
アンソニー・ロビンズは世界で最も影響力のあるコーチと言われる人物の一人です。
「カリスマコーチ」と呼ばれるアンソニー・ロビンズの代表著書が『運命を動かす』です。
人生を劇的に変えるための具体的な方法が記されていますが、それらの手法はビジネスにも生かすことができます。
- 経営者としてもっと成長したい
- よりすばらしい成果を上げたい
- 人生の質を高め夢を実現したい
本書は人間的にも成長し、成果を上げるための行動指標を得られる1冊となるでしょう。
この記事を参考に、ぜひビジネス成功へのステップにしてください。
運命を動かす大原則

「ビジネスを成功させたい」「夢を実現させたい」と多くの人が願っているのではないでしょうか。
しかし実際は、仕事の忙しさに追われてしまい、なかなか行動に移せないという方も多いものです。
ここでは、アンソニー・ロビンズが提唱する運命を動かすための原則についてご紹介します。
アンソニー・ロビンズが成功を手に入れた方法
「パワーを一点に集中させたこと」これこそが、アンソニー・ロビンズが現在の成功を手に入れた理由だと言います。
結果が出ない悩む人の多くが、色々なことをちょっとかじってみるだけで途中でやめてしまうことが原因です。
アンソニー・ロビンズの人生を突き動かしてきたのは、一つの疑問を持っていたからだと言っています。
それは、「何が人生の質の違いを生み出しているのか」ということ。
- 決して幸福ではない環境で育っても、逆境を乗り越えて多くの人を感動させられる人生を送れるのはなぜか
- 一方で、裕福で何不自由ない環境で育ち、多くのチャンスに恵まれてきた人もいる。しかし、大人になると飲みに行っては仕事の愚痴ばかり言い、健康診断の結果に一喜一憂しているのはなぜなのか。
誰もが才能や夢を実現する力を持って生まれてきます。
持てる資質のすべてを「一つの分野」に集中させることで、自分の中に眠る巨大な力を操れるようになるのです。
自分の才能を信じ、一点に集中し行動していくことですばらしい成果を上げることができる、とアンソニー・ロビンズは述べています。
永続的な変化を実現する方法
誰もが一瞬にして人生を変えるパワーを持っています。しかしその変化は一時的なものになってしまいがちです。
企業においても、一時的に売上を伸ばすことはそれほど難しくないかもしれませんが、その変化が持続する必要があるのです
アンソニー・ロビンズが説く、永続的な変化を実現するための「変化の三大基本原則」について解説します。
「基準」を高める
何かを変えるには、自分が持つ「基準」を高めなくてはいけません。
アンソニー・ロビンズがかつての凄惨な人生から抜け出せたのは「自分に対する要求を厳しくした」からです。
まずやるべきことは次の3点です。
- 自分の人生で達成したい目標
- 今後受け入れがたい事
- 自分が耐えられない事
これらを全て書き出します。
これらを書き出す理由は、自分に対して決して妥協しないと決めるためです。自分への基準を低く設定してしまうと、それなりの成果しか得られないのです。
アンソニー・ロビンズはじめ多くの偉人たちが自分に課す基準を厳しくし、成功を手に入れてきました。
信念と確信を持つ
基準を厳しくしても、「達成できる」と信じなければ行動に繋げることができません。
「信念」は問答無用の絶対命令のようなものだ。信念があってこそ、すべての行動、思考、感情が形成される。意味のある永続的な変化を人生にもたらすには、自分の信念を変えなければならない
アンソニー・ロビンズ『運命を動かす』
現状を変えたければ、自分の「限界」を取り払うことです。
「今の自分であればこれくらいだろう」「この程度で十分だ」という限界の意識を捨てることが大切です。自分の信念を実行に移すことで、能力が発揮され成功を手に入れることができるでしょう。
変化を起こすために身につけるべき信念は次の3つです。
- 「絶対に変わらなければならない」と信じること
- 「自分の力で変えなければならない」という自分への責任感
- 「自分は変わることができる」という確信
最適な戦術を見つける
夢の実現には、最適な戦術を使うことも重要です。
アンソニー・ロビンズは、自分に課す基準を高め、信念を持っていれば戦術を見つけることはそれほど難しい事ではないと言います。
具体的な戦術の見つけ方は、自分が持つ夢を既に実現している人をマネする事です。
成功者がどんな考えや信念を持ち、どのように行動しているのかを学びましょう。
戦術を一から作り上げることは時間がかかります。うまくいっている人のマネをすることが成功への最短ルートなのです。
そして、このアンソニー・ロビンズの著書『運命を動かす』を一つの戦術とすることが、理想の人生を実現する方法と言えます。
「決断」が運命を決める

