SNSを利用していると、今日は「いいね」が多かった・少なかったと気になることがありませんか?
SNSは簡単に承認欲求を満たしてくれるツールのため、もっと「いいね」がほしいと思い、承認欲求が強くなる傾向があります。
自分の投稿への反応を過剰に気にしてしまったり、批判的なコメントを気に病んでしまったりする「SNS疲れ」という問題も出てきました。
この記事では、承認欲求の種類や承認欲求が強い人の特徴、承認欲求との向き合い方について解説していきます。
承認欲求とは?
承認欲求は誰もが持つ、誰かに認められたいという欲求のことです。
親から褒められて嬉しい、学校・会社で表彰されて誇らしく思うなどの気持ちを指します。
承認欲求は、アメリカの心理学者、アブラハム・マズローが考案した欲求五段階説の4段階目に当たるものです。
マズローの欲求五段階説は、人間の欲求は5段のピラミッド型で構成されているとしたものです。
①生理的欲求 | 睡眠や食事などの基本的な欲求 |
②安全の欲求 | 安全で安心した暮らしをする欲求 |
③社会的欲求 | 集団に属す、仲間を得る欲求 |
④承認欲求 | 社会から高い評価を得る欲求 |
④自己実現の欲求 | 自分の目標や夢を達成する欲求 |
承認欲求は、3段階目の社会的欲求の次の階層にあります。集団に属し、仲間を増やした段階で生まれる欲求ということです。
SNSでは、個人が発信できることにより、社会的欲求である集団に属さなくても他人から評価を得られる(承認欲求が満たされる)ようになりました。
本来は、仲間との関係性の中で承認欲求は満たされるのですが、SNSは知らない人からも承認を得られるため、社会的欲求を満たすより先に承認欲求を満たすことが可能となっております。
承認欲求は、他者承認欲求と自己承認欲求の2種類があります。
もしほかの心理学についての情報を学びたい方は、こちらの記事もおすすめです。
他者承認欲求
他者承認欲求は、他の人から認めてもらいたいという欲求です。他の人の注目を浴びたり、他の人から褒められたりすることで満たされていきます。
SNSはフォロワー数や「いいね」などの反応が数字として可視化されているため、他者承認欲求を客観的に判断しやすいツールです。
他者承認欲求には5種類あり、それぞれの特徴をまとめました。
優越欲求 | ・自慢話が多い ・地位や名声を気にしすぎる ・プライドが高い ・他人と比較する ・ミスを人のせいにする ・嫉妬深い ・上から目線で発言する ・他人を批判しがち ・見た目を気にする ・流行に敏感 |
自己顕示欲求 | ・目立ちたがり ・他人の話を聞かない ・せっかち ・自分のことが大好き |
対立欲求 | ・目立ちたがり ・独特なファッションセンス ・個性的な趣味や嗜好 ・非常識な言動をしがち |
同化欲求 | ・他人と同じことをする ・仲間意識が強い ・他人を応援する |
救護欲求 | ・不幸話をしがち ・かまってもらいたがり |
優越欲求
優越欲求とは、自分と他人を比較して、他の人より自分が上の立場でありたいという欲求です。
優越欲求の強い人は、ステータスや地位を重視する傾向があります。
特徴としては、SNSで他人を批判したり、フォロワー数を重視した視点の人が多いです。
他人と比較して自分の方がフォロワーや反応が多いなどと思うことで安心感を得ている傾向があります。
自己顕示欲求
自己顕示欲求の強い人と優越欲求の強い人の特徴は似ています。
自己顕示欲求は、他人から注目されたいという欲求です。
自己主張が強くなってしまったり、周りより目立っているかどうかを指標にしていることが多いです。
自己顕示欲求の強い人は、話題になることをして注目を集めようとする傾向があります。
対立欲求
対立欲求の強い人は、大勢と一緒では自分の存在を認めてもらえないと感じていることがあります。
他の人とは違ったことをして、自分は他とは違うんだと思われたい気持ちが強い人が多いです。
特徴としては、変な動画を上げることや、非常識な言動、奇抜な格好などをする人です。
個性を強く押し出してもキャラクターが引き立つので、プロモーションのフロントに立ってパフォーマンスをできるようにすると、対立欲求も満たされやすいです。
