- 「顧客がなかなか購入にまで至ってくれない」
- 「行動心理学を実際のマーケティングに取り入れてみたい!」
- 「そもそも行動心理学ってなに?」
このように思われることはありませんか
行動心理学を学び活用することで、顧客の行動を先読みしたり、行動選択をコントロールすることが可能になります。
人間が無意識のうちにとってしまう行動の裏側には、何らかの法則や心理が潜んでいます。
つまり、行動心理学を知ることは、顧客に効果的に心理アプローチをすることができるようになるということです。
今回は、行動心理学について解説し、マーケティング活動で役立てる方法を事例を用いてご紹介していきます。
人を動かす行動心理学24選|心理学をマーケティングに活用する
行動心理学とは?簡単に解説
行動心理学とは、人間の行動や仕草を研究し観察することで、相手の心理を分析していく心理学的アプローチのことです。
行動心理学は、アメリカの心理学者「ジョン・ワトソン」が提唱した心理学です。
ジョン・ワトソンは、数千人を対象にした研究を行い「仕草のパターン」から人間の「本音」がわかることを科学的に証明したことで、“信頼できる学問”といわれています。
例えば、女性1,000人を対象にした研究で、座っている時の「脚の状態」とその女性の「人格・個性・性質」などを分析したことにより、脚の組み方が個人の性格的特徴と関連していることを実証しています。
マーケティングとの親和性が高い理由
行動心理学とマーケティングとの親和性が高い理由は、行動心理学を学ぶことで商品やサービスの購買意欲を効果的に刺激することが可能にすることが出来るからです。
- 「どうして、契約に至らなかったんだろう...」
- 「最初の印象はよかったのに商品購入には至らなかった」
顧客の心の中が見えないので「なぜ?どうして?」と、一人悶々と悩んでしまうことは誰でもあります。しかし、悩んでしまいそうな時に『顧客の行動』に着目することで顧客の心理状態を図ることができます。
そのため、行動心理学(人の行動パターン)を知っておくとで、顧客心理をコントロールすることができ、商談や営業などビジネス場面で活用することができます。
行動心理学と行動経済学の違いは?
行動経済学とは、人が購買に至る過程など、経済分野に特化した行動心理学を指します。
つまり、行動経済学は行動心理学の一分野であるといえます。
一般的な経済学では、消費者はその商品が必要である理由があるから購入に至ると仮定しますが、行動経済学では「期間限定販売である」「数量限定販売である」など、必ずしも人間が最適な行動をとるわけではないことを前提とします。
そのため、より人間の習性は反映したマーケティングが実現するのです。
行動心理学の事例|しぐさからわかる心理
まずは、普段の生活の中の仕草や行動パターンの中に、どのような心理が隠されているのか代表的なものをご紹介します。
貧乏ゆすり
貧乏ゆすりは「欲求不満」や「過度なストレス」を解消するための行為といわれています。
貧乏ゆすりを止めているのは「大脳の働き」であり、仕事に集中したり、イライラすることがあった時に「大脳」の動きが抑えられてしまいます。
つまり、そのストッパーとなっている「大脳」が働かなくなることで「貧乏ゆすり」を行なってしまいます。
胸の前で腕組み
胸の前で腕組みする心理は、「考え事に集中している」「自分の身体に触れることで安心している」などがあります。
男性であれば、打ち合わせで「うーん」と考えている際に無意識に行なっていたり、女性の場合は、不安や緊張から自分を守って安心させようとしている状態といわれています。
髪の毛をよく触る
髪の毛をよく触る心理は、「退屈している」「緊張している」などがあります。
一貫性がないため決めつけることはできませんが、このような仕草を知っておくだけで相手への配慮が可能になり、「なぜか好かれる人」になれます。
ビジネスシーンにおいて「なぜか好かれる人」になると、購入率や契約率などもグッとあげることができます。
行動心理学をマーケティングで役立てる方法
ここからは、行動心理学をマーケティングで役立てる方法を事例を用いてご紹介していきます。
カクテルパーティ効果
カクテルパーティーのように、多くの人がそれぞれ雑談しているなかでも、自分が興味のある人の会話、自分の名前などは、自然と聞き取ることができる。
このように、人間は音を処理して必要な情報だけを再構築していると考えられる。
引用:フリー百科事典『ウィキペディア(Wikipedia)』
カクテルパーティ効果とは、別名『音声の選択的聴取』という名称もあり、人混みの中や騒がしい場所でも自分に必要だと思う情報だけは、しっかりと聞き取ることができる現象のことです。
例えば、電車の中でうたた寝をしていたとしても、アナウンスで自分がよく利用している駅名を聞くと自然と目が覚めるといった現象のことを指します。
さらに、「選択的注意」とも呼ばれ、“聴覚”だけでなく“視覚”などにも影響します。
カクテルパーティ効果|広告・宣伝の事例
広告・宣伝の場合、
【限定価格】
