マーケティングの手法の考え方のひとつである「フロントエンド」と「バックエンド」という概念。
「フロントエンド」と「バックエンド」という2つを使ったマーケティング手法は、2ステップマーケティングとも呼ばれており、この手法を上手く利用できれば、その効果は大きいと言われています。
しかし、「フロントエンド」と「バックエンド」の違いや、どうやって2つを繋ぐのかなど、実はよくわかっていない方が少なくないのではないでしょうか。
この記事では、「フロントエンド」と「バックエンド」それぞれの概要や、「フロントエンド」と「バックエンド」の構築方法について詳しく解説してきます。
フロントエンド・バックエンドとは
「フロントエンド」と「バックエンド」とは、商品を戦略的に区分することです。言い換えると、購買体験を登りやすい階段のようにすることです。
例えば、高額な商品を購入するとき、いきなり購入するのは不安で手を出しにくいものです。
そこで、購入までのステップとして「フロントエンド」を設置し、価値を順番に体験してもらってから「バックエンド」の商品を購入してもらいます。
まずは「フロントエンド」と「バックエンド」について、概要とそれぞれの違いを解説します。
フロントエンド
「フロントエンド」とは、集客商品とも呼ばれており、名前の通りプロセスのフロント(前)に置かれる商品やサービスのことです。
「フロントエンド」の目的は見込み客を集客することです。
例えば、「フロントエンド」を設置しているのに上手く集客ができないとしたら、その「フロントエンド」は間違っていることになります。
なぜなら、「フロントエンド」はあくまでも集客を目的としているからです。
「フロントエンド」は、自社の商品やサービスである必要はありません。
見込み客になりそうな人が多く集まりそうなところで他社と共同開催し、他社の商品やサービスを「フロントエンド」にするという方法もあります。
「フロントエンド」はあくまでも自社の「バックエンド」ステップに進んでもらうためのものだということを覚えておきましょう。
バックエンド
「バックエンド」とは、収益商品と呼ばれ、プロセスの最後(後ろ)に置かれる商品やサービスのことです。
「バックエンド」は、自社にとって最も価値提供できる商品、つまり最終的に購入して欲しい商品やサービスのことです。
また、「バックエンド」は独自の価値が最大化されている商品でもあります。
最も価値が提供しているからこそ自社の収益も上がり、見込み客にぜひ購入してもらいたい商品です。
フロントエンド・バックエンドの具体的な例
「フロントエンド」と「バックエンド」の具体的な例を見ていきましょう。
自社の商品にはどちらの方法が向いているのか考えた上で参考してみてください。
例① フロントエンド:無料クーポン・サービス、バックエンド:本商品・サービス
1つ目の例は、フロントエンドが無料クーポン・サービスの場合です。
最初に無料で商品やサービスを体験してもらい、価値を感じてもらってから「バックエンド」である本商品・サービスを購入してもらう流れです。
「フロントエンド」を無料にする場合、「フロントエンド」への流入数は多い一方で、購買意欲が低い方も一定数含まれてしまいます。
そのため、「フロントエンド」を有料にした場合と比べると「バックエンド」の購入率も少し低くなる傾向にあります。
例② フロントエンド:お試しセット・サービス、バックエンド:本商品・サービス
2つ目の例は、お試しの商品やサービスを低価格で購入してらい、サービスを体感してもらってからバックエンドである本商品・サービスを購入してもらう流れです。
低価格ですが実際に商品・サービスを購入してもらうので、ある程度購買意欲の高い方を集客できます。
無料で「フロントエンド」を実施するするよりも「バックエンド」の購入率は上がると言われています。
フロントエンドとバックエンドの構築方法
「フロントエンド」と「バックエンド」について理解したところで、ではどのように構築していけば良いのでしょうか。
ここでは、「フロントエンド」と「バックエンド」の構築方法について詳しく解説してきます。
1. バックエンドの商品・サービスを決める
まずは「バックエンド」の商品を決めます。
「バックエンド」の商品は自社にとって最も価値提供できる商品です。
見込み客に最終的に購入して欲しい商品やサービスを設定します。
「バックエンド」の商品の目的は利益を獲得することです。
そのため、自社の商品・サービスの中で最も価値提供できて利益を生み出せるものを選ぶ必要があります。
2. フロントエンドを作成する
次に「フロントエンド」を作成します。
「フロントエンド」を設置する目的は、「バックエンド」の商品やサービスを購入する見込み客を集めることです。
「バックエンド」として決めた商品やサービスを購入する人はどんな人なのか、商品・サービスに対して何を求めているのかをしっかり分析して見込み客のターゲットを絞ります。
「フロントエンド」の目的は、「バックエンド」の商品・サービスを購入してもらうためにその価値を体験してもらうことです。
フロントエンドとバックエンド構築のポイント
「フロントエンド」と「バックエンド」の構築方法について解説しましたが、構築する際にいくつかポイントがあります。
「フロントエンド」と「バックエンド」構築のポイントを解説してきます。
ポイント①フロントエンドとバックエンドに一貫性を持たせる
「フロントエンド」と「バックエンド」に一貫性を持たせることがポイントです。
「フロントエンド」は「バックエンド」の商品・サービスを購入してもらうためのステップです。
そのため「フロントエンド」と「バックエンド」には一貫性が必要になります。
「フロントエンド」の商品・サービスを体験することで、安心、信頼して「バックエンド」の商品を購入できるように一貫性を持たせるように流れを意識するようにしましょう。
ポイント②LTV(顧客生涯価値)を上げる
「フロントエンド」と「バックエンド」を設定する目的である利益を獲得。
利益を獲得するためには、LTV(顧客生涯価値)を上げる必要があります。
LTVとは、1人の人は特定の商品やサービスを購入し始めて、購入をやめるまでの期間に発生する利益のことです。
新規で顧客を獲得することが難しくなっている現在、いかにリピーターを増やすかが企業の課題となってきます。
そのためLTVを上げることが大切なのです。
「バックエンド」の商品・サービスが魅力的だと、顧客満足度が上がり、広告費用をかけなくてもリピーターが増えていく傾向にあります。
つまり、LTVが上がるような魅力的な「バックエンド」商品・サービスを生み出すことは企業にとって重要なことです。
まとめ
「バックエンド」とは、最も価値提供ができ利益を生み出す商品・サービス、そして「フロントエンド」は「バックエンド」の商品・サービス購入する見込み客を集めるためのものです。
それぞれの役割と商品の売れる仕組みを知っておくことで、自社の商品・サービスで収益を上げることができます。
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