リーダーシップがある人の特徴|育て方3つのコツ

最終更新日: 2024/04/05 公開日: 2024/04/05
  • 従業員にリーダーシップを身につけて欲しいが、何から取り組むべきだろう?
  • リーダーシップがある人に共通する特徴とは?
  • リーダーシップが身につく風土を醸成するにはどうればいい?

上記のような疑問や悩みを抱えていませんか?

今回は、リーダーシップがある人の特徴と、リーダーシップを備えた人材を育てるコツを紹介します。

リーダーシップの捉え方や種類についてもまとめていますので、ぜひ参考にしてください。

リーダーシップとは

リーダーシップとは、自分はもちろん、コミュニティや仲間との関係性を踏まえつつ、達成すべき願望やビジョンに向かって勇気ある行動を起こすことをいいます。

リーダーシップを備えた人材を育成するには、どのような能力を身につけてもらいたいのか明確にしておくことが大切です。

はじめに、そもそもリーダーシップとはどのような能力を指すのか整理しておきましょう。

リーダーシップは資質や性格ではなく「仕事」

「マネジメントの父」といわれるピーター・ドラッガー氏は、リーダーシップについて次のように述べています。

リーダーたることの第一の要件は、リーダーシップを仕事と見ることである。
(『プロフェッショナルの条件』より)

リーダーシップは持って生まれた資質や性格ではなく、一般的な業務と同じ「仕事」である、と定義しているのです。

一般的にリーダーシップは「統率力」や「指導力」と訳されます。

チームや組織を統率していくには、周囲から信頼され、自身も周囲のメンバーを信頼していなければなりません。

信頼することと「好き嫌い」は根本的に異なります。

好き嫌いで仕事への取り組み方が異なるのが好ましくないのと同様、リーダーシップも「仕事・役割」と捉えることが大切です

リーダーシップとマネジメントの違い

リーダーシップとマネジメントは混同されがちですが、実は目的や意味合いが根本的に異なります。

マネジメントは「管理」と訳されるように、現状の組織をまとめ、仕事を進めやすい環境を整えることが主な役割です。

一方、リーダーシップにおいては目標やミッションに向かって組織を牽引していくことに主眼が置かれています

マネジメントが現状に対する「守り」のスタンス、リーダーシップは未来志向の「攻め」のスタンスと言い換えてもよいでしょう。

両者は重複する面があるものの、本来の意味合いは大きく異なっているのです。

管理職になるまでリーダーシップは不要?

