経営の初心者が絶対に読むべき本4選│社長を引き継ぐ方にもおすすめ

最終更新日: 2023/08/10 公開日: 2023/08/09

「起業をしたので事業を成長させる方法を知りたい!」
「社長を引き継いだので経営者としての基本的な知識を網羅したい!」

今回は、経営初心者が必ずおさえておくべき本を紹介します。

最近事業を始めた経営初心者の方、また、前任の方から社長を引き継いだ後継経営者の方もいらっしゃるのではないでしょうか。


経営者の高齢化は、現在急速に進行していて、実際に日本の社長の平均年齢は、実は60代後半と言われています。

「次の世代に会社を引き継げない」といけないと頭を抱えていらっしゃる企業の方も多いでしょう。

今回は、経営初心者の方はもちろん、会社を引き継いだ方にも絶対に読んでほしい清水氏おすすめの4冊をご紹介します。この記事はセミナーズのYouTube チャンネル「セミナーズ経営大学」の「経営者初心者が絶対に読むべき本4選」を解説したものです。

気になる方はぜひ動画もあわせてご覧ください。

経営初心者が絶対に読むべき本とは?

経営初心者や、後継経営者の方に知ってほしい知識を学べる本を紹介します。

ビジネスを起こす際の成功の秘訣や、これからの令和時代に有効な経営手法を知ることができるでしょう。

また、起業家としてある程度軌道に乗り始めたころに周囲の人間関係で起こりうる注意すべきことが分かる本も解説します。

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙

引用元:Amazon

1冊目は、キングスレイ・ウォードが書いた『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』です。キングスレイ・ウォードは、勤め人として会計事務所で働いた後、製薬関連の経営者となりました。

経営者である父親が、息子に将来事業を引き継ごうとしているときに書かれた本です。将来息子が成功して欲しいと願い、父はその思いを込めて息子へ手紙を送るのです。

書かれている内容は、19世紀半ばから後半にかけてのものです。そのため、表現や細かな中身について、すこし古く感じる方もいらっしゃるでしょう。

しかし、経営をおこなううえで心にとめておきたい考え方は、現代に置き換えても不変的に学べることが多く、ぜひ読んでいただきたい本です。

ビジネスマンの父より息子への30通の手紙

内容

主に父のビジネスの失敗談を通して、どのように経営を行うべきかが30個にわたり書かれています。

例えば以下のような項目があります。ここでは、目次部分を引用してご紹介しましょう。

  • 「企業家」とは何か?(第7通)
  • 共同事業への誘惑(第十通)
  • 事業を拡大する上で重要なこと(第十二通)
  • 優れた指導者の条件(第二八通)

父は経営についてこのように語ります。「成功というのは、何本も別れて行く道の中の細い一本を辿って、 やっとたどり着くようなものであるのだ」と述べるのです。

「決して簡単なものではないけれど、頑張っていきなさい」という愛にあふれる思いやりをもったメッセージを送ります。

事業をこれから引き継いでいく人や、起業をしたばかりの人はぜひ読んでみてください。最初に何をしたらよいのか、経営についてどのように考えたらよいのかが明らかになります。

一部を紹介

キングスレイ・ウォードは、プロローグのなかで、以下のように述べます。

 成功を勝ちとるために努力が欠かせないことは言うまでもない。しかしさらに大切なのはその努力をどのようにして成功に結びつけるかである。ひどく長い時間こつこつと働いているのに、その成果の極めて乏しい人が少なくない。なぜか?たいていは「常識」をうまく使って効果的な方向づけをし、努力を無駄なくまとめて使うことをしなかったからである。 
 成功するためには、人生の目標を定めなければならない。まず自分の目標を定め、つぎにそこへ直接導く詳しい道順を考える。進路は現実的に計画すること。社長の地位を望まない人もいるだろうが、私たちはみな一生の間に、世間が期待する、あるいは求める、あるいは必要とするよりも、ずっと多くのことができないだろうか?私はきっとできると思う。

『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』(著者:G.キングスレイ ウォード  翻訳:城山 三郎)P.18より引用

成功者の告白

引用元:Amazon

2冊目は、神田昌典氏の『成功者の告白』です。この本は、読んだことのある方も多いかも知れません。

神田氏は、「マーケティングの神様」といわれ、経営コンサルタントであり作家としても活躍しています。

この本では、神田氏が多くの経営者と関わった体験や自身の経験から、5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語として書かれた本です。

