- 「社員がここ最近やる気がない気がする...」
- 「どうしてウチの部下はついて来てくれないんだ!」
- 「報酬制度の見直しをしたのに社員のモチベーションが低い...」
このように思っている方はいませんか?
社員のモチベーションが低い原因は、社員が企業のビジョンをそもそも理解していない、また企業と社員の思い描いている方向性との相違が考えられます。
報酬制度といった外発的動機付けの要因となる対策をしても、モチベーション向上は短期的な効果しか得られません。
今回は、原因と対策を調査データを元に解説していきます。
理解したうえで継続的に実施できる施策や仕組みづくりを検討していきましょう。
モチベーションとは?
モチベーションとは、「動機付け」「意欲」「やる気」のことをさします。
ビジネスでのモチベーションという言葉は、社員の“仕事に対しての意欲”のこと、つまり“業務意欲”のことを意味します。
社員モチベーションが低い割合
上記のように、ダイヤモンド・オンラインが全国の男女会社員に行ったアンケート調査で「仕事に対してやる気が出ない会社」と回答した社員が63%と、半分以上という結果が出てしまっています。
2種類のモチベーション
モチベーションは、「動機付け」という意味もありますと解説してきましたが、この動機付けには2種類あります。
それぞれの大元が大きく異なってきますので解説します。
- 外発的動機付け
1種目は、外発的動機付けです。これは、外部からもたらされる目標・賞罰など、いわば外部からの強制的な動機付けのことです。
例えば、仕事は「お金のため」「生活のため」「上司に言われたから...」など、『〜のためにやる』といった外部要因から発生しています。
- 内発的動機付け
2種目は、内発的動機付けです。これは、自身の内側から湧き出てくるような「やりたい!」「好きだからやる!」という好奇心や向上心からくる動機付けです。
例えば、スポーツ選手がわかりやすい例です。野球を何十年も続け辛い練習をするのは「好きだからやる」という金銭など一切気にしない内部要因から発生しています。
ビジネスにおいて、社員が【外発的動機付け】でモチベーションを上げていたとすればデメリットが大きいです。
理由は、外発的動機付けは短期的な効果しか期待ができないからです。
外発的動機付けばかり行っていると業績維持どころか、長期的には業績が下がってしまう可能性もあります。
このようなリスクを回避するためには、【内発的動機付け】をすることが大切。
社員が内発的動機付けでモチベーションが高いのであれば、柔軟な発想力・創造性・技術革新といった想像力が豊かな社員が増え、ますます事業発展に繋がります。
社員のモチベーションが低い原因
ここからは、社員のモチベーションが低い原因を徹底解説していきます。
従業員エンゲージメントが低い
世論調査や人材コンサルティングを手掛ける米ギャラップが世界各国の企業を対象に実施した従業員のエンゲージメント(仕事への熱意度)調査によると、日本は「熱意あふれる社員」の割合が6%しかないことが分かった。米国の32%と比べて大幅に低く、調査した139カ国中132位と最下位クラスだった。
企業内に諸問題を生む「周囲に不満をまき散らしている無気力な社員」の割合は24%、「やる気のない社員」は70%に達した。
引用:日本経済新聞「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査
従業員エンゲージメントとは、従業員が会社のビジョンや方向性に共感して自発的に企業に貢献したいと思う意欲のことをさします。
1つ目の原因として、従業員エンゲージメントが低い可能性があります。
日本経済新聞の発表によると「熱意あふれる社員」の割合が6%とかなり低くなっています。
また、熱意あふれる社員が少ない理由は下記が原因ではないかと発表しています。
日本では熱意ある社員が少ない理由として、自分の成長に重きを置くミレニアル世代(1980年~2000年ごろ生まれた世代)が求めているものと、日本企業の経営方法のズレを指摘しています。
そして、上司の言ったことを、口答えせずに確実にやれば成功するという従来の仕事のやり方をあらためることが改善の鍵だと話しています。
引用:日本経済新聞「熱意ある社員」6%のみ 日本132位、米ギャラップ調査
つまり、日本は全体的に社員の思い描いている方向性と経営理念の方向性が違っていることで従業員エンゲージメントが低いということになります。
そのため、モチベーション低下原因の1つになっています。
長時間労働による疲労
2つ目の原因として、長時間労働による疲労が考えられます。
