- プロダクトローンチを成功させるコツが知りたい
- 成功事例がなぜうまくいったのか把握しておきたい
- 再現性のあるノウハウがあれば教えて欲しい
プロダクトローンチについて、上記のように感じていませんか?
今回は、プロダクトローンチが功を奏した3つの事例から、成功のポイントを読み解いていきます。
3つの成功事例に共通する点も紹介しますので、ぜひ参考にしてください。
プロダクトローンチとは
はじめに、プロダクトローンチの定義と実践する手順、メリット・デメリットについて整理しておきましょう。
どのようなマーケティング手法にも必ずメリットとデメリットがあります。
メリットだけでなく、デメリット面も事前に把握した上で施策に取り組むことが大切です。
プロダクトローンチの定義
プロダクトローンチの定義は次のようにまとめることができます。
・アメリカのWebマーケター、ジェフ・ウォーカーが提唱した手法
・見込み客に段階を踏んで情報を与え、購買意欲を高めていくための施策
見込み客の立場から見ると、自分にとって興味のある情報を無償で得られることにまずメリットを感じるはずです。
メルマガやLINE、YouTubeなどで情報を得るにつれて「課題を解決したい・解決策を知りたい」と感じるようになります。
課題解決に役立つ商品をタイミングよく提示されることによって、迷わず購入に踏み切りやすい状況が生まれるのです。
プロダクトローンチが効果的と言われている理由の1つとして、心理学に根差していることが挙げられます。
日本においても2000年代後半から、とくに情報商材など無形商材のマーケティング手法として活用されるようになりました。
プロダクトローンチの手順
プロダクトローンチの基本的な手順は次の通りです。
2.見込み客を育成する
3.商品・サービスを提案する
4.定期的な情報配信を継続する
大前提として、プロダクトローンチを成功させるには一定数の見込み客を集めなくてはなりません。
一般的に広告の出稿が欠かせないプロセスとなるため、広告費がかかることは理解しておく必要があるでしょう。
見込み客にとって有益な情報を提供し(一般的には5〜10回)、商品・サービスの有用性について理解してもらいます。
見込み客の期待値が高まったタイミングで商品を提案し、クロージングを行いましょう。
クロージング後も情報配信を継続することで、購入者へのアフターフォローや非購入者への追加アプローチを行うことが大切です。
プロダクトローンチのメリット・デメリット
プロダクトローンチの主なメリット・デメリットは下記の通りです。
・セールスロジックの理に適っている
・販売時に強く訴求する必要がない
・成功モデルが構築されれば継続的に活用できる
【デメリット】
・外注費や広告費がかかる
・人件費・工数がかかる
・訴求方法を誤ると怪しまれる恐れがある
前述の通り、プロダクトローンチは心理学に則したマーケティング手法です。
見込み確度の高い顧客へ優先的にクロージングをかけるという、セールスの基本にもとづいています。
成功モデルが構築できれば、商品を無理なく継続的に販売することができるでしょう。
一方で、初期投資やランニングコストがかかることはデメリットといえます。
訴求方法を誤ると、かえって怪しまれてしまい顧客が離れていく原因にもなりかねません。
プロダクトローンチに挑戦するのであれば、成功事例から学んでおくことが非常に重要なポイントとなるでしょう。
事例1:iPhone
Apple社が提供する「iPhone」は、国内のスマートフォン市場で6割以上のシェアを占めるロングセラー商品です。
実は、iPhoneの新機種が販売されるたびにプロダクトローンチの手法が用いられていることをご存知でしょうか。
iPhoneの販売手法と、優れた成果を挙げ続けている要因について探っていきましょう。
販売手法
iPhoneの新機種リリースについては、遅くとも数ヶ月間前、早い時であれば半年以上前から噂が飛び交います。
新機種のデザインや実装される新機能に関するリーク情報が流れ、消費者は「新しいiPhone」について予想し合うのです。
正式な発売開始日が決定すると同時に製品情報がリリースされ、購入予約へと誘導されていきます。
