リストマーケティングは顧客リストを利用して効率よくアプローチを行うマーケティング手法です。
自社の財産とも言える顧客リストを活用して売上を増やしたいと考える人が多いのではないでしょうか。
「どのようにリストマーケティングをすれば良いのかわからない」
「何度も配信すると嫌われそうでやりづらい」
「リストマーケティングでは何に気をつけるべきなのだろう」
このように考えている経営者やマーケティング担当者のために、この記事では以下の内容について説明します。
- リストマーケティングの方法
- リストマーケティングのメリット・デメリット
- リストマーケティングを成功させるポイント
- リストマーケティングに役立つ施策
リストマーケティングを活用すると見込み顧客を教育し購入意欲を高めたうえで販売ができるようになるので、ぜひ参考にしてください。
リストマーケティングとは
リストマーケティングとは、自社の顧客リストに対してアプローチし販売につなげるマーケティング手法です。顧客リストに集めるべき情報は、以下のような項目です。
BtoCの顧客リストに必要な項目 | ・氏名 ・性別 ・年齢 ・生年月日 ・電話番号 ・住所 ・メールアドレス ・流入経路 ・購入履歴 ・問合せ履歴 |
BtoBの顧客リストに必要な項目 | ・企業名 ・担当者名 ・代表取締役の氏名 ・電話番号 ・住所 ・メールアドレス ・ホームページURL ・業種 ・資本金 ・売上高 ・上場/非上場 ・社員数 ・流入経路 ・対応履歴 |
顧客の属性はもちろんのこと、自社を知ったきっかけや今までの接点などの記録を残しておくと良いとされています。
リストマーケティングを実践するための5ステップ
リストマーケティングを実践するための5ステップを解説します。
- 集客
- 教育
- 販売
- アフターフォロー
- リストの更新
リストマーケティングでは顧客情報を集め、いかに熱量のあるリストとして持ち続けられるかが重要です。
自社との接点を持った顧客は商品・サービスに興味を持っているため、上手く継続的な消費行動に結びつけることが重要です。
1. 集客
リストマーケティングを実施するためにリストを集めます。顧客情報の収集には様々な方法があります。
オンライン | ・資料のダウンロード ・オウンドメディアの会員登録 ・ウェビナー参加申し込み ・自社サイトでの問い合わせ |
オフライン | ・店頭アンケート ・展示会でのアンケート ・セミナー申し込み ・電話での問い合わせ |
最近は企業に個人情報を渡すことに敏感な人が増えているため、個人情報を登録することで得られるメリットとの交換で登録してもらうことが多いです。
2. 教育
見込み顧客に情報提供することで、自社商品・サービスが必要なものだと感じてもらい購入につなげます。
近年選択肢の多様化や情報収集の簡便化により、企業側から情報提供を行い適切なタイミングでアプローチすることが重要になっています。
以下のような方法で、見込み顧客に対して情報を定期的に発信することが大切です。
- コンテンツ配布
- SNSの発信
- メールマガジン・LINE配信
- リターゲティング広告
- セミナー
見込み顧客には自社商品・サービスにあまり興味を持っていない人も含まれていますが、教育的アプローチを行うことで興味を強めることが可能です。
3. 販売
複数回アプローチをしていると、見込み顧客によって反応する人としない人に分かれていきます。毎回反応する人は熱量が高くて購入意欲があると考えられるため、セールスを行います。
販売のためのアプローチでは、タイミングやメッセージの内容に関して綿密な計画が必要です。
見込み顧客に今買うべき必要性のあるものと認識してもらうため、限定の高いオファーなどで提案しましょう。
4. アフターフォロー
自社商品・サービスを購入した顧客にはアフターフォローを行います。相談窓口を設置したり、購入商品のより良い使い方などの情報を発信したりすることでファン化を強められます。
化粧品などの消耗品の場合、使い終わったタイミングを見計らって再購入や新商品の案内を送るとリピーターになってもらいやすいです。
セールスして購入しなかった見込み顧客に対してもダウンセルの可能性があるため、定期的なアプローチを続ける必要があります。
5. リストの更新
リストは常に最新状態にしておくことが望ましいです。古い情報のもとでアプローチしても顧客に響きません。
