- 中村天風について知りたい!入門書として読みたい本は?
- 中村天風の思想や考え方を取り入れて、仕事に活かしたい…!
この記事は中村天風の考え方を取り入れて、日常生活をよくしたりビジネスに活かしたりしたい人におすすめします。
『中村天風一日一話』は、中村天風の哲学を一日一項目ずつ366個に渡って読み進められる本です。
今回の記事では『中村天風一日一話』の366個の内容のなかから、特に経営者の方に読んでいただきたい内容を抜粋して紹介します。
『中村天風一日一話』とは
『中村天風一日一話』とは、中村天風(以下、筆者)のものの考え方や思想について、366個の項目を通して知ることができる本です。
中村天風の思想には、以下の人物を始め多くの著名人が影響を受けたと言われています。
- 原敬
- 松下幸之助
- 稲盛和夫
- 大谷翔平
本書を読めば、著名人も日々の生活に活かしている思想や哲学を知ることができます。あなたの経営をよりよくするヒントも見つけられるはずです。
ここでは、財団法人天風会の編集による『はじめに』で語られた筆者の哲学が分かる一部分を紹介させていただきます。
天風哲学は、日々に実践することで自らの課題を見出すことです。当然ながら、単なる個人主義ではなく、利他の精神をも養うとともに、個人としても人類の平和と幸福に貢献すると言う考え方です。
『中村天風一日一話 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話』(編集:中村天風財団,2005年8月,PHP研究所,P.5より引用)
この本を読み進めることによって、筆者は私たちが何気なくおこなっている日々の行動を振り返るきっかけを与えてくれます。
教えから気付きを得て自分自身を振り返り、活かせるものがあれば実践してみてください。
天風哲学の考え方にもあるように、実践するなかで新たな課題や疑問を感じることがあると思います。
その事象を振り返り新たに改善を加えて実践してまた反省して、と繰り返すことでより良い答えを見つけることができるでしょう。
構成
月日を指定してそのなかで項目を読み進めることができるため、書籍のタイトル通り一日一話を読み進めることが可能です。
朝起きたときや、夜の就寝する前など決まった時間に習慣として一日一話読み進めれば一年間で筆者の哲学を修得することができます。
また、一つの項目は1ページで完結する内容であるために読み進めやすいです。項目で気になった部分をつまみながら読むこともできます。
『中村天風一日一話』の内容を紹介
ここでは、『中村天風一日一話』の内容を一部紹介しましょう。
特に経営者の方が企業経営を進めるうえでヒントになるような項目をピックアップして紹介します。
1月2日 変転極まりなきが人生
筆者は、人生を変化し続けるものであるといいます。
私たちは、変化を恐れて一歩を踏み出すのを恐れたり、なるべく今の生活を維持したいと考えたりするでしょう。
しかし、必ず不測の事態は起こるものです。
私たちは、予想していなかった出来事が起こったときに動揺したり冷静に物事を考えられなくなったりするかもしれません。
筆者は、何かあったときに明らかになる自分の欠点や短所はどのようになるのかということを深く掘り下げることが大切だと述べます。そして、そこから自分の本質が分かるというのです。
私たちは思いがけないことが起こったときに、普段は明らかにならない本当の自分の短所が分かることがあります。
そのときに自分の姿を俯瞰的に見つめることで、新たな気付きや教訓を得ることができるのではないでしょうか。
1月23日 求道とは実行である
筆者は、どれほど素晴らしいことを教えてもらったとしても実行しなければ意味をなさないといいます。
実行する積極的な心を絶えず途絶えないようにしたいのであれば、不満を感謝に置き換える努力をするべきであるというのです。
実行することができないことのたとえ
筆者は実行をすることができない例えとして以下のようなことをあげます。
例えば、積極心を身につけるにあたって、感謝の念が重要であることはよく知っているはずだが、いざとなると不平不満が先行してなかなか実行が伴わない。
『中村天風一日一話 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話』(編集:中村天風財団,2005年8月,PHP研究所,P.21より引用)
何かを実行することは、今までの習慣ややり方を変えることでもあります。