管理職にはリーダーシップが求められるシーンが多いものの、管理職になるまでリーダーシップが不要というわけではありません。

リーダーシップは「管理職になったので、今日からリーダーシップを発揮してください」という性質のものではないからです。

リーダーや役職といった肩書がない従業員であっても、率先して提案し、周囲を巻き込んでいく行動が求められています。

とくにビジネス環境の変化が激しい昨今においては、若手・ベテランを問わずリーダーシップは必須のスタンスといえるでしょう。

リーダーシップは管理職であるかどうかを問わず、全従業員に求められる行動・思考の傾向と捉えてください

リーダーシップの種類

「リーダーシップとは何か?」が分かりにくい要因の1つに、リーダーシップにさまざまなタイプがある点が挙げられます。

リーダーシップの主な種類と特徴について押さえておきましょう。

率先型リーダーシップ

率先型とは、チームの目標を達成するために自ら進んで高い目標を掲げ、自発的に行動していくタイプのリーダーシップです。

的確な目標を掲げて行動するには、自身やチームに課された役割を正確に認識している必要があります。

目標達成をコミットし、高い水準の努力を重ねていく姿勢は、周囲のメンバーにも伝播していくはずです

結果としてメンバーのパフォーマンスが向上し、チーム全体で高い成果を収めることへとつながります。

チームリーダーや主任・係長級といった、比較的少人数の組織で求められるリーダーシップといえるでしょう。

共創型リーダーシップ

率先型が自ら動くリーダーシップであるのに対して、共創型はメンバーとともに成果を挙げていくタイプのリーダーシップです。

メンバーと信頼関係を築くことを重視し、メンバーが目標達成に向けて行動するのをサポートしていく役割に徹します

共創型リーダーシップを発揮する本人は、必ずしもどのメンバーよりも高スキルである必要はありません。

自身に足りない面をメンバーに補ってもらうために、調整役に回ることもあるのです。

係長・課長級といった、部下を抱えて仕事をしていく立場の従業員に身につけて欲しい能力といえるでしょう。

理感一致型リーダーシップ

理感一致型とは、自身の理想像と組織としての理想像が一致することに重きを置くリーダーシップのスタイルです。

自身やメンバーが自分らしくあることを重視する一方で、組織の風土やカルチャーへの深い理解が求められます。

個人的に「リーダーらしい振る舞い」をすることよりも、組織の発展を志向するタイプのリーダーシップと捉えてください

組織を率いていく人材に不可欠な能力であることから、課長級の人材に身につけて欲しいリーダーシップといえるでしょう。

変革型リーダーシップ

変革型リーダーシップとは、従業員にマインド面で良い影響を与え、価値観の変革を促すリーダーシップのスタイルです。

表層的な言葉で周囲を率いるのではなく、メンバーの感情を揺さぶり、行動を促していきます

もともとカリスマ性のあるリーダーではなく、実現したい目標やビジョンが言動に表れているタイプのリーダーと捉えてください。

部門長や次長・部長級といった、比較的大勢を率いる人材に必要とされるリーダーシップといえます。

組織のミッションを理解し、自身の言葉で周囲を動かしていくリーダーシップは、一般社員にも求められる能力といえるでしょう。

リーダーシップがある人の特徴7選

リーダーシップがある人の特徴には、主に7つの共通点があります。

リーダーシップを発揮する人材を育成していくために、従業員の行動規範として組み込んでおきたい項目ともいえるでしょう。

1. 周囲から信頼を得ている

周囲を率いていくには、前提として周囲から信頼されている必要があります。

自らの発言に責任を持ち、やるべきことは最後までやり遂げる人だと周囲から思われていることが重要です。

相手によって態度や話し方を変えず、表裏なく接することも大切なポイントといえます。

周囲から厚い信頼を得ているからこそ、言葉が説得力を帯び、チームや組織を動かす原動力になれるのです

2. 行動力があり失敗を恐れない

失敗を恐れず、困難な状況に置かれてもポジティブに努力し続けられる人は優れたリーダーシップを発揮する傾向があります。

行動を起こす頻度が高いほど失敗するリスクも高まるものの、失敗から学び、経験値へと変えていくことができるタイプの人です。

困難な課題に直面した際、「できるかどうか」よりも「なぜ解決する必要があるか」を考える人材を育てていく必要があります

行動力のある人材を組織内に増やしていくことは、イノベーティブな組織を築いていく上でも非常に重要なポイントです。

3. 物事や人に対して誠実に向き合う

相手の立場や自分にとっての損得勘定ではなく、あらゆる物事や人に対して誠実に向き合えることも特徴の1つといえます。

誠実さが信頼を醸成し、信頼が協働へとつながるため、結果的にチームや組織が活性化され優れた成果を収めることができるのです。

誠実であることは、実はリーダーシップを「仕事」と捉えられるかどうかに深く関わっています。

