フィリップ・コトラーのH2Hマーケティングとは?重要な3要素を解説

最終更新日: 2021/12/28 公開日: 2022/01/11

2020年からの新型コロナウィルス感染拡大により、ビジネス界、マーケティング活動に大きな変化をもたらしています。

そのため、時代の急速な変化と共にマーケティング思考もシフトしていかなければいけません。

コロナの影響により、この先を予想することが不可能になっているなか「未来のマーケティングはどんな姿をしているのか」と疑問を抱えているのではないでしょうか?

今回のご紹介するH2Hマーケティングで重要視されているのは、商品のクオリティや収益といった「販売視点」ではなく「信頼」「他者への奉仕」という人間の価値に視点を置くことです。

ここからは、マーケティングの父とも呼ばれているフィリップ・コトラーが提唱した「H2Hマーケティング」について詳しく解説していきます。

現代のマーケティングについて

まずはじめに、現代のマーケティングについて詳しく解説していきます。

信用なくては有意義な関係は、ほぼ不可能

現代のマーケティングにおいて、消費者との信用なくては有意義な関係は、ほぼ不可能です。

これからは、消費者の信用をなくしては生き残っていけないということになります。

分かりやすい例で、「Amazon」「ウーバーイーツ」といったECプラットフォームの場合では、何万個以上の商品やサービスをサイト上に表示させて、顧客が購入ボタンをクリックします。

その後、商品を発送して見てもいない実物の商品が、ようやく顧客の手元に届きます。

顧客側からすると実物を見ていなくても“信用”があれば、「Amazonだから安心して注文ができる」「他の出前アプリより丁寧で迅速だからウーバーイーツで注文しよう!」となります。

つまり、このようなビジネスモデルは「信用」を無くしてしまっては生き残っていけないため、有意義な関係を築く取り組みが重要になります。

現代のマーケティングは、どこへ向かっているのか?

現代のマーケティングは、どこへ向かっているのか?といいますと、H2Hマーケティングを創造していき、よりよい存在意義に向けて専念していくことです。

よりよい存在意義に向けて専念していくということは、顧客と価値を共創し、企業が提供する価値を適切に伝えることに注力することが重要になるということです。

マーケティングは、人々の生活に大きな影響を与えて長期的な問題を解決していき、価値を創出する必要があります。

そのため、まずは相手を犠牲にして成果や利益を得る仕組み・売り込みといった非生産的なマーケティング活動をやめることが第一歩となります。

非生産的なマーケティング活動とは、

  • いきすぎた営業(売り込み営業)
    • 顧客から「売りたいだけでしょ」といったイメージ付けをしてしまう。
  • とりあえず認知度を上げたいため、大量の経費を使いSNSに広告を出すマーケティング活動。
    • 費用対効果が著しく低い場合でも、「とりあえず広告」といった行い。

このような行いをやめ、顧客と価値を共創し、よりよい存在意義に向けて専念していきましょう。

■ 非生産的なマーケティング活動を辞めることで得られるメリット
・無駄な活動(企業にとってメリットがない活動)を無くす対策になる。
・顧客を犠牲にすることで成り立つビジネスは短命で終わるため、長期的なマーケティング活動を行うきっかけになる。
・なによりも信頼を築けるようになる。

フィリップ・コトラーのH2Hマーティングとは?