アプローチに対する反応や購入の履歴はリストマーケティングの重要な顧客情報です。適宜リストを更新し、アプローチすることが重要です。
リストマーケティングを実施する3つのメリット
リストマーケティングのメリットを3種類説明します。
- 集客・教育・販売のプロセスを自動化できる
- 低コストで成果を期待できる
- 見込み顧客をファン化しやすい
リストマーケティングは自動化やコストの低さから、個人事業主や中小企業でも使いやすいマーケティング施策です。
1. 集客・教育・販売のプロセスを自動化できる
リストマーケティングは準備や仕組みを構築するのに時間がかかりますが、オンラインなら一度作ってしまえば集客から販売までを自動化できます。ホームページから集客し、ステップメールで教育して販売する流れが一般的です。
オフラインであっても見込み顧客の反応度合いでリストが分類されているため、効率よく営業ができます。
2. 低コストで成果を期待できる
リストマーケティングでは、自社商品・サービスに対して関心を持っている顕在顧客や既に購入したことがある既存顧客へアプローチをするため、多額の宣伝費用が必要ありません。
顧客のデータ分析を行うMA(マーケティングオートメーション)ツールや、メールマガジン配信ツールなどの金銭的コストがある程度必要です。
しかしながら、多数の見込み顧客に一斉配信できるため、時間的コストの削減が可能です。
販売までのプロセスを自動化すれば、訪問営業やテレアポをしていた人的コストも削減できます。
3. 見込み顧客をファン化しやすい
新規顧客を増やして売上を増やすのではなく、見込み顧客一人当たりのLTV(顧客生涯価値)を高めて売上を増やすのがリストマーケティングです。
何度も情報を提供して接点を持つことで、見込み顧客は自社に親近感を覚えます。見込み顧客が「この企業は必要な情報を教えてくれる」と考えれば、強固な関係構築も可能です。
見込み顧客をセグメント分けして適切なアプローチを行うため、複数回のメッセージ送信でも嫌われることが少なくファン化につながります。
リストマーケティングのデメリット2つ
リストマーケティングのデメリットは以下の2点です。
- 中長期的な運用が必要
- 情報漏洩リスク
特に情報漏洩は会社全体に多大な損失を与えるため、最新のセキュリティを整備するとともに個人の意識向上が重要です。
1. 中長期的な運用が必要
リストマーケティングにおいて、ゼロからリストを構築する場合は即効性のある結果は臨めません。
見込み顧客と関係を構築するためには定期的に発信しなければならないため、長期間の継続が必要です。
見込み顧客が興味を失ってしまうと、再度興味を持ってもらうために余計な手間暇がかかってしまいます。購入に至らなかったリストに対しても定期的にアプローチをし続け、購入に繋げることが重要です。
2. 情報漏洩リスク
リストマーケティングでは顧客の個人情報を取り扱うため、細心の注意が必要です。サイバー攻撃は年々増加しており、2017年と2022年の上半期を比較すると、サイバー攻撃の被害を受けた組織は8倍以上になりました。
個人情報が漏洩してしまった場合、被害金額が何千万円に及ぶだけでなく顧客や社会からの信頼を失ってしまいます。全社員がサーバー攻撃の脅威を理解し、万全のセキュリティ対策をとることが重要です。
不明なメールは開封しないことやリンクを安易にクリックしないことなど、社員一人ひとりが基本的な注意点を守ることでサイバー攻撃の脅威から身を守れます。
(参考:日本ネットワークセキュリティ協会『サイバー攻撃被害組織のアンケート調査(速報版)について』)
リストマーケティングを成功させる3つのポイント
リストマーケティングを成功させるには3つのポイントに注意しましょう。
- 質の高い見込み顧客を集める
- 見込み顧客に適した情報を提供する
- 過剰なセールスをしない
自社が持つリストを上手く活用することで最大限の成果を得られます。せっかく集めた見込み顧客を失わないように、情報発信を行いましょう。
1. 質の高い見込み顧客を集める
一般的に顧客リストにいる見込み顧客は一度自社と接点を持っているので、自社商品・サービスに興味がある人です。
しかし、購入に対する熱量はバラバラのため、最初から熱量の高い見込み顧客を集めることが大事です。
