営業戦略に組み込み、実際に戦術として活かせるセールスのフレームワークがあれば、営業成績アップはもちろん、業績の向上につながります。
この記事を読むことで、自社の営業成績を伸ばすきっかけになるフレームワークが見つかるでしょう。
営業成績の改善につながるセールスのフレームワークの活用方法について噛み砕きつつ、メリットや種類、注意点についても解説します。
営業成績が伸び悩んでいる方や事業拡大を考えている方は、ぜひ最後までご覧ください。
セールスのフレームワークとは
セールスのフレームワークとは、営業戦略を分析・立案する際の「枠組み」「骨組み」です。
フレームワークを活用すると、市場における自社の立ち位置や強み・弱み、競合他社との違いなどを効果的に分析できます。
その結果、自社の商品・サービスを提供すべき市場やターゲット、アプローチ方法などを明確にすることが可能です。
営業戦略を効率的に練るために、セールスのフレームワークは用いられます。
以下の記事でもフレームワークを解説していますので、ぜひチェックしてみてください。
営業戦略でセールスのフレームワークを活用するメリット
営業戦略でセールスのフレームワークを活用するメリットを2つ紹介します。
- 営業戦略を効率的に立てられる
- 営業戦略を見直しやすい
営業成績が伸びることにつながるため、ぜひチェックしてみてください。
1. 営業戦略を効率的に立てられる
フレームワークを活用すると、営業戦略を効率的に立てられるメリットがあります。
フレームワークの型に必要な情報を当てはめると、どのような営業戦略を練ればいいのかの土台が完成するためです。
たとえば、3C分析では自社・顧客・競合などを分析します。
自社の強みや顧客のニーズ、競合の商品・サービスを知ると、どのような営業戦略が適切なのかの判断ができます。
もしフレームワークがないと、どのような経営戦略を練ればよいかの基準を作成するのに時間がかかるでしょう。
上記から営業戦略を効率的に立てるためにフレームワークは重要です。
2. 営業戦略を見直しやすい
フレームワークがあると営業戦略の見直しが容易に行えます。枠組みに当てはめて情報を整理・分析するためです。
業績が伸びない原因は、顧客数や単価、自社の商品・サービスの質などさまざまで、それらは複雑に絡み合っています。
フレームワークがないと、各要因が整理されておらず、営業成績が伸びない原因を特定するのが困難になるでしょう。
フレームワークがあると、業績が伸びない原因の特定を簡単に行えるため、営業戦略の見直しにもつながります。
営業戦略に活かせるセールスのフレームワーク4選
営業戦略で活かせるセールスのフレームワークを、以下の7つ紹介します。
- 3C分析
- SWOT分析
- 4P分析
- PEST分析
各フレームワークの特徴がわかると、それぞれどのようなシーンで活用すればよいかを見分けられます。ぜひご覧ください。
1. 3C分析
3C分析とは、自社を取り巻く環境を分析して、営業戦略に活かすフレームワークです。以下の3つの要素を分析します。
- 自社(Company):自社の営業利益や市場シェア、強み・弱みなどを洗い出す
- 顧客(Customer):顧客の年齢や性別、価値観などを調査し、ニーズを明確にする
- 競合(Competitor):競合他社の市場シェアや商品・サービスなどを分析して比較する
これら3つの要素を分析すると、自社の優れている点やその理由、どのようなニーズがあるのかを把握できます。その結果、どのような営業戦略を立案すれば、業績を伸ばせるのかわかるでしょう。
2. SWOT分析
SWOT分析は、自社の立ち位置や現状を客観的に把握するために、用いられるフレームワークです。
自社の内部環境と外部環境を、以下の4つの観点から分析します。
- 自社の強み(Strength)
- 自社の弱み(Weakness)
- 外部の機会(Opportunity)
- 外部の脅威(Threat)
外部の機会は、パートナー企業の成長や競合他社の業績などの自分でコントロールできないことを指します。
内外の要素を一貫して洗い出すため、情勢や周囲の環境が変化しても、自社の強み・弱みを活かした営業戦略を立てることが可能です。
3. 4P分析
4P分析とは、自社の商品やサービスを販売するときに使用するフレームワークです。4Pとは、以下の4つの要素を指します。
- 商品・サービス(Product):顧客のニーズにあった商品・サービスを検討する
- 価格(Price):市場における商品・サービスの価格を分析する
- 流通(Place):販売経路や媒体を検討する
- プロモーション(Promotion):販促を拡大する方法を分析する
