マーケティング活動において、ターゲット顧客や見込み顧客のデータを収集し把握することは非常に重要です。
顧客を把握することで初めて、次のように利益率を最大化する方法が見つかります。
- 「何を求められているのか」
- 「どのような売れる仕組みづくりをすればいいのか」
- 「今売れている商品は正しいターゲットに届いているのか」
マーケティング施策をして利益率を最大化させるためにも、デモグラフィックを理解することはとても大切です。
今回は、デモグラフィックについての解説と、マーケティングで活用する3つの方法やデータの収集方法についてご紹介します。
デモグラフィックとは?
デモグラフィック(demographic)とは、英語訳の意味どおり『人口統計学』という意味です。
マーケティングにおいては、人口統計学に関する“属性”を表します。一般的に顧客を分析する際に使われるマーケティング用語です。
主に顧客の年齢、性別、年収、学歴、宗教、職業といった様々な経済的データのことを指します。
それぞれの経済的データのことを「デモグラフィック変数」といいます。
デモグラフィック変数によって「顧客の行動」「生き方」などを把握でき、マーケティング戦略で有効なターゲット層を効率よく洗い出すことが可能になります。
また、個人それぞれの社会的な属性に沿ってマーケティングを実施していくことが可能になるため、コストだけがかさむといった無駄な行動を減らすことができます。
デモグラフィックをマーケティングに活用するメリット
デモグラフィックは総務省統計局の政府統計ポータルサイト「e-Stat」で簡単に入手することができます。
コストや手間をかけずに有効なデータを収集できるので、個人やマーケティング初心者にも活用しやすいデータといえます。
「e-Stat」ではさまざまな角度からデータを検索可能なほか、ジオグラフィックデータも入手できるので、データ収集と分析の手間を抑えてマーケティング戦略が立てられます。
デモグラフィックを指標としたSTP分析とは
STP分析はSegmentation(セグメンテーション)・Targeting(ターゲティング)・Positioning(ポジショニング)の頭文字を取ったマーケティングの代表的なフレームワークで、デモグラフィックを指標としています。
●Targeting:狙う市場を絞り込む
●Positioning:優位に立てる位置を検討する
このセグメンテーションにあたる部分にでもグラフィックを活用します。
STP分析はおもに新規事業を展開するときに役立つフレームワークで、顧客のニーズやパーソナリティを把握するのはもちろん、自社製品の強みを明確化し、競合他社と差別化したマーケティングを実施するのに役立ちます。
「ジオグラフィック」「サイコグラフィック」「行動変数」との違いとは?
デモグラフィックと同時によく使われる「ジオグラフィック」と「サイコグラフィック」、「行動変数」との違いについて解説していきます。
それぞれの違う視点から顧客の属性に分類することで、具体的に下記のような意味になります。
デモグラフィック(人口統計学属性) | 顧客を人口統計学的にデータ化し分類するための切り口のこと。 「性別」「年齢」「年収」「職業」「経歴・学歴」等。 |
ジオグラフィック(地理学統計属性) | 顧客を地理学的にデータ化し分類するための切り口のこと。 「国籍」「領域」「居住地」「地域」「現在地」等。 |
サイコグラフィック(心理学的属性) | 顧客を心理学的にデータ化し分類するための切り口のこと。 「ライフスタイル」「性格」「価値観」「日々の習慣」「生き方」等。 |
行動変数 | 顧客が購買を決定する要因をデータ化し、新規客とリピート客に分類するための切り口のこと。 「商品やサービスへの知識」「態度」「購買頻度」等。 |
マーケティングにおいて、どれか1つに絞って顧客分析を行うのではなく、次4つのデータを収集しましょう。
- デモグラフィック
- ジオグラフィック
- サイコグラフィック
- 行動変数
さまざまな角度から顧客を分類することで、ターゲットをより詳しく把握することができマーケティング活動で役立ちます。
デモグラフィックをマーケティングで活用する4つの方法
ここからは、デモグラフィックをマーケティングで活用する4つの方法をご紹介していきます。
デモグラフィック変数のデータは、マーケティング活動で有効なターゲット層を洗い出すことが可能になるため、とても重要な役割をしています。
ターゲット顧客の年齢、性別、年収などの項目を元にマーケティング戦略を行うことは、顧客の購買行動に直接的に関わってきます。
そのため、デモグラフィック変数のデータを洗い出すことで、ターゲット顧客の購買意欲にピンポイントで訴求することができ、成約率や購買率をグッと上げることができます。
どんな顧客層が商品やサービスを利用しているか確認する
デモグラフィックをマーケティングで活用する方法の1つ目は、どんな顧客層が商品やサービスを利用しているか確認するときに有効です。
自社の商品やサービスを購入してくれた顧客のデモグラフィックを把握することができれば、どのような顧客が商品を購入してくれているのかを認知することができます。
どのような顧客が商品を購入しているのかを認知することの重要性
マーケティング活動を行なっていく際に、自社商品やサービスが想定外のターゲットに売れる場合があります。
例えば、30代男性に向けた商品を売り出したが、実際には50代の男性から支持を得ることもあります。
その際に、顧客のデモグラフィックを把握していないと「30代の男性に売れている」と勘違いしたままマーケティング活動を行なってしまう可能性があります。
これでは、せっかくのいい商品やサービスを制作しても無駄な活動が増え失敗に終わってしまうリスクがあります。