同化欲求
同化欲求は、対立欲求とは逆で、周囲と同じことをして仲間として認めてもらいたい欲求です。
自分が周りと同じ意見・同じ気持ちであることをアピールしがちで、人を応援することで、お返しに自分も応援してもらおうと考えます。
日常を見せることで、私は特別じゃない、みんなと同じ生活を送っていると思ってもらいたいという心理が、知らず知らずのうちに表れていることが多いです。
救護欲求
救護欲求の強い人は、他者から愛されたいという気持ちが強く、他者から心配されたり、気にかけてもらえると喜びます。
SNSにデートの写真を投稿して幸せをアピールしたり、病弱さや鬱病などのかわいそうな自分を演出したりすることが多いです。
他人にかわいそうと思ってもらう、気にかけてもらうことで注目を浴びて欲求を満たしていることが多いです。
自己承認欲求
自己承認欲求は、自分で自分自身を認めたいという欲求です。
今の自分が理想の自分でありたいと思う気持ちですね。
技術やスキルを磨きたい、知識を増やしたい、といった自己成長を意識することで達成感を得ることで自分を認めるイメージです。
マズローの欲求五段階では、自己承認欲求は他者承認欲求よりも高次の欲求であるとされています。
他者承認欲求の強い人の特徴
他者承認欲求の強い人にありがちな特徴は以下の2点です。
- 自分に自信がない
- 無条件の愛情を与えられなかった
他者から認めてもらいたいという気持ちがなぜ強くなるのか、解説します。
自分に自信がない
承認欲求の強い人は、総じて自分に自信のない人や自己肯定感の低い人が多いです。
自分に自信がない人は感情が不安定になりやすく、他人に依存して、安定を求めようとします。
自分に自信がない、つまり自分で自分を認められないから、他人に認めてもらおうとするのです。
もし自分に自信が持てないタイプに人がビジネスの仲間にいたら、日頃から気をつけている行動や取り組みを称賛することをおすすめします。
パフォーマンスの向上には、ぜひこちらの記事も合わせてお読みください。
無条件の愛情を与えられなかった
無条件の愛とは、自分が何をしていても存在するだけで愛してもらえるということです。
親は無条件で子供を愛するものとされていますが、必ずしもそうではありません。
成長していく中で、テストの点数が良い時だけ褒めたり、常に兄弟姉妹や他の家の子供と比べたりしていると、子供は常に良い子でいなければ愛してもらえない、成績が良くないと愛してもらえないと刷り込まれてしまいます。
このような愛し方を条件付きの愛と言い、条件付きの愛しか与えられなかった子供は、成長しても自分の存在価値を高められず、他者に依存してしまいます。
可能な限り、自分に自信がない人と同様に、ビジネスの結果ではなく、日頃から気をつけていることや取り組みを称賛するようにしましょう。次第に他社承認欲求が緩和されていきます。
SNSで見られる承認欲求
SNSで多くの知らない人とコミュニケーションが取れるようになったことで、承認欲求を簡単に満たせるようになりました。
簡単に承認欲求を満たせるようになってしまったがために、欲求を満たすためにSNSを活用してしまう人がいるため、注意が必要です。
承認欲求を満たすための投稿には、どのような特徴があるのでしょうか。
- たくさんの「いいね」をもらおうとする
- 頻繁に日常生活を投稿する
- 作り話やウソの投稿をする
- 自撮り写真が多い
4つの特徴を見ていきましょう。
もしSNSを活用したマーケティングについて学びたいという方は、こちらの記事もおすすめです。
たくさんの「いいね」をもらおうとする
承認欲求の強い人は、SNSで「いいね」や「リプライ」などの反応が多ければ多いほど、また、フォロワーの数が多いほど、自分は認められていると感じる傾向にあります。
TwitterやInstagramであれば、「#フォローミー」「#フォロバ100」「#いいね返し」などのハッシュタグが数多く並んでいるような投稿をいいます。
とはいえ、SNS集客の手法としてハッシュタグやいいね、フォローへ誘導するための投稿をする人もいますので、その限りではありません。