私たちが現状維持をしたいと考えるのは避けられないことです。私たちは、自分に言い訳をすることによって行動に移すのを避けることがあると思います。
実行する前に不平不満を言ってしまい行動に移せない自分に気付くことが、絶えない実行ができるきっかけとなるのではないでしょうか。
2月6日 言葉を選択しよう
筆者は、自分自身が使用する言葉の重要性を語ります。どのような言葉を話すのか自ら選択するべきであるというのです。それは消極的か積極的であるかの二つに分けることができます。
例えば、私たちはネガティブなことを日常的に焦点をおいて考えてしまいがちです。ニュースやメディアでポジティブな情報よりもネガティブな情報が目につきやすいことにもそのことが分かると思います。
筆者は一つひとつの言葉に注意してもよいほど、私たちは消極的なことを無意識に言っているというのです。
積極的な言葉を選択することの重要性
筆者は、私たちが普段無意識に口に出す言葉について振り返る機会を与えて、新たな視点を持つきっかけを教えてくれます。
とにかく、習いは性でありますから、人と口をきくときでも、「まいった」「へこたれた」「助けてくれ」「困っちゃった」なんてことは言わないこと。
『中村天風一日一話 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話』(編集:中村天風財団,2005年8月,PHP研究所,P.30より引用)
あくまでも自分の心というものを颯爽、溌剌たる状態にしておくためには、今言ったような消極的な否定的な言葉はだんぜん用いないこと。
心を整えることは、理性的な判断をすることにもつながります。そして、心を整えるためにまず普段口にする言葉から見直してみてください。
アンソニー・ロビンズも大事にする心と体のつながり
アンソニー・ロビンズも、筆者と同様に心を整えるためには体や言葉を上手く使うことが重要であるといいます。
心と体はつながっているものであるといっているのです。
例えば、消極的なことを言いながら背中を丸めれば、自然と心は下向きになります。反対もしかりです。
心と体の繋がりを感じて、積極的な言葉や体の使い方をすることは心を整理するために重要なことを意識しましょう。
繰り返しになりますが、私たちは無意識下で消極的になってしまいます。心を整理するための言葉と身体の使い方は、決断の機会が多い経営者が知っておきたいスキルです。
6月15日 原因結果の法則
筆者は日々の生活において強く左右するものがあり、それは「原因結果の法則」であるといいます。
これは「まいた種のとおり花が咲く」ということであり、「善因善果・悪因悪課の法則」であるのです。
ちなみに、「善因善果」は良い行いは良い結果につながることを意味し、「悪因悪課」は悪い行いは悪い結果を生むことを指します。
私たちはこれを心に強く刻み日々の行動をしてください。この考え方から、自分の行いを振り返り反省しながら行動する大切さを読み取ることができます。
1月9日にも自分が蒔いた種に関する項目が書かれている
同じく、1月9日には類似の内容が書かれていて「自分で蒔いた種」がテーマです。
その章では、すべての事象は偶然起こるのではなく自分で蒔いた種によって起こると述べられています。
良いことも悪いことも自分の知る範囲であるか知らない範囲であるかを問わず「種から実がなった」というのです。
筆者は、蒔いた種が良いこと悪いことへの結果につながることについて考えを述べています。
「活きる心構え」というものに正しい自覚が、そして反省が、常に油断なくおこなわれていないで生きると、ぜんぜん自分が気のつかないような悪い種を、健康的にも運命的な方面にも蒔いてしまうんです。
『中村天風一日一話 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話』(編集:中村天風財団,2005年8月,PHP研究所,P.13より引用)
私たちにも、蒔いた種が実になる瞬間を感じたことがある人も多いでしょう。
- 過去の時の出来事が現在に影響を及ぼしているのを感じるとき
- ささいな出来事がきっかけで、物事が大きく進んでいくとき
後から昔を振り返ると、蒔いた種が未来に影響を及ぼしていると感じる出来事はいくつもあると思います。
今自分が蒔こうとしている種をまくべきなのか、正しい行いであるのかなどあらゆる視点で考えてみてはいかがでしょうか。
8月16日 大事に臨んでは落ちつけ
筆者は、「大事に臨んでは落ちつけ」という諺について考えを述べました。
私たちは、日々どうしようかと悩みや壁にあたることがあると思います。