成功者の告白

内容

神田氏は、事業を始めて独立して、ある程度上手くいき成功者と言えるような段階に入りかけたときに待ち受ける罠があるといいます。

例えば、罠が潜んでいる項目には以下のものがあるのです。

  • 夫婦関係
  • 親子関係
  • お客様との関係
  • 社員との関係

この本では、このように様々な人との関係の中で起きる出来事が、この物語を読んでいるだけでシミュレーションができます。

事業が軌道にのった際に、気を付ける項目を事前に抑えることによって周囲との関係を良好に保つ術が学べるでしょう。また、起こりえる問題を事前に把握していることは、さらに飛躍するうえで大事なことです。

一部を紹介

ここで、プロローグに書かれている、この本を端的に表している部分を紹介します。

 大きな夢をもち、前向きに頑張れば必ず成功する。
 このような成功法則を私は信じてきた。そして、それは必ずしも間違いではなかった。
 その結果、私は豊かになった。でもハッピーエンドでは終わらなかった。
 今でも心に突き刺さることがある。なぜなら成功を目指す過程で、いくつもの地雷を踏んでしまったからだ。
(中略)
 ビジネスで光が当たれば、その他の部分で影となる出来事が噴出するという事実-成功の暗い側面-は、誰もが触れたくないテーマである。その難しいテーマに、本書ではあえて踏み込みたい。

成功者の告白 5年間の起業ノウハウを3時間で学べる物語(著者:神田昌典)P.7,10より引用

はじめの一歩を踏み出そう

引用元:Amazon

3冊目はマイケル・E・ガーバー氏の『始めの一歩を踏み出そう』という本です。

世界的な大ヒット本であり、海外では「E-Myth」と呼ばれています。アントレプレナー(起業家)にまつわる神話の話です。

この本では、いわゆるモノを作って売る「職人的なタイプの人」がビジネスを始めると、どのような苦労を味わうかを紹介しています。

ありとあらゆるケースで人は職人的な能力を高めていきます。そうすると、足元を見失い「自分でできるのではないか」という誤解が生まれるといいます。「結果を出せてしまうのではないか」という罠にはまってしまうのです。

はじめの一歩を踏み出そう

内容

この本の中では、パイを作るのが得意な女性が起業するという物語から始まります。

女性は、自分で事業ができるのではないかと思いショップを開きますが、 実際上手くいかないのです。

朝から晩まで働いているのに、時間が足りない悩みを繰り返してしまいます。

ここで明らかになるのは、自分のスキルが高く一つの仕事を成し遂げたり、職人として処理をしたりするだけでは、経営として十分でないということです。

この本を読めば、職人的な仕事で起業家として成功するためのポイントが明らかになります。

本書では、経営をおこなううえで「仕組みとして回さなければならない」「チームを作らないといけない」と述べます。つまり、組織を作って部下を持って、メンバーの強みを活かすことの大切さを説くのです。

職人的な人にとっては意味耳が痛い話かもしれません。しかし、上手くいくための希望の光が見出せる本でもあると言えます。

絆得経営のすゝめ

引用元:Amazon

4冊目は、清水康一朗の『絆徳経営のすゝめ』です。

清水が世に伝えたい思いを込めた本です。徳によって絆を結ぶ、つまり相手に良いことをすることによって関係を結ぶことを述べます。

この経営手法は、近江商人から始まった「三方よし」の考え方が基となっています。絆によって関係を結ぶことが、これからの時代に必要になる考え方であるといいます。

世界で貧困などで悩んでいたり、人間関係の苦悩に苦しんでいたりする人を救うためには、この手法を伝える重要性を心から感じています。

特に経営初心者は、資金や人、モノなど無いものづくしです。無いもののなかで経営を進めなければならず、自分が相手に与えて良いことをするという「ゆとり」がなくなってしまうのです。

しかし、「綺麗ごとを言っていては仕事は成り立たない」と考える人もいるでしょう。だからこそ、綺麗ごとこそがこれからの時代に最も経済的な効果があるものであることを伝えるべくしてこの本を書きました。

こちらの記事では、絆徳経営の概要について解説しています。

経営者を助けたい

経営者が苦痛や苦悩など経営で痛い思いをせずに済むために、多くの方に手に取っていただきたい本になります。すでに読んでいただいた方も繰り返し読むことで、気付きが深まるでしょう。

おすすめの活用方法としては、社内で輪読会のような形で読み返して理解を深めてみてください。皆で意見を交わしながら読むことで、企業がよくなっていくのが分かるはずです。

まとめ

経営初心者に読んでいただきたい本をご紹介しました。

先人たちからの教えを事前に知っておき参考にすることで、企業経営を円滑に進めることができるでしょう。

経営におけるさまざまな困難も乗り越えることができるはずです。

ぜひ、今回ご紹介した本を手に取っていただき、経営を上手く進めるための指南となれば幸いです。



最終更新日: 2023/08/10 公開日: 2023/08/09