プロダクトローンチとは?事例・メリット・流れを解説

最終更新日: 2024/08/14 公開日: 2021/12/28

マーケティングやアフィリエイトの仕事に携わっていると必ず耳にする機会がある「プロダクトローンチ」という言葉。

アメリカのWEBマーケター、ジェフ・ウォーカーが2006年頃から広めたマーケティング手法です。短期間で爆発的な売上を上げられる手法として日本でも情報商材を中心に活用されてきました。

本記事ではプロダクトローンチの基本的な考え方や実例、仕組み、実践の流れなどを解説していきます。

・プロダクトローンチを勉強したいけどしっくり腹落ちできる記事がない…
・プロダクトローンチの活用に興味はあるけど怪しいイメージがあって踏み出せない…
・プロダクトローンチの活用を検討しているけど何から始めていいか分からない…

上記のようなお悩みを抱えている経営者の方やマーケティング担当者の方にとって本記事がプロダクトローンチを正しく理解し、実行を前向きに検討できる一助になれば幸いです。

プロダクトローンチとは

プロダクトローンチとは、商品を売り込みたいペルソナに段階的に商品やサービスの情報を与えて購買意欲を高め、プロモーションを行うWEBマーケティング手法のことです。

プロダクト(product)は製品。ローンチ(launch)は「売り出す」「公表する」という意味です。

プロダクトローンチはアメリカのWEBマーケター、ジェフ・ウォーカーが提唱した手法。

ユーザーに対して無償でコンテンツを提供していき、見込み客の期待値が高まったら有料商品の販売を行うことにより、爆発的な商品の売上を短時間で創り出すことが可能です。

心理学を応用したマーケティング手法として、日本国内でも2000年代後半から情報商材のマーケティングを中心に広まりました。

プロダクトローンチの有名な実例

プロダクトローンチを活用している企業で最も有名な企業がApple。

Appleからは毎年新型のiphoneが発売され、発売時期の半年前くらいから機能や形状のリーク情報が流れます。

リーク情報が流れるとメディアも大々的に最新情報を更新し、熱心なAppleユーザーの期待感を煽ります。

発売開始日は毎年1か月前くらいに告知されますが、発売開始日が決まると一気に製品情報がリリースされて、それまでの情報で膨らんでいたユーザーの期待感をさらに高めて、新型iphoneの予約へと誘導します。

公開前に予告編を上映したり、トレーラー映像をYoutubeなどで段階的に流して作品への興味を惹きつける映画のプロモーションもプロダクトローンチの定義に当てはまります。

プロダクトローンチが活用されることの多い業界

プロダクトローンチは下記のような業種のプロモーションでよく活用されています。

  • 情報商材(投資・勉強法など)
  • マーケティングビジネススクール
  • 経営者向け集客セミナー
  • 英会話スクール
  • パーソナルトレーニング
  • 美容・コンプレックス解消関連商品

いずれも目的達成のためのノウハウや悩みを解決するための手段に繋がる商材であり、その多くが無形商材です。上記に挙げた商材に共通しているのはメリットやスペックがユーザーがイメージしにくい所です。

プロダクトローンチで段階的にメリットやスペックの情報提供を行うことにより、ユーザーの興味と関心を惹きつけ、「この商品が欲しい」という心理に持っていくことで、商品を売れやすい状態にします。

それではビットコイン(仮想通貨)に関する情報商材のプロダクトローンチの大まかな流れを説明します。

  1. ビットコインに興味があるユーザーが関連ワードで検索
  2. リスティング広告によって表示されたLPにユーザーを誘導
  3. 情報に関心を持ったユーザーへメールマガジンに登録すように誘導
  4. ビットコインに関する基礎知識や運用ノウハウ、成功事例などを織り交ぜて情報を配信
  5. 情報配信の中盤または後半により具体的で核心に近づいた動画やWEBセミナーへ誘導

⑤の段階まで来ると配信する側・される側の信頼関係は大分構築できています。そして情報配信の最終回で教材の販売、または主催するオンラインサロン入会へとクロージングするのが一連の流れです。

このように投資系の情報商材系でプロダクトローンチがよく活用されているため、プロダクトローンチが日本で活用されるようになった当初は悪用されるケースも多々存在しました。

現在も詐欺や「胡散臭い」というネガティブなイメージがプロダクトローンチには付きまといます。しかし問題はプロダクトローンチを利用した業者側にあるだけでプロダクトローンチ自体は決して間違ったマーケティング手法ではありません。

