです。
これを、絆徳(ばんとく)哲学をマーケティングに活かすことで絆に変えることができます。
絆徳(ばんとく)哲学から経営へ
絆徳(ばんとく)哲学の考え方をベースに経営に取り組めば、社会性(理念)と経済性を両立できるので、結果的に業績が上がり、質の高い社内文化が醸成され、人間関係も大きく進化していきます。
顧客を言語化する
絆徳(ばんとく)哲学の考え方をベースに経営を行っている企業は、顧客の定義が一般的な企業と違います。
まず、顧客は一般的な企業のCustomer(客・お客)と絆徳(ばんとく)哲学で経営する企業のClient(お客さま)に分けられます。
まず、Customer(客・お客)とは、購入する人や企業にお金を払ってくれる人を指し、お金を払ってくれるかどうかが絆の源泉となっています。
一方で、Client(お客さま)は、クライアントとして接します。
クライアントの語源は、古代ギリシャ・ローマ時代のパトロヌスとクリエンテスの関係性に由来しています。
パトロヌスとは、いわゆるパトロンのことで、力や財力を利用して技術や才能がある人をクライアントとして自分の保護下におく人のことです。
また、クリエンテスはパトロヌス(パトロン)の保護下にある人のことを指します。
この語源のように、お客さまのことを自分の保護下にある人と思って接します。
例えば、自分の家族や子どもに接するようにというとイメージしやすいでしょう。
つまり、絆徳(ばんとく)哲学の中での顧客とは、自分自身が守らなければいけない人のことを言います。
Raving Fan(熱狂的ファン)を増やす
絆徳(ばんとく)哲学の考え方を基にした経営では、Raving Fan(熱狂的ファン)を増やすことも重要視されています。
Raving Fan(熱狂的ファン)とは、その企業なしの世界は考えられない!と思ってくれている人のことです。
例えば、
- スマートフォンなしでは生きていけない人
- お気に入りのご飯屋さんがあって行きつけの人
- 親子代々、何年も同じものを買い続けている人
このようなRaving Fan(熱狂的ファン)を生み出せるようなビジネスができるかが重要になってきます。
この背景にあるのは道徳、マーケティング的に言うと道徳的なことです。
道徳的とはよいことをすること、例えば無料キャンペーンなどお客さまに与え続けることです。
一方で、道徳を哲学的な領域に入り込んで考える場合、例えば競合の商品・サービスを紹介した方がお客さまにとってよいと言う判断など、本当にお客さまのことを考えられるかが大切です。
この考え方は、日本資本主義の父と言われる渋沢栄一の「真の富とは、“道徳”に基づくものでなければ、決して長くは続かない」という言葉にも通じるものがあります。
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まとめ
絆徳(ばんとく)哲学とは「あなたが相手によいことをするので、ずっと一緒にいられる関係性」を作ることです。
絆徳(ばんとく)哲学を経営に活かすことで、いかにRaving Fan(熱狂的ファン)を増やせるかが重要です。
絆徳(ばんとく)哲学の考え方を基に、お客さまから「あなたの会社がないと困る!」「あなたがいてくれてよかった!」と思ってもらえるような経営を心がけましょう。
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