そのため、マーケティングにおいてデモグラフィック変数のデータに沿って、どのような顧客が商品を購入してくれているのかを認知することは非常に重要といえます。
ターゲット顧客がどこにいるのか確認する
デモグラフィックをマーケティングで活用する方法2つ目は、ターゲット顧客がどこにいるのか確認するときに有効です。
デモグラフィック変数のデータを活用すれば、自社の顧客がどういう人か把握するだけではなく、ターゲット顧客がどこにいるのかを認知することができます。
そもそも顧客は、それぞれのデモグラフィックの分類によって居る場所(集まる場所)が異なってくるため、どこにいるのかを認知することはとても重要です。
事例:SNS広告の出稿
例えば、SNS広告を出稿する場合は、ターゲット層のデモグラフィックに沿って出稿先を選定するのが通例です。
- 年齢層が若い10代〜20代の女性であれば「Instagram広告」
- 30代男性のビジネスマンがターゲットであれば「Facebook広告」
こうすることで、ターゲット顧客がいるところに広告費を使うことが可能になります。
デモグラフィックをマーケティングで活用することで、ターゲット顧客がどこにいるのかを認知することが可能になので、効率よくマーケティング施策を実装していきましょう。
→ 費用対効果が高いマーケティング活動や集客が可能になる。
現在の顧客が正しいターゲットになっているかの判断をする
デモグラフィックをマーケティングで活用する方法の3つ目は、現在の顧客が正しいターゲットになっているかの判断をするときに有効です。
デモグラフィック変数のデータを把握していれば、現在の顧客がマーケティング戦略上で正しいターゲットなのか判断ができます。
事例:ターゲット顧客年収「1,000万円」と「200万円」
例えば、年収1,000万円の顧客であれば、少々高額な製品を提供しても購入に至る場合があります。
一方、年収200万円の顧客であれば、いくら価値がある製品であっても高額な商品を購入することは少し難しいでしょう。
年収200万円の顧客に売り続けてしまっていることに気づかず「売れない...」と安易に判断してしまい、価格を下げるといった「価格競争」に陥る可能性があります。
それぞれの顧客で使用できる金額が大きく変わってくるため、デモグラフィック変数のデータを参考に、現在の顧客が正しいターゲットかの判断をすることが必要になります。
→ 利益率を確保できる顧客層を明確に把握することができるため、利益率を最大化することができる。
デモグラフィック変数のデータの収集方法
デモグラフィック変数のデータの収集方法をご紹介します。
アンケートを実施する
デモグラフィック変数のデータの収集方法1つ目は、アンケートを実施することです。
購入に至った顧客や見込み顧客に直接聞くという収集方法です。メールマガジンや公式LINEを上手く活用することでデータを収集できます。
また、セミナーを開催したのであれば実際に参加して頂いた顧客にアンケートを実施すれば、精度の高いデモグラフィック変数のデータを収集することが可能です。
精度の高いデモグラフィック変数のデータを収集することができれば、方向性の違う顧客を避けることが可能になりリピート率を向上させることに繋がるので顧客アンケートはマーケティング施策において必要不可欠だといえるでしょう。
アナリティクスを確認する
デモグラフィック変数のデータの収集方法2つ目は、アナリティクスを確認することです。
SNSの場合、YouTube、Instagram、Twitterなどの媒体であればアナリティクスを確認することができます。
アナリティクスのデータを確認すれば、簡単にデモグラフィック変数のデータを収集することができます。
しかし、アナリティクスだけでは、デモグラフィック変数のデータを収集するだけで留まってしまい、「ジオグラフィック」と「サイコグラフィック」のデータ収集が難しくなります。
デモグラフィック変数のデータを収集する場合は、「ジオグラフィック」と「サイコグラフィック」のデータも同時に収集しておきましょう。
ターゲット顧客を正確に特定するためには、できるだけ多くのデータが必要になります。
そのため、数字として可視化できるアナリティクスだけではなく、アンケート結果で得た実際の意見なども含めてターゲット顧客を選定していきましょう。
パネル調査のデータを確認する
デモグラフィック変数のデータの収集方法3つ目は、パネル調査のデータを確認することです。
パネル調査とは、調査に該当する人を固定(パネル化)して定期的に調査を行うことをいいます。同じ対象者に同じ質問を長期的に何度も行っていきます。
パネル調査のデータを確認することで、年齢や住まいなど簡単にデモグラフィック変数のデータを収集することが可能なのです。
一方、単発的な調査で「アドホック調査」があります。
デモグラフィック変数のデータを収集するために、どちらのデータからでも収集は可能ですが、単発的なデータでは得られない“高精度なデータ”を収集できるパネル調査のデータを確認しましょう。
パネル調査は、長期的かつ定期的に調査を何度も行うため、1番新しい顧客データを収集できるからです。
➡︎アドホック調査のデータは、単発的な調査のため過去のデータも含まれてしまいます。
まとめ
デモグラフィックとは、『人口統計学』という意味になります。
マーケティングにおいては、人口統計学に関する“属性”のことを指していて、顧客の年齢、性別、年収、学歴、宗教、職業といったデータを収集し把握することが重要です。
利益率を最大化させるためにも、デモグラフィック変数のデータを参考に、ターゲット顧客を選定していきましょう。
また、「デモグラフィック」だけに偏るのではなく、「ジオグラフィック」「サイコグラフィック」3つを同時にデータ収集しておくことが大切になります。
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