頻繁に日常生活を投稿する
たくさんの反応をもらいたいと思うことで、他人に利点のない投稿する人もいます。
同化欲求でもお伝えしましたが、「自分はみんなと一緒でいたい」「仲間外れにされたくない」という意識が強いため、単純接触回数が増えがちな人が多いです。
他人と同じ感性を持っていることをSNSでアピールすることで、承認欲求を高めています。
作り話やウソの投稿をする
自分の投稿に反応がまったくない、もしくは少ない場合、投稿が過激になったり、虚言が入ったりすることがあります。
Instagramでは、リア充の投稿をしたいがために、人を雇ってパーティを開き、その写真をアップするというような人もいました。
そうして発信以外にも、病弱なふりをして周りから心配してもらいたいという人もいます。しかし、SNS上では判断は難しいため注意が必要です。
自撮り写真が多い
自撮り写真を投稿することで、見た目を褒めてもらいたい、かわいい・かっこいいと言ってもらいたいという承認欲求が強い傾向があります。
一概には言えませんが、ビジネスのブランディングの観点から必要なことも多いです。
自分の顔をオープンにするということでSNSの経済効果が高まることもあるので、先入観をもたないようにしましょう。
承認欲求を抑える方法
承認欲求を抑えるためには、承認欲求が十分に満たされる必要があります。
しかし、承認欲求はためておくことができないため、何度満たしても、また次の承認欲求が出てきやすいです。
このループから脱出するために何をすれば良いか、3つのポイントを解説します。
環境を変える
承認欲求を改善する方法として、SNSから離れることです。
しかしSNSは現在社会に深く浸透し、ビジネススキルとしても必要なものとなっているので、SNSから完全に離れるのは難しいでしょう。
そこでおすすめなのが、SNSの中で関わる人を変えるということです。
SNSには多くの人が集う様々なコミュニティがあります。
今まで入っていたコミュニティから出て、新しく生まれ変わるように、新しいコミュニティに入ります。
今まで付き合っていた人とやり取りするのを止めて、別の人とコミュニケーションをとり始めるだけで、環境はガラリと変わります。
他人の期待に応えすぎない
もともと、他人の期待に応えることは悪いことではありません。
他人の期待に応えることは、相手から認められることにも繋がり、充実感も得られます。
つまり、他人の期待に応えたいと思う気持ちは、認められたい欲求、すなわち承認欲求の1つであるということです。
しかしながら、人の期待に応えることを優先にしてしまうと、人間的にバランスが崩れてしまいがちです。
自分に正直に、ダメなものはダメと言える勇気が必要です。
自分自身を好きになる
自分自身を好きになるのは有効な手段の一つです。
自分の好きな仕事に打ち込んだり好きな趣味に没頭したりすると、スキルが向上し、多くの知識を得ます。
その経験で自分が成長し、自信がつくのです。
成長した自分は、理想の自分でありたいという自己承認欲求を満たすことができます。
できない自分を受け入れ、他人の評価を気にするのではなく、自分のために行動することが、自分自身を好きになるために大切なことです。
SNSは使い方次第!承認欲求とうまく付き合おう
SNSの登場で、多くの人と簡単にコミュニケーションがとれて世界が広がった人もいます。
しかし、周りからの承認度合いが数字でわかるようになったという短所も現れてきました。
「いいね」やコメントなどの数に一喜一憂せず、自分の好きなことや信じることを発信してみてください。
最初は反応が少ないかもしれません。
しかし、長期的に見れば、自分の発信に興味を持つ人が集まり、他者と上手にコミュニケーションをとれるようになるでしょう。
そんなSNSをよりよく活用しながらビジネスに活かす秘訣に興味ありませんか?
年商5億円を超えさらなるスケールアップを目指す経営者必見!
あなたのビジネスをスケールアップさせる集客と組織作り、
さらに、成功事例やここだけのお得な内容をお届け致します。