このような広告などで、顧客からなぜが反応が薄いと感じた場合、考えられるのは「自分ごとのように思えない」という理由が挙げられます。
カクテルパーティ効果を最大限に活かすと下記のようになります。
【そろそろノートPCを買い替えたいと思っている方にご奉仕特価】
【ECサイトのCV率が低下してきている人へ特別なご案内】
このように、訴求する顧客層をできる限り狭めることで、カクテルパーティ効果が発揮され、顧客から高い反応を得ることができます。
スノッブ効果
スノッブ効果とは、「1点もの」や「限定品」といった“希少性”が高い商品やサービスに心が惹かれる行動心理学のことです。
人間は、「他の人とは違うものが欲しい」「みんなと被りたくない!」といった心理が働く傾向があります。
そのため、顧客は『これは、簡単に手に入れることができない商品です』と聞くと、他者との差異化願望が高まり購入に至りやすくなります。
スノッブ効果|旅行業界「地域限定商品」を販売する場合
旅行会社で「地域限定商品」を販売する場合、
・「たわわ」甘酸っぱいアップルパイ(青森の旅行会社)
このような商品を販売する場合、お菓子の名称だけで販売するだけでも購入してもらえるケースもあるでしょう。
しかし、ここでスノッブ効果を最大限に発揮する場合、
・【ここ!青森でしか買えない!】「たわわ」甘酸っぱいアップルパイ
このように「ここに来た人(旅行に来た人)しか買えない」といった“希少性”が高いことをアピールすることで、購買意欲を向上させることができます。
バンドワゴン効果
バンドワゴン効果とは、「人と同じもの・流行が好き」「周りの評価が気になる」といった頃で行動が左右される心理学のことです。
先程のスノッブ効果と全く別の心理が働き、他者の所有や利用が増えるほど需要が高まる心理効果です。
人間は、「行列ができるイタリアン」「全米が泣いた映画」と聞くと「私も食べたい!」「観たい!」といった、商品やサービスへの購買意欲に訴求ができます。
現代で例えると、消費者がSNSのフォロワー数が多いアカウントを見たとき「こんなに人気なら私も...」と認識することで、なんとなくフォローをする傾向がある心理的行動のことを指します。
バンドワゴン効果|社会的評価をPRする場合
社会的評価をPRする場合、
- 「芥川賞受賞」
- 「業界シェア率1位獲得」
- 「ヒルナンデスで紹介させた!」
- 「TV・雑誌、数々のメディア記載!実績多数!」
- 「食べログ評価 星〇点」
このように、文を記載するだけで長蛇の列ができたり、ECサイトへのアクセスが急激に伸びることがあります。
これは、“多数の人に支持されている”と認知されるため、バンドワゴン効果が働き、その商品やサービスがさらに選択されやすくなります。
ハロー効果
ハロー効果とは、心理学者のエドワード・ソーンダイクにより提唱された心理効果で、一つの特徴に引っ張られてしまい、他の特徴も歪められて見られるという現象のことです。
ハロー効果は、第一印象でその人のイメージが全て決めつけられてしまうので、【イメージ】を操作するようなものです。
例えば、A君「東大卒」B君「高卒」の2人が大手企業の集団面接を受けようとします。
B君がどんなにいい発言をしたとしても、面接官からするとハロー効果が働いてしまい、A君の“特徴的な一面(高学歴)”に大きく影響を受けてしまいます。
つまり、A君の他の欠点には目もくれずに、評価や印象を「A君の方がいい!」と歪めたて認知をしてしまいます。
ハロー効果|メディアの広告事例
例えば、マーケティングで活用する場合、テレビCMやLP広告で活用ができます。
顧客は、商品やサービスを「全く知らない」「使ったことがない」のにも関わらず、CMやLP宣伝を有名な芸能人・高感度の高い人(インフルエンサー)を起用すると、
- 「あの俳優さんが使っている化粧品だから安心」
- 「大好きな〇〇社長が使用しているなら、良い商品に違いない!」
- 「雑誌・メディアで紹介された会社だから入社したい」
このように思ってしまう傾向があり、購入や安易に入社したいと思い面接を受けたりと、“一部の特徴”に引っ張られる傾向があります。
上記のように、マーケティングで役立てる際は、顧客が持つ企業のイメージをコントロールすることで、認知度の向上につなげることができます。
ザイオンス効果
ザイオンス効果とは、相手との接触を何回も繰り返すことで高感度や評価が上がるという心理効果です。
ザイオンス効果は、アメリカの心理学者ロバート・ザイオンスが提唱した心理効果です。
人は、興味関心がないモノ・ヒトでも、何度も目に触れたり、接する機会が増えると、次第に対象物にいい印象を持つようになる傾向があります。
これは、接点回数が増えるほど警戒心が低下し、親近感を持つ心理を利用しています。
ザイオンス効果|営業の場合
例えば、保険の営業マンが取引先に1度断られた場合でも、まったく商品やサービスに関係なくとも、
「弊社のロゴが入った来年のカレンダーをお持ちいたしました!良かったら貰ってください。来年もよろしくお願いします!」
このように、なんらかの理由をつけ相手との接触頻度が増えることで、ザイオンス効果が働き、自然と高感度を上げることができます。