まだ正式に発表されていない「噂」の段階から、ユーザーの期待感を徐々に高めていく秀逸な手法といえるでしょう。
成果につながった要因
iPhoneの販売戦略の特徴として、予約受付直前まで正式な製品情報を公開しないことが挙げられます。
消費者の好奇心・期待値・購買意欲が頂点に達するまで待ち、満を持して発表される点が特徴的です。
多くの消費者は「早く真相が知りたい」と感じ、「人よりも早く実物を手に入れたい」と考えるようになるでしょう。
「口コミ(噂)」の持つ力と、消費者の「待ちきれない」という心理を最大限に活用することで優れた成果を挙げているのです。
成功のポイント
人は誰しも優れた商品・サービスを利用したいと思うものですが、期待しているのは必ずしも機能性やスペックとは限りません。
商品そのものに対する期待や思い入れ、人よりも早く手に入れたいという欲求が購入の強力な動機となる場合もあるのです。
現に、iPhoneは必ずしも最先端の技術を追求しているとは言い難い面も多々あります。
他社のスマートフォンのほうが機能面では優れていたとしても、iPhoneをあえて選び続けている消費者層は少なくありません。
消費者の期待値を最大限に高め、「新機種を心待ちにすること」自体をイベント化することに成功した好例といえるでしょう。
事例2:映画「鬼滅の刃」
2020年に大ヒットした映画「鬼滅の刃」においても、プロダクトローンチの手法が用いられていました。
アニメを観ていた人はもちろんのこと、とくにファンではなかった人でも映画の話題を耳にしたケースは多いのではないでしょうか。
「千と千尋の神隠し」の興業収入の記録を塗り替えるほどヒットした背景には、プロダクトローンチの仕掛けがあったのです。
販売手法
映画「鬼滅の刃」の公開が発表されたのは、実際の封切りのおよそ半年前のことでした。
半年の間に、以下の告知を段階的に行い話題を集めていった点が戦略上の大きな特徴です。
・本予告と主題歌の発表と同時に前売り券情報を公開
・来場者特典の発表
・オリジナルグッズの発表
定期的に公開される最新情報をファンは追い続け、半年もの期間を経ても期待値が下がることはありませんでした。
結果として、公開から3日間で興行収入46億円に達し、国内の累計興行収入400億円を記録したのはご存知の通りです。
成果につながった要因
映画「鬼滅の刃」は、プロダクトローンチの定石である「希少性」「限定性」を効果的に活用した好例といえます。
特定の情報を得た人だけが得られる恩恵があることによって、情報を得た人が行動する強力な動機がもたらされたのです。
本予告や主題歌の発表を待っていた層は、ほぼ間違いなく前売り券情報の公開を心待ちにしていたことでしょう。
タイミングを逃さず前売り券情報を公開することによって、「必ず前売り券を入手したい」という強力な動機を与えています。
来場者でなければ入手できない特典やオリジナルグッズの存在も、劇場に来場する十分な理由となったはずです。
成功のポイント
映画「鬼滅の刃」におけるプロダクトローンチの成功ポイントは「簡単には手に入らない」という演出にあります。
手に入れたいものと今すぐに手に入るものが一致していないことは往々にしてあるものです。
簡単に手に入るものを、たいていの人は躍起になって追いかけたりはしません。
情報を追い続けなければ見逃してしまうという危機意識が、映画に関する情報を待つファンの期待値を温存したと考えられます。
商品やサービスの販売戦略を考える時、ともすると「少しでも買い求めやすくする」ことに注意が向きがちです。
むしろ意図的に「手に入りにくくする」ことが希少性・限定性を生み出すことを物語っている事例といえるでしょう。
事例3:据置型ゲーム機「PlayStation」
ソニー・インタラクティブエンタテイメントが開発するPlayStationにも、プロダクトローンチの手法が用いられていました。
コロナ禍の影響で半導体不足が生じ、PlayStation5が1年以上にわたり入手困難な状況になったことは記憶に新しいところです。
プレステ人気を支えるプロダクトローンチの戦略について見ていきましょう。
販売手法
PlayStation(PS)は新機種の発売告知段階から、本体と同時発売されるゲームタイトル(ローンチタイトル)を公開しています。
