アーリーアダプターとは?マーケティング戦略で重要な理由

最終更新日: 2024/02/26 公開日: 2022/05/11

アーリーアダプターとは、今後世の中に普及する可能性のある新技術やサービスをいち早く試すユーザー層のことです。

マーケティング業界でよく知られている理論の1つに、ユーザーを5つの層に分ける「イノベーター理論」があります。

イノベーター理論の5つの層は下記の通りです。

  • イノベーター(革新者)
  • アーリーアダプター(初期採用者)
  • アーリーマジョリティ(前期追随者)
  • レイトマジョリティ(後期追随者)
  • ラガード(遅滞者)

中でも、とくにアーリーアダプターへのアプローチがマーケティングでは重要な戦略といわれています。

なぜアーリーアダプターを意識することが重要なのか、成功したビジネスの事例とあわせて確認していきましょう。

アーリーアダプターの特徴

アーリーアダプターとは、今後世の中に普及する可能性のあるサービスをいち早く試すユーザー層を指します。

割合としては市場の13.5%とされていることから、先見の明がある人々といえるでしょう。

最も先を見ているとされるイノベーターは極めて先進的である反面、実社会での価値観や常識と乖離しているケースが見られます。

一方、アーリーアダプターは新しいサービスや技術を導入することで生じる利害をイノベーターよりも冷静に捉えているのです。

アーリーアダプターはバランス感覚に長けており、口コミや評判がアーリーマジョリティに届きやすい傾向があります。

インフルエンサーと呼ばれる人々の多くが、アーリーアダプターに属しているのです。

マーケティングでアーリーアダプターを意識するべき3つの理由

マーケティング戦略を立てる上で、なぜアーリーアダプターを意識することが重要なのでしょうか。

主に3つの理由から、アーリーアダプターに向けたマーケティング戦略が重要といわれています。

商品普及期のオピニオンリーダーだから

アーリーアダプターは「新しいもの好き」であり、多くの人々から「先見の明がある人物」として一目置かれています。

アーリーアダプターが注目しているものは今後流行する可能性があるため、追随する消費者が関心を持つきっかけとなり得るのです。

商品普及期において、リリースされて日の浅いサービスや製品にはまだ十分な知名度や信頼性がありません。

好奇心から「試してみよう」と手を伸ばしてくれるアーリーアダプターは、商品普及期のオピニオンリーダー的存在といえます。

社会的価値の指標となるから

アーリーアダプターは、イノベーターほど遠い未来を見据えて行動しているわけではありません。

導入することでメリットがあると感じ、一定水準の安心・安全が立証されていると確認できるものを取り入れます。

アーリーアダプターが興味を示し始めた時点で、すでにある程度の社会的価値が認められていることになるのです。

逆に、アーリーアダプターが関心を寄せないようなら、世の中において「新しすぎて受け入れられない」可能性があります。

アーリーアダプターに浸透するかどうかは、サービスの社会的価値を計る指標となり得るのです。

サービス改善のヒントを与えてくれるから

アーリーアダプターは、いち早く新しいサービスや製品に興味を示し、実際に使ってくれます。

まだ十分なユーザーが獲得できていないサービス・製品の黎明期において、ユーザーの貴重な声を届けてくれるでしょう。

ユーザーが手に取って利用した感想は、開発企業にとって思いも寄らない改善のヒントとなるはずです。

実際、試作版をアーリーアダプターに使用してもうらうことで、サービス改善の重要なヒントを得られるケースは少なくありません。

アーリーアダプターの反応を見てサービスをブラッシュアップすることで、より広い層への普及を実現できる可能性があるのです。

アーリーアダプターを意識したマーケティング戦略の注意点

アーリーアダプターへの認知度を高める上で欠かせない概念として「キャズム理論」が挙げられます。

キャズムとは、イノベーターとアーリーアダプターの間に横たわる「溝」のことです。

サービスを開発・提供する側は、しばしば「新規性」を重視しています。

しかし、アーリーアダプターが重視するのは目新しさだけではありません。

サービスに対する安心感や信頼性を感じられないと、キャズムを超えられないのです。

ユーザー層市場における割合重視する価値観
イノベーター2.5%新規性・革新性
アーリーアダプター13.5%新規性・革新性+安心感・信頼性
イノベーターとアーリーアダプターの違い

イノベーターとアーリーアダプターを合わせると、市場の16%にサービスが浸透することになります。

アーリーアダプターを獲得できれば、普及率16%を目指せるわけです。

16%の壁を越えるには、サービスへの安心感信頼性を実感してもらえる設計・運用にしていく必要があるでしょう。

アーリーアダプターの獲得によって成功したビジネスの事例

アーリーアダプターの獲得により、ビジネスを成功へと導いた事例を紹介します。

皆さんが実際に利用したことのあるサービスも含まれているはずです。

どのような戦略を功を奏したのか、詳しく見ていきましょう。

Uber

タクシー配車サービスUberは2009年に設立され、2022年1月現在65ヶ国でサービスを展開しています。

スマートフォンアプリによってタクシーをマッチングする仕組みは、当初シリコンバレーで働く人々をターゲットに定めていました。

情報感度の高いIT従事者が集結しているシリコンバレーは、新たなサービスの普及に最適な環境だったのです。

Uberを利用したアーリーアダプターがSNSなどで利便性を拡散した結果、世界的に知られるサービスへと成長を遂げました。

最初に普及させたいターゲットを絞り込んだ結果、アーリーアダプターの獲得に成功した事例といえます。

Airbnb

民泊仲介サービスとして2008年にアメリカで設立され、191ヶ国600万件以上の宿泊先を扱うAirbnb。

旅行会社がプランを用意し、プランに従って行動するという旅行業界の常識に一石を投じました。

宿泊先の提供者(ホスト)が大手広告サイトに広告を掲載できるようにしたことが、爆発的に認知度を高めるきっかけとなりました。

2022年1月現在、Airbnbは世界10万都市以上に普及し、1日あたりの利用者は200万人にものぼります。

認知度の高い既存のサービスを活用し、サービスの浸透に成功した事例といえるでしょう。

Snapchat

2011年にリリースされたSnapchatは、サービス開始翌年には10億枚以上の写真が共有されるほどの人気を博しました。

従来、インターネット上に公開された画像は半永久的に残り、共有され続けるのが常識とされていました。

Snapchatではアップした画像が最長10秒で消え、リプレイするチャンスも一度しかありません。

ユーザーは「SNS映え」を気にすることなく、仲間同士で身近な出来事を気軽に投稿できるのです。

SNS疲れが慢性化しつつあった中、SNSとの新たな距離感がミレニアル世代を中心に高く評価されました。

既存のサービスが抱えていた課題を解消し、サービスの前提や概念を覆した事例といえます。

まとめ

アーリーアダプターの特徴と、マーケティング戦略における重要性について解説してきました。

サービスが広く普及し、多くの人に利用されるかどうかはアーリーアダプターの獲得にかかっていると言っても過言ではありません。

ぜひ今回の記事を参考に、アーリーアダプターを獲得するための戦略を考えてみてください。

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最終更新日: 2024/02/26 公開日: 2022/05/11