これらを競合他社と比較して分析すると、どのような商品・サービスを、いくらでどのように売ればいいのかわかります。
その結果、競合他社に対する自社の優位性が明らかになり、よりエンドユーザーに刺さる営業戦略を講じることが可能です。
4. PEST分析
PEST分析とは、自社を取り巻く外部環境が、現在または将来的にどのような影響を与えるのかを分析するフレームワークです。
以下の4つの要素から分析します。
- 政治(Politics)
- 経済(Economy)
- 社会(Society)
- 技術(Technology)
これらを分析すると、市場の将来性や変化を予測するのに役立てることが可能です。なお、営業戦略に役立てるのであれば、3C分析や4P分析などと組み合わせるとよいでしょう。
たとえば、PEST分析で中長期的な戦略を予測し、3C分析で周囲の環境を分析すると、より精密な営業戦略を立てられます。
営業戦術に活かせるセールスのフレームワーク3選
営業戦術に活かせるセールスのフレームワークは、以下の3つです。
- SPIN
- BANT
- MEDDIC
セールスのフレームワークがわかれば、どのようなアプローチをすると業績が向上するのかわかります。
1. SPIN
SPINはヒアリングを通じて、顧客の潜在ニーズを引き出すフレームワークです。SPINでは、以下の4つの要素を会話に含める必要があります。
- 状況質問(Situation):顧客の状況を把握する
- 問題質問(Problem):顧客の課題を把握する
- 示唆質問(Implication):顧客に課題解決の必要性を気づかせる
- 解決質問(Need payoff):顧客に解決策を気づかせる
上記の要素を取り入れながら会話を進めると、顧客は自社の課題に気づくことが可能です。そして、解決策として自社の商品・サービスを提示すると成約率を高められるでしょう。
2. BANT
BANTとは、法人営業でヒアリングをする際に活用されるフレームワークです。以下の4つの要素の頭文字を取ってBANTとされています。
- 予算(Budget)
- 決裁権(Authority)
- ニーズ(Needs)
- 導入時期(Timeframe)
それぞれの要素を顧客にヒアリングすると、相手の情報を把握できます。また、顧客のニーズと導入時期がわかると、その案件を優先するべきかを見極められるでしょう。取引の優先順位を決める手段のひとつとしてBANTを活用してみてください。
3. MEDDIC
MEDDICとは、見込み顧客の商品・サービスの購買プロセスを把握して、効果的に販売するフレームワークです。以下の6つの要素から構成されています。
- 測定指標(Metrics)
- 決裁権限者(Economic Buyer)
- 意思決定基準(Decision Criteria)
- 意思決定プロセス(Decision Process)
- 課題(Identify Pain)
- 擁護者(Champion)
上記6つの要素を質問に含めると、効果的なアプローチにつながります。たとえば、商品・サービスの導入により得られる利益や購買基準、解決したい課題などを質問に含めましょう。
営業戦略でセールスのフレームワークを使う際の注意点
営業戦略でセールスのフレームワークを使う際の注意点を、以下の2つを紹介します。
- 複数のフレームワークを組み合わせる
- フレームワークを使うことを目的にしない
それぞれ順番に見ていきましょう。
1. 複数のフレームワークを組み合わせる
営業戦略を練るときは、複数のフレームワークを使い比べてみましょう。
ひとつのフレームワークだけ活用しても、その側面からしか分析ができないためです。複数のフレームワークを使い比べてみると、さまざまな視点から営業戦略を練れます。
たとえば、3C分析だと自社・顧客・競合の3つの視点からしか分析できません。しかし、そこにSWOT分析やPEST分析を組み合わせると、外的要因やマクロ環境まで考慮して営業戦略を考えられます。
その結果、より精密な施策を講じられるでしょう。
2. フレームワークを使うことを目的にしない
営業戦略を立案するときは、セールスのフレームワークの使用を目的にしないことが大切です。
フレームワークは、営業戦略を効率的に立案したり、業績が伸びないときに分析し直したりするときに活用できる枠組みです。
あくまで業績を伸ばすための、補助的な役割となります。フレームワークを使うことを目的にすると、それで満足してしまい、営業活動が疎かになってしまう可能性があるでしょう。
最終的な目的をセールスで会社の業績を伸ばすことに設定してください。
セールスのフレームワークに関するよくある質問
セールスのフレームワークに関する、以下のよくある質問に回答します。
- マーケティングで最初にやることは?