そのときに消極的な気持ちで判断を下そうとすると理性的な選択ができません。本当の意味で正確な判断をすることは難しくなってしまうのです。
筆者は、大きな出来事に遭遇したときはもちろん、どんなに小さな出来事にも「虚心平気」の心で物事を考察すべきといいました。
「虚心平気」とは、心を静めて雑念をなくすことを意味します。気持ちを穏やかにして心を落ち着かせとらわれないことともいえるのです。
第三者の視点からは名案が浮かぶが、当事者になるとうろたえる
多くの人は大きな決断を迫られたとき、感情的になってしまいさまざまな考えが心に浮かび落ち着かない気持ちになるはずです。
筆者は、このような事態について自分自身の考えを述べています。
関係のないことだと、自分でも感心するような名案や工夫が出るが、わが身に直接降りかかった問題だと、よい分別が出にくいのも、その時の心的状態がすこぶる大きい関係をもっている証拠である。
『中村天風一日一話 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話』(編集:中村天風財団,2005年8月,PHP研究所, P.142より引用)
このことから学べることは、直接降りかかった問題に対して自分の素直に感じていることを見つめる重要性です。
自分の心の動揺や状態に心がとらわれていることを自覚することで、自分自身を客観的な視点で見られるようになります。
そして、心を静めて雑念をなくす「虚心平気」の気持ちを思い出して問題に向き合えば適切に対処するための判断を下せるはずです。
「9月17日 心に使われるな」にも通ずる項目
筆者は、心に使われると正常な判断ができなくなるとも述べます。心をとらわれないようにするためには大きな意志の力が必要です。
意志の力を使って心を操縦できなければ、心に使われた状態になってしまい感情的に行動してしまいます。そうすると、正しい決断ができなくなるのです。
では、心に使われないためにはどのようにすればよいのでしょうか。
それは、積極性を持つことを心がけることです。積極的な言動をおこなうことは、心身統一の観点から消極的な気持ちになることを防ぎ、心をとらわれないようにできるとも考えられます。
筆者は、積極性を持つ言葉の使い方や行動をすることを、複数の章で繰り返しすすめています。心に使われていないかを内省する、そして普段から積極性を持ち、とらわれないようにする心がけをしていきましょう。
12月8日 「時は金なり」
筆者は時は金なりという言葉に新たな解釈を説きます。「時は金なり」は、時間はお金と同じように大切なものであり、無駄にしてはいけないという意味です。
政治学者のベンジャミン・フランクリンが生んだ言葉として知られています。
筆者は、お金は仮に失ったとしても取り戻すことは不可能ではないといいます。一方で、時間は一度失ってしまうと二度と返ってくることはありません。
時間が元には戻らないことについて「時間は永遠に現在の意識に決して戻ってこない」と表現しています。
私たちが現在考えていることである意識は、数年後には変化していて数年後も同じ物の考えでいることはないでしょう。今見えている景色を実感しながら、過ごすことの大切さを教えてくれます。
まとめ
今回の記事では、『中村天風一日一話』の内容のなかから経営者の方にとってためになる項目を抜粋して紹介しました。
ご紹介した項目は、経営者に大切な決断や日ごろの行いをおこなううえで重要なことです。
本書では、このような項目のほかにも、健康や毎日を楽しく生きるための方法など多様な事柄が説明されています。
この本を読めば、健やかな心身を育み充実した毎日を過ごすためのコツを知ることも可能です。今回ご紹介した内容が、本書に興味を持つきっかけとなれば幸いです。
出典:『中村天風一日一話 元気と勇気がわいてくる哲人の教え366話』(編集:中村天風財団,2005年8月,PHP研究所)
1月2日 変転極まりなきが人生 部分(P.9)
1月23日 求道とは実行である 部分(P.21)
2月6日 言葉を選択しよう 部分(P.30)
6月15日 原因結果の法則 部分(P.105)
(1月9日にも自分が蒔いた種に関する項目が書かれている 部分(P.13))
8月16日 大事に臨んでは落ちつけ 部分(P.142)
(「9月17日心に使われるな」にも通ずる項目 部分(P.159))
12月8日 時は金なり 部分(P.206)
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