アンソニー・ロビンズが自分の力で道を切り拓き理想の人生を手に入れられたのは、「決断する力」の使い方をマスターしたからです。
運命を決定づけるのは「周りの環境」ではなく「各自の決断」だと、私は心の底から信じている。
アンソニー・ロビンズ『運命を動かす』
人生は決断の連続です。企業の場合は経営者の意思決定が命運を左右するということです。
適切に決断し、道を切り拓いてこそ成功をおさめることができるのです。
「思う」と「誓う」は違う
多くの人は「ビジネスがもう少しうまくいくといいな」など、ビジョンが曖昧なことが多くあります。
この気持ちの裏側には自分から行動はしないが、自然とこうなれば良いのにという本音が隠されていて、実現の可能性が低くなります。
一方で、本当に成果を出す人が行っているのは、「必ずこれを達成する」と自分への誓いを立てること。
自分に対して固い決意を持ち、「何をしてどんな人生を送りたい」のかを決断する必要があります。
決断すれば行動が変わり、そしてその瞬間に運命が形作っていくと、アンソニー・ロビンズは言います。
失敗から「経験」を手に入れる
決断をすることは怖いと感じるかもしれません。決断を誤った時のことを考えるとなかなか決められないという人もいるでしょう。
その結果、失敗するくらいなら何もしない方が良いと考えることもあります。
ビジネスでは日々決断の連続です。決断は経営者の仕事だとも言えます。
どんなに優れた経営者も、判断を誤ることはあります。
大切なことは、結果を客観的に見て対応し、間違えた時は素直に認めて同じ間違いを繰り返さない事だとアンソニー・ロビンズは説きます。
失敗は「人生の失敗」ではなく、「結果」であり「成功の確率を高めるための経験値」なのです。
失敗することによって原因を分析し、より良い結果を手に入れるための「新しい知識」を手に入れることができるのだとアンソニー・ロビンズは述べています。
決断力を高める「苦痛と快感の原則」
一生を通じてあなたを行動に駆り立てる「理由」-それは、「苦痛」と「快感」だ。人間が行動するのは、苦痛から逃れるためか、快感を得るためのどちらかである。
アンソニー・ロビンズ『運命を動かす』
理想の結果に向けて行動を起こせない原因は、将来の成功へのチャンスを逃すことよりも、今この瞬間に行動を起こすことの方が苦痛だと感じているからです。
例えば新しい製品やサービスを扱うかどうかの決断をする際も、失敗したり大損したりしたらどうしようと考え、決断できないことがあるでしょう。
新しい利益を掴むチャンスよりも今あるものを失う恐怖の方が勝ってしまうのです。
これは、行動経済学の理論の一つ「プロスペクト理論」でも唱えられています。
人は損失を避けようとする習性「損失回避性」があり、得る喜びよりも失うことを避けようとするのです。
決断力を高めるためには、「自分が起こしたい行動」とそれによって得られる「快感」を結びつけることが重要だとアンソニー・ロビンズは言います。
大切なことは自分の「基準」を高め、一時的な苦痛よりも長期的な喜びを選択できる自分になることなのです。
成功に導く自分への質問

人は、日々無意識的に自分に対して質問を投げかけています。
「今どちらを選択すると良いか?」
「どうしてこんなことをやらないといけないのだろう?」
「失敗しないためにはどうすれば良いか?」
このようなものです。
この「質問の仕方」によって、行動も結果も変わってくるとアンソニー・ロビンズは説いています。
では、どのような質問をすればより良い結果に繋がるのでしょうか。
質問の質が人生を変える
望む結果を手に入れるためには、無意識習慣を変えなくてはいけません。
ビジネスにおいても有益な答えを導き出すには、「適切な質問」が重要なカギとなります。
「なぜできないのだろう?」「何がダメなのだろう」ではなく、「どうすればできるようになるのか」「何が良い結果を生むだろうか」という質問に変えるのです。
日清食品の創業者 安藤百福氏は、「何か人の役に立つことはないか?」と常に自問していたと言います。
自分に対してより良い質問をすることが人生の質を決めるとアンソニー・ロビンズは説きます。
問題を乗り越える5つの質問
人生においてもビジネスにおいても、必ず問題に直面する時があります。その時大切なことは、自分の能力を引き出せるような質問を投げかけることです。
アンソニー・ロビンズは次の5つの質問が、問題を乗り越えるために有効だと述べています。
- この問題の「いいところ」は何か
- まだ改善の余地はあるか
- 思った通りの結果を得るために、やろうと思うことはどんなことか
- 思った通りの結果を得るために、このまま続けていてはいけないことは何か
- 思った通りの結果を得るために「必ずやらなければいけないこと」を楽しくやるにはどうすればいいか
目に入るところにこの「5つの質問リスト」を置いておき、問題にぶつかった時に自分に投げかけてみてください。
視点が変わり、今できることや問題の解決法が見えてくるでしょう。
アンソニー・ロビンズが行う朝のルーティン
成功者の多くは朝の過ごし方を重視しています。
精神科医であり、作家でもある樺沢紫苑氏は著書「脳のパフォーマンスを最大まで引き出す神・時間術」で、
人間の脳は、起きてから2、3時間のパフォーマンスが1日で最も高い。「脳のゴールデンタイム」と呼ばれるこの時間帯は、論理的な作業や執筆、語学学習といった高い集中力を要する仕事を行うのに適している。
樺沢 紫苑 『脳のパフォーマンスを最大まで引き出す 神・時間術』
と述べています。
脳科学的に最高のパフォーマンスが発揮できる時間に、自分にとってより良い質問を投げかけることはとても重要なのです。
アンソニー・ロビンズは成功の儀式として「朝のパワークエスチョン」に毎朝答える習慣をつけています。前向きな感情を高めるのにとても効果的です。
この質問に答えることで、「幸せで情熱的な感情」を引き出すことができるといいます。物事の捉え方や感じ方にも良い影響が出ると説いています。
- 今、自分の人生で何が一番幸せだと感じるか。
- 今、自分の人生で何が一番刺激的だと感じているか。
- 今、自分の人生で何に一番誇りを感じているか。
- 今、自分の人生で何に一番感謝しているか。
- 今、自分の人生で何を一番楽しいと感じているか。
- 今、自分の人生で何に一番一生懸命になっているか。
- 私は誰を愛しているのか。誰が私を愛しているのか。
パワークエスチョンに加え、朝をよりパワフルに過ごす習慣についてはこの記事も参考にしてみてください。
人生を変える言葉の使い方