個人的感情に囚われることなく、果たすべき役割を客観視するには、物事や人をフラットな視点で捉える必要があるからです

誠実さは人柄や性格に起因するものではなく、リーダーシップを向上させるために必要な要素と捉えてください。

4. コミュニケーション能力に長けている

コミュニケーション能力は、リーダーシップを支える重要な柱の1つです。

周囲を率いていくには、必要な情報や伝達事項を正確に伝え、共有していく必要があります。

コミュニケーションと言っても、単に「伝えたつもり」「説明したつもり」では十分とはいえません。

相手に「伝わった」かどうか、伝わった結果として相手が「行動」しているかどうかが重要なポイントです。

高圧的に指示・命令するのではなく、相手に気持ちよく動いてもらえるよう言葉を選ぶといった配慮も求められるでしょう

5. 信念を持って決断できる

自身の役割を明確に捉え、首尾一貫した判断・行動へと反映させられることも、リーダーシップを発揮できる人に共通した特徴です。

的確な判断を短時間で下すには、組織・チームとしてあるべき姿・ゴールを見据えている必要があります。

独りよがりの信念ではなく、組織の風土やカルチャーに根差した信念であるかどうかも重要なポイントです。

判断基準が一貫しているからこそ、状況によって判断がブレることなく、信念を持って決断することができるのです

6. 困難や問題から逃げない

目標を達成する上で困難や問題に直面するケースは決してめずらしくありません。

困難や問題に直面した際、言い訳をしたり他のメンバーに責任転嫁したりするようでは周囲から信頼されないでしょう。

高い負荷がかかったとしても「どうすれば解決できるのか」を冷静に考えられる人はリーダーシップを発揮する傾向があります。

困難や問題から逃げない姿勢は周囲のメンバーにも伝播し、責任をもって任務を遂行するチームが形成されていくはずです

7. セルフマネジメントができておりメンタルが安定している

安定的にリーダーシップを発揮できる人は、多くの場合メンタルが安定しています。

想定外の事態に直面した際にも冷静さを失わない術を身につけており、解決に向けて1つ1つ着実に行動できるのです。

安定したメンタルは生来のものと思われがちですが、実際にはトレーニングによって培うこともできます。

業務の中で生じる小さなミスや失敗を乗り越える方法を学び、経験値に変えていくことが大切です

リーダーシップのある人材を育てるポイント

リーダーシップのある人材を育てるには、どのような取り組みが求められるのでしょうか。

従業員がリーダーシップを発揮しやすい環境を築いていく上で重要なポイントは次の3つです。

ポイント1:心理的安全性の高い組織風土を築く

リーダーシップを発揮するには、失敗を恐れない行動力を身につけていく必要があります。

従業員にとって心理的安全性が低い職場では、失敗することのリスクが必要以上に高く見積もられがちです。

果敢に挑戦するよりも失敗を避ける判断・行動を選ぶ従業員が増えてしまうと、リーダーシップは醸成されません。

一度の失敗で失望されたり、著しく評価を下げられたりすることがないと確信できる組織風土を築いていくことが重要です

日頃からお互いを尊重し、心理的安全性の高い環境を整備していきましょう。

ポイント2:信頼して任せる

誰もが初めから優れたリーダーシップを発揮できるとは限りません。

実際に仕事を任され、自身の役割を全うしたという経験を重ねる中で、徐々にリーダーシップが培われていくのです。

小さな成功体験を積み重ねてもらうには、実務レベルで責任を伴う仕事を少しずつ任せていく必要があります。

任せる際には形だけ役割を与えるのではなく、相手を心から信頼して任せることが大切です。

「信頼して任せてもらえた」という経験の積み重ねが自信となり、自発的な判断・行動へとつながっていくでしょう

ポイント3:チャレンジを歓迎し失敗を責めない

自ら手を挙げる従業員を歓迎し、結果的に失敗した場合も個人的な失敗として責めないことが重要です。

たとえ小さな仕事であっても、自分からチャレンジするという決断に至るまでには迷いや躊躇があったに違いありません。

チャレンジを歓迎し、「手を挙げた人が評価される」文化を醸成していくことでリーダーシップが培われていきます

失敗した場合はチームの学びとして共有し、経験値として次に生かすスタンスを組織に浸透させていきましょう。

まとめ

古くは生来の資質と捉えられていたリーダーシップですが、近年は後天的に伸ばせる能力という捉え方が一般的になりつつあります。

リーダーシップが培われる環境になっているかどうか、経営者の皆さんは自社の状況をぜひ振り返ってみてください。

従業員が果敢に挑戦し、失敗を恐れず行動していく組織になれば、自ずと組織は活性化していくはずです。

役職や入社年数を問わず「全員がリーダーシップを発揮できる」職場を目指してみてはいかがでしょうか。

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最終更新日: 2024/04/05 公開日: 2024/04/05