成約率の高い見込み顧客が多ければ多いほど、リストマーケティングは成果が出やすくなります。
現在持っているリストで購買意欲が高い見込み顧客の特徴を洗い出し、ターゲティングしてアプローチを行うことで、成果の出やすいリストを作成できます。
2. 見込み顧客に適した情報を提供する
顧客情報を集めても活用できなければ成果を得られません。
見込み顧客をセグメントに分けて情報発信をする必要があります。もし自分とは関係のない情報ばかりが届くと、見込み顧客は鬱陶しく感じてブロックしてしまうでしょう。
デモグラフィックでセグメント分けをしたうえで、情報発信をすることが大事です。
3. 過剰なセールスをしない
過剰なセールスは見込み顧客に嫌われてしまいます。
購入意欲が高まっていない段階でセールスしてしまうことのないように、教育から販売のステップを正しく踏まなければなりません。
セールスの内容は毎回同じではなく視点や訴求をずらして行うことで、見込み顧客に同じセールスをしていると感じさせずに開封してもらえます。
リストマーケティングに役立つ施策3種類
リストマーケティングに役立つ施策を3種類紹介します。
- LINE公式アカウント
- メールマガジン
- セミナー・ウェビナー
リストマーケティングはすべての作業を人力で行うのは難しいため、適宜ツールやサービスを活用して実施することがおすすめです。
1. LINE公式アカウント
LINE公式アカウントはLINEをビジネス利用するためのツールです。
自社のLINE公式アカウントに友だち登録したユーザーに対して、メッセージ配信やクーポンプレゼントなどができます。
LINE公式アカウントだけではプライバシーの観点から顧客情報の自動取り込みができないため、チャットのやり取りでわかった情報を手動でメモに残す必要があります。
自動化するにはLINE公式アカウントのAPIを利用したツールが必要です。タグ付けやスコアリング、ステップ配信など、リストマーケティングに必要な機能がそろっています。
LINEはインフラ化しているため、気軽に友だち登録してもらいやすく開封率が高いのが大きなメリットです。
2. メールマガジン
メールマガジンはメールを使った定期配信です。HTML形式でメールを送れば画像や動画もメールで送信できます。メールマガジン配信ツールを利用することで、配信の自動化が可能です。
BENCHMARK JAPANが調査したところ、メールマガジンは世代が上がるほど購読率が高く全体でも71.3%の人がメールマガジンを受信しています。
メールマガジンを活用する上で、迷惑メールフォルダに自動的に振り分けられるのを防ぎ開封率を高めることが重要です。件名に興味を引く文言を入れたり内容を精査したりして、メールマガジンを読むメリットを読者に気付かせましょう。
3. セミナー・ウェビナー
セミナーやウェビナーは参加者に深い情報提供ができます。セミナーを受講するには、開催場所まで足を運んで来てくれるため、意欲の高い見込み顧客が集まりやすいです。
顔を見せて商品・サービスをアピールできるため信用されやすく、テキストだけの情報発信よりも関係構築ができます。セミナーやウェビナーでは参加者を集めることが難しいと考えられていますが、セミナーポータルサイトを集客に役立てましょう。
セミナーズは日本最大級のセミナーポータルサイトとして、様々なセミナー・ウェビナーを取り扱っています。主催登録料やセミナー掲載料は無料です。有料セミナーに申し込みがあって初めて手数料がかかる仕組みのため、かかる費用を抑制できます。
経営者やビジネスパーソン向けのセミナーが多いため、自社商品・サービスとターゲットがマッチするならぜひご活用ください。
参考:セミナーズ
リストマーケティングは多様化した顧客に合ったマーケティング手法
この記事ではリストマーケティングの方法やメリット・デメリットなどについて解説しました。
現代はモノがあふれお金を出せば何でも買える世の中のため、各顧客に適したアプローチでファン化を行う必要があります。顧客情報が詰まったリストはマーケティングにおいて最重要と言えるでしょう。
リストマーケティングは長期的な対応が必要ですが。低コストで売上を増やすことができます。顧客リストを整理しリストマーケティングを導入してはいかがでしょうか。
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