フィリップ・コトラーのH2Hマーティングとは、ヒューマン・トゥ・ヒューマンの略で、人間中心のマーケティングのことです。

人間中心のマーケティングとは、マーケティング活動において消費者だけが対象者ではないということです。

  • 従業員
  • 取引関係者
  • 株主、投資家

といった、顧客を含めたパートナー全てとの交流を深めていきながら、企業革新に重要なマーケティング活動を行っていくプロセス全てのことを指します。

今後のマーケティングでは、顧客中心主義から人間中心主義シフトしていき、人間が今抱えている問題を解決していく取り組みを重要視する必要があります。

H2Hマーケティングモデルの3つの要素

H2Hマーケティングモデルには、3つの要素があります。

  1. デザイン思考
  2. サービス・ドミナント・ロジック(S-DL)
  3. デジタライゼーション

といった3つの要素を統合して新しいマーケティング思考へアプローチしていきます。

デザイン思考

H2Hマーケティングの1つ目の要因「デザイン思考」とは、顧客に対し深い洞察をベースとした思考法のことです。

消費者側のライフスタイルでさまざまな場面で起こり得る複雑化された問題を解決するために、「人間中心」体系的なアプローチを行う思考法が重要になります。

従来は、形・レイアウトといった芸術的アプローチに視点を当てていましたが、現代は顧客のニーズや革新に視点を当てていくことが大切になっています。

■ H2Hマーケティングモデルのデザイン思考
デザイン思考は簡単に言えば、デザインを行う際の「芸術的感性」「技術・手法」を使って、徹底的に顧客志向に基づきながらモノ・サービスを創出していくこと。
 ➡︎企業戦略で実行可能なものを選定するため、顧客価値を徹底的に理解しイノベーションに活力を与えることが目的です。

サービス・ドミナント・ロジック(S-DL)

H2Hマーケティングの2つ目の要因「サービス・ドミナント・ロジック(S-DL)」とは、顧客との関係性を重要視しながら価値の共創を取り入れ、ネットワーク型の考えにシフトしていくことです。

企業の活動は、ただの“手法”であり“モノ”自体もサービスを提供する媒体に過ぎないため【サービス】を再定義し、「生産者の観点」から「顧客の観点」へシフトするという考えのことです。

サービス・ドミナント・ロジック(S-DL)で【Google】が一番分かりやすい例です。

Google側が提供している「Google Chrome」は、“モノ”ではなく「検索」「ナビゲーション」といった通信サービスです。

FacebookやWhatsApp、zoom等も消費者に【サービス】を提供しています。

現代において、多くの企業が【サービス】を中心としたビジネスモデルへ変革していくことが重要ということになります。

さらに、【サービス】の価値は企業が決めるのではなく、顧客の手に渡り始めて価値が生まれるものです。

そのため企業は、モノやサービスそのものより、顧客が「体験」や「経験」を通じて得られる価値は何か?ということを重要視していきましょう。

デジタライゼーション

H2Hマーケティングの3つ目の要因「デジタライゼーション」とは、アナログデータをデジタルデータに変換する行いのことです。

紙の情報をデータ化するためのプロセスすべてのことをさします。

デジタライゼーションを行うことで、

  • 企業の新しい領域
  • ビジネスモデルの革新
  • 新しい技術の進化

といったことを生み出すことが可能になります。

デジタライゼーションが重要視される背景

デジタライゼーションが重要視される背景には、新型コロナウィルスが大きく影響しています。

ロックダウンや外出自粛などが影響し、非接触ビジネスが必要になりました。

そのため、保健所や医療機関などアプリケーションでの予約を行えるようアプリを適用する取り組みを行なっています。

また、オンラインサービス(ネットショッピング等)を避けていた顧客も、デジタルサービスを使用せざるを得なくなりました。

さらにコロナ禍前から、スマートフォンやPCで映画やニュースを閲覧することが可能になっているため、テレビ業界にも大きな変化をもたらしています。

テレビを視聴する顧客は減少し、ネットフリックスやAmazonプライムといったストリーミングサービスが主流の時代に変化しています。

そのため、デジタライゼーションが重要視されています。

まとめ

H2Hマーティングとは、ヒューマン・トゥ・ヒューマンの略で、人間中心のマーケティングのことです。

なによりも重要視する点は、売り込みや利益などではなく「人間そのもの」ということです。

現代において、人間の抱える問題点を解決していくために有意義なマーケティング活動を行う必要があります。

そのためには、「利益至上主義を捨てること」「誠実さを忘れず"ただ売りたい”といった悪意のあるマインドを捨てること」から始めていきましょう。

その後のマーケティング活動は、顧客と価値を共創し、企業が提供する価値を適切に伝えることに注力していくことが重要になります。

最終更新日: 2021/12/28 公開日: 2022/01/11
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