2020年11月にリリースされたPlayStation5では、発売前にローンチタイトル20点を公表。
ゲームファンに「新しい機種でプレイしてみたい」と熱望させるには十分な戦略といえるでしょう。
結果として発売初週に国内販売台数は約12万台に達し、供給が追いつかない状況となりました。
入手困難な機種となったことが希少性に拍車をかけ、2022年末の段階で世界累計3,000万台の販売を達成しています。
成果につながった要因
ゲームタイトル以外にも、本体の技術スペックや新機能について段階的に情報を提供し、ユーザーの期待感を高めています。
とくに新作タイトルの初披露には注目が集まりやすく、PS5への期待感が大きく高まる要因となりました。
コロナ禍だったことを受けて、バーチャルイベントを精力的に開催したことも成功要因の1つ。
イベントごとに明らかになっていく新機種の全貌を、ゲームファンが心待ちにしていたことは想像に難くありません。
成功のポイント
情報を小出しにするだけでなく、小出しにする順序を計算していることもPS5のプロダクトローンチの巧みな点です。
公表された情報を時系列でまとめると、下記の通りとなります。
・スペックの概要
・コントローラーの画像とスペック
・本体画像
本体画像が初めて公開されたのは、発売5ヶ月前にあたる2022年6月のことでした。
PS4の約19倍とされるロード時間の短縮や、グラフィック性能の大幅な向上など、まずスペック面での期待感を高めています。
次にコントローラーの画像を公開することで、「本体はどんな姿になるのか」という想像を掻き立てました。
最終的に本体画像が公開されたことで、「手に入れたい」と多くのユーザーに感じさせる戦略を採っているのです。
ユーザーの期待感を高める情報提供の順序を考える際に、ぜひ参考にしていただきたい事例といえるでしょう。
3つの成功事例から学ぶ成功のポイント
今回紹介した3つの事例から見えてくるプロダクトローンチの成功ポイントをまとめました。
プロダクトローンチに取り組む際には、次の3点を意識することが大切です。
十分な数の見込み客を集める
プロダクトローンチの成否を分ける大きな要因は、見込み客の「分母」にあると言っても過言ではありません。
分母が大きければ大きいほど、同じ工数・コストでアプローチできる見込み顧客が多くなるからです。
見込み顧客の数とは、連絡先の件数と考えてください。
できるだけ多くの連絡先を取得するには、SNSやリスティング広告を活用した情報提供に注力しましょう。
特典や無料進呈グッズを用意するなど、見込み顧客にとってメリットのある仕掛けを考えておくことが大切です。
見込み顧客の期待値を効果的に高める
集めた見込み顧客に対して情報を提供する際には、期待値をいかに高めるかがポイントとなります。
初めから商品を売り込むのではなく、顧客の視点に立って各自が抱えている課題や不満に寄り添っていくのがポイントです。
商品・サービスの必要性を実感し、利用するメリットを感じてもらえるよう、1回あたりの情報発信は1テーマに絞りましょう。
徐々に商品・サービスへの理解を深め、購入に向けて行動してもらえるよう顧客教育を行う必要があります。
ファーストアプローチのインパクトを重視する
ステップメールなどで段階的に情報を提供する場合、継続して読んでもらえるかどうかはファーストアプローチにかかっています。
最初の発信にインパクトがあり、見込み顧客が自分にとって必要な情報と感じるかどうかが成否の分け目になると考えてください。
ファーストアプローチのインパクトを重視し、見込み顧客の潜在的なニーズを言い当てるメッセージを込めましょう。
2通目以降の発信を受け止めてもらえることが、プロダクトローンチを成功させる上で越えるべきハードルとなるはずです。
まとめ
プロダクトローンチは「売れる仕組み」を前もって構築しておく手法といえます。
今回紹介した3つの事例はいずれも大企業のものですが、企業規模に関わらずプロダクトローンチを実践することは可能です。
本記事で挙げたポイントを参考に、ぜひプロダクトローンチを実践してみてください。
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