プロダクトローンチのメリット

セールスロジックの理に適っている

セールスの鉄則は見込み確度の高いお客様から優先的にクロージングしていくことであり、またその確度の高いお客様の母数を広げるために段階的にアプローチしていくことです。

その点でプロダクトローンチは非常に理に適ったマーケティング手法であるのがメリットとして挙げられます。

セールスやWEBマーケティングの経験の浅い方でもすんなり受け入れやすい考え方ではないでしょうか。

販売時に強い訴求が不要

前述したようにプロダクトローンチは見込み客だけに販売を行う手法なので、販売時に強いクロージングや訴求を行うことはありません。

その商品・サービスを必要だと思われる人だけに売るのがプロダクトローンチなので、ターゲット・ペルソナがずれているという事も販売までのプロセスが正しく実行が行われていればまず考えにくいでしょう。

一度モデルを構築すればその後の販売活動も楽になる

プロダクトローンチは一度機能するシナリオを構築してしまえば、その後別の商品やサービスの販売を開始する時も応用できます。ゆえに商品やサービスごとにマーケティング戦略を構築する必要もなくなります。

成功事例を一つ作ってしまえばその後の販売活動は非常に楽になるのがプロダクトローンチにおける大きなメリットの一つです。

プロダクトローンチのデメリット

外注費や広告費がかかる

プロダクトローンチの最大のデメリットは初期投資が必要なことです。

後ほど詳しく触れますが、プロダクトローンチを成功させるための最初のステップとして見込み客を数多く獲得しなければなりません。

そのためには広告を出稿し、情報を拡散する必要があります。

例えば1人の見込み客の連絡先を獲得するのに1000円のコストがかかるのならば、500人集めた場合は50万円の広告費が発生します。

SNSなど費用のかからないツールで情報を拡散する方法もありますが、どうしても規模感が限定されてしまいます。

見込み客の分母が少なければプロダクトローンチは成立しません。

そのためにはある程度の規模の予算を用意する必要があります。

人件費・工数もかかる

プロダクトローンチを行う場合は下記のようなものを準備する必要があります。

  • LP
  • 動画
  • メールマガジン(LINE公式アカウント)
  • SNSアカウント

上記の4つを準備するだけでもLP制作のディレクター、ライター、デザイナー、動画編集者、コーダー、各媒体の配信担当者、カスタマーサポート担当など様々な役割の人が関わることになります。

自分一人で行うこともできなくはないですが、いずれのパートも専門家に任せた方がクオリティの高いものを生み出せる可能性が高く、シナリオ設計も複数の人間が関わった方が多角的な視点で構築しやすいでしょう。

このように人件費や工数はかかってしまうので、スケジュールとチームとしての予算編成も必要になってきます。

プロダクトローンチを実践する4つのステップ

プロダクトローンチを実施するには大きく分けて下記の4つのステップが必要です。

  1. 見込み客を集める
  2. 見込み客育成
  3. 商品・サービスの販売(クロージング)
  4. クロージング後の定期的な情報配信

それでは一つずつ説明します。

見込み客を集める

プロダクトローンチを実践する最初のステップとして見込み客を集める必要があります。見込み客の母数をどれだけ準備できるかが成功の鍵です。

プロダクトローンチは仕組みさえ整っていれば見込み客が何人であろうと工数に変わりはありません。100人であろうと10万人であろうと、配信作業にかかる時間に変わりはありません。

ゆえにプロダクトローンチを実践するのであれば、なるべく多くの見込み客を集めた方が、短期間でKPIを達成できる確率が高まります。

SNSやリスティング広告などで情報を拡散し、多くの見込み客の連絡先を取得するステップが第一段階です。

連絡先を取得するためには最初にプレゼントや特典などを用意するなど、ユーザーにメリットのある仕掛けも必要になります。

連絡先の取得率が低い場合は自分のSNSのアカウントをフォローしていただくなど最初の成果地点を調整すると良いでしょう。

見込み客育成

前述したようにプロダクトローンチは有益な情報を小出しにしていくことで見込み客と信頼関係を築き、期待値を上げた所で販売(クロージング)を行うものです。

そのためにはステップ1で集めた見込み客の連絡先にメルマガやLINEアカウント、SNSの投稿やDMなどで定期的な情報配信を行う必要があります。

情報を提供するコンテンツとしてはステップメールやYouTubeで手軽に閲覧できる動画、短時間で読むことのできる記事コンテンツなどが一般的です。ある程度段階を踏んだらWEBセミナーを準備するケースも数多く存在します。