言葉の持つパワーは非常に影響力があり、人生を変える力があります。
何となく放った言葉で、相手を傷つけたり傷つけられたりした経験がある方もいるでしょう。
「賢く選んだ言葉は大きなパワーを持つにもかかわらず、言葉の選び方に無頓着な人が多すぎる」とアンソニー・ロビンズは言います。
では、どのように言葉を使いこなせば良いのでしょう。
言葉を変えれば感情が変わる
普段使っている言葉(自分の気持ちを表現するために使っている言葉)を変えるだけで、たちどころに考え方、感じ方、生き方を変えることができる
アンソニー・ロビンズ『運命を動かす』
「怒り」に対しても、表現を変えるだけでこみ上げる感情を抑えることができると言います。
感情に対して間違った「言葉のフィルター」をかけることにより、「少し難しい」程度の問題が絶望的な経験になることもあるのです。
「言葉に気をつけなさい、それはいつか行動になるから」というマザーテレサの言葉にもあるように、言葉によって人の行動が変わります。
無意識的に言葉を選ぶのではなく、意識的に適切な言葉を使うことが大切です。
人生を好転させる「言葉のリスト」
無意識に使っている言葉を少し言い換えるだけで、生活の質が劇的に向上します。
ここでは、ネガティブな感情を転換する言葉と、良いことをさらに良い状態にする言葉をご紹介します。
マイナス感情を抑える言い換え
普段の生活や仕事をする中で、問題に直面したり嫌な感情になる出来事に遭遇することもあるでしょう。
この時感じるマイナスの感情も、使う言葉で一瞬にして断ち切ることができるのです。
アンソニー・ロビンズが推奨する、マイナスの感情を抑えるために役立つ心にゆとりが出る言葉をいくつかご紹介します。
- 腹立たしい → しらける
- 頭にくる → カチンとくる
- 嫌い → ~の方が好き
- イライラする → 刺激的
- 失敗 → 勉強
普段からよく使っている言葉もあるのではないでしょうか。
使うと嫌な気分になる言葉を、思わずクスっと笑ってしまう言葉に言い換えることを意識してみてください。
「良いできごと」を「最高の状態」に変える言い換え
言葉の言い換えは、悪い感情を抑えるだけではありません。良い事を、さらに良い状態に変えることもできるのです。
ここでは、「最高の状態」を作る言葉を挙げます。
- ちょうど良い → サイコーの
- 幸運な → めちゃくちゃラッキー!
- オーケー → 完璧
- すごい → 目玉が飛び出る
- 興味深い → 夢中になる
言葉には「創造の力」と「破壊の力」の両方が備わっています。成功するか失敗するかも言葉の力が関わってくるとも言えるでしょう。
運命を変える「メタファー」
アンソニー・ロビンズは、「メタファー」の重要性についても説いています。言葉の中でも特に強い感情や深い意味がこもっていると言っています。
メタファーは「暗喩」のことで、何かを説明する時などに用いられる「たとえ」のこと。
自分の気持ちを簡潔に表現し、感情を瞬時に変える力があります。
例えば、従業員を「人財」と表現する方もいるかもしれませんが、これも一つのメタファーです。人を会社の財産と捉えることで、相手との接し方も変わるでしょう。
課題に直面した際に、「高い壁が立ちはだかっている」と表現することがあります。
それを「ヒラリと乗り越えられる」と言い換えるか、「全く歯が立たない」と感じるかで対処に違いが出るものです。
限界を感じるようなメタファーを使ってしまったときは、すぐに新しいメタファーを見つけるべきだとアンソニー・ロビンズは述べています。
まとめ

『アンソニー・ロビンズの運命を動かす』は、日常や仕事上での気づきをもたらしてくれます。行動を起こし、運命を動かすための道しるべとなる本と言えるでしょう。
世界No.1のカリスマコーチがどのように人生を変え、成功を手に入れてきたかについても触れられています。
また、本書の訳者は日本を代表する作家「本田健」氏です。本田氏による「訳者の言葉」にも成功のヒントがちりばめられています。
経営の質を向上させたい方や成果を上げたい方はぜひ参考にして、人生とビジネスの戦略指標としてください。

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