つまり、ザイオンス効果を取り入れることで、訪問回数が少ない営業マンよりも印象が残りやすくなります。
ストループ効果
ストループ効果とは、文字色の情報と文字の意味が持つ情報が、矛盾している場合、答えを出すまでに時間がかかってしまうという心理効果のことです。
上記の画像で例えると、『指定枠の文字色の名前を答えてください』という質問で、
- 青の色で記載されている「あお」
- 黄色で記載されている「あお」
この2つのなかで、2.黄色で記載されている「あお」の方が答えるのに時間がかかるという現象のことです。
ストループ効果|看板や広告画像のを適した表現にする
ストループ効果をマーケティングで取り入れる場合は、広告など顧客から直感的に認識される状況に対して、適切な表現をすることでストループ効果を高められます。
人間は、情報を効果的に取り入れるために与えられた情報から、自分で勝手に想像してしまうという働きがあります。
そのため、顧客の想像を裏切らないような表現を組み合わせることが非常に重要になります。
ストループ効果を最大限に発揮させるには、広告文と使用画像との『整合性』を重視することで、効果的なマーケティングにつながる。
松竹梅の法則
松竹梅の法則とは、人間は極端な選択を避けたいという心理があり、3つの選択肢のなかで真ん中を選ぶ傾向があるという法則のことです。
営業マンが商談の際に取り入れることがよくあります。
このように、「少し高い」という気持ちになった直後に、一番やすい価格を提示します。
そうすると、取引先は「そこまで品質を落としたくない」という気持ちになり、中間価格を選ぶようにするテクニックです。
松竹梅の法則|フレンチレストランの事例
マーケティングで活用する場合、
- 「松」9,000円のコース
- 「竹」7,000円のコース
- 「梅」5,000円のコース
フレンチレストランで3つのコースがある場合、多数の人が中間価格の「竹」7,000円のコースを選択する傾向があります。
松 :竹: 梅 = 2:5:3
つまり、「梅」5,000円のコースの方が安いにも関わらず、「竹」7,000円のコースが売れるということです。
マーケティングにおいて、1番売りたい商品を真ん中に持ってくることで「買ってほしい商品」を効果的に販売することができます。
アンカリング効果
アンカリング効果とは、情報量に限りがある場合に、先に与えられた(アンカー)情報を基準に、検討を始めるという現象を表す認知バイアスの1種です。
アンカリング効果は、人間が先に認知している情報をもとに、その後の判断を歪めてしまう行動心理学になります。
そのため、日常で無意識に使っていることが多いため、マーケティングでも用いられます。
アンカリング効果|株式投資の場合
株式投資の場合、銘柄の過去の情報を確認して購入する人が多いのではないでしょうか。
- 「過去〜年で〇〇%上昇した」
- 「上場〜カ月で〇〇円上昇した」
このような情報をもとに購入することは、アンカリング効果が影響しているといえます。
【高値覚え】
➡︎ 過去に2,000円だったのだから今1,000円だが、よくよくは上がるはずだと判断すること。
【安値覚え】
➡︎ 下落した際の印象が強いため、銘柄を買えないと判断すること。
証券用語で「高値覚え」「安値覚え」があります。このような用語もアンカリング効果が働いています。
過去の情報は、その銘柄の将来を保証するものではないにも関わらず、過去の情報が印象強いことで、今後も「上昇・下落する」と判断しがちになってしまいます。
テンション・リダクション効果
テンション・リダクション効果とは、緊張状態から解放されて気持ちに緩みが生じた状態を指します。
たとえば高額な商品を購入した後は、手頃な価格の商品であれば購入しやすくなります。
このようなテンション・リダクション効果を活用すれば、商品のセット販売やサービスのオプション追加が実現する可能性があります。
テンション・リダクション効果|マーケティング活動の事例
マーケティングで活用する場合、次のような施策がおすすめです。
- 高額な商品を販売した後に手頃な商品やオプションを提案する
- 高額な商品とともに手頃な価格の商品をあわせて販売する
ネットショップの場合、商品の購入画面でオプションの追加を提案したり、買い物かごに高額商品を入れた時点で「こちらの商品もいかがですか?」と、ほかの商品もあわせて提案するとセット購入してもらいやすくなります。
まとめ
マーケティングにおいて、行動心理学を知っておくとで、顧客心理をコントロールすることができ、商談や営業などビジネス場面で活用することができます。
- 「どうしても購入まで至らない」
- 「クリック率が悪い」
- 「もっと効率的に販売することはできないのか」
行動心理学は、このような数々の悩みを解消してくれる手助けをしてくれます。
ぜひ、行動心理学を学びマーケティングに役立てていきましょう。
年商5億円を超えさらなるスケールアップを目指す経営者必見!
あなたのビジネスをスケールアップさせる集客と組織作り、
さらに、成功事例やここだけのお得な内容をお届け致します。