厚生労働省委託事業が調査したデータから、週労働時間が50時間未満と50時間以上を比べますと約20%も満足度は低下しており、過半数以上が不満を感じる結果となっています。(図表1)
また、年次有給休暇の取得率が低いほど休暇に関する不満度が上がってしまっています。(図表2)
社員自身の健康状態については、週の労働時間が50時間以上になると健康状態について「よい」と感じる割合が低下しています。(図表3)
60時間以上の場合は、「よくない」と感じる割合が高くなっていることから、長時間労働による疲労が健康リスクをもたらし、モチベーション低下の原因になっているといえるでしょう。
非現実的な達成目標
3つ目の原因としては、非現実的な達成目標が考えられます。
例えば、新人に対して慣れていない仕事を任せまくる、平均よりもはるか上の無理なノルマを押し付けるといった現実的に厳しい目標を掲げたとします。
こんな目標ですと、社員は「自分はダメだ...」と落ち込んでしまいます。
どんな良い過程があったとしても自己否定に走ってしまう可能性があるためモチベーション低下の原因の1つになってしまっている可能性があります。
不公平な人事評価
4つ目の原因としては、不公平な人事評価が考えられます。
例えば、ある社員が「派遣社員を教育して正社員がこなす業務ができるようにまで成長させた」といったような目に見えた成果を出したとします。
しかし、一向に見てくれなかったり他の社員の方が評価されてしまうと、「見てくれていない」「どこまで頑張れば良いんだ」など、ピンと来ない人事評価が原因でモチベーションが下がってしまっている可能性があります。
社員モチベーション低下対策
ここからは、モチベーション低下対策を解説していきます。
人事評価制度の基準の明確化
社員モチベーション低下対策1つ目が、人事評価制度の基準を明確にすることです。
上記の画像から、
- 人事評価の満足度が高い理由として「具体的な情報を開示している」が44.6%
- 不満理由が「何を頑張ったら評価されるのかが曖昧だから」が54.6%
と評価自体が不明確な場合、不満度が高い結果となっています。
このことから、人事評価制度の基準が明確になっているのと、いないのとでは社員のモチベーションは大きく変わってきます。
企業ビジョンの明確→共有→実施
社員モチベーション低下対策2つ目の対策は、企業ビジョンを明確にして社員に共有し仕事に活かしていくことです。
上記の画像から、そもそもビジョンを知らない従業員が多数いるというデータがでています。
つまり先程解説した、従業員エンゲージメントが低い可能性があるということです。
また、企業ビジョンを活かすことができているのかというデータでは21.7%も活かせていないという結果になっています。
これらは、対策による社員のモチベーションの向上に繋がったかのデータです。
企業をビジョン明確にして社員にしっかりと共有し、そのあと実施して活かしていくことができれば社員のモチベーションが上がるというデータがでています。
「企業ビジョンの明確→共有→実施」の対策を行うだけで、社員モチベーション向上の割合いが上がったということは、まずはじめに取り組むべき重要な対策です。
従業員エンゲージメントを高める
①全社員が企業のビジョンを共有
②壁をつくらない活発なコミュニケーション
③互いに尊敬し合える関係が作られている
社員モチベーション低下対策3つ目の対策は、従業員エンゲージメントを高めることです。
従業員エンゲージメントを高めるということは、熱意を持っている社員が増えるということに。このような社員が増えると、職場全体のモチベーションも上がります。
一時的なモチベーションアップ(低下を防ぐ)ではなくて、継続してモチベーションを維持するためにも重要な対策です。
まとめ
社員のモチベーションが低い原因は、社員の方向性と企業ビジョンの方向性の相違、またビジョンが社員全体に浸透していないことで従業員エンゲージメントが低いことが原因として挙げられます。
社員のモチベーションが下がる根本的な原因を各々の社員から洗い出し、対策をすることで労働生産性の向上や離職率の低下などに繋がります。
まずは社員を認めること、そして職場で意識的に感謝の言葉を使うようにするといった日頃のコミュニケーション取り入れることで社員の気持ちを満たしていくことで、社員モチベーションを上げていきましょう。
年商5億円を超えさらなるスケールアップを目指す経営者必見!
あなたのビジネスをスケールアップさせる集客と組織作り、
さらに、成功事例やここだけのお得な内容をお届け致します。