- マーケティングの5つの行動とは?
- 営業とマーケティングの違いは?
- 営業戦略と営業戦術の違いは?
あらかじめよくある質問を把握しておくと、わからない点が少ない状態でフレームワークを使うことが可能です。
それぞれ見ていきましょう。
1. マーケティングで最初にやることは?
マーケティングで最初にやることは、企業の内外の環境を分析することです。3C分析やSWOT分析、4P分析などを使うと、企業内外の環境を把握できます。
自社の強み・弱みや市場での立ち位置、競合他社との違いなどを分析すると、どのようなマーケティングを行えばよいかわかります。
たとえば、競合他社が注力していない販路を開拓したり、より顧客に刺さるようなアプローチができたりするでしょう。
まずは分析に注力することが重要です。
2. マーケティング戦略を立案するための5つの行動とは?
マーケティング戦略を立案させるための行動は以下の5つです。
- 企業内外の環境の分析
- ターゲットの決定
- 市場での立ち位置の設定
- 顧客に提供したい価値
- 戦略の立案
戦略を立案させるまでには、3C分析やSWOT分析などを行って、自社の強み・弱みや競合他社との違いなどを分析します。また、ターゲティングを行うと、アプローチの方法の明確化が可能です。
そして、市場における自社の理想的な立ち位置を設定(ゴール)します。最後にゴールを達成するために提供する価値と、その提供方法について戦略を立案します。マーケティング戦略を練るときは、これら一連の流れを遵守しましょう。
3. 営業とマーケティングの違いは?
営業とマーケティングでは、その目的に違いがあります。
営業の目的は、目の前の顧客を獲得することです。マーケティングの目的は、市場や顧客ニーズを把握して、商品が売れる仕組みを構築することです。
セールスのマーケティングを行うには、3C分析やSWOT分析、4P分析、PEST分析などのフレームワークを使う必要があります。
一方、営業を効率よくするには、SPINやBANT、MEDDICなどのフレームワークを活用しましょう。
4. 営業戦略と営業戦術の違いは?
営業戦略と営業戦術の違いは、以下の通りです。
- 営業戦略:目標を達成するための中長期的な計画
- 営業戦術:戦略を達成するための取り組み
たとえば、3年後に業績を300%向上させるための計画は営業戦略です。一方、業績を向上させるために、テレアポを1日100件する、訪問営業を1日3件するといった行動が戦術に当たります。
まずは中長期的な目標を決め(戦略)、そのあとに達成させるための具体的な行動(戦術)を考えましょう。
まとめ
本記事では営業戦略・戦術に活かせるセールスのフレームワークを紹介しました。
3C分析やPEST分析、SPINなどのフレームワークを使うと、効率的に戦略や戦術を練ることが可能です。
フレームワークに沿って戦略と戦術を立案し行動すると、業績の向上につながります。しかし、もっと具体的なノウハウを知りたい!と考える方もいるでしょう。
そのように考える方は、株式会社ラーニングエッジのマーケティングセミナー(MBS)をチェックしてみてください。
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