情報配信の回数は5から10回ほどが一般的です。

短すぎても長すぎても訴求力は落ちますので、ユーザーに商品・サービスを理解してもらえるために必要な回数を見極めて、適切な配信計画を立てましょう。

商品・サービスの販売(クロージング)

段階を踏んでユーザーの信頼性を獲得し、期待値を上げたところで最終目的である商品・サービスの販売を行います。

それまでの情報発信によりユーザーの期待値も高まっている状態なので、高いCVR(コンバージョン率)が見込めます。

しかし、この時点でも即決できないユーザーもたくさんいることを見越して、下記のように段階的に分けてCV誘導を行うと良いでしょう。

  • 事前予約開始
  • 販売開始
  • 好評につき追加販売

上記のようにクロージングも段階を踏んで行うことを事前にプランニングしておきましょう。

クロージング後の定期的な情報配信

プロダクトローンチは「商品を売って終わり」ではありません。

販売開始後もユーザーに対して定期的な情報配信を行い、アフターフォローしていくことが必要です。

理由は2点。

  1. 購入後のユーザーのアフターフォロー
  2. 購入しなかったユーザーへの追加アプローチ

商品・サービスを購入したユーザーには購入後も情報配信し続けると信頼関係はさらに強固なものになりますし、リピート購入も案内できます。

購入しなかったユーザーに対しては追加アプローチができます。逆に言えば両者のアフターフォローをしないといずれも築き上げてきた信頼関係を失う危険性もあります。

購入したユーザー/購入しなかったユーザー両方へのクロージング後のストーリーをあらかじめ準備しておくことで、実施するプロダクトローンチの費用対効果やLTVは変わってゆきます。

一度、見込み客化できたユーザーには永続的に情報配信をしていくくらいの計画性を持ってプロダクトローンチは実施しないといけません。

プロダクトローンチにおすすめの手法

どの業界にも適用可能なプロダクトローンチにおすすめの2つの手法を紹介します。

メールマガジン

 メールマガジンは、既存の顧客や見込み客に直接情報を提供できるためプロダクトローンチの手法として有効です。

メールを通じてリリース情報や特別なオファーを消費者に届けられるとともに、専用のランディングページへのリンクを含めることで読者を直接購入ページへ誘導できます。

またトラッキングツールを利用すれば、開封率やクリック率などのデータ分析が可能になり、次回のメールマガジン配信時に活用可能です。

メールマガジンの効果を最大限に引き出すためには、顧客が興味を持ちやすいように件名を工夫しましょう。

件名は50文字以内に抑え、重要な情報を最初に書くと良いです。例えば「新商品登場!初回限定割引」「お客様のための特別クーポン、こちらから」」といったものです。

また、数字を使うことで具体性が増し、目立ちやすくなります。例えば「今だけ!30%オフクーポン」「新商品5点入荷しました!」などです。

メールの文量は、800~1000文字程度を目安に作成しましょう。

動画

動画は商品やサービスの特長を視覚的に伝えられるため、消費者の理解を深めて興味を促せます。

動画による情報伝達は、視覚的な印象により長く記憶に残るというメリットもあり、新製品の特徴や使用方法をリアルに伝えられます。

YouTubeやVimeo、SNSなどを利用して、広範囲の視聴者にメッセージを届けましょう。

またランディングページに動画を埋め込めば、訪問者がすぐに商品やサービスの特徴を理解できます。

動画の効果を最大限に引き出すためには、作成する前にターゲットとする視聴者を明確にしてください。ニーズを理解しすることで視聴者に響く内容を作成できます。

動画は短くシンプルにしながらも、2〜3つの主要な特徴にしぼって説明すると視聴者が理解しやすいです。

まとめ

プロダクトローンチは正しい準備を行い、正しい手順で実行されると短期間で爆発的な売上を生み出せる可能性のあるマーケティング手法です。

実行を検討されるのであれば自社商品とプロダクトローンチの相性をまず考え、その上でプロダクトローンチのメリットとデメリットをしっかり理解してからプランニングすることをお勧めします。

作業プロセスも多く、人件費や広告費を準備する必要もあるので、手軽に実施できる戦略ではありません。

しかしプロダクトローンチという手法はすでに成果が実証されている通り、短期間で爆発的な売上をセールスロジックに適った形で見込めます。

また、成功モデルを1つでも確立してしまえば、それを他の商品・サービスの販売においても応用もできる有効なマーケティング手法になります。

本記事でプロダクトローンチが腹落ちして、活用イメージが湧いた方は是非実践していくためのプラン作りから始めることをお勧めします。

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